1. スウィート ヒアアフター
《ネタバレ》 なんというか、カナダを舞台にした映画でありながら、日本社会の様々な共同体でも起こりうる問題を描いていて非常に考えさせられました。 「これが正義である」と誰しもが理解していることが、共同体にとって良くない影響を及ぼす可能性があり、なおかつその正義を押し通さなくても法的に問題が無い場合にどのような態度をとるべきかという問いは非常に答えを出しにくいですね。そして、そこに様々な思惑が絡んできた場合にはなおさらですし・・・・・。 答えが出しにくい問題を、時系列や様々な人間ドラマをバラバラに解体し再構成することによって非常に巧く表現している作品だと思いました。 [ビデオ(字幕)] 8点(2013-03-24 23:54:37) |
2. ノーウェア・ボーイ/ひとりぼっちのあいつ
《ネタバレ》 エンドロールの「マザー」が本当に心にしみこんでくるような素晴らしい映画でした。まさにロックンロールな産みの母、厳しいけれども愛情に溢れた育ての母をアンヌ・マリー・ダフ とクリスティン・スコット・トーマスが非常に魅力的に演じています。まあ、この二人こそがビートルズの母であり、現代のポップミュージックの母であると言っても過言ではないと思います。 ジョン・レノンそしてビートルズを愛する人には是非観てもらいたい作品です。 [DVD(字幕)] 8点(2011-08-23 00:43:30) |
3. ビルマVJ 消された革命
《ネタバレ》 ミャンマーの混乱を映した映像は長井さんの件もあってニュース等でも良く観ていたのですが、やはりデモが徐々に盛り上がっていく躍動感とそれが武力で押さえつけられてしまった絶望感が緊迫したビデオ映像(隠し撮り)で強く伝わってきました。 本当に不思議なのはどうしてこのような事態が行っているのに、日本はミャンマーの軍事政権と友好関係を維持し続けているのかですね?何か利権が絡んでいるのか、それとも反政府活動側のプロパガンダ活動が世界的に目立っているだけで、実はミャンマーの現政権は極めて真っ当な国政運営を行っているからなのか(とてもそうだとは思えませんが・・・・)? [DVD(字幕)] 7点(2011-05-25 23:04:57) |
4. リダクテッド 真実の価値
《ネタバレ》 我々が日常目にするニュース映像はあくまでも「Redacted(編集済み)」のものであって、それが全てではありません。この作品はその編集によって削除されてしまうような戦争の暗部を提示してくれています。 興味深い手法・内容ではありましたが、あくまで想像も入ったフィクションですので「そういうこともあったんだろうな・・・」という単純な感想以上のものは持てませんでした。面白いのは面白いですが。 [DVD(字幕)] 7点(2009-04-11 20:21:35) |
5. イースタン・プロミス
《ネタバレ》 非常にクールでハードボイルドなマフィア映画でしたね。ロンドンのロシアン・マフィアという設定も中々新鮮でしたし、ストーリーにもいろいろ仕掛けがあって楽しめました。ちょっとグロい描写が多いですけど・・・。 続編を作る話もあるようで、是非観てみたいですね。 [DVD(字幕)] 8点(2009-04-07 14:17:41) |
6. みなさん、さようなら(2003)
《ネタバレ》 どっかの映画のタイトルではないですが「生きてるうちが花なのよ、死んだらそれまでよ」という言葉が思い浮かびましたね。人間にとって死とはすべての終わりなんだなと思いました。愛情や友情や楽しいことは勿論のこと、苦しみや憎しみ、対立さえも強制終了してしまう・・・・。だから、この父親のようにすべての完結をある程度見届けた上で死を迎えられるのは本当に幸せなことなんでしょうね。ユーモア(若干ブラックなのもありましたが)にあふれた温かい雰囲気が非常に心地よかったです。 人間誰しもいずれは受け入れなくてはならない問題ですから、いろいろ考えさせられました。 [DVD(吹替)] 7点(2009-02-21 19:58:48) |
7. ヒューマン・トラフィック<TVM>(2005)
《ネタバレ》 あまりにも卑劣で悲惨な人身売買の実態に怒りを感じましたね・・・・・。今も、世界のどこかで同じような手口で人身売買が行なわれているかと思うと暗澹たる気持ちになります・・・・・。 長い作品ではありますが、非常にわかりやすく作られていますので多くの人に観てもらいたいですね。 [地上波(吹替)] 8点(2008-09-29 19:10:13) |
8. チャプター27
《ネタバレ》 現代の文明社会に生きる人間が抱える闇のようなものが、「ライ麦畑でつかまえて」に触発されて暴発していく・・・・・。作り話であれば、非常に感銘を受ける部分もあったかも知れませんけど、これはあくまで実際の事件に基づいた物語であって正直吐き気を催すような嫌悪感だけが残りました。そういう意味ではこの映画は良く出来ているのかも知れません(特にジャレッド・レトの演技は見事でした)。 イカれた馬鹿が人を殺した。殺されたのは、ジョン・レノンであった。馬鹿は警察に捕まって牢屋に入れられた。それだけです。別にそこに何らかの意味を付け加える必要は全く無いと思いますね。 大体、チャップマンが「偽者」「偽善者」と呼んでいたジョンが、この衝撃的な死によって必要以上に神格化されていくのですから皮肉なものです・・・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2008-07-25 19:33:07) |
9. アサインメント
《ネタバレ》 基本的に、「大きな目的を達成するためには、多少の(人命等の)犠牲はやむを得ない」という考え方は好きではないので正直腹の立つ場面もありました。ただ、アクションシーンなどは意外と見ごたえがあったり、最後まで飽きずに観る事はできました(クライマックスでの誤射シーンとか思わずツッコミを入れたくなるシーンもありましたが・・・・)。 ストーリー的には結構うまくまとまっていると思います。 [地上波(字幕)] 6点(2007-12-21 12:36:32) |
10. アララトの聖母
《ネタバレ》 ヒトラーはユダヤ人虐殺を決める際に「誰がアルメニア人虐殺を憶えている?」と語ったと言われていますが、この映画はその「アルメニア人虐殺」について劇中劇という形を取りながら現代に伝えている映画です。 劇中劇という形式をとることによってこの問題について説明を加えながら話が進んでいくので、殆ど知識が無くても理解しやすい内容になっています(プロパガンダ的な感じもしますけど)。まあ、例えれば「パッチギ!」の設定をトルコとアルメニアに置き換えたみたいな感じと言えばわかり易いですかね(作風や内容はぜんぜん違うので、暴論かもしれませんが)。 しかしまあ、日本も同様の問題を抱えていて決して他人事ではない話なんですよね。未だに「憎しみの連鎖」を断ち切れずにいる人類の現実には目を背けたくなります・・・・・。 非常に、白黒つけるのが難しいテーマであり、いろいろと考えさせられる映画でありました。 [DVD(字幕)] 8点(2007-10-06 22:29:17) |
11. 死ぬまでにしたい10のこと
《ネタバレ》 この邦題も悪くないですけど、やはり内容的には原題である「My Life without Me」の方がぴったり合ってますね。「自分が死んでも世界は続いていく」という事実を受け止め、最後まで家族や周囲ができるだけ傷つかないように気を使いながら、人生を有意義に全うしようとする主人公には本当に感銘を受けましたね。変に、感傷的にならず淡々と描いているのも、リアルな感じで良かったです。(なんとなく雰囲気は「愛と追憶の日々」に近いものを感じました。) しかし、デボラ・ハリーもとても還暦近くとは思えない存在感がありましたね。 [DVD(字幕)] 8点(2007-09-10 20:08:34) |
12. ホテル・ルワンダ
《ネタバレ》 民族対立の恐ろしさをつくづく感じました。こういう大虐殺の状況下、自分達だけでも逃げ出せる事ができたはずなのに、あえて命を賭けて人々を助けた主人公の姿に心から敬意を表したいです [DVD(吹替)] 8点(2006-09-05 12:01:40) |
13. マイ・ビッグ・ファット・ウェディング
《ネタバレ》 まさに人種の坩堝であるアメリカならではの作品です。ギリシャ人のイメージってあまり無かったんですが、この作品を見て親しみが持てました。(まあ着物の語源がギリシャっていうのは・・・・w) 主人公もちょっと変身しすぎですがw非常に前向きで好感が持てましたね。 まあ、どんな国や家庭にも傍からみたら変なことって必ずありますからね(主人公の夫も言ってましたが)。 出てくる人たちが、皆いい人ばかりなのでとても楽しく見ることができました。 「生い立ちは人生を縛るものじゃない。今後の糧にするものだ」・・・素晴らしい言葉です。 [DVD(字幕)] 8点(2006-08-28 17:44:39) |
14. ボウリング・フォー・コロンバイン
《ネタバレ》 病めるアメリカ社会を見せてくれる作品ですね。銃弾がスーパーに売っている社会って・・・。何かが狂っていると思うのは私だけでしょうか。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-04-16 22:59:22) |