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プロフィール
コメント数 2627
性別 男性
ホームページ https://tkl21.com
年齢 43歳
メールアドレス tkl1121@gj8.so-net.ne.jp
自己紹介 「自分が好きな映画が、良い映画」だと思います。
映画の評価はあくまで主観的なもので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

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1.  ブラックアダム
DCコミックスきってのダークヒーローに我らがドウェイン・ジョンソンが扮する。 そりゃあハマるに決まっているし、俳優単体の存在感のみを捉えたならば、数多のアメコミヒーロー映画の中でも指折りの「説得力」を示したと言っても過言ではないだろう。 DC精神全開のケレン味に振り切った描写は、スペクタクル性に溢れ、その絶妙なバカさ加減(好物)も含めて、さながらインド映画の超大作を観ているようだった。  ただ、その主演俳優のドハマリぶりの一方で、新鮮味は皆無だったことも否めない。 MCU、DCと、これだけアメコミ映画が飽和状態の中にあって、あまりにもオーソドックスで豪腕ド直球なストーリー展開が、本作のテイストに相応しいことは理解しつつも、やはり退屈だったことは否定できないところ。  マイナス要因だったのは、主演俳優のド直球なハマりぶりに呼応というか、依存するかのように、周辺のキャラ設定や描写までもが、あまりに工夫なくチープだったというところだと思う。 ダークヒーローの一種のバディとなる少年や、その母親で学者のキャラクター性が類型的で魅力に欠けていたり、主人公と共闘するヒーローチームの面々のオリジナリティが弱かったことが、本作の魅力を底上げすることができなかった大きな要因だろう。  「アイアンマン3」でトニー・スタークを救った少年だったり、トム・ホランド版「スパイダーマン」でマリサ・トメイが演じたメイおばさんのような愛すべきキャラクターを登場させることができていたならば、本作自体がもっと愛すべき作品になっていただろう。  MCUのような世界観の完成度は皆無で、その代わりにケレン味あふれる描写で瞬間的な沸点を追求するDCのアプローチは決して嫌いではない。 次作でこのダークヒーローと対峙するのは、スーパーマンか、それともシャザムか。いずれにしてもこの路線をさらに追求する形でエンターテイメントのクオリティーを爆上げしていってもらいたい。
[インターネット(字幕)] 6点(2023-05-09 15:10:02)
2.  エイリアン:コヴェナント 《ネタバレ》 
創造主によって創られた人類が、新たな創造主となりアンドロイドを創った。 優秀なアンドロイドは、創造主に対して屈折した憧れと自らの存在に対するジレンマをこじらせる。 アンドロイドは、ある意味“対”の存在とも言える「生命体」と邂逅したことで、抱え続けてきたジレンマを解き放ち、彼もまた創造主になろうとする。 それは、見紛うことなき創造主に対する“レイプ”。 ああ、なんて禍々しい。   前作「プロメテウス」は、「エイリアン」の前日譚というイントロダクションを単純に捉えすぎた観客の多くが、その想定外の“語り口”に対して面食らった。 “エイリアン”という映画史上屈指のモンスターを“アイコン”として崇拝する者ほど、「こんなのはエイリアンじゃない!」と落胆したようだ。 個人的には、「エイリアン」シリーズに対してそれ程愛着があるわけではないけれど、それでも「プロメテウス」が紡いだストーリーテリングに困惑したことは否定できない。 SF映画として、決して面白くなかったわけではなかったけれど、粗の目立つストーリー構造にテーマに対する詰めの弱さと脆さを感じ、つくり手が描き出したかったことを掴みきれていない“消化不良”感を不快に感じた一作だった。  そして5年の年月を経て放たれたこの“前日譚第二弾”は、御年79歳のリドリー・スコット監督の趣向が、概ね良い方向に押し出された最新作として仕上がっていると思う。 執拗に引用される聖書や各種古典からのセンテンスや思想、科学的空想を踏まえた哲学性は、この大巨匠が過去のフィルモグラフィーの中で繰り返し語りつけ、映し出してきたことと尽く重なる。 自身の過去作で描き続けてきた事のある種の“焼き直し”に対して、ためらいもなければ、てらいもない。 そこに存在するのは、リドリー・スコットだからこそ許されるクリエイターとしての矜持と確信だ。   愛を知り、絶望を知ったアンドロイドは、凶暴無垢な胎児を引き連れ宇宙の果てに向かう。 果たして、“王”を気取ったアンドロイドが辿り着く姿は、神か、悪魔か。  僕たちは、大巨匠の赴くままの旅路をただ見届けるだけだ。戦々恐々と。
[映画館(字幕)] 8点(2017-10-20 23:44:22)(良:1票)
3.  ホビット/決戦のゆくえ
正月三が日の中日深夜に鑑賞。正月休みも残り1日となり、気負うことなく豪華絢爛な映画を観たい気分で鑑賞。そういう意味では是非はともかくとしてちょうどいい映画だった。  「ホビット」三部作の最終作。「ロード・オブ・ザ・リング」の前日譚として、前シリーズ同様にピーター・ジャクソンが全監督を務め上げただけあって、世界観の統一感は文句無しに保たれていて、その映像世界の作りこみは全作品通じて圧巻だったと思える。 ただし、当然ながら、もはやファンタジー映画史の頂点に君臨する作品である「ロード・オブ・ザ・リング」の物語性と比べると物足りなさは否めない。 「ロード・オブ・ザ・リング」の熱心なファンであれば、そのストーリー性により深みを与えるために“追加”された豪華なスピンオフとして、存分に楽しめる映画シリーズだったとは思うが、そうではない者にとっては、それなりに楽しめる反面、ストーリーの面白さに欠ける作品として映ってしまっただろう。  英国人俳優マーティン・フリーマンを主人公に配したことは大正解だったと思う。この俳優の持つ“謙虚な存在感”は、やはり特別なもので、“前日譚の主人公”であるビルボ・バキンズというキャラクターが持つ性質にとても合っていたと思う。  ともかく、全6作品に及ぶあまりに膨大な映画世界を描き切ったピーター・ジャクソンには敬意を表したい。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-01-06 15:34:30)(良:1票)
4.  ホビット/竜に奪われた王国
三部作の最終作公開のタイミングを知り、一年前の公開時にスルーしたままになっていたこの第二作目をようやく鑑賞。 「ロード・オブ・ザ・リング」(以下LOTR)は全作を劇場にて高揚感たっぷりに観たタイプなので、同様に繰り広げられる大ファンタジーの壮大な世界観には、やはりアガる。 ただし、生じた高揚感の矛先は、この“前日譚”を通り越して、やはり「LOTR」に向いていることは否めない。  前日譚であることの宿命とはいえ、「LOTR」と比べてしまうと物語規模の圧倒的な小ささを感じてしまう。そして、ストーリーテリングの推進力も、圧倒的に弱い。 「LOTR」は、常に別の道程を辿る各パーティーの冒険が並行して描かれ、それがストーリーテリングに厚みを持たせていたが、今作は基本的に主体であるドワーフ一行の冒険のみが延々と続くので、どうしても飽きてしまう。それぞれのキャラクターに華がないことも痛い。 最終作を観ていないので明言はできないが、無理に三部作などにする必要はなく、単作で纏め上げたほうが良かったと思う。  大スクリーンで観てナンボの作品であることは間違いないので、自宅の小さなテレビで観たことは大いにマイナス要因だっとは思うけれど、現状の期待値では最終作を観るために劇場に足を運ぶことは正直難しい。  英BBCの「SHERLOCK」の大ファンなので、マーティン・フリーマン(ホビット)とベネディクト・カンバーバッチ(スマウグ)の「対峙」は、ちょっと胸熱だったけれどね。  最後にこれだけは言いたい。 前作では敢えて突っ込まなかったが、“ずんぐりむっくり”が身体的特徴のはずのドワーフなのに、“王”や“恋愛担当”は結局細身のイケメンであることが、なんだか納得いかない。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2014-12-08 16:58:13)(良:1票)
5.  ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 - スペシャル・エクステンデッド・エディション -
長い長い旅の果て、極限まで憔悴した主人公たちの意識が乗り移ったかのように、観ているこちら側も確実に疲弊していることに気付く。 もちろん映画が長過ぎて疲れたということではない。これほどまでに深遠な物語を、これほどまでに完璧に映し出した映画世界を体感して、“疲れ”を感じないわけがない。 そう断言出来るくらい、この映画の完成度は物凄く、あらゆる否定を寄せ付けない絶対的な存在感を誇っている。  劇場公開以来2度目の鑑賞。劇場公開版でも充分にこの作品の凄さは感じていたけれど、今回初めて“スペシャル・エクステンデッド・エディション”を観て、映像構成から人間描写までこの映画世界のあらゆる緻密に裏打ちされた奥行きの広大さに驚嘆した。 主人公はもとより、彼を支える仲間たちの一人一人、そこに集う人物の一人一人、そして対峙する“悪”の存在の一人一人に至るまできめ細かい描写がきちんとされ、その一つ一つのドラマ性がこの深遠な物語を象っている。 そういうことを映画という表現の中で、余すことなく創造しきったピーター・ジャクソン監督をはじめとする製作陣には、ただただ敬服するしかない。  一つの指輪をめぐる冒険の果ての、世界の平穏と、主人公の喪失感。 ファンタジーに関わらず、世界中の数多のストーリーが、この"行きて帰りし物語”をベースにしているのだろうが、この映画の絶対的な存在感は、この先時を経ても決して揺るぐことはないだろう。  ただし、個人的にはこの物語に唯一対抗し得る作品があると思う。 「風の谷のナウシカ」の原作漫画である。 もちろんこれも、宮崎駿がJ・R・R・トールキンの「指輪物語」に影響を受けていることは明らかだ。今回、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズを見直してみて、「風の谷のナウシカ」が類似する要素が数多いことに気付いた。 「風の谷のナウシカ」の原作漫画の大ファンにとっては、その実写映画化は禁断の夢だ。 ただもし、その禁断が破られるのならば、それを託せるのはピーター・ジャクソンをおいて他にいない。
[DVD(字幕)] 10点(2013-02-14 16:56:55)
6.  ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 - スペシャル・エクステンデッド・エディション -
“5日目の朝日”と共に白い魔法使いが軍勢を引き連れて戻ってくる。大軍勢が一挙に斜面を下り、待ち受ける敵方の大軍勢とぶつかり合う。 起死回生のこのシーンの迫力は物凄く、劇場公開時に初めて目の当たりにした時の興奮は忘れられない。 個人的には、この「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズが、ファンタジー映画の範疇に留まらずエンターテイメント映画として唯一無二のものとなっているのは、この第二作の圧倒的なクオリティーによるところが大きい。  シリーズの前日譚「ホビット」の公開、鑑賞を受け、この“スペシャル・エクステンデッド・エディション”を初めて鑑賞。 本当はもっと早く観ておきたかったけれど、何せ上映時間が223分もあってはなかなか機会を見出せず、結局今回のタイミングに至った。  エンターテイメント映画としてのクオリティーの高さは、先述の通り言うまでもなく物凄い。 長ーーいエンドロールが、この映画に携わった人間とそれに伴う情報量の膨大さを顕著に物語っている。  今作はメインキャラクターはもちろん脇役も含めた登場人物たちの群像劇としての趣が強く、映画世界に息づくキャラクター達の緻密な人物像とそれに付随するドラマ性も見所だと思う。 その分、逆に主人公フロド周辺の描写は少なく、彼においてはそれほど大きな進展もないのだが、周辺キャラクターの魅力が深まる今作があるからこそ、この三部作は強固な娯楽性を持ち得ていると思う。  さあて、この勢いのまま「王の帰還」の“スペシャル・エクステンデッド・エディション”に挑むかな。
[DVD(字幕)] 10点(2013-02-13 16:53:56)(良:1票)
7.  ホビット/思いがけない冒険
 「壮大」というよりは「膨大」な映像の“物量”に気圧された。 それがそのままエンターテイメント大作の質としてのパワーに直結して感じられたなら良かったのだけれど、鑑賞日は三が日の最終日、年末年始の疲労の蓄積がピークに達した状況では、正直呆然と眺めるしかなかった。 コンディションを整えられていなかったことに対しての自責を感じつつも、"見慣れた”映画世界に「退屈」を感じてしまったことは否めない。    「ロード・オブ・ザ・リング」(以下「LOTR」)三部作が映画史に燦然と残るファンタジー映画の傑作であることは間違いないと思っている。  その“前日譚”を同じピーター・ジャクソンが描き出すということに対しては、大いなる期待と同時に、「二番煎じにならないのか?」という危惧はどうしたって拭いされなかった。  結果として言えることは、やはり危惧した通り、何だか見慣れた映画世界がまた一からスタートしたのだなという印象に帰結してしまったということだ。  世界観の作り込みは当然ながらもの凄い。ただし、そこに前三部作を超越した何か“新しいスゴさ”があるかというと、そういうものは感じられなかった。 ガンダルフをはじめとしてお馴染みのキャラクターが登場するシーンは、かつての高揚感が彷彿とされ確かにアガる。ただそのアガり方も、あくまでスピンオフ的な盛り上がりに過ぎず、「前日譚」である以上「LOTR」を越える程の物語性は望めまいという固定概念が先行するため、今ひとつ高揚感に浸ることが出来ない。  またキャスティングの地味さも厳しい。俳優の名前で客を呼ぶタイプのエンターテイメント作品ではないということは分かっているが、新キャラクターの殆どが無名俳優ばかりで印象が薄いので、登場人物の多さがただの雑多さに繋がってしまっている。 たとえ現時点での知名度は低くとも、たとえばヴィゴ・モーテンセンやオーランド・ブルームクラスの実力やスター性を備えた俳優を起用してほしかったところだろう。  とはいえ新たな“三部作”は始まったばかり。顧みてみれば、「LOTR」の一作目を初めて観た時の印象もそれほど良くはなく、二作目、三作目の盛り上がり方で一気にシリーズ全体が昇華していった。 とりあえず前三部作を観直しつつ、次作「スマウグの荒らし場」の公開をじっくり待つことにしよう。
[映画館(字幕)] 6点(2013-01-03 22:24:53)(良:1票)
8.  第9地区 《ネタバレ》 
どういう“スタンス”で観るべきなのか、ということが結局掴みきれない映画だった。  南アフリカはヨハネスブルグに現れた巨大な円盤。それに乗り込んでいた数万人のエイリアンが、そのまま難民として住着く。 確実に地球人よりも高い科学力を持ち得ながら、異星への難民として劣悪な生活環境に身を落とすエイリアンたちは意味不明。そして、それを一旦は受け入れておいて、難民としての退去に役所仕事を繰り返す地球人たちは、もっと意味不明だ。  というわけで、基本となるストーリーは、整合しているようでどこまでも常軌を逸している。 その“普通じゃなさ”は、真面目な語り口になればなるほど破綻し、それこそがこの映画が狙ったシュールなユニークさだと思う。  真っ当なB級映画として捉えるのならば、とてもクオリティーの高い愛すべき映画となったかもしれない。  ただ問題は、今作がアカデミー作品賞にノミネートされていることだ。  「エビ」と揶揄されるエイリアンたちを差別の対象として描くことで、問題提起をしている部分は確かにあるのだろうが、そこにアカデミー賞にノミネートされるほどの映画としての深みがあるかというと、そんなことは決してない。  これは、奇妙な設定を奇妙なストーリーテリングで綴った悪趣味な悪ノリ映画であり、そういう風にプロモーションすることこそ、この映画の価値を正しく伝える唯一の方法だったと思う。  アカデミー賞という変な固定概念が付いてしまったせいで、「ふざけた映画だ」という印象が殊更に強まってしまった。
[映画館(字幕)] 4点(2010-05-05 23:41:12)(良:4票)
9.  キング・コング(2005)
この映画は紛れもなく1933年の「キング・コング」のリメイクなわけだが、実のところ肝心な部分が大いに違う。それは、劇中の登場人物、そして映画を観る観客の“コング”に対する感情の相違だ。1933年版には、コングに対する“情”はほとんどない。終始「空想冒険活劇」が貫かれ、それが結果として製作者らも含めた人間の素のエゴイズムを表現している。 逆に今作には、コングに対する情が溢れている。いやむしろそれメインに描いていると言っていいだろう。そのこと自体は別に良いと思う。現代の時代性を考えても、コングをただの“怪物”として描くことは、良識的に不可能であろう。 ただしかし、あれほどまでにコングが、動物的な愛らしさを携えているのはどうなのだろう?あそこまで感情豊かに描かれては、そりゃどうやったって感情移入するし、悲劇を迎えればジワリと涙腺はゆるむ……。 果たしてそれでいいのか?やはりもう少し、“キング・コング”という“怪物”に何故か生まれてくる“情”を巧く描き出してほしかったように思う。 まあそれでも、これだけの容量で大スペクタクルを見せられては、娯楽映画として満足するしかない。ただ、ある種仕方のないことかもしれないが、全体的に“大味”な感が残ってしまったことは否めないだろう。
[映画館(字幕)] 7点(2005-12-22 19:05:10)
10.  ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 《ネタバレ》 
映画史百余年、おびただしい数の映画が生まれ数多くの傑作が誕生しているが、その歴史に燦然と残るという映画はやはり数少ない。ひとつの映画において映画史に残るという肩書きには凄まじいパワーが必要だからだ。そして、この強大な3部作はまさしく「映画史に残る作品」にふさわしい映画としてその全貌をあらわしたと思う。あらゆる娯楽映画を超越したそのエンターテイメント性にもはや言葉がない。ただただその映画世界に包まれ没頭することしか一観客としては許されない。そんなとてつもないエネルギーを感じずにはいられなかった。 旅の仲間たちによる指輪をめぐる壮絶な冒険を綴ったこの物語は、指輪を葬り、大団円を迎えただけではその結末を許さない。ラストに描かれる指輪を背負った者の宿命。その果てしなく深遠な喪失感こそ、この壮大なファンタジーの真のテーマだったのだと思う。指輪をめぐる旅は終わった。しかし本当の旅はこれから始まる。
[映画館(字幕)] 10点(2004-02-08 10:35:21)(良:2票)
11.  ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔
もはや言うまでも無いが、今作ほど「超大作」という肩書きにふさわしい映画はない。映画には様々な要素があると思うが、そのすべてにおいてこの映画は強大である。ドラマティック、衝撃、迫力、緊張、エンターテイメント、伝統、映画という総合娯楽が受け継いできたすべての集大成のひとつがこの作品に注ぎ込まれているようにすら感じる。素晴らしいを通り越しもはや、凄まじい。
10点(2004-01-30 15:09:25)(良:1票)
12.  ロード・オブ・ザ・リング - スペシャル・エクステンデッド・エディション -
「ロード・オブ・ザ・リング」三部作の前日譚となる「ホビット 思いがけない冒険」を鑑賞したばかりだったので、この第一作目の“スペシャル・エクステンデッド・エディション”を久しぶりに鑑賞。 オリジナル版でも178分もあるのに、このバージョンに至っては劇場未公開の重要シーンが追加され上映時間は208分。長いことは確かだが、その時間を注ぐに相応しいエンターテイメントとしてのボリュームは備わっている。 劇場公開時の初見では、この映画世界のファンタジー感に今ひとつのめり込めなかったが、第二作目の「二つの塔」を観賞後にこのバージョンを観た時には、ストーリーのドラマ性が増し「やはり凄い映画だったんだ」と改めたことを思い出す。  そして、最新作の「思いがけない冒険」を観賞後に今作を再度観直してみると、更にこの物語の深みと面白味を堪能出来た。 ガンダルフやビルボの台詞を中心に、かつての冒険譚を踏まえた描写は数多く、そういったシーンが登場する度に「あのことか!」とアガる。 それは、前三部作も含めてこの稀代のファンタジー映画シリーズが、世界観の構築から人物描写に至るまで、骨太な物語の上に成り立っているということの証明だと思う。  「思いがけない冒険」については、初見では正直盛り上がりきれなかった部分もあったが、今作を鑑賞し直してみて、すべてのシリーズ作が一本の道で通じているということを感じることが出来たので、次作「スマウグの荒らし場」の期待は一転高まった。 一年後の公開までには、「ロード・オブ・ザ・リング」の残り二作の“スペシャル・エクステンデッド・エディション”も観ておきたい。
[DVD(字幕)] 9点(2004-01-28 16:04:15)
13.  ロード・オブ・ザ・リング
冒頭やや説明的な部分はあり、最初から最後まで盛り上がるとまではいかないが、それも壮大な三部作の第一作であるということを考えれば至極仕方ないことでだと思う。一切の妥協のない物語の世界観の創造は見事の一言に尽き、今シリーズが娯楽映画大作史上に燦然と残るということは相当に明らかだ。
[映画館(字幕)] 9点(2004-01-09 13:45:30)
14.  ラスト サムライ
この映画のもつ価値は、あらゆる意味において計り知れない。クライマックスの合戦シーン、おもわず身震いと同時に「見事…」とつぶやいてしまった。勝元の眼差し、氏尾の剣技、たかの静粛さ、SILENT SAMURAIの寡黙、そして日本の情景の美、この映画で燦然と描かれたすべては、現代の日本人が「忘れている」ではなく、もはや「知らない」と言わざるを得ない日本という国の美学、サムライという生き様の崇高さに他ならない。ひとつひとつのシーン、何気ない言動までもにこれほど感動と興奮を覚えた映画は本当に久しぶりだ。紛れもない傑作である。渡辺謙、真田広之ら日本人俳優たちは本当に素晴らしかったが、私はあえて、この映画をハリウッド大作として、尊敬すべき侍魂をもって体現してみせたトム・クルーズに深い賞賛を送りたい。
10点(2003-12-14 03:53:04)(良:1票)
15.  戦場のメリークリスマス
若年層の間では、大島渚というとどうしてもタレント監督という印象を強く持ちがちだが、今作などを観ると彼が物凄い映画監督だということを認識させられる。鮮烈で美しい調にのって織り成される人間の悲哀は、痛いほどに深くその本質をえぐり出している。ビートたけしの怪演も手伝って紛れもない傑作だ。
8点(2003-12-10 17:20:33)
16.  さまよう魂たち
公開当時は予備知識もほとんどなくマイケル・J・フォックスが主演というだけで観に行ったが、予想以上に出来がよく満足感が高かった。内容はホラー・コメティと言えるもので、登場する幽霊たちの怖さとユーモラスさのバランスが非常に良かった。監督は「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソンで、彼特有の悪趣味な映像感覚がアクセントととして効いていた。
7点(2003-10-14 14:09:29)
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