61. ドイツ零年
《ネタバレ》 とにかく、戦争の傷跡が生々しく残っているベルリンの街の姿に衝撃を受けましたね。この映像だけで、敗戦という重く厳しい状況が痛いほど伝わってきました。ナチスドイツの敗北、占領という状況の中で、混乱し苦しむ市民の姿が非常に痛々しく描かれています。 そして、その中でエドムンド少年のあまりにもやるせない物語が冷徹なタッチで進んでいきます・・・・・。 救いの無い展開は見ていて辛くなりますが、いろいろと考えさせられる貴重な映像作品です。 [ビデオ(字幕)] 8点(2007-12-20 18:45:17) |
62. ブラックボード 背負う人
教師達がまるで行商人のように黒板を背負いながら教える生徒を探す姿は、中々インパクトがありました。また、国を持たず迫害されたクルド人たちの姿を、ドキュメンタリータッチで描いていて非常に興味深かったです。日本ではあまり馴染みのないテーマを取り扱っているので、ある程度の予備知識を持った上で見た方が良いかと思います。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-12-12 12:40:34) |
63. 気狂いピエロ
今見ても斬新な映像(色使いや構図のセンスが本当に素晴らしい)、詩的な言葉遊びが連なっていく台詞、衝撃的なラスト・・・・面白いと感じるか否か、理解できた(と思い込める)か否かは別として映画好きならば一度は観ておくべき作品だと思います。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-11-26 18:00:52) |
64. 太陽(2005)
《ネタバレ》 非常に興味深いテーマではありますが、何となく禁忌を冒す罪悪感を感じてしまいながらの観賞となりました。まあ、日本では作れない映画ですね、上映できたことが驚きです(「昭和も遠くなりにけり」ということなんでしょうかね?)。 イッセー尾形は、いろいろな意味で難しい役を見事にこなしていると思います。下手すれば命を狙われかねない訳ですから・・・・・。 まあ、感想を述べるのが非常に難しい映画ですね。他の国の国王やら皇帝の話であれば簡単に述べられるんですけど・・・・。ただ、映像の美しさ等格式の高い芸術作品であったことは良かったなと思います。 [DVD(字幕)] 8点(2007-11-11 23:40:03) |
65. 欲望(1966)
《ネタバレ》 映像・音楽といった雰囲気が非常に洒落た感じでしたね。正直途中まではちょっと退屈だったんですが、引き伸ばした写真に銃口が映るシーンからのミステリアスな展開は、想像力を激しく刺激してくるような魅力的なものでした(特に、ラストのパントマイムのテニスシーンは印象的でしたね。)。 それと何といっても、ヤードバーズ時代の若かりしジェフ・ベックとジミー・ペイジの御姿を拝すことができる貴重な作品なんですよね。ジェフ・ベックのギター破壊はちょっと興奮してしまいましたね。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-11-04 21:02:25) |
66. ダスト
《ネタバレ》 神話や伝説というものがどのように作られていくのかを映像化した作品ですね。中々斬新で面白い視点で作られた映画だと思いました。 まあ、過去のシーンは昔話をしている者の脳内イメージを映像化したような感じなので、兵隊の人数が200人から20人へと急に減ったり、現代の音楽が流れたり、飛行機が飛んだりとまるで劇中劇のようになっています。 「ビフォア・ザ・レイン」といい、この作品といいミルチョ・マンチェフスキー監督の映像感覚は素晴らしいですね。 [DVD(吹替)] 7点(2007-10-14 18:07:22) |
67. マーサの幸せレシピ
まさに「ハートフル」な一品でしたね。職人気質が強くお堅い感じのドイツ人と陽気なイメージのイタリア人の組み合わせの妙を堪能させていただきました。全く気質が違う男女という設定は恋愛物の王道ですし、家族や生き方の問題も絡めたストーリーも良く練れていて、とても面白かったです。 [DVD(吹替)] 8点(2007-09-22 20:19:17) |
68. エヴァとステファンとすてきな家族
《ネタバレ》 どんな崇高な理想やイデオロギーであっても家族の絆は作り出せないというメッセージを感じましたね。 しかし、この邦題はちょっと違うような・・・・(予告編も酷いです)。 [DVD(字幕)] 7点(2007-08-08 19:02:12) |
69. 万事快調
《ネタバレ》 ゴダールの映像センスの素晴らしさを堪能できる作品でした。何というかデザインセンスが抜群でしたね(ポスターにして貼っておきたいシーンがたくさんありました)。音楽もCM撮影シーンでかかる曲が結構頭に残りました。 内容は非常に政治的で、ちょっと時代を感じさせるものになっていますが、映像作品としては今見ても斬新で格好良いですね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-08-02 19:02:55) |
70. 女は女である
《ネタバレ》 非常に斬新でポップな感じですね。ちょっと古さは感じますけど・・・。 本の題名で会話するシーンは中々面白かったですね。 まあ、ストーリーを追うというよりは、ゴダールがどう仕掛けてくるかを楽しむ作品ですね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-06-22 18:29:44) |
71. ひまわり(1970)
《ネタバレ》 もう、オープニングの美しくせつないテーマ曲とひまわりの映像が非常に素晴らしいです。しかし、力強く咲き誇るひまわりの下には哀しい事実が・・・・・・。ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニの哀しいラブ・ストーリーも素晴らしかったですが、この映画は戦争により尊い命を落とした人たちへのレクイエムなんじゃないでしょうか。そしてその人達の象徴があの一面に広がるひまわり畑なんでしょう。 本当に名作と呼ぶにふさわしい作品でした。 [ビデオ(字幕)] 8点(2007-04-08 20:20:43) |
72. ウェルカム!ヘヴン
《ネタバレ》 こういう最後まで展開が読めない映画はいいですね。まあ、キリスト教における天国と地獄の位置づけとかは良くわからないんですが、とりあえずペネロペ・クルスのあばずれぶりがとてもハマっていて良かったです。あと、所々に社会風刺的なものも散りばめられて楽しめました。(最後の方の展開はちょっと強引でしたけど・・・・) ただ、救おうとするボクサーが本当にしょうもない奴で全く同情できないキャラクターだったのがちょっと・・・・・(何というか芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を思い出してしまいました。)。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-04-07 22:48:03) |
73. マイ・ネーム・イズ・ジョー
《ネタバレ》 ろくでもないスラムから抜け出したくても抜け出せない哀しいロクデナシたちの物語です。もう後半のジョーがブチ切れてからの展開は目を背けたくなるようなものでした。断酒した筈のジョーが酒を飲みながら仲間を淡々と罵るシーンの恐ろしさが非常に印象に残りました。(ピーター・ミュランの熱演が光ります。) [映画館(字幕)] 7点(2007-02-04 15:37:56) |
74. 歌姫カルメーラ
《ネタバレ》 旅芸人一座の悲劇を通してスペイン内戦の悲惨さを描いています。 コメディ調のストーリー展開が逆にラストの哀しさを増幅させているような気がしました。 しかし、あの最後に出てくる寸劇というかコントのレベルの低さは、ファシストというものを揶揄しているんですかね?(まあ、捕虜を侮辱するという意味なんでしょうが、それにしても酷すぎでした。) 解説等を見ると、旅芸人一座がファシストに抵抗したかのような印象を受けますが、あまりそういう感じでも無かったですね(結構取り入ってたりしてるし。葛藤はあったのでしょうが・・・・・)。 [ビデオ(字幕)] 4点(2007-02-02 16:12:44) |
75. ソドムの市(1975)
はっきり言って、吐き気を催すような酷い作品です。私はこれを芸術だとは認めません。たとえ、人間の欲望の醜い一部分を描いているものだとしても・・・・・。 [ビデオ(字幕)] 0点(2007-01-17 19:47:48) |
76. 僕と未来とブエノスアイレス
《ネタバレ》 アルゼンチンという国については、サッカーが強いということ以外はほとんどしらなかったのでこの作品は興味深く見ることができました。 ストーリー的には、ブエノスアイレスの古いショッピングセンターの中で繰り広げられる人間ドラマなんですが、移民の方が多くいるのは驚きました。(主人公もポーランド系ユダヤ人ですし。韓国系もいるし。) とりあえず、「ひまわり」は見ておきたいなと思いました。 [DVD(吹替)] 6点(2007-01-14 22:09:41) |
77. 明日へのチケット
やはり、サッカーファンとしては3話のセルティックサポーターの話が一番印象に残りましたね。最後にローマのサポーターが出てきた時はちょっと感動しました。 1話目(女優さんの大人の美しさが印象的でした)と2話目は何となく巨匠の映画という感じがしたんですが、いきなり雰囲気をガラッと変えてしまうとは恐るべしセルティックサポーターという感じですねw [映画館(字幕)] 7点(2006-12-10 23:13:49) |
78. やさしくキスをして
《ネタバレ》 凄くヘヴィなラブストーリーですね・・・・・。文化(東洋と西洋)や宗教(イスラム教とキリスト教)の違いを乗り越えるのは、さすがに厳しいですよね。 それにしても、主人公の男がちょっと情けなさ過ぎでしたね。家族を取るならきっぱりと恋人と別れればいいし、恋人を取るなら家族にはっきりと言えばいいいのに、どっちつかずでフラフラしているから皆振り回されてしまって悲しい話になってしまったような気がします。余程、妹の方が肝がすわっていたように思いました。(まあ、女性は強しということなんでしょうか・・・・・。しかし、カトリックスクールに通うイスラム教徒のレンジャーズサポーターっていうのも凄い設定ですねw) しかし、よくよく考えてみたら主人公の恋人のほうもアイルランド系の移民なんですよね・・・・。もう少し彼女の生い立ちの部分をとりあげても良かったかなと個人的には思いました。 ラストはとても上手くまとめていて、とても爽やかな仕上がりになっています。 [DVD(字幕)] 8点(2006-12-05 19:35:23) |
79. 麦の穂をゆらす風
《ネタバレ》 観応えのある作品でした。アイルランド独立~内戦の緊迫した空気が2時間の間、まったく途切れることなく続きました。パルムドール受賞も納得です。 しかし、立場が人を変えるといいますが、横暴な英国軍が去った後、アイルランド人自身が同じような振る舞いをする ようになってしまったのが哀しかったですね・・・・・・。 見る前に、アイルランドの近代史をちょっと知っておくと良いと思います [映画館(字幕)] 8点(2006-12-04 19:41:02) |
80. 夜よ、こんにちは
元首相の誘拐・監禁という大事件を実際の映像を交えながら描いている作品です。まあ、テレビから流れるニュースや映像の仰々しさと比べ、実際の現場が非常に静かに淡々としているのが逆に緊迫感を生み出しています。また、現実とキアラの幻想が入り混じる手法も良かったですね。 「赤い旅団」は小さい頃結構ニュースに出てたので名前は覚えているのですが、どういう存在だったのかまでは知らなかったので非常に参考になりました。 また、ピンクフロイドの「狂ったダイアモンド」が効果的に使われていて印象的でした。 [映画館(字幕)] 8点(2006-11-04 21:37:39) |