1. ゲド戦記
《ネタバレ》 サンがエボシに踊りかかってアシタカが圧し通ったと思ったら、ナウシカが気絶してユパに抱えられて、目を覚ましたらフィオの傍でポルコが弾丸整理じゃなくてパンを切り、ジコ坊が怪しげな薬を出したと思ったら、シータを追いかけてたクロトワはフォースを操るエボシの部下だったという。作画はところどころで明らかに質が違うし、アイリッシュ系音楽がヘレニズム文化とは相容れてないし、史実どおりの建築物にガウディばりの装飾タイルとファンタジーな乗り物で日用品がペルシアと、ある意味やろうと思っても大人の事情が邪魔して絶対にやらないことを平気でやったというところに「素人は怖いもの知らず」という言葉が伊達に残っているわけではないということを知りました。本当は0点ですが、音楽に1点差し上げます。音楽は大変よかったです。単体で聞く限り、は。 [DVD(邦画)] 1点(2007-08-13 02:50:23)(笑:5票) |
2. ターミネーター4
《ネタバレ》 「もう観ない!」と言いつつ見てしまう、私のような消費者がいるからこそ「シリーズもの」がウケるんだよなあと苦笑いしながら観た。そして、なかなか面白くて結構感動。ジョンがT-800に驚くところで「おいおいお前T-1000と格闘したろ」とツッコミたくなったが、よくよく考えるとあれは驚きというよりも、聞いた未来が現実になってゆくことへの恐怖だったんだろう。その他司令官ジョン・コナーの顔の傷の謎が解けたり若かりし頃の州知事の顔が見えたりと、こだわりをヒシヒシと感じる。なによりも良かったのは「ファンタジー」では無かったところ。機械との戦いが非常にリアルで、前作と打って変わった骨太さに大満足した。その他ヘリコで離陸・墜落までのシーンにカット割が無かったことや、各種マシンのおどろおどろしいまでに練りこまれたサウンドエフェクト、そして全編に漂う第一作目リスペクトの精神がそのままダイレクトに画面に出ていて非常に良かった。あからさまに続編あるよ的な終わり方には多少辟易したが、この路線で行くのならまた観たいと素直に思えた。良かったです。 [DVD(字幕)] 8点(2010-01-24 18:47:15)(良:2票) |
3. ダークナイト(2008)
冗長すぎる、という点で前作「ビギンズ」の方が上手くまとまっていたと思う。それを除けば全ての面で文句無し。ハリウッドも本気を出せばここまで美しく、緻密で、職人芸という言葉すら陳腐に聞えるほど徹底的に練りこまれた映画が作れるのだなと脱帽した。娯楽的な面白さや悲劇的なお涙頂戴ものなど、何かひとつふたつの要素で簡単に感動を誘う作品が(映画に限らず国境を問わず)溢れまくりの昨今の中で、「質の高さ」という、作りにくく手間がかかり伝わりにくい部分を訴求するこのシリーズはそれだけで評価できるし、それでかつ面白いのだから手のつけようが無い。「こんな作品を産んでくれてありがとう」と作り手に感謝してしまう実に稀有な、本当に稀有な作品。あと、ジマー&ハワードコンビの楽曲が死ぬほどカッコ良すぎてどうしようもない。冗長という部分で9.9点を付けたいのだが、小数点以下は無いので四捨五入で10点。 [DVD(字幕)] 10点(2009-08-25 06:15:15)(良:1票) |
4. キング・アーサー(2004)
軒並み低い点数が多いですが、ボクは間違いなく8点献上にふさわしい映画だと思っています。まずはアーサー王伝説を完全無視した構築に一票投じたい。アンチヒーローズとなった円卓の騎士達があまりにもカッコ良くて燃えました。ともすれば「金髪・青髪・美しい容姿に蕩けるような声と美形」なんていう、腐女子のアニメ的二次産業の欲望のオモチャになりがちな、ふぁんたじーアーサー&騎士達ですが、その概念を壊しただけで大拍手。何万という、非現実的な戦闘描写を回避したリアリズムにも一票投じたい。他には編集が最悪。戦闘が何がなんだかわからなかった。随分ヘタクソなカットマンだなと思いましたが、撮影の美しさで補われてましたね。イジャックのセンスには脱帽です。ジマーの音楽は取り立てるようなものでもありませんでした。これはちょっと残念。アーサー役のクライヴ・オーウェンをこの映画で初めて知りましたが、一発でファンになりました。こういうリアルアクターが増えてくれるのは大歓迎。素晴らしい役者だと思います。カットのダメさに-5点、全編に通されたリアリズムを重視した制作に+2点、そして、ふぁんたじー好きな、指輪→トロイの流れで観て酷評してる愛すべき消費者達に+1点。8点献上です。 8点(2004-08-14 22:03:29)(良:1票) |
5. 300 <スリーハンドレッド>
鑑賞後、嫁さんが「2,3年後に『そういえばあったな』と思い出す映画」と評していたのが上手すぎて笑った。決して万人向けではないけど、敷居が高いわけでもない、しかし好事家にとっては恐ろしい魔力を秘めた超絶傑作であることは間違いないと思う。映画そのものよりも映像美と映像技術に心底惚れた。CG全盛時代に、CGだけではない表現が数多くあって、そのセンスと発想にただ驚嘆。オラクルのダンスシーンの布の動きはどうやって撮影したのか今もってわからない。水の中で撮影したのかな。もちろん映画本編も面白い。ベイツの楽曲が神過ぎる。こんな“使える”コンポーザーだったとは思ってもみなかった。自分のメクラぶりに恥じ入るばかり。全体的なデザインという意味では同じミラー物でもシン・シティより遥かに洗練されているにも関わらず、それ以上に密度が濃い。トータルメディアに対するある種の答えというか啓示のようなものが多く含まれていると思う。映像・コンテンツ系の仕事を生業とする方は是非見て欲しいと思う。 [映画館(字幕)] 10点(2007-06-26 19:52:29)(良:1票) |
6. グラン・トリノ
事件と言うか出来事と言うか、展開が唐突過ぎて最後までのめりこめなかった。冒頭から中盤から最後まで「こう展開させたいのでこういう事件を起こそう」という意図が見えてしまって実に残念だった。例えるならば、私もブックのあるプロレスの試合をそれと知りながら楽しむファンではあるが、今まで最強のコンビを組んでた同士が互いの誤解から憎悪を募らせ、イザ血で血を洗う抗争に発展するか!という瞬間に、美女がリングに上がって「あなたたちは、本当は兄弟なのよ!」と言っていきなり「兄さん!」「弟!」と泣いて抱き合うような、そんな感じ。最後の和解が予想できるようなブックだとしても、もっとやりようはあるだろう!と突っ込みたくなる。とりあえず少年とお姉さんは素晴らしい演技だった。せつなさが伝わってきて感情移入できる。が、一度見たらあとは忘れてしまう類の映画ではあった。 [DVD(字幕)] 6点(2010-11-23 11:48:31)(良:1票) |
7. 8 Mile
フツーにおもろかった。同系統としちゃ「ジュース」の方が映画的だけど。エミネムをこの映画で初めて知ったけど、確かにありゃ、ラップスキルは史上5指に入るうまさだ。が、歌詞とかライムとか、凡百な部分は否めない。面白みがある分NWAの方が好きかなー。西と東のスタイルを掛け合わせた楽曲は見事。こらまあ、若い子ォにはウケるお方だと大納得。まあ、金があってもCDは買わない程度だし、良くも悪くも「歌手の映画」でした。一度観たらたくさん。どうでもいいけど、モンテル・ジョーダンの曲を使ってたのには驚いた。ビギーはクサすな。 4点(2003-09-06 16:47:33)(良:1票) |
8. 許されざる者(1992)
イーストウッド、ハックマン、フリーマン、鬼気迫る演技に大満足。映画史上最高傑作のひとつして挙げたい。中だるみを挙げて敬遠する人も多いだろうが、全てが最後へ向けての伏線となる展開は圧巻。ラストの酒場大虐殺によって初めて宣伝ジャケットの姿が重なるという心憎い演出にメロメロ。演技・展開・カメラワーク・演出、どれをとっても文句なし。 10点(2003-09-16 18:28:58)(良:1票) |
9. ジャンヌ・ダルク(1999)
戦闘シーンと美術のリアルさに拍手。音楽の使い方も比肩する映画をあまり思い出せないほど秀逸。史実におけるジャンヌという人物を徹底的に現実として描いた意欲作として高評価。日本という特殊な宗教文化を持った国で育てば宗教の位置付けや意味などはあまりわからないだろうが、知識として補間できれば二度目には細かな描写の徹底ぶりに圧倒されるハズ。娯楽を追及せず作品を追求した典型的「芸術大作」である。9点をつけたいところだが、ミラのところ構わない電波演技がムカつくので-1点。そろそろ演技の機微を知れ。 8点(2003-09-16 18:13:28)(良:1票) |
10. オペラ座の怪人(2004)
舞台モノというのは舞台で見たほうが迫力があるものですが、この映画は映画であるという利点を使用して実に胸に迫る映像と効果の連続で魅せてくれます。冒頭で銅版画を思わせるパリの街並みにググっと寄っていって次第に立体的になっていく映像の見せ方などは、古典的かつ新鮮で凄く感動しました。思わず「おー」と呟きました。隣の嫁は「ああ」と感嘆してました。とにかく大感動。クライマックスでオーケストラの大洪水が寄せてきたと思ったらサっと音が引き、次の瞬間オルゴールが奏でられるのですが、あれはもう反則でしょう。オルゴールの音色が鳴った瞬間、ブワっと涙が溢れました。マスカレードの場面も圧倒されましたが、今まで映像化された歌劇をなぞったような手法が多かったのが残念。ただ、これは舞台であり映画であるという二面性を最大限生かそうとしていた作りこみとこだわりがビシビシ感じられたのが良かった。ともすれば中途半端になりがちですが、舞台を表現する平面的な場面と、映像を表現する暗闇へ向かう奥行きの場面のコントラストが良かったと思う。まるで長い夢を見ていたかのような映画。終わった後ほとんどの観客が(年配の方が多かったです)席を立たずエンドロールを最後まで見ていたのが印象に残りました。歳取ってからまた夫婦でスクリーン上で見たいと思わせる、そんな映画です。大傑作。 9点(2005-02-07 07:38:48)(良:1票) |
11. 第9地区
《ネタバレ》 実に、面白かった。現代の世界にエイリアンが普通にいます的な設定や、ヨハネスブルグという街とオランダ名の主人公も斬新だった。また、異種族の間に横たわるであろう緊張感が無いのも面白かった。それ以上に主演のシャールト・コプリーが実に名優だ。久しぶりに俳優らしい俳優を見た気がする。この人に仕事が来ないようであれば、映画産業も終わりだなと思えたほどだ。難しいことは何も考えずとも、純粋に心から「面白い!」と唸れる作品である。 [DVD(字幕)] 8点(2010-11-23 11:08:12)(良:1票) |
12. オーシャンズ12
いやはや、やっぱり面白いわこの映画。終始笑いっぱなしだったんですが観客の大半がシ~ンとしていたので、笑いをかみ殺すのに苦労しました。どなたかがおっしゃってましたが、前作同様本当にギャグが細かい。それとやっぱセンスがあるなあと。デザイナーの端くれとしてこの映画全体のデザインセンスには脱帽しますね。音楽も素晴らしい。どのシーンに何の音楽が使われているかでまた笑えるんですよ。んで、人を食ったような展開がまた秀逸。最後は「やられた(笑)」とまたコイツらのオシャレセンスを目の当たりにします。とにかくまあ、全編ユーモアの泥棒活劇ですんで、肩の力を抜いて楽しめると思います。が、前作のレビューでも書きましたが、ユーモアとギャグのほとんどが米利堅文化御用達なので、明らかに万人向けではありません。相当能動的にヤツら毛唐文化に触れてないとわからんものが多いです。それと前作以上に楽屋オチが多いのでそのあたりで-1点。オススメはしません。好きな人はトコトン好きかと。 9点(2005-02-02 21:48:59)(良:1票) |
13. スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃
TVゲーム。文字にして5文字、口にして2秒。 2点(2003-12-11 01:25:29)(笑:1票) |
14. タイタニック(1997)
ホーナーの曲だけ。ホーナーの曲に10点。残りで-8点。 2点(2003-12-11 01:07:32)(良:1票) |
15. アラモ(2004)
性格俳優ボブ・ソーントンのクロケット将軍が非常に素晴らしかった。毛唐的英雄視観で描かれるヒーローは食傷気味だったので、その点でオリジナルよりも個人的に評価します。この映画のように起伏がなく淡々と語られる映画は能動的な姿勢を観客に求めるので、合わない人はさっぱり合わないでしょうが、好きな人ならとことん好きでしょう。私は後者ですね。この映画、音楽の使い方が凄くうまくて、内容のコンセプトと合致した音の演出の仕方はちょっと脱帽もの。戦闘シーンでも派手な音楽は一切使われず生音を重視。このセンスは同じ作り手側にある人間としてはもう垂涎ものです(笑) あと、夕闇の使い方と光のセンスが凄い。黄昏どきのクロケット将軍とメキシコ楽奏隊との音楽コラボレーションのシーンはため息が出るほど美しい。大満足でした。8点献上。 [映画館(字幕)] 8点(2005-05-07 21:36:47)(良:1票) |
16. スクール・オブ・ロック
観終わって10分もしないうちに、ブラウザのブクマにレベッカ・ブラウンのオフシャルサイトが登録された。 [DVD(字幕)] 8点(2008-07-28 05:48:34)(笑:1票) |