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1.  鑑定士と顔のない依頼人
ううむ。これは、緻密かつ壮大な「騙し絵」みたいな映画、といいましょうか。常々、面白い映画はネタバレしていても面白いはずだ、と思っておりますが、本作に限っては、予備知識なしに見た方がゼッタイ面白いと思います。なので、いつもは平気でネタバレレビューを書いておりますが、今回は、ネタバレしないよう気を付けてみます。とにもかくにも、ジェフリー・ラッシュが素晴らしいのです。偏屈で高慢・不遜な爺を見事に演じています。そして全編を覆い尽くす、怪しく不穏な空気。これがどんなシーンであっても見ている者を不安にさせます。全てを知ってしまうと、確かにこの「騙し絵」は色褪せて見えるようにも思われますが、これは2度見、3度見で味わいが増すとの、もっぱらのウワサ。このウワサ、信じます? 私は信じてみようかと思っています、今のところ。
[映画館(字幕)] 8点(2014-01-25 01:12:30)
2.  ルートヴィヒ(1972)
全編イタリア語ってのが残念。しかしながら、確かに長いけれども、非常に分かりやすいし、これぞ映画! って感じの作品。もう、最初から最後まで贅沢の極みみたいな作りに溜息モノです。また、ヘルムート・バーガーは、残されているルートヴィヒの写真にそっくりで、演技も素晴らしい。ロミー・シュナイダーのシシーは、ちょっとイメージが違う気もするけれど、何しろ、ロミー自身も素晴らしい美女。ヴィスコンティ映画はあんまし得意じゃないんですけど、これは彼の執念のようなものが感じられ、圧巻です。全編を覆う頽廃的な雰囲気と、どんどん神経を病んでいくルートヴィヒ。彼は、当時は禁治産者の烙印を押され、無能の王とされたけれども、歴史的には十分存在感を発揮しているわけで、その当時のちょっとした賢王程度だったら、歴史に名を残していたかどうかも怪しいもの。まして、彼が国家を破綻させてまで作った城の数々は今や重要な観光資源。ヘレンキームゼー城しか行ったことないけど、本当に、ただただ溜息の出るばかりの美しさで・・・。歴史的建物なんて、大抵、当時にしてみりゃ無駄遣いの象徴みたいなのが多いわけで、ルートヴィヒも、あの世で現代における我が身の扱いに納得しているんじゃないかしらん。とにかく、端から端まで美しい映画でございました。
[DVD(字幕)] 8点(2014-01-13 21:21:07)
3.  今のままでいて
ナタキンの美をフルコースで堪能する「だけ」の作品です。ナタキン好きの私は楽しめましたが、そうでない人にはイマイチじゃないかな。しかし、イタリアの女のコたちって、これが標準なんでしょうかねえ。多分違うと思うけど、本作を見ていると、標準なんじゃないかと思えてしまった。マストロヤンニは、はっきりいって、もうどーでもいいです。目には映ってたけど、認識はしていませんでした、私の脳みそは。
[DVD(字幕)] 5点(2013-12-07 00:09:29)
4.  スウェプト・アウェイ 《ネタバレ》 
『流されて……』をたまたま見てしまったため、こちらもたまたまBSで放映されていたのを録画してまで見てしまいました。割と「まんま」リメイクしているのですね。ラストはちょっとニュアンスが変えてありますが。ただ、まあ、マドンナの老けっぷりがいかんともしがたく、アップになるとかなり厳しかったですね。あれじゃ、ただの中年高慢ちきババァでしかなく、鼻持ちならないが男をソソる肉感女というオリジナル版の説得力にとてもとても及びません。無人島漂着後の2人の関係が変化していく描写がイマイチで、レイトン夫人がペペに「愛してるわ」とか言うのが、ヒジョーに唐突感があります。ま、オリジナル版もさほどでもないけれど、それでも本作よりはかなりマシです。・・・録画データは、当然、観終わってすぐに消去いたしました。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2013-10-27 00:43:55)
5.  流されて… 《ネタバレ》 
はて、、、どうしてこのDVDをリストに入れたんだか、まったく記憶にないけれど、とりあえず見てみました。・・・えーっと、、、かつて、お断りしたつもりが通じていなかった相手に「たとえ無人島で2人きりになっても、あなたとは何もないと断言できる」と言ったら、割とあっさり納得してくれたことがあったんだが、本作では、あっという間に男に押し倒されてなぁなぁ・・・どころか、ラブラブに。もしかして、こういうのが現実なのだろうか、と思うと、倒れそう・・・。この女性、最初から船乗り男に「男としての魅力」をほんの少しでも感じていたのだとすれば、まあ、この展開も分かるかな。でも、私が無人島発言をしたのは、「この人は(自分にとって)異性ではない」という意味であり、だから、どうしてもこの女性の豹変ぶりは???であります。・・・それはともかく、女は現実的、っていう終わり方がいささか普通過ぎましたが、ま、そこそこ楽しめました。
[DVD(字幕)] 5点(2013-10-07 23:27:51)
6.  天使の分け前
ある新聞で記者が「ケン・ローチって辛気臭くて嫌いだったが、本作品は例外的に面白く好き」と書いていた。「え~っ!?」と思って、「辛気臭い」を広辞苑(第五版)で引いてみたら「思うにまかせずくさくさした気分である。じれったく、いらだたしい」とある。これは、第五版だからか? で、ネットで他辞書を調べると「気がめいるさま」というのがあった。多分、前後の文脈からして記者のいうのはこれだろうな、と思うし、私の中での「辛気臭い」の日常的な認識もコレだ。で、やっぱり「え~っ、、、」なんであるが、よく考えると、広辞苑のいう意味では、確かにローチ作品は「辛気臭い」のかも知れないな、とも思った。人が思うようにいかない現実に悩み、葛藤する様を描き続けているのだから、まぎれもなく辛気臭いのだろう。だけれど、だからといって、決して見ている者たちを滅入らせる作品ではなく、そこには必ず希望や救いがあるのだ。だから、記者の言う「辛気臭くて嫌いだった」というのは、やっぱり共感できないのである。・・・で、本作だけれども、ローチはやっぱりローチだった。ローチ作品を見ていると、逆境から抜け出すのは、本人の意思+「人の力」が欠かせないと言いたいのがよく分かる。人生や世の中には「どうにもならないこと」「不可抗力」は必ずある。それを跳ね返すのは、結局自分自身でしかないけれど、それをほんの少しだけ支えたり見守ったりする周囲の人の小さな力が欠かせないのである、ということを忘れてはいけないと改めて教えられる。「運命論なんか嫌いだ」と言い放つエリートより、「人生はままならん」と一見くたびれた風の、肩を落としながらも踏ん張れる人の方が、よほど魅力的。・・・しかし、これで、本当に「銀座テアトルシネマ」は閉館となってしまった。本当に哀しい。自分で思っていた以上に今、寂しさを感じています。ああ、ミニシアター、頑張れ!
[映画館(字幕)] 8点(2013-06-02 15:54:17)(良:1票)
7.  塀の中のジュリアス・シーザー
劇場入り口に貼ってあったセンスはいいけれどゴツそうなポスターのイメージとは裏腹に、かなり描写は淡々としており、あっさりした後口です。これはもちろんホメ言葉。ドキュメンタリーなんだかノンフィクションなんだか分からない、敢えてそういう作りにしたんだろう、そういうところが非常に面白かったですね。オーディションのシーンが出色です。一人一人、罪名と簡単なプロフィールが出るんだけど、8割がた私より若い!(でも迫力満点・・・!!)皆、世間の裏側を垣間見るどころか、そこにどっぷり浸かってきた人ばかりなんで、演技もなかなか。刺す、刺されるのシーンの練習では、刺し方、痛がり方が堂に入ってて、こりゃそんじょそこらの俳優さんたちより凄いかも、と思わせる。「ジュリアス・シーザー」を企画し持ちかけたのは監督側ということで、なるほどなー、目の付け所がなるほどなー、と感心してしまいます。私は、人を殺した人間というのは絶対的に受け入れられないものを感じるのですが、なので、彼らの中にも殺人罪で服役している人がいて、そういう人たちに対し、その感覚は変わりませんが、刑務所でこういう実習があって、人の気持ちを想像し、自分のこととして受け止める、人としての鍛錬をするというのは、非常に意味があり素晴らしいことだと思いました。あの圧倒的な演技と本作の前に、こんな薄っぺらな言葉では違う気がするんですが、平たく言えばそういうことかと・・・。日本の刑務所ではないんでしょうかね、こういうの。いずれにしても、本作含めてあと3作品で「銀座テアトルシネマ」が閉館だなんて、寂しい限りです。クロージングラスト2作品も全部行く予定ですが、こうして良い劇場がどんどんなくなっていくのは、なんか世の中間違っている気がするのは、私だけでしょうか、、、。
[映画館(字幕)] 8点(2013-02-17 18:46:06)
8.  アポロンの地獄
なかなか面白かったです。思ったより大人しいというか、真っ当で拍子抜けした部分もありますが。ギリシャ神話を題材にしているとはいえ、背景は荒涼とした砂漠だったり、音楽は日本のお神楽だったり、西欧文明がナンボのもんじゃい!みたいなパゾリーニの気概が感じられて楽しいです。ただ、タブーを犯したことを知った後のオイディプスが喚き過ぎで非常にうるさく、ドン引き。あんな大声で喚く演出の意図は、一体何ぞや?と、ちょっと考えてしまったけれど、まあ、これは分かりません。オープニングとラストで現代のイタリアが舞台となるのも、なかなか面白い。父親にナチスの服着せるあたり、キョーレツな悪意を感じます。そして、あの魅惑的な母親。まぁ、パゾリーニにしてはかなりフツーの映画だと思いますが、見て損はないと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2012-05-23 22:23:11)
9.  ルート・アイリッシュ
んー、ん゛~、、、。ローチの新作だってんで見に行ったんだけど、彼は、戦争映画はあんまり向いてないんじゃないかなあ、と感じてしまった。『麦の穂をゆらす風』しかり、『セプテンバー11』しかり。戦争で儲ける会社なんてのは他にもたくさんあるわけで。そもそも、主人公のファーガスが何でそこまで大事な親友フランキーを置いて先に帰国したのかが全く分からない。その後、真相を暴こうとするのはまあ分かるとしても、復讐心から短絡的に先走った行動が目に余る。おまけに遺された親友の妻と男女の関係になる・・・。『麦の穂~』でも、内戦に至る背景や内戦そのものの描写は薄かったけれども、内戦に引き裂かれた兄弟のドラマが実に見応えある描写になっていて、あれはあれでまあ、人間ドラマとして良いと思ったけれど、本作は、戦争そのものの持つ犯罪性を問うているわけであって、あまり感傷的な主人公は、テーマの描写に向いていないと思うのだよね。ファーガスがフランキーを死に追いやった男を拷問するシーンがあるのだけど、結局のところ真実を引き出せなかったり、犠牲になったイラクの少年の遺族に援助を申し出たり。なんというか、おセンチ過ぎて白ける。ラストは、まあ、こういう主人公だから、ああいう始末の付け方を選ぶのは道理であって、もの凄く納得するけれども。ローチにしては、冷静な視点が欠落した作品になっている気がして不満だなぁ。どーでもいいけど、字幕に「行ったり来たり」が「言ったり来たり」と変換ミスがあったような。職業病で、誤字脱字にすぐ目が行ってしまうので、揚げ足取りですみません。何よりショックなのは、ローチ作品を見ている途中で睡魔に襲われたということ。こんなの初めて。しかも、劇場出たら、外は予想外の大雨。そんなこんなで、ったく、なんだか凹んだなぁ。
[映画館(字幕)] 5点(2012-04-14 16:08:08)
10.  トスカーナの贋作
んー、世の中におけるありとあらゆる事象につき、何を以て贋作or真作と定義するのか、ってことなんでしょうかね。確かにこの男女がホントの夫婦かどうかなんてことはどーでもいいし、実際夫婦じゃないのは明らかでしょ。オリジナルって何? パクリってオリジナルより劣るってか? ということを、延々男女が会話劇を以てして問うてくる、という感じですかねぇ。男と女の思考回路の違いみたいな描写もあったけれど、こういう描き方は嫌いだ。キアロスタミは、結局、ものの本質とは?などという多元的な問題を見る者に問いながら、男と女なんていう二元論に自身が陥っていることに気付いていないから滑稽。まあ、所々面白いやりとりもあったけど、こういうのは映画より舞台向きのネタだろうな。ジュリエット・ビノシュは、それにしても、さらにオバサン体形に拍車が掛かっており、立派な腰周りにばかり目が行ってしまった。かと言って、顔もふっくらしていればまだ良いのだが、顔はやつれてしまっていて、もうちょっと女優さんなんだから「歳のとり方」を考えて欲しいものだ。まあ、よけいなお世話だけれども。キアロスタミはどーでもよくて、ビノシュだから見に行ったようなもんだから、ついつい愚痴っぽくなってしまった。とにかく、初日に整理番号2番を取ってまで劇場で見るべき作品じゃなかったことだけは確か。
[映画館(字幕)] 5点(2011-02-20 14:48:34)
11.  エリックを探して
登録申請しなかったのに一番乗りですみません。・・・さて、本作ですが、ローチ特有のシビアさはなりをひそめ、非常に暖かみのあるコメディーに仕上がっております。随所に、ちょっと上手く行き過ぎな展開はあるのですが、私はこういう作品好きなんです。映画って、見て、「あー、良かった」と思わせて欲しいもの。本作のように、ホッとできるのも「良かった」と思えるものの一つ。主人公のエリックは、どん詰まりの人生には違いないんだけれども、何より素晴らしいのは、どん詰まりの自分をリスクを省みずに手を差延べて助けてくれる真の仲間達がいたってことです。「勝ち組」と言われる人の中に、真の仲間・友人を持っている人がどれほどいるのか。どちらの人生がより価値があるかは、もちろん人それぞれなんだけれども、こんな仲間のいる人生は心底羨ましいです。カネだけでも満たされない、人情だけでも腹はふくれない、人間って難しいなぁ、、、。仲間のいるエリックに向って、カントナの「あんたの方が上等だ」というセリフもグッと来る。サッカー音痴の私は本作を見るまで知らなかった(往年のスターだったのね)エリック・カントナは、要所要所で出てきますが、ゼンゼン説教臭くありません。そこがイイ。笑わないところもイイ。漁船のセリフは「??」だったけれども、エンディングで腑に落ちます。上手い。うーん、ケン・ローチ、新境地を開いたと言ったら言い過ぎかしら? 結構イイと思うんですけれど、レビューがないのは淋しいなぁ。ローチファンとしては意見が割れそうですね。皆さんの感想が聞きたいです。
[映画館(字幕)] 8点(2011-01-17 22:44:05)(良:1票)
12.  白いリボン
2時間半という長尺の割にはあっという間に終わった感じ。ハネケにしては随分親切な作りで、なんだか意外。もちろん、明解な答えは提示されないんだけれども、これまでの不条理感漂う「分かりにくさ」とは、その「分かりにくさ」の質が全く異なるように思う。結局、こうして絶対服従を強いられてきた子どもたちは長じてどのような歴史の選択をしたか、我々は知っている。だから、そこを意識して見ると、この映画はかなりコワイ。思考停止の訓練を受けた人間の辿る道とは、、、みたいなものを、モノクロのスクリーンから突き付けられるようでかなり不気味ではある。邦題の「白いリボン」は、大人の価値観の押し付けの象徴かな、と受け留めた。それにしても、これがパルムドールねぇ、、、。私は、もっと直截的な毒がある作品の方が好きだけど、まあ、これは通が好みそうではあるかな、確かに。牧師とか医師とか大人の男たち、大勢の子どもたち、いずれも途中まで顔の判別がつきにくく、見ていていささか混乱気味だった。・・・うーん、これは、まあ、よくよく考えるとものすごーい毒性の高い作品だとは思うけれど、私的にはちょっと好みではないかも。いや、面白かったんですよ、ええ。でも、ハネケ作品ってことで期待してしまったのとは、ベクトルの向きも大きさもかなり違っておりましたんで、若干点数は抑え目で。
[映画館(字幕)] 7点(2011-01-12 22:02:22)
13.  麦の穂をゆらす風
なんだか、終始見ているのが辛かった。ケン・ローチとしては、自分がイングランドの人間であるからこそ、アイルランド目線で描くことに拘ったのだろうな、と思う(公開時、イングランドでは監督に対しかなり批判があったというが)。そして、一つの地方に焦点を当てることでより不毛性を描くことに成功しているように感じる。戦争時に、一市民、一兵士が大局を見極めているとは到底思えない。そういう、目先のことや断片的な情報に右往左往して、結果、自分たちにとっての大義が見失われて行く様が実によく描かれている。条約批准後の両者の本音の討議シーンは圧巻。どちらの言い分も共感する。けれども、もっと大きな流れは、違う所で勝手に決まって動かされて行くという、この不毛さ。弟を処刑する兄を見ていて、新撰組の山南と土方を思い浮かべてしまった・・・。別に新撰組フリークでは全くないのだけれど。結局、組織のためには規律を重んじざるを得ない。けれども、その組織自体が、大局で見れば、既に駒の一つにさえなっていないかもしれないという点で勝手に共通するものを感じてしまった。こういう、一市民たちの流した血と涙を丁寧に描ききったことに敬意を表したい。
[DVD(字幕)] 8点(2010-08-29 22:37:25)
14.  太陽は夜も輝く
ジュリアン・サンズとナタキンの美の競演とあっては、見ないわけにいかぬ、、、と思って見たわけだけれども、あんまり期待していなかったとはいえ、こりゃマズイ。まず、ナタキン演じるクリスティナに過去を告白されて聖職者になるまでの苦しみ・葛藤が伝わって来ないんだよねえ(大体、人生観が変わるほどまで愛してたんなら、現代の不倫とはワケが違うであろう、王の愛人だったことくらい許容できちゃうってもんじゃないかね?)。それはいいとしても、修行者の身になったあとのセルジョ神父は三大本能のうち、肉欲にだけ激しく動揺するわけですが、これもすごいヘン。1回目はいいとして、2回目マチルダに誘惑されて「あなたは悪魔だ」なんつって誘惑に負けるのがものすごくヘン。指を切り落としてまで誘惑と闘った1回目は何だったのサ。こうなると、指じゃなくてあっちを切り落としておくべきだったね、と言いたくなる。つーか、そもそも、聖職者になる動機がまったく共感できない(描写が弱い)んで、その後、ついていくのも辛い。ナタキンも中盤以降出てこないし。神父のクセに入水自殺(未遂だけど)ってどーよ、と思うし。トルストイの原作を読むと多少は理解できるのかしらん。美男美女と衣装と音楽を鑑賞するためだけの映画でした。 
[DVD(字幕)] 4点(2010-07-25 18:07:58)
15.  フランチェスコ
見た目的は、当然ミッキー・ローク・・・ではなくヘレナ。彼女がイタリア語喋ってるの、ここにもあったんだ~、とややビックリ。それにしてもリバイバル上映で見そびれたので、DVD化とは有難や。ノーカット版だからか、とにかく冗漫で何度も睡魔に襲われる。聖人と対極にありそうなイメージのミッキー・ロークだけど、結構頑張ってた、彼。まだ麗しいお顔が崩れる前で、何よりイタリア人に見えたし。ただ、全裸シーンが何度かあるんだけど、ムキムキで「それは聖人のカラダではない!」と、聖人の体がどんなものか見たことないけど、突っ込み入れてしまった(だって、胸筋なんて、女性の乳房並みにあるんだもんね)。聖人とは何ぞや、ということについては『ブラザー・サン シスター・ムーン』で考えさせられたのと、結局は同じ感想。でもこれは想定内。想定外だったのはヘレナの存在感の薄さで、ちょっと不満。まあ、あんまり期待していなかったから、ガッカリもせず。こんなもんか、という感じ。あの当時、ミッキー・ロークが大好きだった人には見る価値がある・・・か?
[DVD(字幕)] 6点(2010-05-28 23:47:49)
16.  アルテミシア 《ネタバレ》 
美術史上における初の女性画家として位置付けられているらしいです、このアルテミジア・ジェンティレスキというお方。あのユーディットの怖い絵も描いていて、本作では、そのデッサンシーンが情事の端緒として描かれているのが面白いかも。まあ、でもタッシとの間に愛があったという脚本はちょっとなぁ・・・。クサイというか。個人的には、タッシが結婚を餌にたぶらかして若い女性の肉体を貪り尽くした天才だけどド助平な俗悪画家、って方が好きだけど(史実としては今や当人のみぞ知るだそうですが)。実在のアルテミジアは、この裁判後、出世街道まっしぐらで、結構恵まれた人生だったみたいなんで、本作も脳天気に見られました。しかし、こういうマイナービデオを置いてくれていたお気に入りのビデオ屋がいよいよ閉店だなんて・・・。哀し過ぎる。また今度借りようと思っていたものも結構あったのになぁ。う~、これで引越しをためらう要因が一つ減ったかも。
[ビデオ(字幕)] 6点(2010-05-06 23:50:28)
17.  NINE(2009)
音楽やダンスについては既に秀逸なレビューがあるので、今さら書くこともほとんどございません。一言だけいわせてもらえば、どれもまあまあなんだけど、これといってグッと来る曲はなかったってことでしょうか。・・・それより何より、私が一番感じたのは、グイドにダニエル・デイ=ルイスは明らかなミスキャストだった、ってことです(ちなみに私は彼の信奉者です、念のため)。彼のキャリアを振り返ってもそうだけれども、彼自身がそもそも仕事にも愛にも“一途男”であり、それが服着て歩いているような俳優です。翻ってグイドはというと、才能だけで喰ってきた奔放男。だらしなくても女に愛される、もう銀の匙をくわえて生まれてきた“愛されダメ男”。それっぽく彼は演じてはいたけれども、持っていないものは出せないわけで、作品の中でもやっぱりダニエル・グイドはマジメに悩んでしまっています。いい加減さとかだらしなさと対極にあるような彼をキャスティングした監督の審美眼を疑うなー。『81/2』もそもそも私にとっては催眠映画だったのだけれど、それでも、マストロヤンニのあの色気にやられる周りの女性達には共感できたし、ラストシーンは印象的で心に残ったのですが、こちらは肝心のラストがなんつーか予定調和的で、それは別に構わないんだけれど、シーンとして非常に大人しくミュージカルとしてこれってどーなんでしょ? まあ、そうはいってもこの豪華キャストと、歌うデイ=ルイスを拝めただけでもうけもの、とも正直思うわけです。やっぱり大スクリーンで見るべきですね、こういう作品は。ペネロペとニコール・キッドマンが共演ってのも、何となく「へぇ~」と思っちゃいましたが、存在感では本作ではペネロペが圧倒していました。二コールの出番が少なかったのはやや残念。いや~、とにかく贅沢の極みみたいな作品を、ガラ空きの劇場でゆったり堪能できたのは、この上なく贅沢な時間でした。どーでもいいけど、パンフのキャストインタビュー再録で「~なの」「~だわ」という語尾でまとめていたのがなーんとなく不快でありました。もうちょっと頭の悪そうでない書き方ってあるでしょうよ。ま、ホントにどうでもいいことなんですが・・・。
[映画館(字幕)] 8点(2010-04-11 20:03:03)
18.  ラ・マスケラ 《ネタバレ》 
ウチの近所のビデオ屋さんは、こういう映画を置いているから侮れない。といって、これが隠れた名作だなどと言いたいわけでは毛頭ない。ハッキリ言ってかなりの駄作。もっと言っちゃえば見なくてもいい作品。でも、ヘレナ好きな者としては、出演作とあっては見ないわけにはいかないのだ。ストーリーはというと、貴族の放蕩息子レオナルド(マイケル・マロニーというイギリス人俳優が演じているが、この人がどーもイマイチ色気もなくイイ男でもない)が旅回りの芸人一座のプリマドンナであるイリス(ヘレナ)に一目惚れするものの拒絶される。で、このレオナルド、一座の行くところ行くところを仮面を被って付回し(ほとんどストーカー)、やがて仮面によって人格までも好青年となってイリスの愛を勝ち取るという、ものすご~く都合のイイ話。タイトルは、この「仮面」から来ているのだね。ラストシーンはなかなか美しいんだが、唐突な印象が否めず、見ている方としてはかなり消化不良。ただ、この映画、イタリア製作で、全編イタリア語! 主演二人はイギリス人。ヘレナが全編イタリア語喋っている映画って、他にないんじゃないかしらん。まあ、喋れても全然不思議じゃないけれども。とにかく、こういうマイナー作品がフツーにたくさん並んでいるあのビデオ屋さんがあるため、引越しもためらってしまう私であった。
[ビデオ(字幕)] 5点(2010-03-29 15:38:27)
19.  特別な一日
これは、奥の深い作品なんだと思う。ファシズム批判は特に描かれていないのだけれど、ガブリエレがゲイであることで、しかもそのゲイが異端であるとして連行までされてしまうという現実を描くことで、体制批判以上のマイノリティ排斥への憤りを表しているのでは。ともかく、『ひまわり』では感じなかったソフィア・ローレンの美しさと色気を堪能させていただきました。同じ主婦の不倫モノなんだけど、駄作『マディソン群の橋』の肉欲先行の陶酔不倫とは違って、こちらは現実逃避のヒリヒリするような切羽詰った痛みを分かち合う。これはキツイ。前半ガブリエレの電話のシーンが印象的。もちろん屋上のシーンも。「三銃士」の本と直ってしまった電灯が、切ない。
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-11-30 15:50:23)(良:3票)
20.  小間使の日記(1963)
解釈に迷います、セレスティーヌの人間性。シタタカ女の世渡り上手系、なのか、出たとこ勝負のおつむ弱い系、なのか。多分、前者だと思うんだけど、後者だと捉えてもおかしくないような。ジャンヌ・モローがピチピチじゃないところがミソですね。適度に世間ズレしたちょっと年増な感じが良いです。だからこそ、とらえどころのない、それでいてミステリアスな存在になっているのだと思います。ホントに必要なもの以外全て削ぎ落とされた作品なので、結構見る方もシンドイです。
[DVD(字幕)] 6点(2009-11-18 15:49:02)
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