1. グランド・イリュージョン
《ネタバレ》 続編を観ようと思ったが前作の記憶が薄れているものだから再鑑賞。 映画でマジックを題材にするというのはなかなか難しいと思う。カット割りでどうとでもなるし特にCG技術が発達した今ではどんなすごいイリュージョンを見せつけても「ふーん」で済まされてしまう恐れがある。映画というハッタリの中で二重にハッタリをするのは大変なことだ。本作もそのリスクを回避できているとは言えない。が、この作品は四人のマジシャンは目的があるのではなく誰かの指令のままに動いているというところが少し不思議で興味の持続に繋がっている。作品自体もテンポが良く進んでいくのでこの流れに乗るかという気にもなってくる。 キャストも豪華だが実力派が多いから安心して観ていられる感もある。あ、安心しちゃダメか。この手の映画はハラハラしないと!メラニー・ロランがやはり綺麗だった。フォー・ホースメンの方たちは是非近所に来て自分の口座を数桁増やしていって欲しいもんです。 [インターネット(吹替)] 6点(2017-10-25 02:35:39)(良:1票) |
2. ダンケルク(2017)
《ネタバレ》 IMAXで観た。ちらほら評価を見ていると期待外れなのかなという印象で観に行ったが楽しめてしまった自分がいる。 不思議な映画である。敵兵の姿も見えないし陰惨なシーンがあるわけでもない。それどころか人を直接的に殺すシーンってあったっけ?もちろん人が死ぬシーンはあるのだが。カメラは役者に近くIMAXで観れば腹に響くような重低音が続き、冒頭の銃撃からこれは観客に体感させる映画であることに気づく。ノーランらしからぬ上映時間の短さには途中で納得がいく。これが二時間半以上あったらさすがにしんどいだろうと。 大規模な作戦だが焦点は絞ってある。三つの視点から描く。だが同時並行ではない。時間軸をいじってある。そこら辺が「メメント」の時から小賢しいなあと思うところだがこの作品を普通に描いたら恐らく退屈になるのは想像できる。ずらして描き観客の理解を遅らせる。理解した瞬間に刺激が生まれる。この監督はどうしたら映画的な刺激を産み出せるかをいつも頭で考えている監督なのだろう。だからこの監督から純粋な面白さというものを味わったことはあまり多くない。だが凄いとは何度も思わせられるからいつも新作を観てしまう。三つの時間軸を終盤に集約させ畳みかける作りは器用そうに見えてかなりの力技に思えた。成熟や老熟とはまだまだ無縁な感じで未だ若々しい演出の監督だがだからこそ新作の度に注目され話題になるのだろう。 陰惨なシーンの積み重ねではなく生かそうとする行動の積み重ねで出来上がっているので戦争映画を観終わったとは思えない印象が残る。「生き残ってきただけだ」「それで充分だ」本当にそう思う。新感覚の戦争映画と言っていいのではないだろうか。 [映画館(字幕)] 8点(2017-09-11 01:40:21)(良:1票) |
3. アサシン クリード
《ネタバレ》 久々にひどい映画を観た。役者は主役脇役共に中々に豪華。スタッフの顔ぶれを見ても映画ファンなら見たこともある名前がちらほら。金もかかってそうだし映像やアクションもそれなりに作っているのに恐ろしいくらいつまらない。 90分以下の映画の内容を引き伸ばして見せられているような感覚が続き、思わせぶりなセリフやアクションの決めポーズにすら段々とイラついてくるのが自分で分かってくる。ゲームの方は以前プレイしたことがあるが経験者に「で、こいつら何やってるんだ?」と思わせたら終わりでしょう。ストーリーが進んでいるのかもよく分からず終盤には「早く終わってくれ」「え?これで終わり?」と観る側に妙な葛藤をもたらす。葛藤は映画のドラマの中で産んでくれ。 こんな妙な作りなら現代のシーンはバッサリ捨てて暗殺者集団のドラマを娯楽活劇として描いた方が全然マシだったのではないだろうか。 [ブルーレイ(字幕)] 2点(2017-09-07 23:09:33) |
4. パフューム/ある人殺しの物語
《ネタバレ》 公開時見に行こうか迷った作品だが結局観ないまま今まで来てしまった。ずば抜けた嗅覚の持ち主のかなり変な物語で興味がわく題材だ。 前レビューの方も言及されている通り人外のものと見た方がしっくりくる程の異様な主人公。彼の生い立ちから香水作りを始めるくらいまではテンポよく語られ面白い。中盤は少し中だるみを感じた。だが全体的にはきれいにまとまった作品だと思う。終盤は驚かせる展開だが大乱交が行われていても少しもやらしさを感じないのは監督の感覚なのだろうか。女性の裸は殺される娘たちを含めて多く出てくるがきれいではあっても官能的とは感じなかった。題材のわりに意外とまともに作られすぎている感もあり違う監督で観たかった気がしないでもない。 ベン・ウィショーのナイーブそうな顔。変態性、罪の意識の無さ、汚いなりをしていてもどこか浮世ばなれしている感覚はとても良かった。楽しめたがちょっと尺が長いとは思う。 [インターネット(字幕)] 7点(2016-09-21 03:08:08) |
5. アデル、ブルーは熱い色
《ネタバレ》 この映画の原作がコミックだと知ったのは映画を観終わってからだった。コミックの主人公の名はクレモンティーヌ。映画ではタイトルにもなっているアデル。 なぜ主人公の名をタイトルにしたのかは映画を観ると察することができる。この映画が秀逸なところはアデルを演じるアデル・エグザルコプロスのいろいろな表情を自然に捉えているところだ。喜怒哀楽だけではない。恋人への視線に現れる期待や不安、近くにいるはずなのにふと感じる寂しさ、人物との距離感と彼らに向けられる様々な表情を極自然に捉えているように感じた。原作のクレモンティーヌではなく演じる女優と同じ名を主人公に与えたのはそういった演技を引き出すためだったのかも知れない。 レア・セドゥーとの激しい性描写が話題だが物語は普遍的なラブストーリーだ。一目惚れ、情熱的な恋、破局。それが運命的な恋だったとしても人生は続いていく。少女は大人の女性に変わりまた新たな恋に出会うのだろう。その過程を見事に切り取っている。きっと観る側の精神状態によってもいろいろな表情を見せる映画だと思う。もちろん多くの映画がそうだろうが特に本作はそう感じた。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2015-12-30 18:12:15) |
6. ソフィー・マルソーの三銃士
三銃士の後日譚でダルタニアンに男勝りの娘がいて陰謀に立ち向かう…とあらすじだけ見ると痛快な剣戟アクションを想像してしまうが全体的にゆる~い作り。コメディ調なのだがそれにしてももう少しメリハリが欲しい。そのゆるさに加えて本編が意外と長いのもつらいところ。 ソフィー・マルソーは美しく可愛いくお胸も見せてくれます。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-02-11 01:55:59) |