1. 隠された記憶
《ネタバレ》 すべてが綿密に計算されており、全く以って隙が無い映像を我々に提供(というか挑発)してくれるハネケ監督には感服するしかありませんね。そして、誰しもが抱えている問題(秘密や嘘そして罪)をサスペンスという緊張感に満ちた形式をとりながら突いてくるその嫌らしさは、まるで悪夢を見ているかのようでした(でも面白いからついつい見てしまうんですよね)。 何というか、何回も見返して、その緻密さを確認したくなるような映画でした。 [DVD(字幕)] 8点(2009-12-28 23:40:58) |
2. 革命前夜
とりあえず、プロモーションビデオかと思わせるほど、 アドリアーナ・アスティ が魅力的に撮られているのが非常に印象的でした。 イタリア映画でありながら、フランス映画を見ているような感じでしたね(まあ、途中でゴダールの映画も出てきますし、影響を受けているのでしょう)。 [ビデオ(字幕)] 7点(2009-07-27 18:23:23) |
3. 風の痛み
《ネタバレ》 非常に詩的で美しい雰囲気に包まれてはいますが、内容は中上健次の「路地」の物語を東欧移民社会に置き換えたようなドロドロとしたものになっています。 主人公は、厭世的でストーカー気質で鬱屈した感情を溜め込んでいるちょっと近寄りがたい人間ですし、展開も正直心底ハッピーなものでは無いのですが、映像の美しさとストーリーの面白さに不思議と惹かれる映画でした。 [DVD(字幕)] 7点(2009-05-25 19:43:51) |
4. 輝ける青春
《ネタバレ》 6時間強の長い作品ですが、ストーリーの面白さとイタリアの60年代から21世紀初頭までの社会の動きが見事に絡み合っていて全く飽きることなく一気に鑑賞することができました。基本的には、普遍的な家族の物語ですので、予備知識がなくても楽しめると思います(当然、あった方が楽しめますが)。 イタリア社会そして主人公たち家族の影の部分も映し出されてはいるのですが、全体的に「人生は美しい!」と前向きなトーンで貫かれているのがラテン系らしくて良いなと思いました(日本人の視点から言えば、マッテオに一番共感できましたね)。 [地上波(字幕)] 8点(2009-05-16 14:17:29) |
5. カサノバ(1976)
《ネタバレ》 華やかさの中に、滑稽さ・虚しさが入り混じっていて独特の映像世界が展開されています。 (ちょっとグロテスクですが) 最初の祭りのシーンは大スクリーンで見てみたい位、大掛かりで素晴らしかったです。 カサノバのドぎついメイクは最初違和感を感じましたけど、見ている内に気にならなくなりました。 しかし、まるでアスリートのような動きにはちょっと笑えました。最後の回想シーンなんかを見てると 結局のところ、彼が追い求めていた理想の女性というのは人形だったということなんでしょうかね。 そう考えると、最後の不遇ぶりも含めてちょっと哀しい気分になりました。 [ビデオ(字幕)] 6点(2006-07-07 11:06:06) |
6. カビリアの夜
《ネタバレ》 もう、ジュリエッタ・マシーナの演技が最高です。「人生を変えたい、幸せな生活を送りたい」と願いながらも、裏切られていく女性の姿を見事に演じています。非常に悲惨で切ないストーリーではあるのですが、ラストシーンで見せる彼女の笑顔によって、非常に希望を感じさせてくれるから不思議です。 [ビデオ(字幕)] 10点(2006-04-16 21:54:26) |