1. キング・コング(2005)
《ネタバレ》 「・・・・なんなんだ、これは。」 これが観終わってからの率直な感想です。 P・ジャクソンやりたい放題の大暴走。 まさに「キング・コング」。 ユー・アー・ザ・チャンピオン。 どちらかと言うとCG肯定派のほうですが、これはカナリの重症です。 まあいいのは島に行き着くまでで、そこから先は何とも凄まじいシーケンスが繰り広げられるわけですが、とてもスペクタクルなどと呼べる代物ではなく、いわば、「鍋に菜ばし突っ込んで引っ掻き回した」ような無意味で品の無い大騒ぎで、必要以上に動き回るカメラアングルもCGの粗をごまかす為のものにしか見えず、演出、脚本、編集までもがカナリ強引でした。 だいたい蟲や恐竜、自然そのものの野生というものをナメ過ぎでしょう。 ・・どう考えてもやり過ぎです。 ニューヨークでキングの手錠がはずれたのを意外な顔して呆然と見上げるJ・ブラックのシーンでは、変な笑いがこみ上げてしまいました。 「大きくて悲しい愛の物語」というきらびやかな衣を纏ってはいるものの、刹那的な好きか嫌いかで評価が分かれる、トイレの震えをこらえながら見た冬の花火のような、ただ々長く派手なだけの作品でした。 [映画館(字幕)] 4点(2005-12-21 02:16:16)(良:1票) |
2. ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還
《ネタバレ》 何という駄作。 3部作つぶさに観てやっと分かった。 監督は大好きな「ロード・オブ・ザ・リング」という物語を三つのテーブルにひろげ10時間以上かけて「こうしてこうしてこうなりました。」と、ただただ説明しただけなのだ。 そこに並々ならぬ熱意は感じるものの、「この物語を私はこう見ました。実はこういうことなんです。」という監督自身の視点をまったく感じることが出来なかった。 原作の世界観を表現するのに終始してしまい、肝心かなめの「魂」を入れ忘れてしまった感じだ。 ゆえにストーリーの焦点が散漫になり、個々のエピソードが主軸にしっかりとからまり留まらず、流れて行ってしまう印象なのだ。 あの長尺をさいた壮絶な合戦シーンさえも、合戦尻ではあっさりと流してしまうというもったいなさには頭を抱えた。 結局流れた後に残るのは、ストーリーを進めるための表面的な都合、都合、都合、となる。 あれだけ激しく戦っても血しぶき一つ上がらない、というのも製作者サイドの都合だ。 「あれもやりたい、これもやりたい、ええい全部詰め込んじゃえ。」という結果がこれなのではないかと思う。 しかも詰め込みすぎて大事な部分をごっそりとカットしなくてはならない悪循環。 その方向性を司る「魂」のない作品には感情移入できるはずもなく、評価もしにくい。 1作目から感じていた、「おいてきぼり」の理由が分かった気がした。 レゴラスがオリファントに乗り込む時の動きと、ゴラムのCG描写のクオリティーがこの3部作の唯一の収穫ではないかと思う。 この「史上最大の3部作」をもっと面白く出来る可能性はまだまだあったはずだ。 映像的には充分過ぎるほどの観る価値はある。 のろしのシーンなどは鳥肌が立った。 しかし全体的に観て「これでいい」とはとても言えない。 都合で転がるストーリーと、迫力の映像、片目をつぶって観るには作品がでかすぎる。 0点(2004-02-27 03:15:47)(良:10票) |
3. ロード・オブ・ザ・リング
この作品は何度も観たが、浸るどころか何も感じる事が出来無かった。 かといって決して駄作ではない。 とても美しく威風堂々とした存在感のある超大作だとは思う。 しかし登場人物たちの「熱」や「鼓動」の根本が、すっぽりと抜け落ちてしまっている。 その手触りを探ろうと乗り出してみても、静電気の帯びたブラウン管にコツンと突き当たってしまう。 全てが画面の向こう側の出来事のようにしか感じられないのだ。 確かにロケーションやCG技術は素晴らしいが、美しい額を見ながら高価な絵の具をしゃぶらされている様な変な感覚もある。 原作、脚本、演出、編集、役者、そして私、のどれに原因があるのか判らないが、観終わって内容とは別に、おいてきぼりの空しさがこみ上げて来たのは確かだ。 「二つの塔」のレビューで「名作と思わせるカン違い光線が出ている」と書いている方が居たが、その意見には「なるほど」と思った。 1,2と観たので3も観るつもりだが、どうかホントの意味で「血沸き肉踊る」最終章であることを切に期待している。 0点(2004-01-29 11:42:28)(良:1票) |
4. ラスト サムライ
《ネタバレ》 渡辺謙という下敷きで真田広之を文鎮にしてアメリカ人が初めて筆で書いてくれた「武士道」と言う大文字。 漆塗りの立派な重箱にきちんと納まっている。 敬意を込めて盛大な拍手を送りたい。 しかし、ストーリーと言う紐がとてつもなく緩く、「おいおい何でここでこう縛るかなー、そこにそんな結びめいれないだろ普通。ハートマークまではいってるし。」という大雑把な縛りで、繰り返し持ち歩くと、紐がはずれて中の武士道までどこかへ消えてしまいそうだ。 大事に蔵にしまっておくのがいいかもしれない。 床の間に飾る「武士道」の文字は、作者に敬意を表してしばらくの間飾ることにしよう。 でも長く飾るにはやはり日本人の書いたものの方がしっくりくるような気がした。 殺陣の立ち回りのスピードと迫力はほかに類を見ない。ここだけ見ても価値はある。 いずれにせよこの作品、トム・クルーズという西洋きっての浮世絵の風呂敷に包まれている以上世界中の多くの人に見られるだろう。 「下敷き」と「文鎮」から一歩も二歩も踏み込んだ渡辺氏、真田氏の今後の活躍に期待する。 (追記)今の日本で果たしてこのテーマで撮れるだろうか。 もはや粉々になって空気の中に消えてしまい日常気付く事も無い「武士道」なる精神も、海の向こうから見るとキラキラ輝く大きなダイヤモンドに見えたのだろう。 両手に持って高く掲げ見せるような大きなダイヤモンドは、今の「日本人」には到底描けないような気がする。 皮肉だ。 (追々)やっぱりたかとオールグレンの関係はありえない。 吐き気がする。 たとえ仇であっても客人として迎えた以上凛としてもてなすのは百歩譲って道理としても、何で恋に落ちるんだよドァホ。 減点だ。 5点(2003-12-09 02:38:21)(笑:3票) (良:3票) |
5. ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔
《ネタバレ》 踊る阿呆に観る阿呆同じ阿呆なら踊らな損、と劇場に向かいスクリーンの前に座ったものの、目の前で繰り広げられる「祭り」の入り口がどうしても見つからず、3時間が過ぎ、とぼとぼと家路についた。 ・・・3時間もかけて主人公が何もしない映画って、アリ??? 戦場のピアニストだって「ピアノ」は弾いたぞ。 しかも肝心の「二つの塔」ってどこにあったんだ、俺は見落としたぞ!! でも、もう一回「祭り」があるそうなので今度こそ入ってやるぞ。・・・もはや無理か。 0点(2003-11-10 23:43:28)(良:1票) |