1. 血と骨
出演者の演技にはやはり見応えがあった。まぁ良かった所と言えばそんなもんだ。とにかくこの作品には見所というのがまるでない。終始心情に変化無く暴れ続ける金修平という男と、終始夫又は父親を憎しみ、悲しみという視点で見続け怯えながら暮らす家族を見せられ続ける我々は不快の他、感想はない。昔、北野武の実際の昔話をドラマ化したものが、陣内孝則と室井滋主演「菊次郎とさき」という題名で放送されていた。その中の主人公ともいえる武の父、菊次郎も俊平の如くどうしようもない飲んだくれ暴れん坊亭主で観るに耐えない様に映っていたものの、息子である武の視点からの話を元に、毎週このろくでなしが実におもしろく描かれ、味のあるドラマに仕上がっていた。俊平と菊次郎とを比べるつもりは無いし感情移入させろとも思わないが、このように一人の人間を物語にするのであれば、そこにドラマを作らなければならないのではないか。この作品にはひたすら感情の不明なモンスターが傍若無人に振舞っているようにしか見えない。原作者の父をもとに作られた話らしく、本当のろくでなしだったのかもしれない。だが、息子である作者からの視点が元なのであれば(武の様にと言ってはなんだが)、自分が見た、感じた父親像をもっと膨らませて描く事ができなかったのか。もっとも息子である作者からのそれが本作の様に本当に憎しみや悲しみしか込められていないのであれば、こんな作品は作らなくていいし見たくもない。 [映画館(字幕)] 1点(2005-04-17 17:10:59)(良:1票) |
2. ユージュアル・サスペクツ
久々にVHSにて観賞。序盤から中盤まで、どこら辺がサスペンスなのかよくわからず、とりあえずジーっと観てました。なんだか、説明臭くてやたらひっぱるなあと印象も受けながら観て、少し飽き始めてたんですが。なんたらとかいう犯人はちっとも姿見せないしね。 さて、そんな中迎えたラスト。霧が晴れるというより、びっくり仰天というより、なんか笑っちゃった。いやあ見事。まさか、こんな無駄話を1時間ちょっと、こんなに真剣に聞かされるとは思わなんだわ。顔が赤くなっちゃった。こういう映画は最初で最後にしてね。 7点(2005-02-12 23:06:56)(良:1票) |
3. バタリアン
ゾンビのルールから先陣を切って脱線したゾンビ映画。それがまた速いの強いのって、なんともならないヤリタイ放題(笑 けどまぁ映画全体の雰囲気がそんなもんだから全然許せちゃうわけで。こんなゾンビ映画が1本くらいあってもいいなと。でも1本で十分。2本は駄目よ。ノリとゾンビが強すぎて、疲れちゃう。 7点(2004-09-21 00:13:40)(笑:1票) |
4. ダニー・ザ・ドッグ
さて、久しぶりの格闘アクション観賞。前回観た「マッハ!!!」であまりにドギモを抜かれた為、このジャンルはお腹一杯という感じだったのだけど、主演がジェット・リーとモーガンフリーマンてんだから見逃す訳にはいかない。 ストーリーはやはり簡単なもので、ダニーの失われた記憶と人間性を取り戻していく――という感じ。まあそこにはハナから期待してなったのだけど、大筋としてはそんなに悪くなかったと思う。ただ要所要所で笑える場面が多く見られた所が残念というか何というか。例えば、車が二度もひっくり返った(しかも一度目はマシンガンの蜂の巣というオマケ付き)のに何故かバートがぴんぴんして再びダニーの前に現れると場面や、闘技場で観客のバートがダニーの相手選手を撃ち殺した事など。ジャッキーやジェットの格闘映画だからこういった場面でも笑って観ていられるのかな。とは言うものの格闘は期待通り凄かった。。(倒れた相手を何度も殴りつける所は「マッハ!!!」を思い出して少しニヤっとしてしまったが) あと案外良かった事は、ジェットリーの表情。題名の通りダニーは飼い犬という存在なのだけど、あの純粋でボーっとした虚ろな目がそれにぴったりマッチしている。そしてそこから徐々に感情を取り戻していく時の表情もまた、良い味が出ていたと思う。ジェット・リー、以外と犬役もいいかもしれないね。 [映画館(字幕)] 6点(2005-07-24 22:56:59)(良:1票) |
5. ワイルドグリズリー<TVM>
グリズリーからなんも進歩してないなー。鮫モノとか他の動物ものなんかは結構リアルな線行ってるのは観てるんだけど、熊ってのは案外中途半端な材料なのかも。そういえば昔、マガジンでキムンカムイって漫画があったんだけど、おもしろかったんだよな~。熊の怖さが見事に出てて、読んでるだけでもゾクゾクした。あれを映画化してはどうかなーなんて思った事もあるけど、やっぱり熊の映像化は難しいんだろうか・・・。とりあえずこの作品の感想に戻すと、緊張感もクソもないです。ぬいぐるみの一匹舞台ということで。 3点(2004-12-14 00:00:22)(笑:1票) |
6. ゴールデンボーイ(1998)
《ネタバレ》 何がゴールデンボーイなのかさっぱり分からなかったけど、内容は怖くて素直に良い作品だったと思えました。はじめは少年がじいさんの方を脅して戦争の話をさせたりいろいろ言うことを聞かせてたと思ったら、そこはやはり修羅場を潜り抜けたじいさん。少年の心情の小さな隙を掴んで一気に立場を同等の物にしてしまった。いやそれ以上か・・まあ立場が最初と全然変わってくる訳なんだけど、その隠れていた狂気と頭脳が次第に露わになっていく場面なんて、もう必見でございます。それとじいさんが少年に浮浪者を殺させるシーンは、ちょっと考えさせられるシーンで、じいさんが浮浪者の背中を刺した時点で、ほっとけば死んでたんだろうに、何でわざわざあんなことをさせたんだろうかと。単純に罪を着せたかったという意図もあるかもしれないけど、重要なことは人を殺す時というのはどういう事でどういう気持ちなのかという事を、戦争というものに対して興味はあるのだけど、それがどういうものかイマイチ重く考えてなく、それを無責任にも質問する少年に対して、人を殺すという事がどういうことか分からせたかったのだと思う。だと思うのだけど、殺人を犯した時の少年の心情や、その後の言動の変化があまり描かれてなかったのが残念。その後をもうちょっと観てみたい作品だよなあ。 7点(2004-10-03 15:15:01)(良:1票) |
7. エイリアンVS. プレデター
面白い!奇跡のVSバトル、フレディジェイソンに続いてこんなもんまで出現するとは夢にも思ってなかったんだけど、面白すぎる!ていうかでも一体どうやって両者を戦わせるのかと疑問に思えば、なんと舞台はピラミッド!というとこでもう◎ 監督独自にピラミッドの存在理由を定義させると同時に、そこにプレデターとエイリアンとの関わりまで見事なまでに巧い事くっつけた。そこら辺が、ただのB級VS作品になるかならないかの違いになったんろうなーと関心できるとこで。そしてそこまでおもろい土壌を完成させたなら、もうあとは両者存分にぶつけ合うのみ!エイリアンは相変わらずワケも分からず殺しまくるどうしようもない存在だし、プレデターはプレデターで、人間では到底かないっこない様な高度文明の集大成をご披露なさいますし。地球上では弱肉強食の頂点に立つ人間様がゴミ同然です。んだったら、エイリアンとプレデターどっちが強いんだい?って期待して観てたんですが、いやーこれは凄い。ストーリーにも関わるからネタバレはできないけどほんとに御両者見事!予想ではプレデターが圧勝だろ?というもんだったんですが、エイリアンも負けてない負けてない!今までに見た事の無い様な両者の本気モードの場面が、どっちにも金星あげたくなるようで笑いが止まんなかった。あえて多少ここで気になったのが、プレデターの方の動きが多少ぎこちないことかな。走ったりするシーンは、妙に人間っぽさがあって惜しかったし、脱出のシーンなんかでも、お得意の瞬間移動は使わんのかい?と突っ込みをいれたい部分もありました。でもまぁそれもひっくるめて面白い!っていうのが本心です。エイリアン、そしてプレデターという超大作を単に戦わせただけでなく、自らのアイデアで本編の魅力を損なうことなく見事に融合させた監督に、感謝だなこりゃー。あといっそのこと 、歴史の教科書なんかでもピラミッドの存在理由はこの作品を元にして訂正すればもっと面白味が湧くのに。ツタンカーメン等の墓だなんて嘘、嘘w 10点(2004-12-19 16:12:43)(良:1票) |
8. ミニミニ大作戦(2003)
ミエミエ大作戦です。といってもこういう作品は普通に楽しめますよ。こっちの期待を裏切ることなくテンポよく進んでいって観ていても心地よく快い。良く言えば安心して観られる。悪く言えば面白味がない。 5点(2004-11-19 00:13:52)(良:1票) |
9. マーダー・ライド・ショー
これは感想言い難い作品ですねえ・・。中盤以降、前半のノリからは考えられない残酷な展開が待ってる訳ですが、これがもう結構精神的にクルもので、尚且つ訳わかりません。ただとにかく残酷なシナリオにしたいという意図がありありと伝わってきます。残酷だけど、直接的な残酷描写が少ない所は悪魔のいけにえとも通ずる所もありますが、面白味という観点で比べると・・・。面白味が欠けているという理由から、観終わった後もイヤーな雰囲気が立ち込めますよ。あまり良い映画とは思えませんが、いろんな意味で残酷で、そのジャンルだけみると100点満点です。 5点(2004-09-23 00:34:32)(良:1票) |
10. ファーゴ
《ネタバレ》 これって実話だったのか・・・初めは楽に金が入る計画だったのに、結末には何故あれ程の血が流れてしまったんだろう?全ては計画を立てた時点で起こるべくして起こってしまったものなのだろうか?偶然にも、ナンバープレートが付いてないと呼び止められ警官を殺害してしまった時点で事の全ては傾き始めた。そして最後にはどうだろう?計画とは180度違った形で幕を閉じてしまったんだ。全ては主人公の平穏から逸脱し対と言う思い、そして逸脱した考えに辿り着いた事によって引き起こされた逸脱した事件。 ストーリーでは、主人公の私利私欲が絡んだ汚い場面と女性警官の夫との暖かい場面が、コントラストの様に映し出される。この辺りが監督の最も伝えたい所なのだろう。 ラストでは何でもない切手の話をしながらお腹にいる赤ん坊を気にして、自分たちは平穏で幸せだと会話する女性警官夫婦。ファーゴという雪国で起こった赤い惨劇。数年後、いつもと変わらぬ平和な町並み。人間が平穏に暮らしてゆけるという事、が、どれだけ幸せなものなのか。しみじみと納得できるではないか。 8点(2004-11-02 17:54:10)(良:1票) |
11. マウス・オブ・マッドネス
《ネタバレ》 こういう話の設定って世にも奇妙な物語とかに出できそうー。というのはさておき、とても楽しめました。うーん、あの男が主人公を殺しに来た時から、既に本の世界は始まってたんだ。これは何だろう。本を読むことで本の世界に入ってしまったのか?本を読むことも既に作者のシナリオに書かれていたものなのか?本の世界は、それを読んでしまった者だけのものなの?考えてみると、なんかキリがない様な感じがするけどそれがまた怖い・・・。まだ内容を100%理解したわけじゃないんだけど、その何%か理解しきれないとこに更なる旨味が隠されてるような気がして、もう一度みてみたいです。描写だけジーっと観てると、たまに何のこっちゃか分かんなくなるので、もっと集中して観るんだった(^^; 主人公が全てを悟り、諦めとそれに対しての狂気が入り混じった残酷なまでのラストシーン。自分が自分の意思で何をどーしてこようと、そしてこれから何をしようと結局それは全て本に書かれた出来事。もう、笑うしかない 9点(2004-09-23 02:13:50)(良:1票) |
12. オープン・ウォーター
シュチュエーションは良かったものの全然駄目。まず第一に大海原の真ん中に取り残されたのが主人公2人、という時点でもうサメに喰われるシーンはラストに至るまで無いといっているようなもんだ。だからまあそこは観る前からある程度承知して、その喰われるまでの過程をどう観せてくれるか、が最大のポイントだ。もし広い海の真ん中に投げ出され、その周りにはサメがウジャウジャいる時どうすればいいだろうか。他の動物パニック物の「グリズリー」や「ジョーズ」の様な設定ならばどうだろう。必死に逃げるか戦うかしかない。しかし本作にはこんな状況で追い帰したなどあってはならないし、逃げ切った等は愚の骨頂だ。始まりから既にゲームオーバー的なものを、どうやっておもしろくしていくのか期待してたのだけど、どこか小じんまりしててスケールの小さい作品になってしまっていた。実話を忠実に描いた訳でもなさそうだし、どういうジャンルを描きたかったのかもいまいち分からない。 観ていて、発見してくれるハズもない船に助けを求めるシーンを繰り返したり、サメが何すると無く追ってきては足をつついたりするシーンに少々退屈を覚えたのも残念。演出と映像があまりに見応えがないのだ。 [試写会(字幕)] 2点(2005-07-03 16:47:41)(良:1票) |