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【製作国 : イタリア 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー
前評判があんまり悪かったせいか、あんまり期待しないで見たのが良かったのかもしれないけど、私は結構好みだった。見る前はスカイ・キャプテンの冒険活劇かと思っていたけど、ジョーとポリーの、ちょっと斜めなロマンスだったんだね。出てくるロボットや飛行艇を見ると宮崎アニメ?と思うけど、ジョーとポリーの関係を見てると、ルパン3世を思い出した。それも、第一シリーズの頃のルパン3世。「惚れてるかもねぇ。でも、それで自分の生き方、縛られたくないなぁ」なジョーと、「私には私の生き方があるのよ。でも、やっぱり気になるかもぉ」なポリー。しかも、きっちり、女のおかげで窮地に立つくせに、どうも懲りてないジョー。って、ルパンと不二子ちゃんみたいだなぁと思った。こういう関係って、嫌いじゃない。ガキの喧嘩かよと思いつつも、どこか色気があって、いい。ジュードとグィネスが、そういう関係の雰囲気を上手く引き出してたと思う。演技自体は、全編をブルー・スクリーンの前で演じた為か、舞台っぽい芝居になっていたけど、それがむしろ、徹頭徹尾レトロな色調と相俟って、微妙な雰囲気作りに一役かっていたように思えた。そういえば、クライマックスも、ルパン対マモウって感じだったなぁ。手法としては、実験的な映画だったのだろうけど、なんだか懐古的なアニメを見ているような気分で、微笑ましい気持ちで見終えた。
[DVD(字幕)] 8点(2005-08-10 23:48:10)
2.  ギャング・オブ・ニューヨーク
つまらなかった。そうね、つまらなかったよ。ストーリーが一本化出来て無いし、主演二人のキャスティングのバランスが、レオ君が気の毒なほど悪い。D・D・ルイスは驚くほどの怪演を見せてくれてはいるんだけど、それだけに一人浮き巻くってしまっているし、この怪演のおかげで、多分、本来描きたかったんじゃないかなぁと思う、ニューヨークの黎明期・混迷期の歴史的・政治的な歪みの部分まで、影が薄くなってしまっている。レオ君は、頑張ってるし、熱演だと思うけど、でも、レオのナチュラル・テイストな演技は、ルイスのソープ・オペラのような演技の前ではバランスが悪過ぎて、しかも気の毒なまでにキャラが的外れで、薄過ぎた。なんだか「ドラキュラ」のキアヌ状態。まあ、あれよりはマシだったけど、とにかく、頑張れば頑張るほど滑稽にならざるを得ない役を、懸命に演じてたなぁ。キャメロンは、なんだかねぇ。この人、「フィーリング・ミネソタ」でもキャラ的に全く同じ役、やってたよねぇ。なんなんだ、この女って感じでさ(でも、「フィーリング・・」の方がストーリー集中してる分だけ、キャラ的にはマシだった)。セットは素晴らしい(金かけてるだけに)。でも、このストーリー、どうにかならんか! いっそ、「マイケル・コリンズ」みたく、重厚な史実物に仕上げた方が、まだ名作になったんじゃないのかな。一度見ておいて損はしないと思うけど、一度で十分って感じだ。
4点(2003-10-05 00:40:15)
3.  ムッソリーニとお茶を
こんなにレビューが少ないなんて、意外だった。タイトルで引いてしまうのかなぁ。良質な好い作品だと思うんだけどなぁ。パワフルなおばちゃま達がパワフルに作品を引っ張る、コメディ・タッチな映画ではあるけど、それがまたイタリアっぽくって良い。「イタリア的な、あまりにイタリア的な」って感じは、とても良く出ていると思う。主人公は英国婦人達ではあるんだけどね。その女優陣の円熟した演技は、ほんとに素敵だった。時間の経過が早過ぎるのが難だけど、フィレンツェの名所・名跡を盛り込んだ映像は、一見の価値はあると思う。
8点(2003-06-09 17:47:33)
4.  イノセント
当時、ヴィスコンティ・ブームの時、とにかくどっかのこじんまりとした映画館で観たんだな。ヴィスコンティの遺作であり、彼の遺作らしい作品ではあるんだけど、映画館を出た時、何だかとっても理不尽な不愉快さを感じた。今思えば、庶民の不愉快さだったと思う。「庶民が汗水たらして働いてるっていうのに、あんた達貴族はぁぁ!」って感じかな。でも、頽廃と没落の終焉にあった貴族階級のいやらしさに不愉快さまで感じさせた本作は、やはりヴィスコンティの遺作らしいのだろう。ジャンニーニの情けなさはムカツク程見事だったけど、赤ん坊を見下ろすジャンニーニの目は、狂気を孕んで、怖かった。そういえば、本作で初めて、「ボカシ」というのを見たんだった。けど、それが気にならないほど、ある意味、圧倒された映画だった。
7点(2003-03-23 22:38:02)
5.  家族の肖像
バート・ランカスターはアクション俳優だったんだよ、ということを知ったのは随分と後のことで、私の第一印象のランカスターは本作で、人生の晩年を迎えた老教授を演じた渋い俳優さん、という印象の方が強い。ヴィスコンティという監督は、ホントに女優さんを綺麗に撮る人で、シルヴァーナ・マンガーノの美しさはマジで綺麗。ランカスターの渋さとマンガーノの押し出しの強さ、二人の熟した演技の前にあっては、さすがにヘルムート・バーガーも色が褪せて見えた。それでも、最後、バーガー=コンラッドが爆死しちゃうところは、結構胸にくるものがあった。ある人生の斜陽、夢の挫折というテーマはいかにもヴィスコンティらしいけれど、どちらかというと「ヴェニスに死す」と同様、割りと淡々と物語を運んでいくので、「地獄に堕ちた勇者ども」や「ルードヴィヒ~神々の黄昏」などとは、ちょっと印象が違うかもしれない。
8点(2003-01-15 23:14:04)
6.  ルートヴィヒ(1972)
ヴィスコンティ映画に嵌まっていた頃、上演されていた岩波ホールにまで観に行った唯一の作品であり、今後もそんなことはないだろう。本作に限らず、ヴィスコンティ映画は、ある意味面白いが、楽しめる映画ではない。だが、ルキノ・ヴィスコンティ本人がイタリア貴族の末裔であるのを反映してか、旧体制が滅んでいく残照を描いて右に出るものはいない。本作は、その集大成とも言える作品であり、史実であるだけに壮大である。ルードヴィヒの狂気と頽廃を追いながらも、全編をセピアで縁取り、決して品格を損なうことがない。ヴィスコンティにはお気に入りの役者というものがいるが、ミス・キャストというものがない。ルードヴィヒのヘルームート・バーガーは無論嵌まり役だったが、当時、絶世の美女と謳われたエリザベート=シシィを演じたロミー・シュナイダーの気品ある美貌は、シシィ役を見事に表現して見せた。ただ、気軽に観られる映画ではない。観る前に、「よし、観るぞ」という覚悟はいるだろう。完全版では、4時間だ。美術監督の苦労が偲ばれる、小物に至るまでの調度やセット、気合いの入ったコスチューム・プレイは、圧巻である。
8点(2002-11-11 01:04:01)
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