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プロフィール
コメント数 854
性別 男性
自己紹介 <レビュアー引退について>

他の方にとってはどうでもいい事ですが(笑)、
こちらでのレビュアーを引退させて頂きます。
理由はあまり映画自体を見なくなった事と、
結局、映画以外にもレビューを書けるAmazonが
レビュー投稿の中心になってしまった事ですね。

長い間、お世話になりました。 2021/11/27
   
<ジャンルの好みについて>

・好きなジャンルは「ホラー」「サスペンス」「ミステリー」。
・嫌いなジャンルは「ミュージカル」「恋愛」「韓国映画」「感動押し付け系」。
・どちらでもないのは「アクション」「SF」「コメディ」「時代劇」。

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1.  エスター 《ネタバレ》 
これも「エクソシスト」みたいな悪霊系かと思いきや、まさかのオチ。ただネタバレが早いので、正体が分かってからは返ってエスターの恐怖感は半減。エスター本人は静かに暮らしたいのか、新しい家族をめちゃくちゃにしたいのか、何がやりたいのかいまいち伝わらなかった。ラストも生死は不明にして、また別の施設で絵を描いている「エスターっぽい少女の後ろ姿」を映してエンドにした方が良かったのでは。エスターとマックスを演じたふたりの女の子の演技力には脱帽。
[インターネット(字幕)] 6点(2017-12-30 01:54:32)(良:3票)
2.  ザ・フォッグ(2005) 《ネタバレ》 
つまらない作品に共通している原因は、やはり脚本構成や演出が大雑把という点。せっかくの面白そうな設定も、映画としての作りそのものがいい加減では、その設定を昇華出来なくて当然。  特に今作は、ストーリー展開上、「観客に対して伏線として開示すべき情報と、そうでない情報の取捨選択」といった脚本管理が杜撰。  かつて町を救ったとされている四人組みが「過去に何か悪事を働いた」という序盤からすでにネタバラシになっているように、謎が謎として機能していない場面が多く、飽きずに見続けさせる求心力に欠けている。ミステリーのような謎解きが中心ではないにせよ、観客の興味を持続させ、物語に没入させるためには「謎の提示の仕方」や「タイミング」と言うものにもっと気を使わなければならないはず。  こうした脚本管理に対する考えの甘さは、演出面にもセンスの無さとして表れている。例えば船で女をナンパしていた友人が怨霊に襲われるシーンでも、観客に対して襲われるところを見せてしまっているので、翌日、主人公が誰もいない船を発見して「何があったんだ」と不安に駆られても、すでに何があったかを「知らされている」観客にとっては謎やサスペンスとして機能しないばかりか、このシーン自体が時間の無駄ですらある。  しかも前述したように、この町での事件が「怨霊というオカルト絡み」であることが確定しているので、「誰かの陰謀かも知れない」というミステリー的疑念すら持つ余地も無く、最初から最後まで退屈なモンスターパニック映画として見るしかないのである。  また、襲ってくる怨霊たちも、その能力(殺し方)に統一感が無く、中途半端に何でもアリになっていて、わざわざ霧という形をとっている意味が無い。そのため襲われる側も対処の仕様が無いので、逃げるばかりで、かえって恐怖感が薄くなっている。この辺の恐怖演出にもセンスが無い。  エリザベスが前世の姿に戻るというラストも、彼女の過去や主人公との関係をきちんと描いていないから、現世の肉体を捨ててまで前世の旦那と共に逝くというオチが唐突に感じる。
[DVD(字幕)] 2点(2007-05-24 19:12:19)(良:1票)
3.  アンダーワールド/エボリューション 《ネタバレ》 
ありがちな後付け設定で無理やり話を拡大しているのが見え見えな上に、脚本構成が杜撰なので、前作を見ていても各キャラの関係やストーリー展開が分かりにくい。  映画と漫画を同列に語る事は出来ないが、やはり日本のレベルの高い漫画やアニメを見慣れた目からすると、この手の映画のアクション演出のセンスの未熟さや、キャラ描写の稚拙さが目について仕方が無い。  とにかく前作同様、致命的なのは吸血鬼や人狼といった設定を使っているのに、キャラのアクションなどから「人外の者の凄み」がまったく感じられない事。  相変わらずヒロインは銃火器中心の戦いだし、使っている武器もただの銃やナイフ。銃火器ばかり使って、自分たちの持つ超常能力を活用した戦いを演出しないなら、登場人物が「人外の者」である必要が無いだろ(ちなみに「ナルニア国物語」で氷の女王が魔法を使わず肉弾戦で戦っていたのも同様の「演出の間違い」)。  現代を舞台にしてるのに、紫外線弾以外、特にハイテクな武器も出てこないし、かと言って頭脳戦や心理戦を取り入れた知的な戦いでもなく、単純なドンパチかドツキ合いが続くだけ。こんな大味な戦いのどこがスタイリッシュなの?  おまけにヒロインは自分にとって致命的な弱点の日光対策すらしていない始末。紫外線カット繊維で作ったコートや、抗UV薬みたいなギミックくらいどうして出せない?  アクション演出が下手だから、ラスボスであるマーカスや閉じ込められてた弟にもたいして「凄み」や「迫力」が感じられない。ザコ人狼も撃たれたり目を刺されたくらいで死ぬし、両種族とも人外としてのパワーやスピードが感じられない。  肝心の「混血種」もほとんど活躍してないし、戦闘シーンにおいても「人狼と混血したメリット」がまったく見られず、オリジナルと比べて何がどう変わったのか、どこが凄いのかがまったく伝わってこない。結局、ラストで「日光に強くなったよ」というだけのオチで、「種族間を超えた愛」や「混血の苦悩」といった基本的なテーマがほとんど何も追求されていない。  PS.やはり漫画では「クレイモア」「寄生獣」「ベルセルク」、小説では「吸血鬼ハンターD」といった傑作を見ているとまったく物足りない。各作品に出てくる使途や覚醒者の恐ろしさ、強さ、戦闘シーンの凄絶さなど、どれも圧倒的に上。
[DVD(字幕)] 2点(2007-02-09 12:08:01)
4.  サイレントヒル 《ネタバレ》 
ゲームの映画化としてはかなり高いレベル。  もともとストーリーの分かりにくいゲームだし、どちらかと言えばストーリーは二の次で、静かだけど深い霧の立ち込める不気味な街の雰囲気や、得体の知れないクリーチャーの恐怖を味わうゲーム(ホラーゲームとしては「バイオハザード」と同じくらい有名作品だけど、それなりにゲーム好きな人じゃないとプレイまではしてないでしょうね)。  実際にゲームをプレイしているかどうかで評価は大きく変わりそうだけど、世界観の作り込みやクリーチャーの動きなどは、さすがに監督がゲーム版の大ファンだけあって、特に文句なし。  ただ、キャラの役回りの変更、演出などには大いに不満アリ。オリジナルとしてアレンジしたのは良いけど、基本的にゲーム版とは別内容で、より分かりやすいストーリーに変更された割りに、無駄に残酷な描写が多く、アレッサやシビルを少しづつ焼き殺すようなシーンは見るに耐えなかった。映像で見せるべきシーンと言外に匂わす程度に止めておくべき表現のバランスを考えないと。せめてシビルは助けてやれよ!過去のシーンで人間の醜さは十分描けているから、それ以上に被せる必要は無い。これが大きなマイナス。あそこでシビルを助けてくれていれば8点はあげても良かったのに…。  他にも序盤で小さなクリーチャーが何十体も出てくるシーンなど、最初から飛ばし過ぎで、せっかくの不気味な雰囲気が台無し。霧の中にチラっと蠢く「何か」が見えるというような「出し惜しみ」が大事。クリーチャーの動きや「象徴性」に対する理解はあっても、この辺の「侘び」というか、恐怖演出の妙味がこの監督はまだまだ分かってないな~。  賛否あるラストについては悪くない。ゲーム同様、続編が作りやすそうだし(笑)。 
[DVD(字幕)] 6点(2007-01-31 03:31:31)(良:5票)
5.  NOTHING ナッシング 《ネタバレ》 
「何も無い世界」という極端な舞台設定ってのは、まさに白紙のキャンバスと同じで、何をどう描いても構わないけど、逆にその「何も無い事」に囚われてしまいがち。  本当に何も無いままでは話が進まないし、かと言って、線を一本書き込むだけで、ある程度の方向性が定まってしまう。しかしそうなると今度は何も無い舞台の必然性が失われる。そう言う意味でも簡単そうで難しい舞台設定と言える。  今作もその自由の束縛ゆえか、家以外の物体を何も出さなかった(出せなかった?)のかも知れないが、やはり作品としての方向性が定まらず、「生きる目的」とか「現実と理想のバランス」とか「日常の意味」とか、色々と描けたはずのテーマが描かれないまま、中途半端なドタバタに終始してしまった感がある。言ってみれば、映画「ゾンビ」におけるショッピングセンターのシーンを抜き出しただけの内容。  嫌なものなら物質どころか自分の記憶さえも消してしまえる、という能力を作中でもっと上手く扱えば、より深くテーマを抉ることも出来たはずなのに残念。  あえて「逃げ出した先に理想郷は無い」という定番のオチにしなかった可能性もあるが、わざわざ逆説的にテーマを読み解けるほどの深い作品とも思えない。終わり方も蛇足。「謎解きミステリー」か「不条理コメディ」のどちらかに徹するべきだった。色々な意味で中途半端。
[DVD(字幕)] 5点(2006-07-29 17:36:42)(良:1票)
6.  SAW.ZERO 《ネタバレ》 
好き嫌いがはっきり出そうな独特な個性を持った作品。  一応、ジャンル的にはホラーではあるけど、感覚としては「ホラー5:恋愛ドラマ2:ミステリー1:ファンタジー1:SF 0.5:コメディ0.5」くらいの配分で、それ故「怖い」と言うよりは、何とも「奇妙」で中途半端な世界観になっている。  映像や音楽には芸術作品のような品の良さを感じるが、その一方でB級ホラーのグロさとブラックユーモアのような毒を併せ持ち、さらに赤裸々な恋愛ドラマも披露する。この「独特」としか言いようの無いセンスは、「デリカテッセン」や「ジェヴォーダンの獣」、「アメリ」のようなフランス映画に通じるものがある(最初、フランス語だからフランス映画かと思ったら、何故かカナダ映画だった。なんでやねんw)。  結局、「永遠の命」とか「クローン」といったよくあるネタに、心霊やら黒魔術といった不可知的現象を付け加えたオチで、本来はその陳腐さが目立ったはずだが、この独特な演出センスのおかげで、安っぽいギミックが相乗効果として作品の個性化をより促進しているw   ただ、必ずしも「個性的」=「面白い」、という訳ではなく、やはりこの個性の強さ故に、好き嫌いがはっきり分かれる作品なのは確か。
[DVD(吹替)] 4点(2006-07-25 17:09:57)(良:1票)
7.  CUBE ZERO<OV> 《ネタバレ》 
もともと一発ネタに過ぎないアイデアに、国家機密とか、軍事利用みたいな陳腐な理由付けをしてしまった前作の地点でこの作品の命脈は絶たれていたが、今作も懲りもせず必要以上に裏方の仕事内容を暴露してくれるため、一作目にあった得体の知れない不条理な恐怖感は完全に雲散霧消している。この手の作品は視聴者に客観的な視点を預けてはいけないのだ。  不条理な状況下での視聴者をも含めたサスペンスドラマこそが「CUBE」=「密室劇」の魅力である事を忘れている。  そのくせ、組織の目的の詳細は曖昧なままで適当にお茶を濁しているし、施設の大仰さと被験者にやらせている事があまりにも乖離しているのも相変わらず。  シリーズ共通の疑問として、部屋の座標番号以外に脱出の手掛かり(情報)が無い施設に人間を閉じ込めたところで、何か有益なことが分かるのか不明。おまけに不条理な即死トラップまみれときたら、自暴自棄になったりパニックになったりするだけに決まっている。非合法な心理実験にしても兵器の人体実験にしても、ここまで大金を投じてこんな珍妙な建物を建てる合理的な理由がさっぱり分からない。国家プロジェクトと言うなら、もう少し人間の心理や知性、体力を測るそれなりの仕掛けが無いとこんな事やってもまったく無意味でしょ。中途半端な理由付けは、こういう「したくもない突っ込み」を生むだけ。  また、いつの間にか少女が助かっているというラストも意味不明。いつどこで助けたの?主人公の妄想?どっちにしてもオチとして中途半端すぎ。  売りであるトラップの数々もアイデア枯渇でつまんないものばっか。グロさを強調してあるだけで、罠として面白くも怖くも何ともない。頭を使わせたりする心理的な駆け引きがまったく無いので、単に殺すためのトラップになってるだけ。   もともと合理的な説明が出来ない作品だから、ZEROと称してわざわざ一作目と繋げる必然性も感じなかった。
[DVD(字幕)] 3点(2006-07-04 00:42:46)(良:1票)
8.  ランド・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 
世界観は「死霊のえじき」の延長。今までのシリーズより、良くも悪くも「人対人」の構図がはっきりしている上に、今回はゾンビが知能や感情を持ってしまうので、ますますゾンビとしての存在意義が薄くなっている。人間の摂理から解き放たれた、生と死の中間の存在として世界を傍観する者だからこそゾンビには意味があるはず。  また個人的にゾンビ映画の魅力は、日常が少しづつ崩壊していく「終末のカタルシス」にもあると思うけど、すでに日常が崩壊していて、ゾンビ込みの「秩序」が、ある程度でき上がってしまっている世界では、あの独特な終末観も感じられない。  その世界設定も中途半端。秩序が出来ている割に、世界にどれだけの人間が生き残っているのかはっきりしないし、食料や水、電気なんかがどう供給されているのかも分からない。ゾンビも顔なじみが多いし(笑)、全部で数十匹くらいしかいない感じで、「もうどうにもならない」という絶望感がまったく感じられない。あれだけ武器や装備があるなら、バリケードを築いた後で閉じこもっていないで、さっさとゾンビを一掃すればいい。  また、社会そのものが崩壊している世界で、いまだに金に価値があるという設定も意味不明。その辺のディテールにリアリティが無いので、今までの作品のように入り込めなかった。世界の広がりや空気感を感じないのも、セット撮影による合成が多いことによる弊害で、全体の雰囲気がゲームっぽくなってしまっている。  PS.本編よりDVD特典のメイキング映像の方が面白かった。オレもゾンビになりたい。 
[DVD(字幕)] 6点(2006-04-15 14:39:23)(良:1票)
9.  ハウス・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 
元々たいしたストーリー性も無く、魅力的なキャラもいない、シューティングゲームがメインである「ハウス・オブ・ザ・デッド」を映画化しようと言う発想が分からない。あえてこのゲームを素材として採用する製作衝動って何?B級ホラーを作るにしても、他に暖めているアイデアも無いのかとスタッフを問い詰めたい。ネームバリュー頼りだとしたら志が低すぎないか?  また、どうせやるならやるで、ちゃんとゾンビ映画として成立するくらい大きくストーリーを膨らませるか、それが出来ないなら、とことん「おバカ路線」で突き進むかのどっちかに徹底すべき。そのどちらにもなっていないから駄作なのよ。  いちいちアイキャッチのようにゲーム画面を挿入したりするのも場違いな演出でウザいだけ。  アクションにしても、おふざけにしても、何もかもが中途半端で、製作資金や技術力以前に、「何をメインに、どう見せるべきか」という基本的な演出センスが無い。  作品の方向性としては「ブレインデッド」を目指したかったのかも知れないが、あの作品との決定的な違いは、B級映画としてのプライドとバカ映画としての「徹底感」の無さ。  例えば教会前での銃撃戦でも、「なんでお前はロケットランチャー持っとんねん!」とか、「どこから火炎放射器出したんや!」とか、「いったい何万発撃っとんねん!」みたいに、突っ込んで楽しめるくらいに、ハチャメチャにやればいいのに、肝心なところでゾンビ映画として中途半端にリアルにしようとするから、つまらなくなっている。カンフーアクションにしても、やるならワイヤーとか使って、「マトリックス」のパロディになるくらいに派手にやらないと、アクションのショボさや中途半端さが目立つだけ。  オチにしても、「いつの間にか登場人物がゲーム内のキャラクターになっている」とか、逆に「ゲーム内のゾンビが画面から出てきて街中に溢れ出して行く」、くらいの終わり方に出来んもんかねえ、監督さん…。
[DVD(字幕)] 1点(2005-11-25 17:59:35)
10.  テイキング・ライブス 《ネタバレ》 
またまたまたまた期待はずれ。  三日も経てば他のクライムサスペンスやミステリーと内容を混同してしまうような、ありがちなシナリオにはウンザリ。いったい何本、同じような作品を作る気なのかね。こんな作品なんて、もう他に腐るほどあるじゃん。マジに「さすぺんす・つく~る」なんてソフトを使って作ってんじゃないかと疑いたくなる程に凡庸極まりない。  主役は「過去に訳ありの刑事」、「突如起こる猟奇連続殺人事件」、「独断の捜査で孤立する主人公」、「身近な人間が真犯人オチ」…。  もう、こう言うシチュエーションやキャラ設定には飽き飽き。それでも犯人や動機、謎解き等に意外性があればまだ見られるが、この作品の真犯人なんて、そのまんまだもんなあ~。気づいてないのは、作中の主人公だけでしょw。ここまで鈍い心理捜査官ってのも珍しいけど、見ている側にしてみれば歯がゆいだけ。  これが仮に20年前の作品であってもかなり凡庸なのに、2004年にもなって、いつまでもこんな特徴の無い、過去の劣化コピー品みたいなサスペンスを作ってちゃダメだよ。このクリエイターとしての向上心の無さを糾弾する意味でも、こんな作品に高得点はつけられない。 
[ビデオ(字幕)] 1点(2005-08-06 23:36:47)
11.  エイリアンVS. プレデター 《ネタバレ》 
「フレディVSジェイソン」で免疫が出来たから、それほど落胆する事はなかったけど、思っていた通りの中途半端な内容だった。  結局、こういう「夢の共演」に対して見る人は何を期待しているかと言えば、共演者同士の、今作の場合はプレデターとエイリアンの純粋な「異質と異質のぶつかり合い」を見たい訳で。これが異種格闘技なら、ボクサーは相手が誰であれ、あくまで「ボクサー」として戦って欲しいというのがファンの気持ちでしょ。ボクサーが関節技に付き合ったり、ボクシングのテクニックを華麗に駆使する事なく試合が終わったら、やっぱりつまんない。それはもはや「ボクサー」ではない訳で、そうなると「異種格闘」という大前提が崩れてしまう。  今作は、そういう意味で両者の「良い所」を出し切れずに終わっちゃった感じ。戦闘シーンの演出も迫力不足。あんな怪物同士の死闘にしては、まるで凄絶さに欠けている。  また、どうせなら誰が誰の味方とかじゃなくて、人間、プレデター、エイリアンの三つ巴の攻防が見たかったなあ。人間は知恵で、プレデターは機械で、エイリアンは体力でw。  それはそうと長老プレデターさん、どうせならリプリーにも戦士の槍をあげて下さい。その資格ありすぎるでしょ。   さ~て、お次は「ターミネーターVSエイリアンVSプレデターVSジェイソンVSフレディ」か~。夢は膨らむなあ(*´д`*) 
[ビデオ(字幕)] 4点(2005-06-04 20:32:50)
12.  バイオハザードII アポカリプス 《ネタバレ》 
ゲームの映画化としては前作よりも完成度が高い。まったく世界観を崩すことなく丁寧に作られている点は好印象だし(もっとも元のゲーム自体が「ゾンビ映画をゲーム化」したようなものではあるけど)、ゲームのファンとしては嬉しい限り。  ただ、やはり元々のゲーム版もそうだけど、肝心のストーリーのレベルはお世辞にも高いとは言えない。「トゥームレイダー」同様、ゲームの場合は能動的なアクションや謎解きが中心なので、多少のストーリーの粗やご都合主義も気にならないけど、これが映画として受動的なメディアになると、途端に悪い意味でストーリーの単純さや粗さが目立つ。相変わらずアンブレラは単に「謎の巨大企業」としか説明されないし、その研究成果が生物兵器への転用という発想も安っぽい。  全体的には前作よりもスケールは大きくなっているし、ジルや「追跡者」が出てきたりするのもファンとしては嬉しいけど、作品の中での扱いが中途半端で、いまいち活躍の場が無いのが残念。ストーリーも単にゲーム版をなぞっている程度で、逆に今後のゲームのシリーズに影響を与えるような大胆なエピソードや謎が出てこないのもつまらない。  まあ、はっきり言えば、この映画を見るくらいなら、ゲーム版をプレイしていた方がはるかに面白い事は確か。本末転倒。
[ビデオ(字幕)] 5点(2005-05-16 00:21:07)(良:3票)
13.  死ぬまでにしたい10のこと 《ネタバレ》 
死とはすべてを失う事ではない。死を受け入れるからこそ見えてくる大切なものがあるはずだ。いざ死ぬからって、好き勝手な事をするというのは違うだろ。何故、家族を裏切ってまで他の男と寝る必要がある?  死に直面しているからこそ、守るべきは「魂の高潔さ」でなくてはならない。自分にとって本当に大切な人たちに対し、一切の「負い目」無く逝くこと。それこそが大切なはずだ。  本来は家族と共に自分の死と直面すべきなのに、最後まで家族には自分の死を知らせる事をしない。心の整理をする間もなく先立たれた家族の気持ちを考えてるのか?  また、家族を大切に思っていながら、昨日今日出会った素性も分からない男を本気で愛してしまうという浅薄な思考形態。その夫や子供に対する裏切りを死によって正当化している主人公の欺瞞と未熟な精神性にはウンザリさせられる。  浮気相手の男も最初はクールに接していながら、結局「やっぱり君の事が好きなんだ~。離れられないよ~」と情けない泣き言を言う始末。みっともない。死に際した者に対する「一夜限りの関係」として自分の「役割」を認識していると思いきや、まるっきり分かってない体たらく。お互い本気で心を奪われてどうすんだ。  しかも、その「浮気相手との交流」をメインに描く気色の悪さ。あくまで「したい事」の一つとして「いっぺん死ぬ前に他の男とセックスしたかったのよね~。さ~て次は…」と、さらっと流すなら良い。だが浮気が本気になったら、それは「裏切り」と呼ぶものだ。やる事はやっといて、その行為を殊更に奇麗事のように描く醜悪さには我慢できない。心を裏切られ、死を共有する事もさせてもらえなかった夫の気持ちを考えると居たたまれない。私も最後のキスシーンには背筋が寒くなった。  最期にこんな生き方と死に方で本人は満足に逝けたのか?疚しい気持ちを持たずに死ねたのか?もっと他にやるべき事は無かったのか?
[ビデオ(字幕)] 1点(2005-03-20 13:56:30)(良:2票)
14.  コールド・クリーク 過去を持つ家 《ネタバレ》 
閉鎖的な社会という舞台や、友好的な人物がだんだん常軌を逸していくというパターンなど、サスペンスとして真面目に作っているのは分かるけど、あまりにもストーリー展開にオリジナリティや意外性が無い。やり尽くされている設定を拝借しているだけで、より面白く昇華させようという気概が感じられない。  一番怪しい人物がそのまま犯人というのも、ここまでストレートな作品は最近では珍しいほど。誰でも「お前かよっ」って突っ込んでしまうはず。これでは目の肥えた現代の観客が満足するわけない。二転、三転が当たり前になってしまった昨今のミステリーやサスペンスに対するアンチテーゼという高尚な裏テーマがあるようにも見えない。  てっきり序盤の上司と奥さんのやり取りが伏線で、その奥さんが都会に戻りたくて画策したものだと思っていた。という事は、結局、家の中にヘビを入れたのも、馬を殺したのも、あの男って事なんだろうけど、それじゃあ、あまりにも「そのまんま」じゃないっすかw。
[ビデオ(字幕)] 2点(2005-02-26 21:54:35)
15.  ヴィデオドローム 《ネタバレ》 
ちょうど時代的に「情報化社会の不安」なんて事が言われ始めた時期を象徴するような作品。現実と非現実の融合する世界の強調は、当時からあったであろう、ホラー批判に対する皮肉とも取れる。いずれにせよ、その着眼点の先進性を評価したい。  見る者にとっては、結局、何が現実かはどうでもいいのだ。この現実すら自分の脳内が作り出した「虚像」でしかないのだから。  この世界を終わらせるには自らの命を断たねばならないという、監督独自の「現実世界」に対する恐怖感や諦観が良く出ている。  また個人的に昨今の「CG乱用映画」に憤りを感じていたところなので、久しぶりに、手作り感の溢れる特殊映像を見られた事が嬉しかった。古き良き時代よ…。  PS.ちなみに私が始めてレンタルで借りたホラーはこの作品と「デッドリー・スポーン」でした。一本1500円でした。一泊二日でした。これ以上は聞かないで下さい。  
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-01-18 17:58:07)
16.  デッドサイレンス(1996) 《ネタバレ》 
聾唖学校の生徒を人質にとった凶悪犯とFBI捜査官の駆け引きを描いたサスペンス。  せっかくの「手話で情報をやり取りする」というアイデアがあまり生きていないため、基本的に「よくある」当たり前な展開になってしまっている。サスペンス映画における「人質を取っての立て篭もり」ネタなんて、最終的にどうなるか分かり切っている訳だから、あまり工夫の無い過程をダラダラ見せられても退屈なだけ。これと言ったアクションも心理戦もなく、ちょっとこじんまりし過ぎ。 
4点(2005-01-11 13:18:54)
17.  冷たい月を抱く女 《ネタバレ》 
悪意や女の恐ろしさはひしひしと伝わるけど、サスペンスとしては平凡。中盤までの「連続レイプ殺人事件」の謎が、単に「無精子性」の証明のため「だけ」の設定と知って、違う意味でびっくり。ここが一番のどんでん返し(笑)。  中盤以降のテンポの良さにごまかされがちだけど、作品としてかなりご都合主義的な展開が多いと思う。金に不自由していないはずの一流の外科医が、社会的信用と地位を失う危険を犯してまで詐偽に加担するのかとか、救急車で運ばれるのに必ず計画した病院の外科医のところに連れてってくれるものなのかとか(それより前に彼が別の急患を担当させられていたらどうするんだろう?可能性としてはかなり高いと思うんだけど)。  また、致命的な証拠になるような注射器を中に液体が入ったまま残してあったり、全額寄越せと言われている訳でもないのに(半分でも1000万ドルもあるんだから、そこで妥協しとかないか?)、頑なに要求を拒んで分かりやすい罠に引っかかったりと、ちょっと黙っては見ていられない部分が多い。  邦題もセンスは良いものの、やはり「女」って言っちゃダメでしょ(笑)。怪しい女なんて彼女しかいないんだもん。  PS.自分の趣味は手品ですが、あのお婆さんの手際がなかなか良かったのに感心しました。「空中でのリフルシャッフルは難しいんだよな~」とか、「パームがうまいな~」とか、ストーリーより、そっちばかり見てました(笑)。
4点(2004-09-25 15:24:46)
18.  ゴールデンボーイ(1998) 《ネタバレ》 
<原作未見・映画版のみの評価>  原作を知らないので、それなりに楽しめた。ナチズムへの傾倒の危険性を通して、狭義の意味から、人種、年齢を問わず、人間全般に普遍的に当てはまる、「他者より優れていたい」という本能の危うさを説いている作品だろう。  トッドの罪が表沙汰にならず、「選民意識」のみが継承されていくというラストこそが、永続的に受け継がれていく人間の業の深さを強調している。  ただどうせなら、もう少し突っ込んで、戦争犯罪やホロコーストを糾弾していくうちに、はまり込みやすい「他者を糾弾する事の目的化」という危険性を追求して欲しかった。 
6点(2004-09-14 23:55:47)(良:1票)
19.  アメリカン・サイコ 《ネタバレ》 
物質欲を満たされた現代人に共通する「心の空洞化」。その心の空虚感は何をもってしても補う事が出来ず、しかしその渇望は不快感として心の奥底に淀んでいく。主役の男のようにブランドものや若さという見せ掛けで外見を固めるほど、心の虚無は広がるだけ。そして齎される生の実感の無さと得体の知れない焦燥感が、他者を蹂躙し、征服するという攻撃性に転化されてしまうのだろう。  連続殺人鬼の動機としては「自己存在確認の殺人」という典型的なものに分類されるもので、目新しい視点は見られなかったが、唯一工夫の跡が見られたのは、ラストにおいて、結局それすらも実行出来なかったという、「人間の弱さ」を徹底的に描いた点。  この虚無感、絶望感は自己の内面に向けられているものであり、その辺を理解できないと低評価になりがち。
[ビデオ(字幕)] 7点(2004-09-12 03:37:06)
20.  プレッジ 《ネタバレ》 
自然以外、何も無い片田舎の寂びれた風景は、現役を引退した彼の孤独な心象風景と重なり、その静謐な自然の景観と四季の移ろいは、そのまま人間の人生の盛衰を象徴している。そうした情景描写が抜群にうまい。  それにしても含蓄に富んだ、様々な解釈が出来る作品だと思う。本当に存在するかどうかも定かではない真犯人を追うことで、現役を退いたことによる心の空白を埋めようとした男の妄想なのか、それとも、正しい道筋に立っていながら運命のいたずらに翻弄され、人生を見失って行く男の物語なのか。  それらしい伏線も多い。カーニバルの途中で、第一発見者の少年と凝視し合うシーンは何を意味するのだろうか。ただ単に「あ、あの時の刑事さん」とか、「あ、あの時の少年」と思っていただけなのか。しかし、人間の意思疎通や認識の問題として、どこまでも相手の本音(すなわち客観的な真実)は分からない、ということの暗喩なのかも知れない。  私も最初は、このまま犯人を捕まえて、疑っていた皆が「やっぱり本当に犯人はいたんですね、疑ってごめんなさいm(_ _)m」という展開のハッピーエンドだろうと高を括っていたので、こういう現実の残酷さを突きつけられる展開には驚かされた。  努力や正しいことをしても、必ずしも報われるわけではないという、人生の真理の一部を説いた残酷な現代のおとぎ話。傑作。
9点(2004-09-05 17:05:05)(良:4票)
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