1. ヒトラー 最期の12日間
《ネタバレ》 自国が滅びてゆくときの悲劇は、その滅びるものの大きさが、1国であったり、1領地であったりとの差はあるでしょうが、ほぼ同じような終末であることは、多くの歴史小説や映画で語られてきました。第三帝国の終焉も同じようであったと改めて感じました。 ●印象に特に残ったのはエヴァ・ブラウンの心からの明るさと、ゲッペルス夫人のりりしさでした。同様な終戦ものの「日本のいちばん長い日」では見られなかったドイツ女性の強さみたいなものを垣間見させられた気がしました。ベルリンの壁崩壊の2年前にベルリンを訪れ、いくつかの戦争記念物・建物などを見学したことを思い出しました。戦争の残虐さは広島・長崎に及ぶべくもなかった印象をもったものでした。 [DVD(字幕)] 7点(2011-11-14 02:51:24) |
2. キングダム・オブ・ヘブン
《ネタバレ》 バリアンが、エルサレム明け渡しの交渉が済み、最後の別れ際にサラディンに 「エルサレムの価値は?」と聞くと「無だ。」「しかし、全てだ!」と答えましたが、 それが、この映画の全てを語りつくしていると感じました。それにしても いつもながら、凄まじい位にスケールの大きな映画で、観る度に色々な 事が分かりつつあります。エルサレム攻城戦の映像は特に凄かったです。 攻城塔を銛を打ち込んで引っ張って横倒しにする、などの防御法は 初めてみました。▼自殺した妻の十字架のネックレスを埋めたのは キリストが処刑されたゴルゴダの丘だったのですね。最後に故郷で眺めていた 花は桜の花だったような?ボードワン4世の崩御時のバックに流れた音楽は、 同じリドリー・スコット監督の「ハンニバル」の野外オペラシーンで使用されたパトリック・ キャシディ作曲の「ダンテス・ラ・ヴィダ・ノーヴァ」で、「あらら?同じ監督だだから、こんなのもありなのなのかなぁ?」と思ってしまいました。まあ、違和感はなく、むしろ高貴な悲愁感を漂わせていて非常に良かったのですが・・・・。最後に「この村にくると、バリアンに会えるといわれたのだが?」と尋ねたのは獅子心王リチャードだったのですね。まだまだ色々な事が分かって来そうな気がします。 [DVD(字幕)] 8点(2008-05-30 20:22:02)(良:1票) |
3. ビッグ・ガン
《ネタバレ》 ただただ復讐に狂った殺し屋で、ドロンであれば、もう少し哀愁・孤独感をにじませても 良かったような感じがしました。「ジタン」あたりの物憂げな感じが欲しかったです。ま あ、それにしても敵役のリチャード・コンテは、マフィアのボス役がぴったりの凄みがあり、思わず 「ゴッド・ファーザーⅠ」のボス・バルツィーニと重なってしまいました。それにしてもお墓や色々 な葬式を観られて、世界の風習には色々なものがあるのだと思いました。 [DVD(字幕)] 5点(2008-03-17 22:14:55) |
4. クィーン
《ネタバレ》 在位56年という長い間の最大の危期と言ってもよい、離婚した嫁の奔放な男遊び(原因は長男の不倫とも言われているが?)の果てのクラッシユ死を巡ってのさまざまな葛藤を、見事に描いていました。アカデミー主演女優賞獲得もむべなるかなという映画でした。 1000年も続いた英王室のトップとは、こんなにも大変であったとは「エリザベス」で多少は感じていましたが、現代でも差ほど変わらないと言う事を初めて知りました。▼唯一見せた落涙のシーンは、ロンドンから遠く離れた狩猟地でランドクルーザーが故障してしまった時に、多分孤独感と焦燥感とに突き上げられての涙でした。しかし、凛とした大鹿をみて、「挫けてなるものか」と立ち直り、その後の非難にも堪え生き抜いていく逞しさは、私なども学ばねばならないと強く印象に残りました。 [DVD(字幕)] 7点(2008-03-08 15:17:21) |
5. スパイ・バウンド
《ネタバレ》 これだけの俳優をそろえた、最近のフレンチ・ノワールだと思って観たら、唯〃移動シーンばっかりの映画で、まったく題名が泣きます。まあ、あちこちにロケをした観光映画だと割り切って見ていました。しかし、フランスもつまらない映画を作るように成り下がってしまったのが残念です。 [DVD(字幕)] 2点(2008-03-05 00:12:42) |
6. 夜よ、こんにちは
《ネタバレ》 実際にあった誘拐事件をTVニュースでのみ見せ、あとはぐたぐたと理屈を捏ねているだけの映画と感じました。緊張感がまるでなく、誘拐テロの話とは思えませんでした。イタリア庶民の暮らしぶりがやや見えたところに2点です。 [DVD(字幕)] 2点(2007-10-31 19:35:53) |
7. 麦の穂をゆらす風
《ネタバレ》 緑に溢れた美しい風景とは裏腹に、あまりにも切ない戦争映画と感じました。「マイケル・コリンズ」の時にも理解不能でしたが、やはりこの映画でも理解できないままでした。日本ではこのように同じ民族が2つに分かれて戦うという歴史的事実がなかったのは本当に幸せだったのかもしれません。何故、国土を二分してまで争うのかが理解できませんでした。宗教的な背景があるとは聞いていますが・・・。あまりに切なくてもう二度とは観たくない映画です。 [DVD(字幕)] 8点(2007-09-30 13:49:35) |
8. ワーテルロー
《ネタバレ》 1970年に観たときは仰け反りました。映画というのはこんな凄いことが出来るのだと思い知らされました。でも製作者であるディノ・デ・ラウレンテスは小生と感覚が似てると思ったビデオでした、すいません。「砂の惑星」「ハンニバル・シリーズ」などなどです。ナポレオンは天才でしたが、少しの油断が、緻密なウエリントンに敗れたということだと思っています。でも英軍のスクエア陣は無敵ですね。「サハラに舞う羽根」でも組まれた陣形でした。 [ビデオ(字幕)] 10点(2007-09-02 22:58:17) |
9. アルジェの戦い
《ネタバレ》 学生の時に劇場で見たときには、記録映画?と思った程すごい迫力を感じた記憶があります。DVDで再見し、改めてこの映画の凄さを感じました。こんな映画はあまりなく、傑作と呼ぶべきか否か迷うほどです。まあ、登場人物が話している言語がイタリア語なので、やや違和感は否めませんが、支配する国と、支配されていた人民とのどうしようもない、お互いの増悪が感じられ戦慄します。世界のあちこちで、現在も同じような戦争が起こっているわけで、救われない感じがしました。まあ、冷静にみると、バックに宗教戦争みたいなのがあるのかもしれません。日本がいかに平和で、むしろ平和ボケしているのではないのか?と言う事を実感させられました。 [DVD(字幕)] 10点(2007-09-01 20:14:01) |
10. 太陽(2005)
「朕の不徳なる・・・」と云う文芸春秋に掲載された文を読んで、昭和天皇に対する畏敬の念が大きくなっていました。この「太陽」を映画館で観れなかったのでDVDで初めてみました。天皇があんなに堂々とマッカーサーとやり合っていたとは知りませんでした。また、多数国語が喋れたということにも吃驚しました。さらに畏敬の念を強くしました。 [DVD(邦画)] 7点(2007-08-03 09:21:37) |