1. 世界の中心で、愛をさけぶ
《ネタバレ》 大人になった現在の映像を落ち着かせたカラートーンにし、過去の出来事を鮮明な映像にした事により、描くべきメッセージが強く前に出ていた。細部までこだわった演出は素晴らしく、多々私の目をひいた。例えば、サクが放心した状態で歩いている横を、明るい祭りの列が交差する場面。残酷なようだが「自然に時は流れている」と感じさせる。亜紀がピアノを弾く場面での雨の日の暗さが、より「切なさ」を伝えてくれたり、台風、ウオークマン、飛ばない飛行機など、過去と現在に設定した「同じキーワード」を盛り込ませることにより、いくどなく今昔を往復する物語を違和感なく見せてくれたりなど・・・。 だが、この作品の最も評価すべき所は、サクと亜紀の立ち居値にあると思う。常に、亜紀はサクより数歩先を歩んでいて、「死」という現実に恐怖しながらも「理解し予感」している。対してサクは、「ありえない事」を受け入れられず、ラジオに「元気になった」といった嘘の手紙を投稿したり、若さゆえの行動で飛行場へ亜紀を連れ出してしまう。お互い「愛情」の比率は同じであっても、亜紀とサクの「現実」の比率は違っていたのだ。サクが、等身大の高校生だからこそ、素直に共感できたんだと思う。 最後に、オーストラリアの地で、最後の亜紀のメッセージを聞くサク。「あなたは、今のあなたを生きて」。全ての答えがこのセリフに詰まっている。聞き終えたサクは、彼の中の「世界の中心」で、亜紀の思いを大地と風に舞わす。この映画が「哀しい物語」だけでなく、「再生の物語」でもあることに、改めて感動させられる・・・。私の映画鑑賞史上、最も泣いた作品。 10点(2004-06-08 01:44:10)(良:3票) |
2. ファインディング・ニモ
《ネタバレ》 始まって、5分で涙・・・。一つだけ無事だった卵に向かって言うマーリンの言葉が、とにかく胸を打ちました。作品中では、マーリンの親バカ振りと、「子離れ」という言葉で説明されていますが、マーリンはただ、ただ、2度とあんな哀しみを味わいたくないんですよね。子どもの名前に無頓着だったのに、「ニモ」って名付けたのも、愛する奥さんの想いを重ねているんですよね。ニモがさらわれた時のマーリンの動揺する姿が痛々しかったです・・・。父親の心配をよそに、元気で好奇心旺盛なニモも、むなびれのハンディキャップをモノともせず頑張る姿は、とても愛らしかった・・・。ピクサー初の「海」という、広大な世界を美しいCGで見せてくれる中、個性豊かなキャラクター達が、これまた良い。サメのトリオの「私たちは友達!、魚は食べません!」とか、カモメの「エサ!エサ!」には笑いました・・・。設定も上手くて、せっかちなマーリンには、忘れん坊でおっとりのドリーが、何が起きたのか分らないニモには、経験豊かなギルが・・・といった感じで、同時に、色んな事を経験し成長していくさまが、丁寧に描かれているのも○。そして、何と言っても、「親子の愛情と絆」。私には、まだ、子どもはいませんが、劇場で一緒に見ていたとしたら、おもわず子どもの手を握ったでしょうね・・・。優しくて楽しい。オススメの一本です。 9点(2003-12-08 22:45:58)(良:3票) |
3. パッチギ!
《ネタバレ》 「ゲロッパ!」を見たとき、辛口評価を言っていい人じゃないなと感じたが、今作を見て、井筒監督の目線が少し分かった気がする。 韓流ブームに乗った人。 朝鮮問題がどうとか...表面的にしか理解していない人は是非見てください。 反対に、在日朝鮮人に詳しい人は、この映画の意味深さに涙するでしょう。 よくぞ、こういった作品を作ってくれたもんだ、としか言い様がない。 ラストで、朝鮮学校の学生と日本の学生が川を隔てて争う姿に合わせ、南北分断の意味を問う「イムジン河」を流すシーンは、素晴らしいの一言である。 言論の自由を塞いだ「罪」 戦争という大きな「罪」 何も知らない事の「罪」が描かれた傑作である。 憎しみ合い、ぶつかり合い、愛し合う。 青春群像劇はこうでなくてはならない...という模範的な邦画。 本当に良い作品でした。 [DVD(字幕)] 9点(2005-09-28 13:47:56)(良:2票) |
4. 解夏
1年を通して、じわじわと時が流れていく様に感じました・・・。私には生まれもっての病気があり、薬が無いと普通の暮らしは出来ない。数年前、医療技術が発達し、「今の激薬より楽な薬へと変えられるかもしれないが、可能性は50%しかない」という手術を受けた。手術の前日、母親が「今までの人生を不幸と思わないでね」とぽつり言った。私は「不幸だと思った事は一度も無い」と答えた。そうなんだ、生まれ持った病気は、本人には「当たり前」の事なのだ。ただ、普通の人と同じ事が出来ずに悩むくらいだ。今作に登場する主人公は「視力を失う」という「失う」病気にかかってしまう。何下に「当たり前」だったものが「そうじゃなくなる」というのは、生まれもっての病気より辛いんだと思う。失う事への恐怖と切なさの先にある「新しい世界」。失う前より行動範囲は狭まるかもしれないが、さらに狭めるか、現実を受け入れ「新しい世界」を生きるかは本人次第。誰だって、不幸にはなりたくないでしょ?。関係ないけど、終始、こんな素敵な彼女がいたらなぁ~って見てしまった・・・。 7点(2004-08-19 21:14:12)(良:2票) |
5. 塔の上のラプンツェル
素晴らしい。 ディズニー作品の名に恥じない名作ではないでしょうか… おとぎ話とはこういう物、そう感じさせる安定感と、 軸になっている普遍的で、人間的な思いやりや愛など、 心に響く説得力があるからこそ、ラストが分っていても感動せずにはいられない。 大人が見ても、子どもが見ても楽しめる、これこそディズニー映画。 これこそ良い映画。久しぶりに涙しました。 [DVD(字幕)] 9点(2012-01-02 20:27:08)(良:2票) |
6. トラ・トラ・トラ!
とてつもない「説得力」を感じた。日・米の視点を同じにし、極力制作側の思想や、生半可な反戦をうたわない部分が、この映画の「説得力」をより強固なモノにしていると思う。日・米の動きを行き来するストーリー展開も、時間枠に違和感がなく丁寧に進むため、各士官の繊細な部分も読み取ることが出来る。朝焼けを背景に飛び立つ日本機のシーンなど、美しく情緒的に描かれており、当時の「日本特有の空気感」までもが映し出されているように感じた。山本五十六の「眠れる巨人を起こし、奮い立たせたも同然である。」のセリフが何ともい得ず、切なく、重く、胸に響いた・・・。 8点(2003-12-05 21:27:13)(良:2票) |
7. 真実の行方
結局は、何も解決せず、全ての努力が無駄になるラストは、あと味悪し・・・。実際に二重人格で苦しんでいる人が見たらどう思うのか?、といった配慮が感じられない。 0点(2003-09-23 00:40:47)(良:2票) |
8. カッコーの巣の上で
「自由」と「わがまま」を取り違えた考えに、ついていけませんでした。「その場限りの欲望」に走り、「酒」に「女遊び」で心を満たしていく様は、「高校生の不良グループ」並で、哀れに感じた・・・。5年、10年後を考え、行動していれば、悲劇のラストは防げたはず・・・。終始、彼等から「未来」を感じることは出来ませんでした・・・。 0点(2003-08-25 21:57:18)(良:2票) |
9. ソーシャル・ネットワーク
《ネタバレ》 インターネットという時代の流れと才能が上手く噛合い、大きく展開していく様はまるで新たな歴史が作られていくのを見ているようにも感じた。 気になる女性に自らを認めさせたいという天才でありながら、ほんの少しの完璧でない人間性が作り上げた物語(ソーシャル・ネットワーク)は、様々な事に対してもまだまだ多くの可能性がある事を教えてもくれる。 そして、お金と友達、恋愛という数字では表せられない幸せが思い通りにいかないという事も。。。 今作は今だからこそ作られ、見れる映画だと思う。 なぜなら10年、20年後にはもっと新たなコミュニケーションツールが出来ているかもしれない。 色々な意味で深く考え、楽しませてくれる内容は十分映画的で素晴らしかった。 ラストの何度もクリックする姿が、変わらない彼らしくてとにかく印象的!! [映画館(字幕)] 9点(2011-01-29 23:06:58)(良:2票) |
10. マーキュリー・ライジング
「国家レベルの秘密を解読されてしまう」といった作品で、犯人は、知った人間、関わった人を殺しまくるといった、安直な行動以外、考える事が出来ないのだろうか?。犯人の悪あがきによって話が大きくなっていくストーリーにも、深みを足す事はできないのだろうか?。この手の展開は、もう見飽きました。 1点(2003-11-08 01:20:49)(良:2票) |
11. SPACE BATTLESHIP ヤマト
まず最初に、アニメの「宇宙戦艦ヤマト」という作品は、高度経済成長時代の人々の心に合った作品で、未来への希望を反映し、日本人の負けない精神を描いたからこそ、当時ヒットしました。「時代」と「見る側の心」が重なったからこそ、名作となりました。 今作を見終わっての感想… 社会現象までになった作品を、よくこのレベルまで下げられたなぁと言うのが正直な感想。 リメイクするなら、今の日本を更に勇気づけ、元気づけられるくらいのパワーと説得力が必要。ヤマトという作品には、それ程のカリスマ性がなければ意味がありません。 しかし、今作にはそのパワーも説得力も、「ヤマト」の魅力さえもない。登場人物の誰にも感情移入が出来ないし、今の日本の現状も反映されていない。とても残念な一本です。 [インターネット(字幕)] 0点(2013-07-07 01:54:29)(良:2票) |
12. ライフ・イズ・ビューティフル
この作品が公開された時、「ホロコーストを誤って伝えている」、といわれていましたが、今作は「偶然」負の時代に「恋愛をし」「結婚し」「子供が生まれた」「愛情深い父親」が主体であり、ホロコーストは世界観でのみ描かれています。「ホロコーストの伝え方」に疑問があれば、自ら進んで歴史を学べばすむ事です。映画一本見て「戦争を理解する」なんてこと自体、不可能なんですから・・・。今作は「どんな時でも、深い愛情を絶やす事無く、素晴らしい人生を・・・」のメッセージを感じる事ができる素晴らしい作品です。それだけは、間違いないと思います。 10点(2003-08-14 18:15:11)(良:2票) |
13. ニューヨークの恋人(2001)
確かに、CMで嘘ついたらいけませんよね。それはともかく、メグ・ライアン可愛い!!。 2点(2003-08-09 02:30:43)(良:1票) |
14. 死ぬまでにしたい10のこと
「愛している」という言葉が多々使用されているが、結果的に浮気して、旦那と浮気相手の「心」をだまして死んでいく彼女に「未熟」さを感じた。2人の子供がいるにも拘わらず、「大人」に成りきれていない部分も多く、視野の狭さが目につく。この主人公が「男性」だった場合。見るに耐えがたいエピソードになったでしょうね・・・。それに、「若くして死ぬ」=「可哀そう」という見方にも疑問を感じる。人生の「重さ」は「長さ」ではない。彼女より、若くて、病院から出ることも出来ず「死」んでゆく人は沢山います。残された人の事を考えると・・・、などといった涙もこの作品には不要。子供が生まれた時に「いかに今この瞬間が大事であるか」を学ばなかったのだろうか?。とにかく、この作品には「とても大切な事」が抜けている。 2点(2003-11-09 16:13:01)(良:1票) |
15. サンダーハート
FBIの捜査物ですが、先住民への差別と偏見を取り混ぜたシナリオが素晴しい。先住民の血を受け継ぐ都会育ちの主人公が、自然の中で暮らす先住民の心の強さを知り、自分を解き放っていく過程も面白く、奥深かった・・・。ラストの、ストロングホールドでの展開は感動的で、鳥肌が立ちました・・・。熱く、強い魂を感じることのできる作品です。 8点(2003-10-16 03:12:35)(良:1票) |
16. トランスフォーマー/ロストエイジ
「3」が個人的に納得いかなかったので、同じだったら…と心配していましたが。 予想以上のエンターテイメントかつ、初代TVからの往年のファンも納得のいく内容(初代コンボイトラックの姿には、只々感無量)と、今作ならではの味付けが良かったです。 特に、賛否両論はあるかもしれませんが「ガルバトロンが、なぜ登場?復活したのか?」は個人的にも、映画的にも納得(これによって、次回作もより楽しみに)。 勿論、いつも通り突っ込みどころがありますし、カット繋ぎの酷さと説明不足も相変わらず。 ただそれらを覆すくらい、ダイノボット達の存在、活躍が素晴らしかった。いつ登場するのかと待ちに待っての5体の姿は鳥肌もの。気持ちの良い(ダイノボットらしい)戦いっぷりは爽快感さえありました。久しぶりに興奮した一本。 [映画館(吹替)] 9点(2014-08-10 13:05:48)(良:1票) |
17. シックス・センス
死んだ人が見える少年を軸に、親子愛と、心の絆を丁寧に描いた傑作。 ホラー映画に「愛情」や「ヒューマン性」を入れても、たいがい蛇足にしかならないが、今作はそれらを見事に消化している。 それは「なぜ、主人公の元に霊が集まってくるのか?」の問いに、「伝えたいメッセージがある」という的確な答えがあるからだろう。 そして、各登場人物の「心の問題」についても、深くて温かい「答え」が用意されているところに、脚本の質の高さが感じられる。 細部まで計算された展開により、ラストの秘密で驚かされてしまったが、映画本来の面白さを純粋に感じさせてくれる驚愕の一本でした。 [映画館(字幕)] 10点(2003-07-29 03:26:59)(良:1票) |
18. デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!
子ども向けと思って、なめてかかると痛い目をみる作品。 「デジタル」という作品世界を活かしきったシナリオは圧巻の一言。 随所に散りばめられた見事な演出、そして美しい作画には鳥肌が立ちました・・・。 とにかく、日本の子ども向けアニメのシナリオってこんなにもレベルが高かったんだ...と感じた1本です。 [映画館(邦画)] 8点(2003-08-08 01:13:37)(良:1票) |
19. トロン
「~レガシー」を見ましたので、改めて見直しました。 物語の軸は「~レガシー」ほど強くないものの、正直、この時期に仕上がっているデジタル世界の考えとデザイン、そして世界観に絶句です。 圧倒的に未来的で映画的で、一種のデジタルアート作品と言っても過言ではないように思います。 やはり、この世界観、個人的に大好きです。 [CS・衛星(字幕なし「原語」)] 7点(2012-01-04 23:35:19)(良:1票) |
20. 101
なるほど!。ダルメシアンを飼えば、素敵な出会いが出来るわけですね!。よし!。明日から早速、飼おう!。すぐ飼おう!。 8点(2003-11-21 23:04:41)(笑:1票) |