1. 汚れた心
《ネタバレ》 タイトルの「汚れた心」とは「純粋な心」のアンチテーゼでは無く、私利のために「汚れた心」を定義づけし「純粋な心」を利用して排除しようとする心のことである。 「勝ち組・負け組」の問題は前々から興味があったので、非常にこの映画の封切が楽しみだったのですが、やはり映像として見せられると非常に衝撃的な内容でした。 まあ、考えの違う同胞に対し「汚れた心」というレッテルを貼りテロを仕掛ける「勝ち組」に対し憤りは感じましたが、それ以上に「純粋な心」を持つものを己の利益のために利用する詐欺師まがいの輩に対し本当に激しい憤りを感じましたね。 この映画ではそのような輩の要素を奥田瑛二演じるワタナベに集約しているので、エンターテインメント的に分かり易くなっていますが、現実的にはもっとやりきれない状況だったんだろうなと想像できます。 「勝ち組」の思想が全体主義というよりかは、人間の心理の闇を巧みに利用したカルト宗教的な感じで非常に恐ろしかったですね。 キャストの殆どが日本人ではありますが、ブラジル映画で監督もブラジル人ということで非常に中立的で乾いた感じの演出が非常に効果的で良かったと思います。 [映画館(字幕)] 8点(2012-07-25 23:30:02) |
2. 尻に憑かれた男
《ネタバレ》 人間誰しもが持つ醜い部分をシニカルなブラックユーモア満載で描いていて非常に面白かったですね・・・。まあ、最初は登場人物のダメっぷり(特に主人公の最低さは見事です)を笑って見てたんですけど、人間誰しもが持っている欲望を客観的に映し出したらさして変わりはないことに気付いてしまいあまり笑えなくなりましたね・・・・。 単純なように見えて結構深いテーマが隠されている映画でした。 [映画館(字幕)] 8点(2011-08-02 22:05:38) |
3. バス174
《ネタバレ》 どんな理由があったとしても、関係の無い人々を巻き添えにしたバスジャック(しかも犠牲者を出している)は許されるものではないし、犯人に同情などすべきでは無いと思います。ただ、この事件を起こした犯人は決して「サンドロ」だけでは無いということを、このドキュメンタリーは教えてくれました。 人間は誰しも、プライドを持ちより良く生きたいという欲求とそれをかなえるための知能を持っている・・・こんな当たり前のことを忘れてしまっているもしくは知らない人間が多いような気がします。 [DVD(字幕)] 7点(2008-10-16 17:52:18) |
4. シティ・オブ・ゴッド
《ネタバレ》 テーマはひたすら重く暗く全く持って救いようが無いのに、サンバのリズムが不思議とマッチしてるし、時折陽気さすら感じるアクション映画(ブラジル版「仁義なき戦い」みたいな感じ)に仕上がっているんですよね・・・・。 これまで、いろんな国の映画を見てきましたが一番カルチャーショックを受けましたね。何というか自分のモノサシでは全くはかることの出来ない価値観と遭遇してしまった感じです。 ホント、世界は広いなという感想しか無いですね・・・・・。(あまりの救いようの無さにマイナス1点です) [DVD(吹替)] 9点(2008-10-14 18:16:40) |
5. ビハインド・ザ・サン
《ネタバレ》 映像の美しさとストーリーの残酷さが妙にマッチしていて、非常に不快でした。生きていくために滅亡の方向へ進んでいかなければならない理不尽さがとてもやるせなかったです・・・・・。 [DVD(吹替)] 6点(2007-03-12 18:38:08) |