1. 眼には眼を
《ネタバレ》 結果として子宮外妊娠が破裂した妻を6キロも歩かせた復讐として,その先に何もない砂漠をドクターに歩かせたボルタクなのだと思いますが,もしや何らかの妻への復讐として、雨の夜中に子宮外妊娠が破裂した彼女を6キロも歩かせたのではないかと想像してしまう恐怖。■松本清張か筒井康隆の短編のよう。面白いです。 [DVD(字幕)] 8点(2023-04-23 21:16:08) |
2. オー!
ジャン=ポール・ベルモンドを見てみようと思い立っての鑑賞。再評価されているみたいですし。確かに、色気のある俳優だとは思います。でも。この作品は、彼がどんなにかっこつけても、世の中がそれを受け入れていた頃のものではないでしょうか。例えば、「太陽を盗んだ男」のころの沢田研二というか、「傷だらけの天使(テレビドラマだけど)」のころの萩原健一というか。だから、そういった気持ちの共有のない、21世紀の日本の初老のワタシにとっては、おもしろくはなかったかなあ。何見たらいいんだろうなあ、ジャン=ポール・ベルモンド。 [DVD(字幕)] 3点(2021-08-17 19:30:26) |
3. チャーリー(1992)
《ネタバレ》 ああ、なんというベタっとした映画なんだろう。まるで、Wikipediaの「チャールズ・チャップリン」の項目を読んでいるかのようだ。作中で架空の自伝編集者であるジョージ(アンソニー・ホプキンス)に「あなただって欠陥人間なんだ。それを書くべきだ」と言わせておいて、本作では、従来の文脈を逸脱したチャップリン像を見せることをしない。作中のチャップリンに「人は成し遂げたことで評価されるんだ」と言わせる。その通り。ワタシはチャップリンの自伝も、伝記映画も必要と思わない。ただ、チャップリンの作品を見ればいいんだ。最期のシークエンスは、チャップリン映画の名作群。「キッド」のあの一番泣かせるシーンを切り取って出すのか。あああ、なんだかなあ。ずっと意味ありげで、最後は名場面集で終わらせるのかよ。なんかズルくない? [DVD(字幕)] 2点(2021-03-14 21:52:57) |
4. 暗殺の森
《ネタバレ》 ゲシュタポといえば猟犬みたいなモノと思い込んでましたから、愚図で卑怯なソレってのは珍しかったかもしれませんね。なにやら有能なヤツという雰囲気がただようマルチェロですが、物語が進む中、主体的というか能動的に関わるシーンがないではないですか。行き当たりばったり。しかし、それがある意味リアル。こんな秘密警察の人もいたんだろうな、と。殺しをしたかもしれないことが、彼にとって自分の特別性のよりどころだったから、リーノらしき人を見つけたときにはあんな風に取り乱したのでしょう。でも、それが面白いかというと別なんだ。絵画的な映像もあったとは思いましたが、何かありそうで何もない、気持ちの入れようがない主人公の物語のなかでは、それがどうしたという気持ちです。 [DVD(邦画)] 4点(2016-04-30 06:56:48) |
5. ライフ・イズ・ビューティフル
《ネタバレ》 再見。だから、どうせ「10点」だと思いながら見直してみたのだが、あらためて気づいたことが二つある。その1、ラストを知りつつ見ると、初見時にはダルかった前半のコメディパートがものすごくいい。その2、11点を献上できるなら、本作にこそあげたい。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2014-03-20 22:37:09)(良:3票) |
6. 自転車泥棒
《ネタバレ》 「家庭の幸福は諸悪の本」は太宰治の小説の一節です。決して息子に見せてはいけない醜態を演じたお父さんは、でも息子がいなかったらあんな無謀なこともしていないワケです。家族の幸せのための行動でした。我が身を省みて、子供のために行ってしまった、犯罪まではいかないが小ずるいこととか思い出して、身をよじるような気持ちになりました。しかし。映画としてどうかというと、あまりにも率直に切なすぎて。盗み返した自転車をよく見てみたら、あの自転車だった!なんてね。うーん…。 [DVD(字幕)] 5点(2013-09-19 18:43:52) |
7. 勝利への脱出
《ネタバレ》 「今 逃げたら試合に負けるだけじゃない」とか、好きなんですよ、そういうの。選手たちは、スタジアムの大観衆の熱気に包まれ、もう戦うしかないという興奮に包まれている。おおらかな脱出劇といえば「大脱走」もそうでしたが、なんかいいですよね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-09-29 00:22:12) |
8. ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版
ワタシ自らが「劇場版」を選んで見ることはおそらく無いと思うので、誰かとよんどころない理由により、観る機会が訪れることを祈念しつつ。気持ちの上ではもはや幻の「劇場版」が、ああであったんだろうか、こうでもあったんだろうかと想像しつつ。それでも、少なからず驚かされたラストシーンに3点献上。 [DVD(吹替)] 3点(2012-08-15 16:51:33) |
9. カサンドラ・クロス
《ネタバレ》 結構盛りだくさんな内容。豪華な列車旅行、有名俳優、パンデミックを起こしそうな細菌。でも、いちいちなんか物足りない。列車転落シーンがプラレールみたい。ソフィア・ローレン必要だったの?あれだけ濃密に接触しているのに、主役にだけは感染しない。結論。いかにもツ○ヤの発掘良品にもうすぐ選ばれそうな作品。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-06-26 14:58:49) |
10. ホテル・ルワンダ
《ネタバレ》 ワタシだったら、自分の家族の安全しか考えられません。ですから、作品前半のタチアナの「隣人…」には、かなりうっとうしいモノを感じていました。でも、彼ら家族が生き残ったのは、自分たちの家族だけのことを考えなかったからだ、と今は思っています。ネクタイの結び間違いなど細かいところまで演出の行き届いた佳作。もし「シンドラーのリスト」と対決させるなら、こっちを選びます。なんだ、その対決は? [DVD(字幕)] 8点(2010-08-14 20:50:24) |
11. 太陽がいっぱい
《ネタバレ》 子供の頃、映画雑誌で絶賛されていたこの映画、避けて通れまいと鑑賞したモノです。ヨット上での殺人あたりまでは、結構引きつけられましたが、それ以降が長い。「指紋」に関することはない前提で作っているんだな、と思ってみていたら、100分過ぎたあたりのリコルディ警部の台詞にびっくり。古びない映画があることを、このサイトで教えてもらったワタシですが、この作品に関しては、「懐かしの映画音楽」で楽しむだけでいいもの、としか言いようがありません。 [DVD(字幕)] 3点(2010-05-01 21:45:34) |
12. ラストエンペラー/オリジナル全長版
《ネタバレ》 戦犯収容所の所長の引回しを見ても、お互い黙礼してた行き交わすだけにしとけ。紫禁城などには未練も何もないだろう、皇帝の座に座ってみたりするなよ、せっかく穏やかな生活を手に入れたんだから。しかし、力業の歴史劇。長いですが、収容所シーンと回想シーンの切り替えのタイミングよく、最後まで引きつけます。ジョン・ローン、かっこよかったなあ。このレビューで話題の坂本教授演ずる甘粕ですが、ムーディー勝山に似ていたなあ。 [ビデオ(字幕)] 7点(2009-12-30 09:05:28) |
13. 道(1954)
《ネタバレ》 あー、最後までジェルソミーナが分かりませんでした。高校生くらいにもみえるし、30超えてるようにもみえる。ザンパノと男女の関係があったのか、なかったのか。ザンパノが、外で寝ようとしている彼女を、力ずくで自分といっしょに車の荷台で寝かせたシーンはありましたが、私には単に「外で寝かせなかっただけ」にしか思えない。粗暴な大道芸人にアシスタントとして雇われた、年若く、まだザンパノからは「女性」としては扱われない、いうなれば「若手芸人さん」というのが、私の下した解釈でした。…今、他の方のレビューや別のサイトなどを見て混乱しています。 [ビデオ(字幕)] 3点(2009-07-25 16:04:45) |
14. 息子の部屋
《ネタバレ》 「家族」というより「男親と息子」がテーマ。息子を失った時の喪失感ってこんなかも、と辛い共感をしました。平井堅の「思いがかさなるその前に」とか思い出してみてました。だって、そっくりなんだもん。 [DVD(吹替)] 5点(2009-04-01 21:08:39) |
15. 穴(1960)
《ネタバレ》 皆様と同様に、「あんな音、立てちゃって」とか、「あんな光を反射する棒、出しちゃって」とかのことを、演出で納得させられちゃった者です。あんな狭い部屋に男5人がいたら、必ず「臆病者の出現」「不信感の発生」「リーダー争い」が起こるに違いないと思うのですけど、脱獄という目標のもと、ひたすら秩序を保ちながらコトは進んでいきます。刑務所全体もそう。看守と囚人の関係。鉛管工のくだり。独特のルールが刑務所内を包んでいます。不自然なんだけど、ここの世界のリアリティ、感じました。だから、最後の「裏切り者の出現」が許せないんですよねえ。いや、もうここに向けての全てだったんだ、と思いますけど。 [ビデオ(字幕)] 8点(2009-02-21 07:58:45)(良:1票) |