1. ポスト・モーテム/遺体写真家トーマス
《ネタバレ》 ハンガリーの映画ってなかなか見る機会ないので鑑賞。 遺体写真家という職業がまず興味深いです。昔のヨーロッパでそういうのが多く撮られていて、 昔は死が身近にあったので若くして亡くなる人も多く、まるで生きてるかのように写真にとって残すという需要があったそうな。 本作はそういうのを題材にしていて、舞台背景も戦争とスペイン風邪で多くの犠牲者が出る時代。 地面も凍っていて埋葬も出来ないという状況で、この怪奇村の色彩の乏しい寒々しい画面が実に雰囲気出てます。 ただ、そういうしっとりした題材とは裏腹に、ありとあらゆる怪奇現象が次々に起こるのですがこれが結構堂々たるものでして、 悪霊さんたちがあまりにアグレッシブすぎて(笑)、日本人の感覚的には逆に怖くなくなるのですよね。 ご遺体の集合写真シーンまではまあ良いとしても、終盤は人がどんどん宙に浮いて飛ばされます。 家は沈み、燃え、水没します。臨死体験中のヴィジュアルはクオリティ高くて良かったです。 悪霊たちは何がしたかったのか、これで解決してるのか、なんだかよくわかりません。 不幸な時代で亡くなった人たちの未練が集まってああなった、ということなのでしょうか? にしても、なんで写真家が陰陽師みたいな仕事を任されなあかんのかは疑問ですが。 [インターネット(字幕)] 5点(2025-03-16 15:44:36) |
2. 愛を複製する女
《ネタバレ》 これなかなか面白かったですね〜。 音楽とか全然なくて、ずっと静かな語り口調で物語が展開されていくけど、 途中で飽きたりすることなくずっと集中して観れました。 彼とああいう別れ方しちゃったから、自分でクローンを産もうという その思いはわからんでもない。でも、新しい技術がもたらしたのは、 幸せというよりは新たな複雑さがもたらす苦悩ですね。 それが淡々と映し出されて、けっこう引きこまれました。 一つだけ気になったのは、レベッカと彼の母親が全然老けないこと。 物語の性質上そうしないといけないのかもだけど、 その点だけはちょっと違和感ありましたね。 [DVD(字幕)] 7点(2015-06-07 22:14:06) |
3. 悪童日記
《ネタバレ》 なかなか面白かったですね〜。 戦争映画は数あれど、そのほとんどが戦闘シーンやグロテスクな殺しを見せて 戦争の悲惨さを訴えるものが多いけど、本作はそういうんじゃないんですよね。 でも、これほど戦争が嫌だなと感じさせるものはない、そういう作品。 正しいとか正しくないとか、善とか悪とかもうなにもない。 あるのは醜い人間の性だけ。 印象的なシーンは数多くありますけど、個人的にはターニングポイントが 一番ひっかかる。魔女と言われた祖母は二人のことを「雌犬の子供」と ののしっていて、母は手紙を送ってきていつか必ず会いたいと二人は 思っていたはずなのに、会いに来た時に逆転してるのが面白いね。 まぎれもない地獄なのに、なぜ二人は残ろうと思ったのか。 二人離れ離れになるのが一番つらいと一言っていたのに、 最後、なぜ二人は別々の道を選んだのか。 考えれば考えるほど、心の闇にはまりそうです。 [DVD(字幕)] 7点(2015-05-14 20:53:47) |
4. ダイ・ハード/ラスト・デイ
《ネタバレ》 序盤のカーアクションのやりたい放題感はなかなか良かったと思うし、ちょくちょく挟み込まれる、息子との漫才会話も観ていて面白いし、終盤のヘリなんかはフルCGなんだそうで、実写とCGの融合も違和感なく作り込まれていたので、一本のアクション映画として観れば佳作の部類かなと。そういうわけで6点つけたのですが、しかしこれはダイ・ハードシリーズの一本なわけですからね。ダイ・ハードらしさって、言ってみれば運の悪いマクレーン刑事が「なんでこんな目に遭うんだよ、、、ちっくしょう!」とか言いながら、その不運さを観客が観てて楽しむみたいな、そういう作風だったと思うんですが、4作目からはなぜかただの超人になり、本作ではさらにそういうキャラに特化してる。たぶん、父親としてのマクレーンが全面に出ているから、愚痴ってるキャラじゃ駄目だというのもあるのかもしれませんが、本作ではいろんなことをあまりに涼しい顔でやるので、ハラハラ感みたいなのは全然ありません。とにかくヴィジュアルオンリーですね。窓ガラスを体当たりで割ったり、派手にジャンプしたり車が潰れたり回転したりするのを楽しむだけです。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2013-07-04 22:49:21)(良:1票) |
5. くるみ割り人形(2009)
《ネタバレ》 かなりの子供向け作品なので、 少なくとも大人が観て楽しめるような内容ではありません。 製作国はイギリスとハンガリーということで、 ハリウッド資本ではない映画としては 結構お金かかっている感があります。 ですが、どうにも中途半端なんですよね。 チャイコフスキー作曲のバレエ音楽の内容に 忠実ではあるんだけど、もっと幻想的に 出来なかったのかとか、ナチを連想させるネズミ軍団たちも もっと異彩を放つキャラに作れなかったのかなとか。 時折入るミュージカルもとってつけたようなレベルです。 唯一よかったのは、エル・ファニングちゃんの熱演でしょうか。 [ブルーレイ(吹替)] 5点(2013-01-02 23:24:14) |
6. 黄色い星の子供たち
《ネタバレ》 いい映画でした。史実に基づくお話ということで、とてもためになりました。教科書では、どうしても表面的なことや数字だけでしか語れないから、こういったストーリーを知る事が出来るのは映画というメディアの良いところだなと再認識。ナチス占領下のパリでは、一目でユダヤ人だとわかるように黄色い星のワッペンをつけることが義務づけられていたそうで、ユダヤの人たちの境遇や、ユチスの振る舞いなど、それ自体は想像通りなのですが、当時のフランスの人たちがどういう振る舞いをしたのか、そこが興味深かったです。当然のことながら、フランス人にもいろんな人がいる。そういう、人それぞれの振る舞い一つ一つがドラマチックで、なおかつ感慨深かった。 [DVD(字幕)] 8点(2012-02-18 22:10:53) |
7. エッセンシャル・キリング
《ネタバレ》 う~ん、、、。正直言って、良さがわかりません。序盤こそまだ逃走劇ということで面白かったのですが、後半はだいぶアートな方向にいっちゃいます。主人公は、一切台詞がなく彼のバックグラウンドが知れるのは、劇中に嫁さんらしき人が出てきたことぐらい。蟻を食べたり、授乳中の女性の乳にしゃぶりついたりと、要するに欲求に対して正直なわけだが、それがもうただのアホにしか見えてこない。いやまぁ、意味を汲み取ろうと思えば出来るんです。アメリカに対する批判とか、あるいはもっとこう、人類の管理体制や理性からの情動の逃避とか。でもやっぱり、心にくるものがなかったというのが正直な感想です。 [DVD(字幕)] 5点(2012-02-17 02:49:32) |
8. タクシデルミア ある剥製師の遺言
《ネタバレ》 映像表現がもの凄く斬新でして、内容も含め、今までに見た事もないようなタイプの作品だなというのが正直なところ。なんといいましょうか、超現実と現実のせめぎ合い、あるいは混沌とでもいいましょうか。例えばオエ~オェ~とゲロを吐くシーンなんかは、その吐き方が実に漫画っぽくて下らないんだけど、でもやっぱり見ていて気色悪いなと思うし、○液をピュっと放出してそれがお星様になるシーンなんて、その発想自体があまりに馬鹿馬鹿しいんだけどでもやっぱり見ていて気持ち悪いなぁ、て感じる。伸びきったスライムみたいになっちゃった超デブのお父ちゃんが銀紙のままチョコ食いまくるシーンもめちゃ笑えるんだけど、息子の自己剥製シーンは見てると嫌悪感を抱く。そういう下らない超現実と、グロテスクなリアルの一体感。ストーリー自体は親子3世代に渡る話で、心を通わせるような台詞もほとんどなく、つまりはアイデンティティ追求型の内へ内へと向かっていく作品。だからソフト面でもハード面でも、一般的な映画とはかけ離れており、一言で言い表すと「究極の内省型お馬鹿グロテスクムービー」とでもいえばいいだろうか。 [DVD(字幕)] 7点(2008-12-27 01:14:01)(良:1票) |
9. アンダーグラウンド(1995)
確かにこの独特のノリになれなかったり、予備知識がないと困る部分てのはあるのかもしれません。ですが傑作であることには変わりありません。アイデアが素晴らしいし、妥協なくやってのける制作者の気概にも脱帽します。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-01-23 01:35:11) |
10. アンダーワールド(2003)
はっきり言ってやかましすぎる。耳をふさぎながら映画を観たのは初めてです。本当に苦痛でした。バンパイアものって、駄作が多いです、ほんと。なんでこんなのが本国でヒットしたのか理解にくるしみます。画面も内容も暗過ぎで、観終わった僕の心もどんよりでした、、、、。 2点(2003-10-30 21:15:11) |
11. 時の支配者
個人的には「ガンダーラ」よりも面白かったです。統一化の団体話はガンダーラにもでてきたような、、、。 6点(2003-03-06 21:41:02) |