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プロフィール
コメント数 731
性別 男性
自己紹介 ソフト化されたタイミングでのレビューが中心です。2008年、子供の頃から夢だった自宅シアタールームがついに実現しました。(100~110インチ程度、音響2.1ch)できるだけネタバレせずに書いていますので文章がおかしい場合もあると思いますが、暖かい目で見守ってやってください。(2014初登録)

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1.  夕陽のガンマン 《ネタバレ》 
ストーリー・表現・音楽と三拍子揃っていてとにかくよく出来た映画です。モンコ(イーストウッド)も用心棒の時のような軽さは無く、モーティマー(リー・ヴァン・クリーフ)とも敵対しすぎず慣れ合わず、騙されるかもしれないという微妙な関係性を上手く表現していました。ストーリーはシンプルで判りやすいですが奥深さも失っていません。  特筆すべきはラストに明かされるモーティマー大佐の秘密。教養がありそうで地位もあった男がなぜ賞金稼ぎに落ちたのか、少ないセリフと映像で理解できるシーンは素晴らしいです。若くてカッコいいイーストウッドが主人公かと思いきや、明らかに大佐のほうが一枚上手、魅力も立場も生き方も数段上でした。 惜しいのは終盤のインディオ(ジャン・マリア・ヴォロンテ)の小粒感。中盤までは切れまくっていた頭脳と貫禄が終盤の安っぽい小芝居で台無しなってしまいました。この辺はワイルド・ザ・ハンチバック(クラウス・キンスキー)を使って面白くできたと思うので非常に惜しい点でした。クラウス・キンスキーに関してはイーストウッドに射殺されるラストも捨てがたいので、今回の脚本と演出でも間違ってはいないと思いますが、序盤の大佐との一悶着の決着がついていないのが残念でした。  総じてドル箱三部作の中では圧倒的な完成度と魅力を感じた本作。数十年ぶりに再鑑賞しましたが全く色褪せていませんでした!私の中ではマカロニといえば本作で、日本語吹替の競演も胸アツでした!(ここのレビュアーでしたら説明不要だと思いますが、この風景がメキシコではなくスペインだというから本当に素晴らしいです!)
[地上波(吹替)] 9点(2023-09-23 14:04:40)
2.  荒野の用心棒 《ネタバレ》 
個人的には「OK牧場の決斗」のほうが面白かったです。本作は少々粗削りなこととストーリーが判り難かったせいでイマイチ乗り切れませんでした。登場人物も多めで話が散漫になりがちです。ただし、ラストの防弾チョッキのシーンは本当に素晴らしかったです。マカロニウエスタンを知らない人でもBTTF3(バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3)が防弾チョッキのネタを丸パクリしていますからご存知だと思います。その他、棺桶ネタ、大樽大破、墓場の死体などなど、面白いシーンは多めです。  シーン自体は面白いものが多いものの肝心のストーリーが少々判り辛く、爆薬を使って大量殺人に発展するシーンやロホス/バクスター/マリソルの間を行き来している流れ者ジョー(イーストウッド)が中盤まで結構うまく儲けている流れなどは違和感でしかありませんでした。 黒澤作品は何作かは見ていますが、元ネタに当たる用心棒は見ていません。この辺の流れは元ネタを見てみないと心の機微などは理解できないかもしれません。少なくとも本作ではジョーの心の動きまではウマく表現されておらず、ただ騙して金をせしめる貧乏人にしかなっていませんでした。やはり映画ファンとして元ネタ用心棒も見ておいた方が良さそうです。OK牧場を7点にしましたので本作はやむなく6点としました。
[地上波(邦画)] 6点(2023-09-23 14:00:24)
3.  チャーリー(1992)
私の個人的な感覚でいえばロバート・ダウニー・Jrといえば性格俳優の趣きが強く、そういった意味でもチャップリン役は彼に最も適した役だったのではないかと思います。実際彼の役へのなり切り具合はとても素晴らしいものでしたがストーリーがそれに見合っておらず、どうにも軽い作品に成り下がっています。喜劇俳優を描いているにもかかわらず大して面白くもなく、また心に響くような深い映画にもなっていません。そもそも論ですが世界で最も有名な喜劇俳優かつ監督、いわゆる偉大な芸術家であったチャップリンの一生をたった2時間半で描こうとしたのがそもそもの間違いで、ガンジーのようにせめて3時間、いや3時間半でも良かったかもしれません。  幼少期も青春期も青年期も全てが早歩き過ぎて、見ている私たち観客の心には何も響きません。ロリコン気味の彼の女性遍歴も何となく早歩きで軽く紹介しただけで終わっています。更に成功期から晩秋期においてはアンソニー・ホプキンス(ジョージ・ヘイドン記者)が妙に幅を利かせてきて要らぬ存在感を放ちます。意味深なセリフも目立っていて妙に映画が散漫になっているのです。何か哲学めいた雰囲気からのあのイメージビデオのようなラスト。他の方もおっしゃっている通り、キャップリンの人となりを知りたかったら「街の灯」を一本見るだけで十分に彼のことが理解できるでしょう。 2時間半の伝記映画にするにはあまりにも偉大すぎたチャップリンの紹介映画は、それを作ってしまった時点で蛇足以外の何物でもなかったという感想です。ただし、早歩きでざっと彼の人生を見渡すにはよく出来た作品ではありました。
[インターネット(字幕)] 5点(2022-09-13 11:28:04)(良:1票)
4.  ニュー・シネマ・パラダイス 《ネタバレ》 
個人的には「海の上のピアニスト」は非常に良くまとまっていて素晴らしい作品でしたが、名作と名高い本作「ニュー・シネマ・パラダイス」(短い版)はまったく心に刺さりませんでした。もちろん随所に素晴らしいシーンや素敵なセリフ、映画愛に溢れたシーンは散りばめられていましたが、だからといってこの映画の教訓や哀愁が私自身に突き刺さったか?というと、そうではなかったです。  カットされていたラブシーンのことや99日で去ってしまった兵士の話、アルフレード(フィリップ・ノワレ)に感化されながら同時に教育も受けたトト(サルバトーレ・カシオ/マルコ・レオナルディ)自身の恋愛観や人生観は素晴らしいです。彼ら二人が培った生き方や友情物語はとても素晴らしく、トトの恋愛の行く末も哀愁を帯びていて悪くないものです。(初恋が成就しない人も多い中、トトは成就した訳だから良いほうではないかと) ラストもそつなく綺麗にまとめられていて、成功した(おそらく映画監督)中年期のトトと老いた母や町の人達との会話も意味深くて素敵でした。  全体的に音楽も素晴らしく作品としては本当にそつなく綺麗にまとまっていますが、だからといって高得点にはつながっていないような気がしました。個人的な意見ですが、コンパクトにまとまった凡作といった印象です。「ショーシャンクの空に」同様、世の中の高い支持が理解できない作品でした。いや、決して悪くはないのですよ・・  余談ですが、この映画を見て強く共感した点は”やはり映画は投影しないとダメだよな”ということです。私自身映画とは大画面であるべきなのは当然ですが、投影されているということが重要だと信じています。(自宅プロジェクター鑑賞、100インチ 2.1チャンネル)
[インターネット(字幕)] 4点(2022-09-09 12:15:23)
5.  グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札
この題名から高貴なモノを見せてくれるとワクワクしましたが、極めて単調で退屈な映画でした。オープニング10分は素晴らしい仕上りですが30分が過ぎる頃にはもうあくびが。。彼女の美しさを伝えたいのは理解しますが、アップを多用した抑揚のない仕上がりにはガッカリを通り越して眠たくなる始末。 他の方も書いてらっしゃるように、グレースの切り札じゃなくてグレースが切り札でしたね(わら)。この題材でいくなら本当にもっともっと脚本を頑張ってもらわないといけません。ティム・ロスの苦悩もあまり伝わらず、ヒッチコックや神父さんもイマイチ使いきれていない印象でした。  政治的な深みがほとんど描かれておらず、淡々と彼女の立場にのみスポットライトが当たっていた印象です。もしかしたら監督は彼女の美しさのみ記録したかったのかもしれません。ある人物の裏切りなどは安いTVドラマ風情ですし、肝心のラストのスピーチにも全く深みが無く、早く終わってほしいとすら感じました。(その後のPVも失笑もの)  「エディット・ピアフ~愛の讃歌~ (2007年)」の監督さんなので、作風自体は真面目で正統派です。 ひょっとしたら脚本が良かったら化けた映画なのかもしれません。題材が良かっただけに非常に残念な作品でした。
[地上波(吹替)] 4点(2021-02-02 17:56:58)
6.  ゾンビ/ダリオ・アルジェント監修版
再鑑賞したので今更レビューです。数十年の時を経て今見ても素晴らしいです。映像的な古さや演出の稚拙さは目立ちますが、人間の本質を描いている点は非常に興味深いです。子供の時に見た印象とあまり違いがありません。  現代最高峰「ウィーキング・デッド」でも人間が一番怖いという点がゾンビの普遍的なテーマであり共通点であるべきですねやはり。今見ると全然怖くないという致命的欠陥から、、やむなくこの点数とさせていただきますがテーマ的には9点です。(総合的には最終章である「死霊のえじき」が好きです)
[インターネット(字幕)] 7点(2017-10-27 15:35:55)
7.  キングダム・オブ・ヘブン
この映画は期待して鑑賞したのでガッカリ感が強かったです。全体的に迫力もあって雰囲気も良かったのですが、主人公ありきで進む予定調和なストーリーが全くもって全然ダメでした。 突然現れた息子バリアンが強くてカリスマ性もあってと、何から何まで都合良過ぎる感が強いのが違和感あり過ぎです。そんな強引に持ってゆかずに、無理せずオヤジさんの「ゴッドフリーの伝記」として映画を組み立てたほうがずっと自然だったと思います。その点が悔やみきれないくらいに残念でした。いくら息子が熱弁を振るっても終始説得力を感じることはありませんでしたね。(だってどこの戦地に行ってもゴッドフリーの武勇伝が轟いているのだもの)  余談ですがエドワード・ノートンの使い方が凄すぎます。(あの役は助監督さんあたりが適当に入っていても別に問題なかったのでは?)
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2014-09-23 17:34:29)
8.  オープン・ユア・アイズ
オープン・ユア・アイズに感激してトム・クルーズがバニラ・スカイをやりたがったという話は有名ですね。リメイク版はまるでトムのPVのようなパッケージで少し引きます(笑)。当初バニラ・スカイを観るつもりでしたが、、調べてみるとオリジナルと比較論争があることを知り、ならばオリジナル版である本作のほうが先だろということで無理やりこちらを鑑賞しました。  この映画は脚本ありきなので、そういった意味ではオリジナルである本作を評価せざるを得ないところです。しかし映画はオリジナルだから価値が高いとも限りません。個人的にはリメイク版であるはずのバニラ・スカイのほうが圧倒的に洗練されていて観やすい映画になっていたと思います。一言でいってしまうとオリジナルのほうは全体的にチープで素人くさく、リメイク版のほうは一流たちが金にモノをいわせて丁寧に作ってあるといった印象でした。  内容に関してはほぼほぼ同じなのに鑑賞後の余韻が正反対だったのには驚きました。お化け屋敷から出てきたような印象の本作(オリジナル)と比べ、バニラ・スカイのほうは余韻が素晴らしいです。なんだか初恋に敗れたようなほろ苦さや甘酸っぱさがあってとっても素敵なのです。オリジナル脚本であるオープン・ユア・アイズには敬意を表しますが、個人的にはバニラ・スカイのほうが圧倒的に良かったです。
[DVD(字幕)] 4点(2014-09-21 23:41:01)
9.  続・夕陽のガンマン/地獄の決斗
この映画を端的に表すとするならば、まあやたらと長いということです。最初30分は説明風の流れが延々と続きます。途中も拷問のシーンや砂漠のシーンがやたらと長い。汗臭そうなこめかみのアップが延々と続くし、ラストの三つ巴の決戦もまた長いこと長いこと。音楽が終わってからもさらに長い。もう本当にマカロニウエスタンを一言で表すなら「しつこい」。  ハッキリいってもう少しウマくまとめてくれたら余裕で120分で収まったハズです。しかしこの単調で気だるい雰囲気が正にマカロニウエスタンだともいえますので、難しいところです。何よりクリント・イーストウッド=ジョーとリー・ヴァン・クリーフ=セテンサ、そしてイーライ・ウォラック=テュコの三つ巴の絵が最高すぎて嬉ション出そうな勢いなのです。 随所に豪快なシーンもあって、有無を言わさずテーブルの下からぶっぱなしたり、、風呂桶からぶっぱなしたり、、と、とにかく最高×豪快×かっこイイ×マカロニ=続・夕日のガンマンなのです!   2023/9再鑑賞 ドル箱三部作として4K放送されていたので「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン/地獄の決斗」と、続き物として再鑑賞しました。やはり以前の鑑賞時同様、本作はどうにも間延びしていて時間が長く感じてしまいました。余談ですが、イーライ・ウォラック=テュコが夕陽のガンマンのジャン・マリア・ヴォロンテ=インディオじゃなかったことに驚きました。似てますが別人ですねこれ。  前二作と比べると本作はストーリーが凝り過ぎていて、マカロニのしつこさとは相性が良くありません。南北戦争とかも必要なくて、伝説の黄金と戦争を絡ませた伝説話で十分でした。続けて見るとロケ地が同じだったりして少し安っぽさも感じました。私のとっては前作「夕陽のガンマン」がマカロニウエスタンのベストオブベストでした。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2014-09-05 14:51:18)
10.  海の上のピアニスト
当時仲が良かったピアニストに勧められて見た映画です。最初は乗り気じゃなかったのですが、トランペッター(マックス=プルート・テイラー・ヴィンス)の導入部が素晴らしくて一気に物語に引き込まれました。嵐の中ピアノと踊るシーンはファンタジー過ぎますが、その後の展開は悪くないです。ピアノ対決ももちろん素晴らしかったのですが、一番には1900ナインティーン・ハンドレッド(ティム・ロス)の心の葛藤がなかなか奥深くて味わいがありました。 単純に、、ナインティーン・ハンドレッドは船を降りる度胸が無かっただけだと思われますが、この構図は普通の人が巣立つ(大人になる・独立する)という単純な図式にも当てはまります。個人的には何となく彼の心境も理解できました。ニートや引きこもりといってしまうと言葉は悪いのですが、やりたいことだけをやり続けられる人生というのも、ある意味幸せなのではないかと感じます。私も事情が許されるのであれば、出来ればあのような生き方をしてみたいと思ったりもします。  通常版とイタリア完全版を比較しましたが、どちらかというと長尺版のほうが全体的に丁寧な印象でした。ファンタジーなわりに生まれから丁寧に描かれていて、もしかしたら「真実なのかもしれない」と思わせるような演出は素晴らしいです。ただ、ファンタジーすぎて随所にシラケるようなシーンも挟まっているので若干点数を落としてしまいましたが、映画としては素敵な作品です。後に見た同監督の「ニュー・シネマ・パラダイス」と比較するとかなり好きなタイプの映画だったといえます。
[ビデオ(字幕)] 7点(2014-09-04 16:45:16)
11.  ニキータ
自分の中で年々評価が高まる映画というものが皆さんにもあると思いますが、本作ニキータは見るたびに年々評価が下がる映画でした。見た当初は渋くてとても素晴らしい映画だと感じましたが、何度か繰り返し見るたびに評価が下がってきます。  出演者全ての雰囲気はとても素晴らしく、ニキータ役のアンヌ・パリローなど真に迫っていて実際に居そうな雰囲気だし、ボブ(チェッキー・カリョ)も落ち着いた佇まいで雰囲気があって好きです。ジャン・レノ(掃除屋ヴィクトル)なんかも出てきてストーリー上はなかなか面白い展開を見せますが、何だか全体的に軽い印象も目立ちます。 具体的に評価が下がる理由もイマイチ見つかりませんが、物語的にちょっと無理感が強すぎるせいでしょうか。個人的には画商に扮して登場するシーンやカフェにデカい帽子をかぶって現れるニキータが印象的で素敵でした。ホテルのバスタブのシーンなども含め、フランス映画らしい素敵なシーンは多いです。  でもなんだか年々評価が下がってしまいます。自分自身が大人になってしまったのでしょうか、ちょっと寂しいですね。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2014-05-03 16:33:05)
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