1. 鉄くず拾いの物語
《ネタバレ》 この映画は主人公たちの日常生活を観賞する「作品」ではありません、我々の「なぜ?」という気付きを喚起させ、この物語の背景にある問題について考えさせるための「素材」なのです。 社会の抱える諸問題の多くは、静かに深く佇んでいることを、セミドキュメンタリータッチで示しています。 [DVD(字幕)] 7点(2014-11-01 12:19:19) |
2. サラエボ,希望の街角
《ネタバレ》 ボスニア・ヘルツェゴビナの内戦が遺していった複雑な社会状況が映し出されていて非常に興味深い作品でした。また、宗教というものは世のあらゆる問題に対し明快に回答を示してくれるが故に心の安らぎを与えてくれると同時に異なる回答への強烈な拒絶反応も作り出してしまう恐ろしい側面も持っていることをこの作品は教えてくれます。 まあ、戦争の傷跡の深さを考えると、宗教の安らぎに逃避してしまうことを全面的に否定はできませんけれど・・・・。ただ、女性にとっては完全に男尊女卑な世界を拒絶するのはやむを得ないでしょうね。 [映画館(字幕)] 8点(2011-08-24 00:41:00) |
3. 沈黙の戦場
《ネタバレ》 ボスニアの地で歴史を超えて繰り返される争いの愚かさを描いています。描写方法は非常にリアルではありましたが、どうも深みが無く退屈でした。 なんというかテーマや視点は中々興味深かったので、ちょっと勿体無いですね。 [DVD(字幕)] 2点(2010-06-04 22:41:15) |
4. サラエボの花
《ネタバレ》 戦争という愚かな行為が、(兵士だけではなく)様々な人間の人生にいかに深い傷跡を残しているかを、サラエボのある母娘の姿を通じて描いた作品です。正直、あまりにテーマが重く衝撃的で、上手くコメントができません。サラが母から秘密を明かされる場面や父親に似ていると言われた髪の毛を剃り落とす場面などは余りにも痛々しく目を背けたくなるほどでした・・・・。ただ、ラストはかすかに希望を残して終わっています(サラが手を振るのを見た時のエスマの笑顔が非常に素晴らしく印象に残りました。)。 [映画館(字幕)] 8点(2007-12-16 17:21:00)(良:1票) |
5. パーフェクト・サークル
《ネタバレ》 見終わった後、寂寥感に襲われました。ボスニア紛争時、セルビア軍に包囲され孤立したサラエボ市内の緊迫した状況が描かれている作品です。水を汲みにいくのにも、見えない敵からの銃撃を避けるように頭を低くして危険な場所は駆け抜けていかなければならないような極限状況の中で、2人の子供の難民と家族を国外に逃がして一人サラエボに留まった詩人の心の交流が繰り広げられます(子供達の無邪気で健気な姿が非常に心を打ちます。)。それだけに、この作品の結末はあまりにあっけなく、そして哀しいものになっています。 この作品は、ドラマとしても、そして当時のサラエボ市内の市民生活のドキュメントとしても非常に良く出来た作品だと思いました。(内戦さなかのサラエボで撮影されており非常にリアルです。)。 [ビデオ(字幕)] 9点(2006-04-16 22:35:17) |