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プロフィール
コメント数 646
性別 女性
自己紹介 2006年のレビュー本数4本ってあんまりですわね。
2005年には「姑獲鳥の夏」まで見ていたクセに。
ってこういう使い方やっぱ邪道ですよね。来年こそは。

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1.  アポロ13
世界中が興奮した実在の宇宙ロケットアポロ13の奇跡の生還、これだけのネタがあって監督がロン・ハワードなら、もうちょっと面白く出来たんじゃないのかというのが率直な感想。普通に考えれば十分面白い映画なんだけど、掛かっている期待がケタ外れに違う。ついでに目の幅の涙を流して観客の同情を誘うトム・ハンクスにも私はちょっと飽きている。どう見ても間抜けな三枚目だった若い頃の彼を知っていると、この男に乗員の運命を委ねることが危険にすら思えて来るし。昔の話なので確かにあんないい加減なやり方で帰って来れたとしたら本当の奇跡だ、という納得はあるんだけれども感動がない。特に感動させる狙いはなかったのかも知れないが、もうちょっと面白くする方法はいくらでもあったんじゃないだろうか。特にキャサリン・クインランは本当に必要だったのか、など言いたいことは尽きない。ほどほどに面白いという事実が一層私を腹立たせるのだよ。いつもながらエド・ハリスだけは良い。
6点(2003-11-22 23:16:33)(良:1票)
2.  E.T.
映画が「おもしろさ」だけを求められた時代にあって、これ以上ないほどその点だけに特化した、そういう意味では非常に素直な売れセン映画。あまり魅力的とは言えない容貌のE.T.が、ヘタな英語で一生懸命「カエリタイ」と訴える姿が、「可愛くない可愛さ」という新たな価値観を生み出した。彼と子供たちとの心の交流を軸に、ラストは子供で泣かせるというあざとさでは他に類を見ない作品だが、幼少期にこの作品に触れた世代に対しては「異端を認めなさい」という非常に明快なメッセージが素直に受け入れられ、強い影響を与えたと思う。そういう意味では、特に脳天をカチ割られるような衝撃を受けたり、人生における新たな境地を見出すような作品ではないながらも、かなり幅広い世代にとってある種の価値観を植えつけるサブリミナル効果があったことは否定できない。実はこういう作品にこそ、人って影響されていたりするんですよね。
7点(2003-12-03 23:06:29)(良:1票)
3.  いつか晴れた日に 《ネタバレ》 
途中この映画は本当に結末があるのだろうか?という不安が頭をよぎったものの、ヒロインと共に耐えに耐えただけの報いはある。いかにもコスプレ向きのケイト・ウィンスレットを妹役に持って来たのも大正解なら、微妙に悪役顔のアラン・リックマンに求婚者役を与えたのも神業。オスカーを受賞した後での鑑賞となったため、エマ・トンプソンの頭良さげオーラには多少辟易したものの、最終的にはその知性の下にひれ伏すこととなった。それにしても襟の詰まった時代劇の衣装を着ると顔の長さが異常に強調されてしまうせいかヒュー・グラントの登場シーンだけアングルが狂っているように感じられたのは私だけなのであろうか。
8点(2003-11-22 23:07:12)(笑:1票)
4.  イングリッシュ・ペイシェント 《ネタバレ》 
これだけ長々と果てしないストーリーを展開されて、最後の最後に単なる昼メロ不倫映画だったと気づかされることの驚き。顔もわからないほどに負傷した男性が従軍看護婦に語る身の上話の中に、戦争の愚かしさや虚しさを痛烈に告発する力強いメッセージを期待してしまった身としては、強烈な脱力感は残るものの驚きも感動も未来への希望も失わせるには充分な映画。こういう男をカラダを張って助けてしまったのがジュリエット・ビノシュだから別にいいけど、昼メロなら昼メロと最初に言ってよね、という感じ。唯一、ウィレム・デフォーだけが痛い個性を充分に発揮してくれたので3点。彼が出ていなかったら0点でもお釣りの来る映画。テーマは無限の退屈。
3点(2003-11-29 12:33:50)(良:1票)
5.  インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア 《ネタバレ》 
飛ぶ鳥を落とす勢いのブラピに、トップスターの座を譲り渡すまじと崖っぷちに立たされたトム・クルーズの捨て身の演技に、底力を見せつけられた作品。白塗りの化粧にフリフリ衣装のコスプレで、笑っちゃうぐらいシリアスなストーリーが、最後の最後で「全部、いつもの泣き言」であったと知らされるラストには正直、人生最高に笑わせて戴いた。おまけにカーステから流れ出すBGMがストーンズの「悪魔を憐れむ歌」なら最高でしょ。全編に漂うミステリアスな雰囲気に魅力的な子役、かなり先の読みにくい筋立てで、こういう世界が好きな人なら比較的楽しめる内容。インタビュアーのマイロ役には、急逝したリバー・フェニックスの代役としてクリスチャン・スレイターが好演。彼は場をわきまえてますよね、特に見せ場もないし地味にやっている。関係ないけどこの映画の「原作」は絶対に萩尾望都の名作「ポーの一族」。ルイ、レスタト、クローディアの三点ショットはマンガに出て来る1場面とまったく同じところまである。これもまあご愛嬌。オチははっきり楽しかったし、こういう遊び心っていつまでも大切にしたいですね。
8点(2003-12-06 23:10:09)(笑:1票) (良:1票)
6.  エド・ウッド
とりあえず現時点ではティム・バートンの最高傑作。今後もまだまだ傑作をモノにする無限の可能性を秘めた監督であるので、あくまでも現時点ではとだけ言っておく。ジョニー・デップは単なるハンサムボーイで売り続けようと思えばそういう道もあるだろうと思うのだが、敢えてこういうクセの強い役で勝負しようという強い意志が伺い知れて頼もしい存在である。おバカなドタバタの中にも、監督自身の映画に対するとてつもない愛情が感じられる、同レベルの熱狂的な映画バカに捧げられた作品として、こればっかりは絶対に譲ることができない。テーマは「人はどこまで映画バカになることができるか」または「映画は人をどこまでバカにならせることができるか」。史上最悪の映画監督は、たぶんティム・バートンが本当になりたい映画監督でもあるのだろう。万歳。
10点(2003-12-09 00:00:09)(良:1票)
7.  エレファント・マン
単なるキワモノ趣味だと思うんだけどなあ。アン・バンクロフトが絡んで話がややこしくなりましたね。実在した伝説の奇形児を、さも人間万歳みたいなオブラートでくるんで美しく描いてしまいましたが、実際に観に行った人の何割が人間の尊厳や心の美しさみたいな感想を抱いて帰ったか、ちょっと自信がないです。「すげーヘンなのがいた。しかも実話だ。」っていうニオイしか伝わって来ないんですよね。狼に育てられた子がいたぞ、そいつぁ珍しいや、って飛びつく人たちがぞろぞろ観に行く映画なんじゃないでしょうか。ジョン・メリックは可哀相で、ラストも涙をそそるモノでしたが、やっぱり監督がデビッド・リンチで、前に「イレイザーヘッド」を撮った人なんだ、っていう先入観が強すぎて、どうしてもキワモノ趣味としか受け止められませんでした。私自身、身体障害者に対する偏見や差別意識は極めて低い方だと思うんですがね。こういう不幸な人を、見世物小屋でお金を払って見るというのが人間のやって来た現実なんだ、という意味では存在価値がないとは思いませんが、この映画をお金を払って観に行く私たちと、見世物小屋に集まった人たちの違いがどうしても説明できないんです。そういう意味では、非常に後味の悪い映画でしたね。
4点(2003-12-09 00:16:53)(良:1票)
8.  コクーン
人々に夢や希望を与えることが映画の一つの使命であると考える立場から、この映画には心の底からありがとうと言いたい。多くの人が、その人生で最も大切な物が何だったかに気づくのはもはや取り返しようのないほど年をとってしまった後である。死を目前にした祖母の、長い長い思い出話を聞いた日から、私は心のどこかでこの映画に出会える日を待っていたような気がする。ここに出て来るお年寄りは、私の祖母ではないのだけれど、彼らが若さを取り戻して笑い、はしゃぎ、再び人生を楽しむ姿を観て、その嬉しさを想像できることが私には嬉しかった。人生は短い。だからこそ、わずか数時間の映画の中だけでもいい、誰かが心の底から幸せを感じる瞬間を、分かち合えたらどんなに良いだろうか。子供が空を飛ぶ夢を見るように、若者が愛する人との出会いを夢見るように、お年寄りにだって若かった自分を取り戻す夢を見る権利があるのだ。この映画に登場した、実際に年老いた俳優たちに感謝したい。若さを取り戻したように演技をするのは、彼らにとってたやすいことではなかっただろう。子供のように走り回り、飛んだり跳ねたり、プールに飛び込んだりすることは彼らにとってしんどかっただろう。それでも大勢の人に楽しいひと時の夢を見せるためなら、彼らはやるのだ。そういうファンタジーが、あってもいいと思う。若い私たちが映画の中で、遠い宇宙の彼方を旅するように、お年寄りが若返ったっていいじゃないか。世の中には楽しいことばかりじゃないけれど、映画の世界では時折、こんなふうに楽しいひと時もある。そういう映画もある。
10点(2003-12-16 00:56:58)(良:1票)
9.  JAWS/ジョーズ
弱冠25歳の若者が撮った、という点を除外して考えても、パニック映画史上でトップレベルのクォリティを誇る作品。姿の見えない巨大サメの影に脅える夏の海水浴場を舞台に、次々と無残な死体をさらし、泣き叫ぶ人々が恐怖に駆られて走り回る前半。孤高の漁師クイントを軸に、科学武装をした青二才の学者と水面恐怖症の警察署長という奇妙なメンバーで大海原をサメ退治に乗り出す後半。老練な漁師は海の男の哲学を語り、水に脅えていた警察署長は英知を駆使して巨大な敵に立ち向かう勇気を手にする。時にはコミカルに、時には壮絶な戦いの姿を、絶妙のバランスで組み合わせたこの作品が、この後どれだけの亜流を生み出したかを考えれば、アニマルパニックという分野を確立するにまで至ったこの作品への支持の高さが伺い知れるというものだろう。実際、この作品から後数年に渡り、クマ、タコ、ワニ、ゴリラなどあらゆる生き物が様々な理由で巨大化し、世界中が巨大生物に湧きに湧いた。こういうことを日本で25歳の若者がやろうとしたら、必ずこの道30年とかいうカメラマンなどが我が物顔で現場を乗っ取り、監督にうるさく指示を出して映画をメチャメチャにしてしまうのだが、そこは分業意識の徹底したアメリカ。スピルバーグの天才ブリもさることながら、アメリカという国の持つ合理性、プロ意識というものにつくづく考えさせられる作品でもある。上昇志向の感じられた頃のスピルバーグは、今とは完全に別人であると言って良いと思うけれど、この頃の活躍はやっぱり無視できないんじゃないだろうか。
9点(2003-12-05 02:04:10)(良:2票)
10.  スター・ウォーズ/帝国の逆襲
他にも過去にこういう例はあったのかも知れないが、少なくとも私が映画館で映画のラストに「TO BE CONTINUED」の文字を観たのはこれが初めて。映画というものは原則一話完結、テレビとの決定的な違いはソレである、と信じて疑わなかった私は大いに憤り、地団駄を踏み、腹立ちのあまりパンフレットを破り捨てた。(後日、つなぎあわせた。)こういうものを「二匹目のドジョウ」と言うのだと思うが、呆れたことにこのシリーズは三匹目、四匹目と今だにドジョウすくいを続けている。いちいち振り回されている我々も我々だが、いい加減このシリーズの1作目が単なるコロンブスのタマゴであったことに気づこうよ、みんな。この映画が現れるまで、この世にスター・ウォーズなんかなくたってみんな無事に暮らしていたし映画もちゃんと流行っていたんだ。このシリーズで、1作目以外に、単品として評価できる作品が本当にあったか?ない。全然ない。その証拠に、EP-1公開前夜には最初のスター・ウォーズ三部作がレンタル屋で売れに売れた。シリーズの他の作品なんか1本も観てなくたって、単独で充分鑑賞に値する作品が撮れることは「007」と「男はつらいよ」が証明済みである。シリーズ化というのは、そういうもののことを言うのだ。残念なことに、本作品はそういった致命的な欠点を背負うスター・ウォーズシリーズの中でも最低の最悪だ。物語は暗いし、話は作品内で完結しない。ヒットが約束されている作品にありがちな製作者たちのナメた態度に、今なおこみあげる怒りがおさまらない私である。
1点(2003-12-20 00:08:53)(良:1票)
11.  タイタニック(1997) 《ネタバレ》 
皮下脂肪は体温維持に絶大な役割を果たすというダイエット社会への重大な警告は謙虚に受け止めたいと思うが、十代から類稀なる個性を発揮して将来を期待されていたレオナルド・デカプリオがキャリアを棒に振ってまで伝えなければならないメッセージであったかどうかは正直疑わしい。これだけの制作費をかけ、ジェームズ・キャメロンが気のすむまで豪華な作品を撮ったのだから普通におもしろいのは当たり前。だいたいこんな映画だろうと思っていたけどやっぱりその通りの映画だったし、わざわざ劇場に観に行かなくて良かったなぁ、と普通に安心もした。唯一不思議だったケイト・ウィンスレット主演の謎も最後に解けたし、まあ1度くらい観ておいても別に損はないと思う。この映画を「十戒」と並べて宣伝した配給会社の図々しさに敬意を表する。「大空港」ぐらいにしておけばよかったのに。
5点(2003-11-29 12:27:04)(笑:1票)
12.  ディープ・インパクト(1998)
今頃になってこんな映画を観ている私も私だが、公開当時の著しくアタマ悪そうな宣伝と評判に全く食指が湧かなかったのは事実。実際手に取ってみたらたかだか5年でこうまで古臭くなってしまうものかと驚き、使い捨てられて行く娯楽作品の運命を見た気がした。仕掛けとしては既に目新しさはまったくないのだが、空前絶後のスケール感の中で、異常とも思える豪華スターキャストを揃えた上、個々の家族関係を丁寧に描き出したことで正統派たらんとする作り手の信念が感じられて快かった。あまりにも人間関係を丁寧に描きすぎたため、ところどころでSF超大作を見ているのか「ペイ・フォワード」を見ているのかよくわからなくなったりしたが、それはそれで一つのノリが形成されており大きな違和感にはつながらないのが凄い。子役出身のイライジャ・ウッドがこういう風に要所要所でタイミング良くおもしろい役に当たっているのも異常な幸運だと感心。やはりリーリー・ソヴィエスキーの存在感は絶妙で、既に大物ぶりを発揮していますね。ニュースキャスター役のテア・レオーニの衣装が徹頭徹尾ダサかったのがやたら気になりましたが、女性監督が硬派を気どりすぎた結果でしょうか。あのダサさが微妙にリアルではあるんですが、せっかく彩りとして登場する以上はもうちょっとマシなファッションで楽しませて戴きたかったです。特に後半で着たきり雀になっているあの凄いサイズの合わないシャツとワイドパンツ、あの衣装の前にはどんな感動もふっ飛んでしまいます。あれだけでも一見の価値はあると思います。
8点(2004-01-14 07:27:08)(笑:1票)
13.  ディック・トレイシー
特に原作またはウォーレン・ビーティの大ファンでもない限り、観ても観なくても誰の人生にも大した影響を与えない、良くある普通の映画。たまたまタイトルを見かけなければ、観たことさえ滅多に思いだすことはない。完全に忘れてしまっても特に困ることはこれから先もないだろうし、思い出したからといって不愉快になるほどでもない。ここまでどっちでもいい作品というのもむしろ珍しいような気がするのでなんか評価してあげたい気持ちにはなる。そういう意味ではスゴイ。
2点(2003-11-29 17:33:16)(良:1票)
14.  デッドマン・ウォーキング
風潮として、スーザン・サランドンにはいずれオスカーを獲らせなければいけないみたいな空気が盛り上がって来たところにこの作品では、もうあげなきゃいけないムードはどうしようもないところまで来ていたような気がするが、長年彼女のファンをやって来て、どうしてこの役じゃなきゃいけなかったのかという失望は否定できない。脚線美と、年齢を超えた脱ぎっぷりでセクシー系ゴッドマザーとして君臨して来た彼女を、よりによって修道女にしてしまうなんて言語道断。ここまでやらなきゃオスカーって獲れないものなのかと、正直がっかりしてしまった。それに迎合した彼女にも失望したし、事実受賞後はそれまでの個性を全面的に否定した「ステキなおばさん」路線を走り続けている。みんな50歳目前にしてもガンガン脱いでくれるアナタに憧れていたのですよ。オスカーぐらい、「たかが銅像じゃないの。フン」とハナもひっかけない素振りを貫いてもらいたかったですね。まあ作品自体はスゴいなあと思いましたけど、あくまでもショーン・ペンと扱われたテーマがスゴかったにすぎないわけで、これでオスカーウィナーに加わったスーザン・サランドンははっきり言って格を下げた。差し引き普通止まりになってしまったが、これはオスカーが悪い方向に作用した典型的な例ではないかと思う。先入観って意外と大切。
5点(2003-11-29 13:00:42)(良:1票)
15.  ニュー・シネマ・パラダイス 《ネタバレ》 
映画を愛する人としての良心が試される映画。あざとさでなく、お涙頂戴でなく、自分を育てた人、街、時代に愛情と感謝の気持ちを持てる人がいったいどれだけいるだろう。映像としてエピソードを語る手法の巧みさにかけては、この時代、この人の右に出る者はほとんどいない。たとえば広場の建物の壁に映し出される映画。たとえば切り取られ、フィルム缶に封印されるキスシーン。少年トートはこの街で映画を愛することを学び、映画の作り手となることを選ぶ。遠い街、遠い日々、決して続きの語られることのない未完の恋、少年を取り巻く暖かい人々の笑い声、すべての思い出がアルフレードの残したフィルム缶の中から甦って来るラストシーンは、私がこれまで観て来た映画の中で唯一、声を出して号泣することを止められなかった瞬間である。この映画を観る時、人はトートと少年時代を共に歩く。この世に映画があることを喜び、笑い、そして泣く。映画を愛する全ての人々のために、誰よりも映画を愛する作り手から贈られた、これは大いなる贈り物である。
10点(2003-11-30 22:35:01)(良:1票)
16.  フォレスト・ガンプ/一期一会
好きな映画ではないし、楽しい映画でもない。どちらかと言えば痛い映画だと思うし、アメリカ人らしい愛国心に訴えかけるあざとい映画。もちろんアメリカ人がこれに夢中になるのは納得できるのだが。悔しいことに完成度の高さは否定できない。ロバート・ゼメキスにやりたい放題やらせたらどうなるか、という一つの結論にはなっていると思う。サリー・フィールドが素晴らしかったこと、ゲイリー・シニーズを紹介してくれたことに敬意を表して6点。でもよくよく考えたらサリー・フィールドがこの程度に素晴らしいなんていうのも特に驚くようなことじゃないんだよなあ。辛い。
6点(2003-11-22 23:45:28)(良:1票)
17.  ユージュアル・サスペクツ 《ネタバレ》 
一発芸としては極めて高く評価できるのだが、リピート鑑賞には堪えなかった。しかもオチがあると予め知っていたら特に驚くほどのオチでもなかった。ケビン・スペイシーは上手いとは思うが、オスカーを獲るほどの素晴らしさは感じられなかったし、アイデアは買うけど映画としてどうこうと言える出来ではないように思う。あくまでも映画であってテレビドラマではない以上、2度目、3度目でも楽しめるかどうかが評価の分かれ目。1回だけ観るなら良いと思いますが・・・
4点(2003-11-29 14:36:31)(良:1票)
18.  レインマン
特に言い立てるほどの欠点もなくソツなくまとめた感じだが、あまりにも教科書通りな感じがあって個人的には好きになれない。確かに心暖まることは間違いないのだが、このストーリーで心暖まらないヤツなんているのか?と考えるとわざわざ見るまでもないということになってしまう。「あなた人間でしょ?優しい心を持っているでしょ?」と尋ねられて否応なしに「うん」と言わされた感じ。でもそういう質問ってちょっとずるいと思う。
6点(2004-01-11 12:24:21)(笑:1票)
19.  レイダース/失われたアーク《聖櫃》
盛り沢山のエピソードをたっぷり集めて、キチンとタイトに詰め込んだらテンポ抜群の映画が出来るゾ、というルーカス・スピルバーグが共通の哲学を実証して見せた作品。ある意味コロンブスのタマゴ的発想ではあるのだが、行間を重視しすぎたニューシネマが続いた中で作り手側がおろそかにしがちになっていた普遍的手法を復活させた功罪は大きい。これを境にニューシネマの流れがあってこそ世に出ることが出来たルーカス、スピルバーグはコロッと体制派に鞍替えをして独立小資本作品の立ち入るスキを無残に閉ざしてしまう。狭き門から入れば後のことは知らないってことね。80年代のアメリカ映画を思いっきりダメダメにしたのはこの2人。この映画は「映画は面白ければ良い」といういかにもな価値観を振りかざして見事に勝利した。面白いだけの映画も時には必要なものだと思う私としてはこういう動きもまたアリかとは思うが、80年代の売らんかな主義がいかに退屈だったかを思い返す時この映画を手放しでは褒めちぎれないジレンマに苦しむ。2作目以降テンションがガックリ落ちたことを考えても、あくまでもこれはコロンブスのタマゴ。要するに飽きられたらおしまいなのが娯楽映画というモノなんですね。
8点(2003-12-07 14:26:45)(良:1票)
20.  愛と追憶の日々 《ネタバレ》 
はっきり言って、ナニが言いたいのかまったくわからないのにこれだけ面白い映画も珍しい。「面白い」というのは語弊があるが、とりあえず最後まで飽きずに熱心に見ることが出来、そのわりに何がテーマなんだかさっぱり理解できなかった。普通にストーリーはあったので、特にアメージングな映画を作ろうと思ったワケではなさそうだ。母親と娘が仲良しで、娘が結婚して家を出て行って、母親は老いらくの恋を見つけて、やがて娘が病気で死ぬ。だから何なのよ?という大いなる疑問を残して、何故か映画は感動のラストへ。だいたいシャーリー・マクレーンとデブラ・ウィンガーが親子のくせに全然似てない。隣に住んでる宇宙飛行士がジャック・ニコルソンなのが重要なのか、ジャック・ニコルソンが元宇宙飛行士なのが重要なのか、よくわからないけど彼と恋に落ちたから親子関係がどうなったとかいうワケでもないし、全体として何か騙されたような感じがして非常に頭に来る映画である。しかも最後は子供で泣かせる。こんなのアリ?とか言いながらうっかり泣いてしまう自分への激しい怒りが、ますます混乱を招く実におかしな映画である。ホントにこれはいったい何だったんだろう。
5点(2003-11-30 01:01:36)(良:1票)

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