1. フォーリング・ダウン
《ネタバレ》 一言で言うと、きれる中年の悪いワラしべ長者。 時代背景として行き詰まりつつあるアメリカの白人社会や家庭問題があり、 それらの理由が描かれつつも、やはりおかしくなっていく様を狂気に満ちた演技で擁護しない。 一本道でありながらも実は奥深い作品です。 アメリカについて描き続けるサムメンデス作品をいくつか見た上で観賞すると、 なかなかに味わい深い映画ですが、名作とまではいかないでしょうし、 ただ90年代前半のアメリカの苦悩ってどゆことって映画である割には、 シンプルなところは面白い作り方だなと思います。 [DVD(字幕)] 6点(2016-05-20 19:27:06) |
2. ゼロ時間の謎
《ネタバレ》 アガサ・クリスティーの原作としらずにアガサっぽいなと思って観賞。 それだけに雰囲気はよくできている。まあフランス版犬神家といったところでしょうか。 内容は違うけど、いわゆるお約束ものミステリー。 評価としては原作者が想像できるくらいに雰囲気が出せている点。 マイナス点はこれがとても21世紀の作品に見えないという点。 映画というよりも二時間ドラマのような趣であること。 知っている人が豊かな時間を使って愉しむ分には良作で、 知らずにみてしまうとちょっと辛いのではという作品。 というわけで5点献上。 [インターネット(字幕)] 5点(2016-03-18 13:33:25) |
3. メルシィ!人生
かなり面白い設定から、微妙な着地という印象。 下品なお笑いは私も得意ではないのだけれども、 題材的にはっもうちょっと下品なお笑いをいれないと不足なのでは? 演技は素晴らしいけれどもお話がちょっとパンチ力に欠けていると思います。 軽妙洒脱なハイテンポで幾人モノ人物の悲喜こもごもを描いている技術は高い。 しかしその分主人公の成長や周囲の変化に説得力がないような。 ちょっと全体的に薄味な気が・・・ あと差別のお話ですが、やはりここ10年で大分改善されたのでしょうね。 少し、みんなの感覚がフランスにしては古いように思いました。 こういう映画が一歩一歩差別を打ち破って言ったのかもなどと言い出すと、 高い点数をつけざる得なくなってしまうので目を瞑ります。 体調の良いときに見直したらもうちょっと評価上がりそうですが、今のところはこの点数。 [DVD(字幕)] 5点(2015-12-25 19:57:56) |
4. バンディダス
お気楽コメディを作る際に、作り手までがお気楽になってはいけない。という作品。 全体に締りがなく笑いの要素が希薄でふわふわしたものになってしまっている。 悪役の極悪さもどこか振り切れておらず、憎めないキャラでもないし、非道にもなりきれていない。 主演女優二人が健気に頑張っているところがどこか物悲しい。 このサイトでもポジティブな意見が少ない割には点数がそこまで低くないのは、 ベネロペとサルマの二大南米系美人のおかげでしょう。 監督が二人。という事は製作時に何かあったのだろうけれども、 折角のよさそうな題材が活かされなかった事が残念である。女優の頑張りと美しさだけで5点 [地上波(吹替)] 5点(2015-12-18 16:16:25) |
5. アンダー・サスピション
疑いの中で試される人間性。という映画。 まず、ハックマンの喪失の表情がよい。 よく映画の狙いと自分の特性を理解していてさすが名優でしょうか。 モニカベルッチ、モーガンフリーマン、ほか俳優陣の演技もよく、 映画としてはここで十分及第点といえるでしょう。 お話も構成からよく出来ていてハラハラするのですが、なにせあまり面白くない。 根本的に題材がエンタメにはむいてないことが全てといえるだろう。 [DVD(字幕)] 5点(2015-12-16 14:58:44) |
6. グランド・イリュージョン
手品と映画の親和性が非常に低い事を発見できる映画。 テンポと演技が面白いので爽快感のある作品であるが、 主人公側の武器、つまりは手品が脚本しだいで何でもできてしまうという点が残念。 こうしたクライム系の映画では仕掛けが肝心だが いや手品だったんです。となればこちらもそうですか。 としかいえない。いってしまえばゴジラを召還して追っ手をぶちのめすような 事だって出来てしまうのではなだろうか。 そういう意味で抑制が効いておらず、評価しにくい作品ではあるが、 素直に面白さは確保できている点。 手品としてではなくイリュージョンの映像としては面白い点、 甘めの判断で6点献上。 [DVD(字幕)] 6点(2015-11-08 12:23:10) |
7. バーン・アフター・リーディング
コーエン兄弟の映画つくりの腕の確かさは間違いない。 あとは作りたいもの、その欲求と願望がどこに向うのかだけではないかと思う。 評価がわかれ内容をけなされても、彼らは今回こんな映画をつくろうと思い、 大体、思い通りの結果だったのではないか。 個人的にはかなり面白いと感じたのだけど、 一方で多くの人に伝える努力は放棄されている。 そこがどうにもひっかかってしまい6点。 アーティスト気取りというわけでもないのだろうが、 この映画をそこまで賞賛するのは考え物な気がする。 [映画館(字幕)] 6点(2015-11-07 15:30:54) |
8. ローマ法王の休日
コストパフォーマンスが悪い。 シニカルでユーモラスではあるが面白いわけではなく 全てにおいてよく言えば抑制の効いた演出。上手ではあるが、 それで良くなっているわけではない。 巧くて卓見。 しかし面白さはそこまででもないし冗長。 独りよがりとまではいえないが、 やや自慢たらしい。 シェスタがあって時間を守らない国の芸術家先生の映画である。 [DVD(字幕)] 5点(2015-10-24 17:40:26) |