1. コーダ あいのうた
TV放送で見ました。今に始まったことではありませんが、こういう作品がアカデミー賞を三つも受賞してしまうあたり、アカデミー賞の安易さというか、忖度、世間体、闇を感じますね。 物語は極めてありきたりで簡素。予定調和的だし話もシンプルすぎてあまりにも子供向けな作りです。もちろんシンプルなのが悪い訳ではありませんが、もう少し主人公の深い葛藤や特異性を描いてほしかったです。これではまるで某24時間系番組の偽善ドラマか再現ドラマ程度にしかなっていません。話自体(内容)は絵に描いたように素敵だっただけに非常に勿体無いと感じました。 助演男優賞受賞のお父さん(トロイ・コッツァー)は確かに惹きつけられる演技でした。他に目立った出演作も少なく、調べてみるとご本人さんは本当のろうあ者だそうで。演技じゃなくて本物だったわけね。ルビー役のエミリアも本物の歌手・俳優だそうで、確かに歌は惹きつけられるものがありましたが演技のほうは、、まあ普通に上手い程度でした。兄や恋人候補の演技もとても良かったと感じましたが ”その他 略” 的な扱いになってしまっていて残念でした。結局、詰め込み過ぎの弊害が出ちゃってますよねこれ。 こき下ろすだけじゃなくて良かった点も書いておきます。娘の発表会に耳の聞こえない家族がきちんと出席した点は素晴らしい。またその際の彼ら耳の聞こえない家族の視点からコンサートが表現されていた点も素晴らしかったです。耳が聞こえない事の異常性にハッとさせられますし、これの伏線回収として試験の時の手話付きの歌は非常に感動的でした。(先生がわざと間違えるのも胸アツでしたが、濃いキャラでラストに出てきたわりには印象が弱くて非常に残念な先生でした) 結果的に演者はとても良い演技をしているのに一体何がイマイチポイントだったのか?やはり脚本と演出の安易さでしょうか。デュエット=恋人役の彼も完全にモブキャラ化してた割に水泳のシーンは妙に長いし、反面、先にも書きましたが兄とその彼女の関係はもう少し見たかったのに完全スルーでした。まあ確かに主人公の少女に焦点が当たるべきなので兄の件などは仕方ないと思いますが、それでもイマイチ焦点が定まらなかったように感じました。まあでもこれ脚色賞を取っているんですよねぇ・・ うーん、やっぱ、、アカデミー賞の謎ですよねぇ。 [地上波(吹替)] 4点(2023-06-26 16:41:36)(良:1票) |
2. CUBE ZERO<OV>
《ネタバレ》 レビューの為に三作品(Cube/Cube2/Cube Zero)一気見しました。パート1の前日譚である本作ですが、こちらもなかなか酷い有様でした。ただし、前作パート2にあったような根本的な理屈・物理・システムの破綻等は無く、そういった意味では一応見られる作品にはなっていました。 ただ、ジャックス(マイケル・ライリー)の風体は完全に厨二病。その部下たちがコンピューターのキーボードを操る仕草も激しく厨二病。厨二病という言葉を安易に使いたくはありませんが、これらには厨二病という言葉以外に思いつかないほど酷いシーンでした。あと素朴な疑問でしたが、パート1、パート2、パート3共にキューブ内部のデザインが異なりますが、普通ならあれほど大掛かりな公共?施設であれば同じ装置を使いまわすのが基本です。部屋の壁紙じゃないんだからお手軽過ぎるだろ?と、この点は激しく違和感でした。 ラストもあのようにパート1につなげたいのであれば、せめて名前や人種の肌の色くらいは合わせろよといった感じでした。パート2よりはいくらか映画の体を成していましたが本作もたいがいでした。。南無。 [インターネット(字幕)] 3点(2022-09-13 12:07:50) |
3. CUBE
《ネタバレ》 レビューの為に三作品(Cube/Cube2/Cube Zero)一気見しました。シチュエーションだけに絞ればパート1はとてもよく出来た作品で、人間の本質的な部分が鋭く描かれていました。しかしそもそも論としてあの装置は一体何なのか?理由も目的も一切語られないので、そういった意味では不親切極まりない映画だったし、そこが気になってしまうと全く不出来な作品であったと位置づけることも可能です。 よく考えたらどんな理由があるにせよ、人間が人間を惨殺してよい理由など絶対にありません。実験だとしてもあまりにも倫理観に反するし、陰謀だったとしてもあまりにも悪趣味です。そういった部分が気になりだした途端にこの映画は成り立たなくなります。この映画を楽しむには、あくまでそういった部分を無視することから始めなくてはなりません。 この映画をシチュエーションのみで考えた場合、人間の本質自体はとても良く描かれています。生き残るには倫理観が強いだけではダメ、数学的な頭脳を持っているだけではダメ、結局は周りを力で支配する脳筋野郎や、若い女性、ずる賢さを備えつつ社会性を持った人間らが最後まで生き残るというドライな結果が示されます。カザン(アンドリュー・ミラー)は絶対的な社会的弱者でしたが、たまたまその特殊な能力が認められ周りに利用されただけのことで、本来なら速攻で脱落するはずの人物でした。 でもやっぱりルービックキューブの構造を思い起こすと、この映画の理屈の通りにはこのcubeという部屋は動かないような気がして物語に集中できない私なのでした。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-09-13 11:41:47) |
4. ウィッチ
これはなかなかの映画でした。ちょっと暗すぎるという意見もありますが森の奥に住む魔女、また暗闇に巣食う悪魔を取り扱った作品なので致し方ないところです。それよりも何よりも、このジットリまとわりつく湿気のような陰湿さこそがこの作品最大の特徴であり魅力でもあります。全体的にとにかくリアルなのです。この暗さと陰湿さがリアル感をより強調していますが、追い打ちをかけるように要所要所で使われている不協和音が不安感を煽ります。ただ、たまに挿入されている打音を使って驚かす点は少々あざといといった印象も受けました。 キリスト教に明るくない日本人にはかなり感情移入がしにくい作品なのは事実ですが、単純に「宗教に支配されると人間はダメになる」ということは理解できます。この映画の登場人物は凝り固まった理念や形式的な価値観のせいで、自分自身や愛する家族を追い込んでしまいます。(ピューリタン=清教徒は、特に厳格な宗教観を持ったグループと考えて差し支えないと思いますが、その理念を間違って解釈したような家族として本作は描かれます) キリスト教の基本的な教えとしては「心を尽くしてあなたの神、主を愛しなさい。そして隣人を自分のように愛しなさい。」といった感じです。自分以外の者の為に愛を尽くしなさいというのが基本理念であって、決して罪と罰を追求しなさいとは教えられていません。そう考えるとこの映画に登場した家族は全くそれが出来ていなかったことが見て取れます。赤ちゃんの失踪を機に原点に立ち戻り、家族で力を合わせて助け合っていればこのような結末にはならなかったかもしれません。実はこの基本的な価値観に宗教観は特に関係なく、色んな意味で非常に奥深い作品だったと考えることもできます。また、主演のトマシン(アニャ・テイラー=ジョイ)が本当に素晴らしくて、驚異の演技力をみせている点も見逃せません。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-09-10 10:26:40) |
5. 蜘蛛の巣を払う女
《ネタバレ》 監督・キャスト総入れ替えのせいで前作の雰囲気は一切ありませんが、まあそれなりには仕上っています。前作のような重たい雰囲気は無く、007やミッションインポッシブルのような軽い感じで既視感アリアリです。決して悪くはないのですがこの雰囲気なら今の007(ダニエル・クレイグ)あたりに任せとけばイイんじゃない?みたいな感じです。 そもそも前作はミカエル(ダニエル)とリスベット(ルーニー)の雰囲気で押したような映画で、作品として特別面白いものでもなかったように感じます。そういった意味では今作のほうが単純なアクション娯楽作品としてずっと楽しめたような気はします。 個人的にはリスベット役のクレア・フォイは十二分に頑張っていますが、雰囲気という意味はルーニー・マーラのような女優さんを探していただきたかったところです。問題はミカエル役の役者さん、こちらがもう存在感が無さすぎてなぜ絡んでいるのか判らないレベルです。いっそのこと全カットで良かったくらいです。またNSAのエドウィン・ニーダム(ラキース・スタンフィールド)も後半仲間になって恐ろしい兵器を扱っているのが違和感。カミラ・サランデル(シルヴィア・フークス)もあんな派手な服装でウロチョロしてるのは違和感ありまくりだし、最終決戦の場を実家にしたのもよく判りませんでした。ボロ屋敷なのに最新のネット回線とか入ってて笑えました。 前述の通り単純なアクション娯楽作品としては十分楽しめたので甘めの点数ですが、まあ007の亜種っぽい作品に成り下がっていました。他の方も書いていますが国家レベルの問題を陰の存在である凄腕ハッカーが扱っているのもちょっと無理があって、全体的に違和感が多い作品でした。(雰囲気重視のせいか全体的に結構無理がたたっているような印象でした) [インターネット(字幕)] 6点(2022-07-21 17:36:15) |
6. ストックホルム・ケース
イーサン・ホーク(ラース)、ノオミ・ラパス(ビアンカ)、マーク・ストロング(グンナー)ら、一流役者のおかげで非常に面白い?? コミカルかつサスペンスフルな映画に仕上がっていました。最初から最後まで飽きポイントもなく、サスペンス調なのにテンポが落ちないコンパクトで判りやすい脚本は本当に素晴らしいです。(全体的に過不足も感じませんでしたし) ただし「ストックホルム症候群」を描いた作品なのか?と問われるとちょっとよく判りませんでした。この映画の流れだと、イイ人ラースに興味津々のビアンカという図式しか見えてこず、実際、ラース=イーサンの無邪気さで深イイ話&雨に濡れた子犬の目つきで優しくされた日には、、まあだいたいの女性は落ちるんじゃね?って話ですよ。ラース役をダニー・トレホあたりが演じていてもなおこの流れなら理解できるのですが・・ ラース=イーサンだとどうしても憎めない奴に見えてしまいました。 上記理由から、、ラース=イーサン&ビアンカ=ノオミのビジュアルで映画を見てしまうと終盤のビアンカの行動が少々胡散臭く感じられてしまいました。もちろん、殺されたくないという極限状態で優しくされるともの凄くドーパミンが出るのかもしれませんが、エピローグを見る限りではやはり、、ストックホルム症候群っていうのは「LOVE」なのかなって感じに見えてしまいました。私自身ストックホルム症候群に詳しい訳ではありませんので、「こういうもんだよ」といわれたら納得するしかないですが、でもなんだか少し違うような気もしてしまいました。まあしかしながらこの恋愛風味のおかげで甘い余韻を残す素敵な作品に仕上がっているのもまた事実で、評価的には難しいものの、なかなか心地良いラストを迎える作品でした。(狼たちの午後より面白いかも?) [インターネット(字幕)] 7点(2022-04-21 13:19:18) |
7. バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
バットマンじゃなくてバードマンにしたのがオシャレ、ドラムをバックに長回しで舞台まで歩くのもオシャレ、役者の生き様を小難しい屁理屈や哲学風に挿げ替えて語るのもオシャレ・・ エドワード・ノートン(マイク)とエマ・ストーン(サム)の絡みもスマートだしその他出演陣も豪華ですが、これは明らかに映画通&業界人向け、そしてマイケル・キートン(主人公)のリアルな当時を知っている大人世代に向けた間口の狭い作品です。どう考えても確信犯的で「一見さんお断り」臭がプンプンしていますが、その反面、映画の内容(ストーリー)自体は割とシンプルで、誰もが陥る可能性がある家族との不和や、どん詰まりに陥った仕事(また、過去の栄光)など、割と当たり前のことが「愛について語る時に我々の語ること」の舞台劇とウマくリンクさせて語られています。 全体的にかなり細部まで考えられており、業界人が一般人に対して訴えたい作品への気持ちなどが、ギリ一般人の頭脳でも判るレベルで表現されています。惜しいのは導入部のマーベル系のヒット作を貶すネタは2022年では既に古くさくなっている点、そしてここで笑える若者には刺さらない映画の内容になっているという大きな矛盾があげられます。 ”大人として”映画を見た後には(無知がもたらす予期せぬ奇跡)が言い得て妙すぎて素晴らしいのですが、普通の一般人(や若者など)にはあまり刺さらず、さほど面白い映画だったとは言い難いのが非常に残念なところです。好きな作風なので甘めの点数ですが正直微妙な作品でした。(レイモンド・カーヴァーの小説は未読) [インターネット(字幕)] 6点(2022-04-14 12:47:13) |
8. ブルータル・ジャスティス
ファーストショット&最初の会話からいきなり引き込まれますが、ぶっちゃけ最初の一時間は結構退屈します。(このテンション感で2時間半も!) 間延びした感じのシーンが続きますが、一見すると意味がなさそうで実は結構重要なシーンが多いので集中力が必要です。間延びしたまどろっこしい感じといえばタランティーノの演出を思い出しますが、あちらは間延びした合間にニヤッとさせられますが、こちらは間延びした間に別のことを考えちゃいます。妙な深刻さが垣間見えるので笑うに笑えないシーンが多く、そういった意味でもやっぱり忍耐力と集中力が必要な映画かもしれません。 ”味”という意味では、個人的には序盤のカルバート警部(ドン・ジョンソン)との無駄話は結構好きなシーンですが、テンポを崩してしまっているのもまた事実です。中盤のケリー・サマー(ジェニファー・カーペンター)の出勤前のシーケンスなんて明らかに無駄なシーンだと感じますが、これを味と捉えるかどうかは難しいところです。無駄かそうじゃないかは見た人の価値観に左右されるのでなかなか難しいところではあります。 この「間延び感=”味”」ですが、マイナス面ばかりではなく、間延びしたシーンの中に登場人物の心情や現在の状況などをウマく落とし込んであるおかげで、登場人物の背景が結構深く見えてくる点は評価したいです。90分でサクッと終わる映画には出せない”味”があるのもまた事実で、60分を過ぎたあたりからがぜん面白くなってきます。 残念なのはオチ。これだけ丁寧に映画を撮っておいて、結果的に結局何が言いたかったのか全く伝わってきません。世の中には頭の良さが必要?プライドより要領?それとも全ては運?TVゲームをプレイするヘンリー・ジョンズ(トリー・キトルズ)のラストカット(表情)からはその辺の心情はイマイチ読み取れませんでした。好きなジャンルですが何となく惜しい映画だなといった印象の作品です。(採点が難しい) [インターネット(字幕)] 6点(2022-01-31 23:12:38) |
9. ランド・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 時系列的にロメロ版の続編としてきちんとつながっているので、できれば題名を「Twilight~」にしていただきたかったところです。私の大好きな前作「死霊のえじき(Day of the Dead)」で思考するゾンビの鱗片は拝めますが、まさか人間と共存する方向に持って行くとは驚きを通り越して呆れて・・。(自我に目覚めた黒人男性のゾンビはあり得ないし、単純につまらん) まあゾンビな世界では世の中がああいった方向に向かうのはある意味必然なのかもしれませんが、かなり陳腐で80年代風の安っぽい感じに仕上がってしまっています。まあ作っている人間が70~80年代にピークを迎えた方なので致し方ないのかもしれませんが、これに関しては観る側(私)がウォーキング・デッドを知ってしまっていてハードルがダダ上がりしてしまっているということもあったかもしれません。 チョロ(ジョン・レグイザモ)もちょっとご都合主義的な行動が目立つし、ライリー・デンボ(サイモン・ベイカー)に関しては行動に一貫性がなく、何を考えているのかすら理解できません。個人的にはツインテール風のプリティー・ボーイ(ジョアンナ・ボーランド)がやたらと可愛いかったので帳消しにしておきますが、今作は見たら忘れる系の映画に成り下がってしまっていて、私としては「作らなければよかったのに」というの率直な感想だったりします。 シリーズものとしてロメロ大先生に敬意を込め、少し甘めの点数にしておきます。 [インターネット(字幕)] 6点(2021-12-31 12:31:56) |
10. ルーム
《ネタバレ》 軽くなりすぎず、かといって重たくなりすぎない、バランスの取れた社会派系エンタメに仕上がっていました。主役親子の雰囲気からインテリジェンスが感じられて、意外とオシャレな感じにもなっていて見やすい作品です。 ただ、冷静に考えたら非常に非常に、非常に重たい事件を扱った作品なのは事実です。この親子やこの親子を取り巻く周りの人達は、どんなに折り合いをつけようとしてもこの事実(事件)からは絶対に逃れられないし、一生涯、彼らの足を引っ張り続けるのが現実です。そう考えると、可哀そうすぎてズッシリ重たい気持ちになります。 ママが自殺未遂を起こしますが、むしろ子供が自分の状況が理解できる年齢に達してからが本番だと思われます。おじいちゃんの気持ちがこの事件の本質を的確に表していて、どんなにあがいても絶対に変えることができない現実=「この子が生きている限り事件が一生風化しない」のがこの事件の本質で、極悪非道極まりない事件なのがこの作品の本質です。これをいかに消化していくかが彼らの一生の課題になるのでしょうが、考えれば考えるほど重たすぎるし、この親子には何にも責任がないのが更に哀しみを増幅しています。 男の子が素直で真っすぐに育っていることだけが、、この映画唯一の救いです。前半の脱出劇も非常にスリリングで上手い演出でしたが、後半、男の子が髪の毛を切った後の、この男の子の振る舞いがとても愛くるしいのが更に涙を誘います。全体的に印象的なシーンが多く、ラストの余韻も含め素晴らしい作品に仕上がっています。心に残る素敵な作品。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-05-18 14:33:43) |
11. ゾンビ・リミット
この映画はゾンビウイルスパンデミック終焉後の世界が描かれており、「リターンド」と呼ばれる感染しているがまだ発症せずにウィルスキャリア(コントロールできている人)と、一切ウイルスに感染していない完全なる普通の人が一緒に生活している世界が描かれています。 リターンド(ウィルスのキャリア)を発症させないためには毎日薬を投与しなくてはなりませんが、この薬はゾンビからでないと精製できず、ゾンビが減れば薬も減るという大きなジレンマを抱えているのが面白いです。また、反リターンドと呼ばれる危険思想の人たちと穏健派との衝突もありがちとはいえよく出来ていて、この大きなジレンマと反発が後々様々な事件とドラマを生みます。終盤、カオスに陥った後のまさかのラストにがっくり脱力する作りは心底素晴らしいの一言でした。 アイデアも秀逸ですが全体的にリアルな雰囲気がとても素敵です。ゾンビはほとんど出てきませんがひんやりしていて薄ら恐ろしい雰囲気がそこかしこじゅうに漂っていて、この世界観を上手く形成しています。脚本の流れも分かり易くラストへの繋がりもスムーズです。映画の知名度とは反比例してかなり出来の良い作品だったと思います。サスペンスや人間ドラマが好きでゾンビなどの終末観が受け入れられる人にはかなりお勧めできる映画に仕上がっています! [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-03-14 18:12:33) |
12. バイオハザード: ザ・ファイナル
やっとラスト。ついに完結。そういう意味で楽勝で5点は献上できます。ストーリー的にはとても分かり易く、今までの伏線も一応回収してくれましたので総合的には良かったと思います。ただしアクションシーン全般にCG・編集・カメラワークが最悪で、戦闘シーンでは何をやっているのか訳が判らない&目が疲れました。個人的には派手なシーンやアクションより、映画としてきちんと内容メインで落ち着いて作って欲しかったと思います。 ローラさんは非常に美しく映っていましたね!でも無意味な役柄でしたので、、なぜ彼女がキャスティングされたのか謎でした。きっと日本の観客を増やすためなんでしょうねぇ。。いろいろ文句は書きましたがビッグタイトルの完結編としてはとても満足できるものでした。Very Good!(映画的には4点ですが、ラストだし綺麗にまとまっていたという意味でも少しオマケしてこの点数です) [インターネット(字幕)] 5点(2018-08-10 11:18:48) |
13. ミスター・ノーバディ
《ネタバレ》 「神様メール」がおもしろかったのでトライしてみましたが・・ ダメでした。最初から面白くなりそうな雰囲気を持っていて、選択する際のエピソードも各自なかなか面白いです。しかしエピソードが面白くなりそうになるとそのシーケンスが終わり、あっさり次へ。。それが何度も何度も繰り返されて、一時間もするとすっかり退屈(イライラ?)になってきます。その後、頑張ってラストまで見ましたがラスト10分は最も意味が分からない。 少年が電車で選択に迫られるシーンと、三名の女性との可能性を掘り下げてしっかりと一つずつ見せてくれたほうが良かったような気がします。そして空いた時間をバタフライエフェクトの可能性の説明に割いてくれたほうが、もっと哲学的かつ宇宙的だったように感じます。このラストでは全く意味が分からないし、とにかくなんか面白くないんですよ。。終わってからの第一声が「やっと終わったよ」ですが、観客にこれを言わせてしまう作品ってある意味最低だなと思います。(途中途中のエピソードは結構面白かったので甘めの点数ですが) 2022/8再鑑賞 やっぱり私の頭脳では終盤の流れがよく理解できませんでした。初鑑賞時同様に各女性陣との各人生は素晴らしいものの、パラレルワールド・超ひも理論などと結びついているのかどうかよく判らない終盤の流れがイミフ過ぎて台無しになっているような気がします。もっと頭が良ければ理解できるのかもしれませんが、私にはこれ以上は無理そうです。各女性陣との人生が素敵な余韻を残すだけに、もう少し万人に受け入れられるラストを準備していただきたかったところです。 [インターネット(字幕)] 2点(2018-07-23 11:57:09)(笑:1票) |
14. 複製された男
監督の名前から一抹の不安がありましたがやはり・・ 致命傷だったのが全体に流れる暗さ。内容が面白ければ救いもありますが、内容も絶望的に退屈でつまらない。これでは鑑賞後に調べようという気持ちすらおきません。(もしかして自分のバカさ加減を宣伝してる?) この監督さんの映画は「ブレードランナー 2049」「メッセージ」「ボーダーライン」「プリズナーズ」「複製された男」と、凝りもせず何作も見てきたわけですが、特徴としては全体を覆うトーンがやたら真面目で暗いです。例えばノーラン監督の「ダンケルク」や「ダークナイト」などはまさしく重厚だったと思いますが、ヴィルヌーヴ監督の作品は全体的に重厚というより単に暗いだけといった印象です。とにかく観客を引き付ける魅力ある要素が少ない時点で最初だろうがラストだろうが映画としては致命的だと感じました。 通ぶって背伸びしてみましたがやはりちょっと無理でした。監督の作風なので仕方がないですが、私には合いませんね。(ブレードランナー2049とボーダーラインはまあ一応は許容範囲内の評価を付けてありますが、もう一度見るか?と聞かれたらやはりNoです) [インターネット(字幕)] 1点(2018-07-23 11:01:35) |
15. パッセンジャーズ
《ネタバレ》 「オチ」「どんでん返し」「二番煎じ」などの言葉が舞っていて、手厳しいレビューも多いですね。しかしこの映画は明らかにヒューマンドラマです。そういった意味ではパッケージや宣伝の人の罪は大きいですが、映画というものは変に勘繰らず素直に没入したほうが作り手の意図する流れに乗れて幸せになれる、という見本のような作品です。ネタバレすると面白さが半減しますので、レビューなど見ずに素直な気持ちで鑑賞することをお勧めします。 【ここからネタバレ注意】 そもそも題名からしてネタバレしていますが、まさかこういう方向だったとは・・ なかなか意外です。死んでなおしばらくの間は普通に生活している(気づかずに)であろうという説は聞いたことがあります。しかし死後の世界は検証不可能なので自分がそこへ到達するまではそれが事実かどうかは判りません。そういった意味ではがっつりファンタジーだともいえます。 この映画では、人が不慮の死を迎えた時の無念さや寂しさがよく表現されています。特にネタバレ後のエピローグの部分がとても素晴らしくて、機内での最後の描写があるおかげで映画全体がより一層哀愁あるものに昇華しています(そして伏線回収も一気に行われます)。 本来なら無事に飛行機が着陸し、その後あったであろうその人の人生・希望・理想を彼女は生きたわけですが(まあ死んでいるけれど)、あのエピローグのおかげでその希望的な余韻が感じられます。あのエピローグのおかげで観客も主人公と一緒に走馬燈のように映画をおさらいできたと思います。むしろラスト10分で評価が一気に上がりました。 「ありふれた手法だし陳腐なネタだ」と切り捨てる前に、深くこの映画を理解すればどんでん返しに主軸を置いていないことに気付くでしょう。誰も生きている人は出てきませんが、非常に暖かい映画であったといえます。バランスよくまとまっていてとても素晴らしい作品です! [インターネット(字幕)] 9点(2018-07-16 10:45:09) |
16. ダイバージェントNEO
前回に引き続きなかなか無理無理ストーリーですね。パート1は本格的な半笑い映画だと思っていましたが、まさかパート2が公開されるとは思ってもいませんでした。2も大概です。これもうちょっと脚本やルールを整理してから映画にしたほうが面白かったように思います。 性格で人間を複数のグループに分けるという発想は悪くないです。外の世界から隔離したアーミッシュ感も定番の設定です。また、空想世界(マトリックス)で内面を鍛えるという発想もなかなか良いです。荒廃した近未来感も全く悪くない発想。そして主人公は全ての性格を備えた異端児で・・ 美味しい食材ばっかりなのになんでこんなにまずい料理ができちゃうのかって話ですよ(笑) まあ、パート2をやったということはそれなりに興行成績が上がっているんですかね? 流れ的にパート3もありそうですがさすがにもう見ないかも・・ [インターネット(字幕)] 3点(2018-06-18 17:48:28) |
17. アメリカン・サイコ
よくわからなかったです。(アホ丸出しですみません) 同時期のマトリックスやファイトクラブがいかに素晴らしいか思い知ります。公開当時に見ていたらまた違った印象を持ったかもしれませんが、2018年に見てもいまいちピンと来ませんでした。なんとなく最後までダラダラと見ましたが2000年前後はいくらでもイイ映画がありますので、無理にこれを選ぶ必要もないような気がしました。(意外と最後まで見ちゃったんですが) 特に書くことは無いという、あまりにも投げやりになってしまうような作品でした。一つも共感できる部分がありませんでしたし、面白いと感じる描写もありませんでした。 [インターネット(字幕)] 3点(2018-02-25 16:21:55) |
18. ブレードランナー 2049
《ネタバレ》 【ネタバレ有ります】 悪くないが・・ うーむ。。といった印象。正当続編としてもリメイク(じゃないけど)だったとしても最新映像&最新技術&匠のカメラワーク(美術)で世界観は現在考えうる最高のブレードランナーに仕上がっていると思います。この点は満点ですが、しかし。重厚で伝統的な雰囲気の割にはストーリーがありきたりすぎるというか、悪意を持って書けば定番の自分探しの旅なので少々軽い感じもしました。そもそも「レプリカント」って結局は生体系とか細胞クローン系とかなの?骨やら子供やら出てくる割に細胞レベルで刻印があったり、傷を接着していたりしてイマイチよく理解しきれていない部分が多いです。私しゃてっきりロボットモノだとばかり思っていましたよ。 ダメ押しはHフォードの肉弾戦。だめでしょコレ(笑) 俺は80歳の爺さんのパンチが見たいわけじゃない。柱の影から出てきてそのままバーで語らうのじゃダメなんですか?ラストもそう、「娘に会いに行け」これだけで十分です。この監督、思わせぶりな「振り」は上手いんですが、なんだか中身がない方向へ引っ張るというか、色々蛇足感もあって無駄にテンポを落としてるような気がします。思い返せば「メッセージ」も「ボーダーライン」も同じでした。なんだか凄い映画を見たような気になるけど、実は中身がスカスカで結局大切な部分はあまり表現されていないような印象です。 何度も見れば評価が変わる可能性は秘めています。しかしそう何度も見たくなるかなぁ・・ 最新映像のブレードランナーなので非常に楽しみにしていましたが、正直なところ少し残念でした。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2018-02-02 11:19:17)(良:1票) |
19. エイリアン:コヴェナント
《ネタバレ》 エイリアンとしてはイマイチ面白くないのですが、普通のSFとして見れば結構面白かったです。そもそも、リドリー・スコットのエイリアンというだけで期待値が最大まで上がってしまうのが、ある意味最高に不運な映画な訳ですが、でもまあ・・ リドリーご本人さんが自ら進んでやっていることなので擁護はできませんよねぇ。。 79年エイリアンの時はクルーの行動にもある一定の共感がありましたが、プロメテウスと本作はとにかくクルーの行動にイライラしっぱなしです。「君たち、バカなの?死ぬの?」のオンパレード。監督さんボケちゃってるんじゃねーの?というレベルです。前作・今作を見て思うのは、もう完全なスピンオフ扱いに徹して、「アンドロイドの物語」として作ってもらったほうがよっぽど面白かったと思います。 文句タラタラですが見て損したというほどでもなく、まあ、、「金が掛かってるSF見たよねー(白目)」という程度の満足感はありました。エイリアンの続編として腰を据えて鑑賞するのではなく、あくまでライトな感覚でお祭りネタとして楽しむSF作品の超大作。 [インターネット(字幕)] 6点(2017-12-29 11:53:08)(良:1票) |
20. メッセージ
《ネタバレ》 なんか地味で退屈する映画でした。絵的にもちょっと暗すぎます。言いたいことは何となく理解できるものの、明らかにおかしな点が多すぎてシラケるほうが先でした。大きな矛盾がある以上、物語の理解以前の問題だったような気がします。未来の記憶から自分自身が出版した本をカンニングする件、シャン上将の電話の件(奥さんネタ)とか、もうほとんどジョークなのかと思いました。100歩譲って未来を思い出す(フラッシュフォワード)がアリだったとしても、それを活用しよう(これから起こる結果を変えよう)と考える人が出てくることは必然で、そうなると結局はもうパラドックスしかありません。 宇宙人モノで毎度思いますが、タコみたいな生物が人間より高等技術を使っているとかありえないと思ってしまいます。触手しかなくて唸るくらいしか声帯が発達していないような生物が、いったいどうやって文字を開発し乗り物を作っているのか?全く理解に苦しみます。そもそもなぜ猿(こちら側)が文字を解読しないといけないのか?高等技術を持っている側(宇宙のタコ)がもっと簡単に意思疎通できる仕組みを提供すべきだったし、そのほうが自然です。 ヘプタポッド語が広まってもなお、未来の旦那は自分自身の未来が見えていないようなので、全員が未来が見える訳ではないようです。色んな意味でちょっとご都合主義が目に付く映画でした。ハードSFが大好きなので宇宙船内の重力やその他描写なども素敵でしたが、根本的に私には合いませんでした。 [インターネット(字幕)] 3点(2017-11-27 11:55:07) |