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1.  ガルシアの首
暑苦しくて狭い車内をハエが飛び回り、横に乗ってる友人の首に酒をぶっ掛ける。不快極まりない状況のなか男は車を走らせる。何に向かって走っているのか?金か?地位か?女か?そうじゃない!今まで散々に踏みにじられてきたプライドを取り戻すため、自らの意地のために「ガルシアの首」を乗っけて車を走らす。いつもながら、ペキンパーの描くオヤジ達はブチ切れているのに、哀愁漂い魅力的だ。負け犬の遠吠えで片付けることを許さない、どん底の男がぶちまける魂の雄叫びがこの映画に込められている。
[ビデオ(字幕)] 9点(2005-05-31 02:22:36)(良:2票)
2.  二十日鼠と人間(1992) 《ネタバレ》 
ジョージにとってレニーは重荷だったことは間違いない、前半でもそんなことを言っていたし。けど、だからこそジョージにはレニーが必要だったように思います。日々無意味とも思える労働の中でレニーが居たからこそジョージは「こいつのために、俺は必要なんだ」と思えたし、頑張れたんじゃないだろうか。レニー以外の仲間とは気軽に楽しく付き合えるけど、彼らは別にジョージである必要はなく誰でもいいわけで、ジョージは日々楽しくても何か空虚感、虚無感みたいなものを感じるはずです。一方レニーは一緒にいて楽しいわけでもなく、重荷だけど、ジョージなしでは生きていけない、そんなレニーだからこそジョージの空虚感を埋めてくれる存在だったんだと思います。このへんは複雑ですね、大切だけど重荷、重荷だから捨てたいと思うけど、捨てるのは寂しいみたいな…このあたりのジョージの心情はうまく描けていると思います。 そういうレニーを失うはめになり、自ら引き金を引くジョージの姿は痛ましかった…うまく文章にはできませんが、印象に残るシーンでした。 
9点(2003-11-03 21:32:53)(良:2票)
3.  静かなる男 《ネタバレ》 
ジョン・フォードの最高傑作!人同士が暮らす以上、当然そこには歴史的、宗教的背景や個人的過去などから価値観の対立が生じてしまい、その対立が憎悪になり、果ては戦争すら引き起こすことすらある。映画でもソーントンは持参金の持つお金以上の意味を理解できなし、メアリーはソーントンの過去が分からない、ダナハーに至っては完全に外側の人間で、ソーントン・メアリーだけでなく観客すら理解のできない悪役になっている。最後はダナハーという完全なる悪役を中心に、周囲に人の輪が出来てめでたし・めでたしというお決まりの展開と思わせ、あのラスト!このラストこそ、この映画を傑作としている!と個人的には思う。フェリーニ監督作品を思わせるかのようなラストの“ケンカ”、言い換えるなら“祝祭”がすべての対立を飲み込み、映画的エネルギーに溢れている。このエネルギーにはヒューマニズムというより、人生の苦難や人同士の対立は乗り越えられるという“人間の持つ可能性”を感じずにはいられない。この映画はフォード監督がすべての人に贈る“人生の応援歌”と言っても過言ではないし、このような映画に出会うことがあうから、ハズレを引いても映画を観ずにはいられない!
[DVD(字幕)] 10点(2009-01-12 10:30:49)(良:2票)
4.  エド・ウッド 《ネタバレ》 
ベラが大ダコと格闘するシーンはせつないですね…仕事だから、そしてエドが好きだからこそやったんだろう。そんなベラのために彼の退院後、嘘の撮影をするエド、そういう繊細で優しい一面を持ってるのもエドの魅力ですね。けどそのフィルムを映画に利用して勝手なナレーションを付けてしまうあたりは、いかにもエド・ウッド!映画バカです。ベラもそんなエドが好きだったに違いない。エドの映画バカぶりと情熱、周囲の人達(特にベラ)との友情に泣き笑いでした。才能は無いが、どこまでも前向きで諦めることを知らないエド、そのエドに魅せられた人達、愛すべきバカの物語です。こういうの大好き!
10点(2004-05-23 22:24:02)(良:2票)
5.  ローレライ
「潜水艦映画にハズレなし」の法則を打ち破ったローレライシステム、恐るべし・・・
[DVD(字幕)] 1点(2005-12-07 13:34:50)(笑:2票)
6.  ロング・グッドバイ 《ネタバレ》 
グ-ルドが演じるマーロウはかっこ良いというより、とにかくタフだという印象です。公開当時は原作と異なるということでかなり批判されたようだけど、こんなマーロウも嫌いじゃないです。裏切りで友人を失い、飼ってる猫にまで逃げられる始末のマーロウだが、これまでと変わらず都会の片隅のアパートでたばこを吹かし続けることだろう。 ラストの「ハリウッド万歳」の歌や原作と異なり友人テリーの命を奪うという設定で、マーロウの社会から切り離されたような印象が一層強調されます。確かにテリーの言うようにマーロウは敗北者かもしれない。しかし、マーロウが孤立し敗北者の印象が強まれば強まるだけ、私の中ではマーロウの魅力は増していくのです。  
[DVD(字幕)] 8点(2005-05-12 23:45:38)(良:2票)
7.  狩人の夜
悪事を行うのが自らの使命のように振る舞い、それを嬉々として行うハリー、その彼が伝道師というのも恐ろしい話です。そのハリーの存在と共にこの映画を支えているのは映像の素晴らしさです。未亡人(ハリーの妻)の殺害シーンにおける二等辺三角形の家の壁、同じく二等辺三角形に入り込んでく光、その時のハリーの神経症的な表情、水中に沈められた女性の死体、歌いながら子供を追跡するハリーのシルエットなど、幻想的な美しさと悪夢のような不気味さが交じり合ったような映像は、観ていて飽きることがありません。個人的には未亡人殺害シーンは記憶に残ってます。ストーリーの方はノワールっぽいものを期待していただけに後半に進むにしたがってお説教じみてきて尻つぼみな印象でした。ストーリーよりも全体の雰囲気やトーンを楽しむ種類の映画だと思うので、家庭的な明るい雰囲気で終わるラストは、それまでの抑えたなかに狂気を孕んだ陰湿なトーンが壊れてしまい残念です。これで1点減点。 
[DVD(字幕)] 9点(2005-05-21 00:54:54)(良:2票)
8.  八日目
こういう映画は批判しにくいけど、どうにも好きになれません。原因はジョルジュを好きになれなかった、つまりこの映画の障害者の描き方が好きになれなかったということでしょうか。ジョルジュは様々な問題を起こし、それを障害者の純粋、素直という面を前に打ち出すことで、その行為を許容するように観客に要求しているようで、どうにも受け付けませんでした。障害者は確かに社会的弱者で一般人とは異なる特別な存在だけど、その障害者を持ち上げ、美化して描くのは好きになれません。巧く言葉にできないけど、相手を貶めるのとは違う形の逆差別を感じます。さらにアリーとの関係では、障害者という社会で生活できない者と健常者という社会で生活している者の価値観が転倒しています。例えばラストでアリーはホームレスのようになっており、映画はそれを肯定的に捉えているあたりです。アリー自身も価値観の転倒を受け容れてますが、その原因は妻との不仲と自分が子供にも拒否されたことです。しかし映画では、なんで妻と不仲になったのかよく解らず、アリーに共感できません。もう少しアリーの方も描いて欲しかったです。これも、この映画を好きになれない原因になっていると思います。つまらないわけじゃないけど、合わない映画でした。
3点(2004-06-06 12:09:23)(良:2票)
9.  トゥルー・ロマンス
豪華俳優陣を無駄に使ってるけど、そんな無駄なことを真剣にやってくれるとこにロマンスを感じる、無駄で非生産的なことにマジになることも必要だって。馬鹿らしさと無駄にエネルギーを撒き散らすのがタランティーノの魅力で、どこかの監督(オリバー・ス○―ン)みたいに映画で何かを訴えるみたいな野暮なことをしたら、タラの良さは失われてしまう。この映画は訴えるとか、主張とかはまったく無く、監督や製作陣もタランティーノの脚本を充分に活かしていると思う。三つ巴の争いというお得意のストーリーは多少の粗さがあるけれでも、モテナイ男の代表であるタラならではの、クールな男への憧れと純愛への妄想が生み出した傑作です!無駄なことにマジになってこそロマンスだ!
[DVD(字幕)] 9点(2005-07-05 16:23:36)(良:1票)
10.  死刑台のエレベーター(1958)
サスペンスと言えばだいたい真実に導いてくれる探偵役がいて、観客は探偵役と一緒に事件の解決に向かっていくので、安心して事の成り行きを見守り、必ず明かされる真実の重さみたいなのを感じるのが一般的だと思う。ところがこの映画はまったく逆!真実は解ってるのに登場人物の誰も近づけず、むしろ遠ざかりまったく別の物語を創ってしまう。最後には真実に到達するわけだけど、別の物語ができる切っ掛けが些細な事なら、真実が明らかになる切っ掛けも頼りないものです。別の物語を創造していく過程がやや作為的?な印象もあるけど、真実と言われるものがいかに頼りなく出来ているのかが伝わってくる映画でした。 映画全体としては、事件が思わぬ方向に転がっていくあたりからはテンポも良くていいけど、前半はダルイです…フランス映画にありがちですけどね。
8点(2004-06-27 15:18:13)(良:1票)
11.  白熱(1949)
母親を車で追跡するシーンや刑務所での面会シーンなど随所に緊張感ある場面があり、それに加えて肝っ玉母ちゃん、嘘つきの欲深女と個性的な登場人物が映画を盛り上げる。なかでも、ギャングとマザコンを組み合わせた主人公は驚きで、粗暴でエネルギッシュといったこれまでのギャングイメージに加えて、狂暴性を持ったコーディなくしてこの映画は成り立たない。この複雑な人物を演じたギャグニーは見事で、小柄だが裡に狂暴性を秘めた雰囲気は、彼にしか出せない雰囲気だと思う。ちなみに、マザコン要素をコーディに加えたのはギャグニーの意見らしい。コーディは最期まで留まることなく悪の道を突っ走り、悩むことも、恐れることもない。コーディの鬱屈していた狂気が全開したようなラストも圧巻で、white heatの原題も頷けました。悪漢映画として今観ても楽しめる傑作だと思います。
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-06-02 15:26:55)(良:1票)
12.  さらば愛しき女よ 《ネタバレ》 
ディマジオは若くしてスターで子供の喝采を浴びる一方、マーロウは年老いてトミーの子供には恨まれるかもしれない・・・暗い事務所で一人黙って佇むマーロウの横顔はどこか疲れている。生きていくことのやるせなさを感じさせ、観ているこっちもせつなくなる。事件は解決してもいつものことながらほろ苦い、自分が全力を尽くしても何も変わらない世の中、少ない楽しみだったディマジオの連続ヒット記録も途絶えてしまう。それでも「お前はタフだ」と言い聞かせるようにマーロウは静かに去っていく・・・ レビューを読んでもらえば解るかもしれないですが、完全に映画の世界に浸りきってました。ミッチャムのマーロウは、タフさはあまり感じさせないが、ボギーやグールドのマーロウよりも疲れているせいか哀愁を感じさせ、それがとても魅力的で惹きこまれます。 それとシャーロット・ランプリングは、低音な声、雰囲気ともにローレン・バコールに似てますね。 
[DVD(字幕)] 10点(2005-05-07 16:59:50)(良:1票)
13.  柘榴坂の仇討 《ネタバレ》 
雰囲気・音楽ともに良く、昨今の邦画には少なくなった重厚な仕上がりになっています。ミサンガに関しては散々ツッコまれているようなので割愛するとしてどうにもラストが残念でなりません。この映画の肝は仇討の旅の果てに見つけ出した仇討の相手を切らない、それは何故か??ここにあると思いますが、その場面の描き方イマイチで残念でなりません。 十兵衛が新時代に適応してこの世の春を謳歌していたら金吾はどうしただろう?おそらく斬り捨てた後に 切腹して武士の矜持を貫くという流れになったでしょう、よくある時代劇でもあります。しかし、現れた仇討相手は自分と同じく13年の間時間が止まっているような人物だった。斬らなかったのは、主君直弼の言葉ではなく、相手も自分と同じような苦しい13年間を過ごしており、それが分かったため、仇討する必要がなくなっただけではないだろうか? 金吾にとって、切腹する、仇討をする、仇討相手を許す、どれも桜田門で主君直弼を守れなかった自分という人間をどう正当化するかの方法の違いではないかと。切腹は責任を取ることで、仇討は苦しみを相手に与えることで、許すのは、すでに相手が同じだけの苦しみを受けたと分かったからではと思うのです。直弼の言葉や考え方は、後付でしかないのではと。 金吾という人物が桜田門の事件から、そして自分というものから、正面から向かい合っていないような印象を与え、それが不完全燃焼な感情を呼び起こさせてしまうので、ラストは、私にとってはどうしてもイマイチでした。
[DVD(邦画)] 6点(2015-08-24 01:54:45)(良:1票)
14.  マルタの鷹(1941) 《ネタバレ》 
どれだけ多くの男がボギーに憧れ挫折していったことだろう、私のように(笑)それ位ボギーはかっこ良く、ハードボイルド映画の傑作と言えます。ボギー扮するサム・スペードは境界線上の人間で、善とも悪とも言えない中間に位置し、決して正義を振りかざすことはない。冷静に見ると悪人顔のボギーには、まさにはまり役です。殺人の罪をウィルマー?(名前が間違ってるかも)に被せるシーンでの悪そうな笑みなどを見ると、ボギーが一番怖かったりします。しかしそれだけではハードボイルドとは言えない、決める所では決めて、はじめて画になるってものです。「相棒が殺されたこと位で、なんで私を許してくれないの?」そんな疑問を持つ彼女に向かって一言、「相棒が殺されたら男は黙っちゃいない」と言い放つボギー、か・かっこよ過ぎです!そうでなくちゃいけません。けど、この映画で一番印象に残ったのはラストシーン、「(鉛の鷹を持ちながら)やけに重いな」と言う警官に一言、「夢が詰まっているのさ」とボギー・・・シビレました!解ってくれるかボギーという感じです。
[DVD(字幕)] 10点(2005-05-07 16:57:37)(良:1票)
15.  ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア 《ネタバレ》 
二人のキレっぷりがいい!キレると言うと暴力的なものを連想するけど、そうじゃない。キレてるけど爽やかでせつないんです。このあたりがハリウッドとの違いかな。それに何と言っても微妙なズレがいい!殺し屋は言葉を間違うし、追跡するパトカーは信号で止まるし…そして死をテーマにしているのにどこか軽い、最後にしたいことが女二人を抱きたいって、オイオイお前…な感じなんだけど、この軽さが死を背景にしているせいか、なんか切ない…泣き笑いです。とにかく良い映画でした。
10点(2004-05-04 15:14:19)(笑:1票)
16.  いぬ 《ネタバレ》 
仏のフィルム・ノワールを代表する作品らしいですが、その肩書きは伊達じゃなかったです。長く伸びる人影、揺れ動く電球、黒い影で覆われた顔など明暗の使い方、気だるさと色気を感じさせる音楽など抜群の雰囲気で、それだけ観れてしまいますが、映画終了後にストーリーを振り返ると、これも一級品だったことが解りました。暗黒街にどっぷり浸かっており、無表情で感情を表に出さないシリアンだが、その仮面の下には、人に言ったら笑われるような一面を持っている。この両面を持っているあたりは、ハードボイルド風味で好きです。モーリスに真相を打ち明けるシーンでも無表情で事実を淡々と述べるだけで、友情を感じさせることはない。そんな彼が「ポンチエリの道で誰かが匿ってくれと言うだろう、助けてやろう」と言いブイサインをする。この時の一瞬微笑んだようなベルモンドの表情と仕種は大好きです!これが暗黒街に生きている今の彼にできる精一杯の表現なんだろうと思う。暗黒街を抜け出す寸前で彼は銃弾に倒れるが、抜け出していたらどんな表情をするんだろうかと想像すると、せつなさで胸が苦しくなります。アメリカ映画に比べると演出は抑え気味で、ストーリーもやや複雑なため合わない人もいると思うけど、個人的にはかなりお気に入り作品です。 
[DVD(字幕)] 9点(2005-05-24 02:14:37)(良:1票)
17.  ゴーン・ベイビー・ゴーン 《ネタバレ》 
日本では未公開らしいですが勿体ないですねー、こういった埋もれた傑作に出会うことがあるので、DVD映画鑑賞を止められない!本作もそんな映画です。原作はデニス・ルヘインですから、観る前から可能性は秘めていましたが、予想以上。 あらゆる人達の行為、それも善意と思われる行為はすべて水泡に帰してしまい、後には苦い現実しか残らないという、最近のハリウッドでは少なくなったノワール調の映画で、イーストウッドなどが好みそうな内容です。 ラスト近くのモーガン・フリーマン演じるドイルと少女の穏やかで楽しげな光景は、砂上の城であることが分かるだけに、観ていて目頭が熱くなります。 母の元に戻すという主人公は、信念も感じられずどこか青臭く薄っぺらく感じられ、いかに単なる傍観者の一般的な正しさの主張が現実社会で無力で無意味かを痛感させられます。 ドイル警部、ブレサント刑事、ライオネル。最後までお金目当てを思わせ、子供の幸せを願うライオネルと、ライオネルの思いと娘を失ったドイルの悲しみを埋め、娘の幸せの為に泥を被るブレサント、失った我が子への代償と彼らの思いに応え、娘に幸福な環境を提供するドイル。彼らは現実に対処するには、一般的な正論より個人的な信頼関係に価値があることを相互に知っており、だからこそ実行に移せたのだろうし、彼らのような、自らが正しいと思った事に対してそれを実行し、且つ結果に対して責任を引き受ける覚悟を相互に持っている関係には、胸が熱くなり、理想の成熟した大人とは彼らのような存在を言うのでしょう 
[DVD(字幕)] 9点(2011-02-06 23:15:06)(良:1票)
18.  キー・ラーゴ
「マルタの鷹」の黄金コンビであるボギーとヒューストンで挑んだ本作だけに、期待したぶんだけショックもでかい・・・南の島という場所も映画全体を覆う勧善懲悪な設定もノワールな雰囲気のボギーと相容れないものがあるし、ローレン・バコールも都市でこそ映える美女で南の島では魅力半減の印象でした。その中で孤軍奮闘しているのがロッコ役のエドワード・G・ロビンソン。「飾窓の女」での中年紳士の役や「深夜の告白」での犯罪に抜群の嗅覚を持つ上司役とは打って変わって、本作ではギャングのボス役を演じてますが、これが圧巻です。ギャング役は俺の十八番だと言わんばかりの活躍で主役のボギーとバコールを完全に喰っちゃってます。本作はエドワード・G・ロビンソンの奮闘を評価して5点です。
[DVD(字幕)] 5点(2005-05-20 01:21:27)(良:1票)
19.  殺人の追憶 《ネタバレ》 
持てる時間をすべて使い、人間ではないと言われる生活に耐え、走り回り、どつきまわす、まさに韓国版ポパイ(フレンチコネクションより)。そこにあるのは正義等と言える口当たりの良いものではなく、「犯人を挙げる執念」だろう。そのエネルギーは、正悪を超えて、違法手段を用いることへの嫌悪感、冤罪の危険性も吹き飛ばし、まだ見えぬ犯人に向けて猛進していき、観ている側もその渦に巻き込まれていく。 ラストですべてを掛けて追いつめたと思われた犯人は、実は違った・・・その時、冷静・理論的だったキム・サンギョンの失望に打ちのめされた表情と悔しさと怒りで犯人と思わる人間に銃を向けるラストシーンはまさに名場面で、観客に大きなカタルシスを与える。 実話をもとにした未解決事件をドキュメンタリーではなく、エンターテイメントとして作った成功作品。主演のソン・ガンホの骨太な存在感に支えられた男臭い映画で、昨今では邦画・ハリウッドでもあまりお目にかからない、傑作フィルム・ノワール!
[DVD(字幕)] 10点(2011-04-24 21:17:24)(良:1票)

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