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1.  シベリア超特急
まず私の鑑賞環境が"映画館"になっていることに驚かれるかもしれない。そう、私はあの知る人ぞ知る祭り"シベ超祭り"経験者なのだ。水野監督亡き今となっては2度とお目にかかれないあの伝説の祭りの…。  【説明しよう、シベ超祭りとは何ぞや?】 映画館を借りきって行われるイベントで、約10年前に私の参加した祭りではシベ超1~3の上映。水野監督とぼんちゃんによる解説&トークショー。しかも監督とぼんちゃんは観客席にて一緒に鑑賞するというスタイルで、上映後にはサインや記念写真にも快く応じてくれるという、ほんとファンへのサービス精神に溢れていました。観客もわざわざ遠く離れた場所から来ているという追っかけ(?)みたいな熱心なファンもおり、映画は劇場参加型の様相を呈していた。例えば、閣下がスクリーンに登場したら拍手が起きたり、ゴールドストーンやぼんちゃん、ロープ等が画面に現れるだけで爆笑というルールみたいなのが出来ており、言うなれば「ロッキーホラーショー」の日本版である。そこはもはや日常とはかけ離れた異次元空間と化しており、迷い込んだが最後、劇場を出る頃にはすっかり洗脳されているだろう。気が付いたら私はシベ超裏ビデオなる怪しげなグッズを買わされ、満面の笑みのマイク水野監督としっかり2ショットで記念撮影をしてもらうという行動を行っていた。 いや~映画(シベ超)ってほんとにこわいものですね~(笑)  映画自体は確かに破綻してるし、真面目に評価するのが馬鹿らしいくらいの出来だ。しかし、あの監督の自信に満ち溢れた満面の笑みと、映画に対して熱く語る姿を観ていると、批評するのが馬鹿らしくなってきた。ここは最後まで映画に情熱を注いだ偉大なる映画人水野監督に敬意を表して10点献上……といきたい所だがどんでん返しで0点献上!(笑)やっぱりこの映画には0点が似合う。
[映画館(邦画)] 0点(2013-11-24 00:11:43)(笑:4票) (良:1票)
2.  天気の子 《ネタバレ》 
かなり壮大な話だし、面白くなりそうなものなのに、最後まで乗りきれなかった。 こういう格好良くて感動的な画を見せたいんだろうなぁというのは良く伝わってくる。 が、しかし物語や人物像に深みがなく、ただ綺麗なPVみたいな映像を延々と観させられたみたいな感じだった。  特に受け付けないのは新海監督の主人公にありがちなステレオタイプなめそめそした少年。 こやつが何をしたいのかよくわからず、ひたすら大人や権力に逆らっては立場を悪くしている単に愚かな少年にしか映らない。 何故、そこまでして頑なに実家に帰るのを拒むのか?その一番重要な所すらよくわからないし、行動や言動が痛すぎてちょっと受け付けない。 しかも、なんでも解らないことはネットの掲示板で質問するという思考力の無さ。 これは、スマホに頼りきりでジャンクフードばかり食べてるとこういう妄想する少年になるよという現代人に対する警告なのかもしれない。
[映画館(邦画)] 3点(2019-07-22 18:17:01)(笑:2票) (良:3票)
3.  愛がなんだ
19.6.5 近くの映画館でロングラン上映となっていたが遂に明日で上映終了するというのでもう一度観に行った。監督のTwitterをフォローしていたら毎日のように色んな方の感想が飛び込んで来るのでそれでまた観たくなったというのもある。  【2回目を観ての感想】 彼氏でもない男(主人公のテルコが一方的に好意を寄せている)に呼び出され、熱があるというので料理を作ってあげ、掃除もしてあげるが真夜中に「もう帰って」と言われ部屋の外に放り出されるテルコ。電車も無いのでタクシーで親友の家に行く。親友の葉子に「酷い男だ。そんな都合良く使われてばかりいると関係性が決まってしまう。」と説教をされるのだが、この女もまた仲原という男を都合良く振り回しているのである。 このように、この映画に出てくるのは使われる側と使う側。二種類の人間しか居ないと言えるだろう。そんな極端な人物達による恋愛を巡る駆け引き、せめぎ合いがとにかくリアルに繰り広げられており、そこが凄く面白い所ではまってしまった。 初見時はテルコにばかり気をとられてしまったが、2回目は断然仲原だった。仲原がほんとに憎めないいいやつで、とにかく幸せになって欲しいと思った。  「ジョゼと虎と魚たち」を観てなかったら映画監督をやっていなかったと、今泉監督は言っていたが、この映画も「ジョゼ~」と同じく動物園が重要な場面で登場していて、この作品では象がモチーフとしてとても印象に残った。  最初はテルコがとても不憫に見えてならなかったが、あのラストシーンを観てこんな愛の形もあるんだなと思った。どんなに酷い目に会ってもご飯だけは美味しそうに食べる彼女の笑顔がとても素敵で目に焼き付いた。  とにかく自分にとって好きな映画だというのは間違いなく、これはもう10点をつけるしかねぇ。  【初見時の感想】 う~ん、煮えきらねぇ! と叫んでしまいたくなる映画だった。  とにかく、20代後半の恋愛って面倒くせぇ!それに尽きる内容。 人は人に執着する。しかし時にそれは単に好きだからとか愛してるだからとかではなくて、なんで執着しているのか判らなくなってしまうような、ある意味恋愛に対して考えすぎてしまったが故に巧く生きられない大人達を描いている。  その描写がとにかくリアルで、とくに主人公が「愛がなんだ」と切れ気味でやさぐれながら、同じような境遇の人間に説教する場面が凄く説得力に溢れていて感心した。 相手の事が好きという次元を超えて、もはや相手になりたいとかいう訳のわからない理論に至ってはちょっと分かるような気もしたりした。  かなりしんどい部分もあり、心が痛くなるような内容だったが、どの人物にも感情移入できるし、凄く集中して観ることができた。  はぁ、幸せになりたいっすねぇ…。 と思っている全ての人に刺さること間違いなし!
[映画館(邦画)] 10点(2019-04-23 00:17:06)(良:3票)
4.  HK/変態仮面 《ネタバレ》 
よく宣伝文句で、映像化不可能と言われた原作の奇跡の映画化!みたいなのありますが、この映画にこそ相応しい文句だと思いました。リアルタイムでジャンプで読んでいた私は素直に驚きました。よく実写化したなぁと。相当なこの作品に対する愛がそうさせたんだなぁと思います。 ↓下のレビュワーの方々もこんなアホな映画を真剣に考察されていて驚かされます(失礼)。10点を付ける事への葛藤や、パンティーを本当に脱いでいるかどうかのリプレイでの検証等々。凄い変態への愛が伺え頭が下がります。 私はというと当然10点など付ける勇気もなく、しかし面白くなかったわけではないので6点という中途半端な点数になりました。自分をさらけ出す勇気もないヘタレ野郎ですよ。 変態同士によるバトルは私なんかの想像の範疇を遥かに超越したレベルのものでした。驚いたのは変態同士が昼間闘っていたはずなのに、次のカットではいきなり夜になっている。どういう事だと思ったら、半日も放置プレイを味わっていたわけですね。そりゃ強いわ。サラっとそんなことをやってのけるんだから勝てるわけがありません。参りました。ひたすら屋上で放置プレイを味わい続ける安田顕を想像したらもう笑いが止まりません。
[DVD(邦画)] 6点(2014-08-29 18:32:24)(良:3票)
5.  怒り 《ネタバレ》 
いつもはなるたけネタバレ無しのレビューを心がけている私ですが、今回はがっつりネタバレせずには語れないので、未見の方は読まないで下さい。  とにかくキャストが豪華なので、この豪華な登場人物が複雑に絡み合い、何か壮大な物語が展開していくのかと勝手に期待していたため、ちょっと肩透かしを食らった格好だった。絡み合う所か全く関係のないドラマを同時に展開させて、どれが犯人の話なのか推理させるという新しいスタイル!そうか、この手があったか!ってならんわ!ただ物語を引き延ばしているようにしか思えなかった。 「怒り」というタイトルだけに、皆怒りまくるのかと思ったら怒っているのは一部だけで、殆どの登場人物が泣き叫んでいるだけという・・・。何か壮大なドラマが展開されているかのような大げさな演出が多く、ただ勘違いだったり過ちだったり不幸な話を寄せ集めただけにしか思えず、あまり共感できなかった。結局何が言いたい映画だったのか・・・。人を信じる事の大切さを訴えているのかな。
[映画館(邦画)] 4点(2016-09-26 23:04:46)(良:3票)
6.  アバウト・タイム 愛おしい時間について 《ネタバレ》 
映画館から出た私の顔はきっと『アメリ』の主人公アメリが、世界と調和して晴れやかな気分で街行く障害者の方を満面の笑顔で道案内をした時の表情に似ていたかもしれない。本当にいい映画に出会うと笑うしかないのだ。帰ってきて暫く経ってもニヤニヤが止まらない。 まず、タイムトラベルものでありながら、決してチープにならない世界観と設定の妙。脚本のうまさは元より何より主人公が素晴らしく魅力的!そして彼を取り巻く人々も皆いい人。タイムトラベルに頼らなくても彼の周りには幸せが満ち満ちているではないか! 彼にとっては平凡な幸せが1番であり、能力はそれを得るための手段であり、決して楽して人生を送ろうとしない所が良い。こんな能力の使い方もあるんだなと感心した。 もし、これが『BTTF』のビフみたいな主人公だったら大変でぃす。父親の言うことなんて聞かずに金儲けに走ったり、やりたい放題でしょう。ラブストーリー所ではありません。そんな事になったら、それを阻止しに新たなタイムリーパーがあらわれたりしなきゃならないんで、もうジャンルが変わってしまいます。逆にこんなSF要素を持ちながら基本的にはラブストーリーを貫いている所が気に入った。とにかく、観終わって人生って素晴らしいと思える作品だった。   もし、自分にタイムトラベル能力があったらどうするか? この映画の主人公みたいに平凡な幸せを手に入れ、毎日を2回づつ体験して、人生の素晴らしさに気付くだろうか。 いや、絶対馬券とか買っちゃう(笑)
[映画館(字幕)] 10点(2014-11-01 18:46:52)(良:3票)
7.  竜とそばかすの姫 《ネタバレ》 
※ラストに言及してます。未見の方はご注意下さい。  「サマーウォーズ」を彷彿とさせる田舎×仮想空間な設定。今度はどんな世界を見せてくれるのかな?と期待したが、残念ながらそれを超えるような斬新さもなく、さらに小ぢんまりとした世界に終始しており、全然魅力を感じられ無かった。  そもそも、全てにおいて展開が急過ぎてついて行けない。 例えば、主人公がUの世界に入るや否や歌姫になってしまうくだり。即興的に歌い出したはずなのにもうレコーディングを済ませたかのような完成された歌声とサウンドに違和感を感じてしまう。 ここで、Uの世界は隠れた才能を引き出す(だっけ?)という設定があるからだよ、と指摘する人もいるかもしれない。まあ、それはそれで良いとしよう。しかし、50億人もいるのに目立って活躍しているのが主人公と竜くらいってどうなの?もっと沢山色んな 才能を持った人が出てくると思ったよ。 ていうか、Uの世界は何が魅力なのかもよく分からないのね。ただ集まっている人らは何をしてるんだろうかとか、ほんとに50億人も利用しているんならもっと色んな魅力があるはずだろうと。  それから、先ほど触れた竜が出現した途端、主人公は竜の事で頭がいっぱいになるが、その理由がまず弱くて置いてきぼりを食らったのね。もうちょいそこに説得性を持たせて欲しかった。その後も無理矢理ラブストーリー的な展開に持っていくのも無理があり過ぎる。「美女と野獣」をやりたいだけでは?そもそも主人公は幼馴染を好きだったはずでは? で、最終的にそのリュウを現実世界で助けに行くって話になる訳だが、また「サマーウォーズ」と同じでトントン拍子で進んで行くものだから何も感動とか無いし、むしろ何も解決しないで帰って来てない?大丈夫? 何か帰ってきた主人公が皆によくやったと褒められて、めでたしめでたしってなってたけど、結局あの子達はどうなったのさ?ちゃんと保護されたの?その描写すら無いし、あまりにも無責任な終わり方だと思ったわ。 それに、いくら虐待を受けていた可哀想な子供だからといってネットの世界で何をやっても許されるというものでもない。荒らしを排除するのは当然の事なのに、何か竜が可哀想!運営側が悪い奴!って描き方はあまりに短絡的かと。あと、虐待している父親にも何か理由があるはずだが、全く触れられないというのもしっくり来なかった。  あと、「サマーウォーズ」でも同じ事を思ったんだけど、何か仮想世界で物理的に暴れている人が居て、それを運営側が追いかけるというのが定番みたいだけど、そもそもの話、プログラムの世界なんだからいくらでも対策は出来るよね。他の人を攻撃出来ない設定にすればいいだけの話なのでは?
[映画館(邦画)] 2点(2021-07-16 23:27:49)(良:3票)
8.  ゾンビランド 《ネタバレ》 
ガチなゾンビ映画ファンには物足りない出来かもしれないですが、怖いのが苦手なゾンビ初心者にはオススメできる映画と言えるでしょう。 冒頭こそゾンビが大量に出てきて飛ばしているが、ゾンビロードムービーと化す中盤以降はややダレ気味だ。でも、キャラクターの魅力も相まってなかなか飽きさせない。いい緊張感を保っていたと思う。アイゼンバーグはいかにも神経質そうな童貞野郎で、用心深さ故に生き残ったという説得力を醸し出していた。ウッディ・ハレルソンはとにかく頼りになる脳筋カウボーイ野郎でカッチョイイですね。トゥインキーの事になるとそれしか頭になくなるが。っていうかトゥインキーって何。あと、忘れちゃならないのがビル・マーレイだろう。あれはおいしい役所でした。 この手の映画でお約束とも言える仲間の死が無いというのもぬるくて良い。遊園地行ってからゾンビに囲まれてこれは絶対死ぬだろうと思ってもしぶとく生き残ります。これは意外や意外。 1人くらい殺した方が感動的になるだろうに、あくまでユルイ路線を貫く所にこの映画の意気込みを感じた。
[DVD(吹替)] 7点(2014-11-07 05:24:24)(良:3票)
9.  アイネクライネナハトムジーク
事前に原作をばっちり読んでいた為、どうしてもそれと比較してしまうので評価は厳しめ。  まず、伊坂幸太郎による原作は、ボクサーを中心に配置してそれと関係のある複数の登場人物達による過去と現在入り交じる緻密な構成で、読み進めて行くに従い、あの人物とこの人物が繋がっていたのかぁ、とかパズル的快感が楽しい原作であった。  (ここから映画のレビューが始まります) また、原作では明確な主役が存在していなく、あくまで群像劇な趣だったが、この映画においては三浦春馬演じる人物を主人公にしてしまった事で、どうしても彼の周りの人物達に限定されたドラマが繰り広げられる為、なんだか普通のドラマになっちゃってた。時間軸も一本道だし。それに伴い登場人物も原作から削られてしまっていた人が何人か居た。まあ、それは大した問題ではないが、どうせ彼を主役にするのならもうちょっと彼とその恋人の話を盛り上げる必要があったように思う。恐らく今泉監督はその辺をじっくり描きたかったのだろうが脚本やってないし……。今回はちょっと原作がこの監督に合っていないんじゃないかなぁと思っちゃった。
[映画館(邦画)] 4点(2019-09-24 11:37:42)(良:3票)
10.  マンマ・ミーア!/ヒア・ウィー・ゴー
お母さん(メリル・ストリープ)が居なくなって、今回は娘が主役…と、思いきややっぱりお母さん(若かりし頃)が主役だった! いや、娘の方もお母さんの跡を継いで家をホテルにしたりとか色々やってるんですけど、やっぱりお母さんの過去の出来事の方が刺激的で面白くて。 このヤングお母さんを演じたリリー・ジェームズがとにかく凄い存在感。 娘の父親が誰かわからなくなるのも頷ける程の凄まじい恋愛遍歴を見事に体現しており、その太陽の如く輝く美しさと相まってこれは説得力があった。 歌とダンスも見事で、メリル・ストリープが居ないという不安を完全に吹き飛ばしてしまっていた。  例の如くピアース・ブロスナンも歌っちゃうのだが、そのシーンは最小限に留められていたので良しとしよう。  過去と現在を行きつ戻りつする構成が見事で飽きないし、脚本的に1作目よりも良くなっていると感じた。 あと、やっぱりダンシングクイーンは盛り上がるなぁ。これは絶対大画面で見るべき。
[映画館(字幕)] 8点(2018-08-24 22:57:38)(良:3票)
11.  寄生獣
原作は10年以上前からの大ファンで、本棚には日焼けして大分劣化したコミックが今尚鎮座しております。故に相当ハードルが上がった状態での鑑賞でしたが、それを上回る位の期待通りの出来だったので安心した。ここでの評価が芳しくないので一瞬観に行くのを躊躇ったが、本当に観に行って良かったと思える作品だった。どれだけ改変されちゃってるのか危惧したが、重要なシーンは原作そのままだし、母親と息子の愛情の描き方は原作以上に丁寧で、だからこそしっかり感動させてくれた。その辺は本当に原作の良さをわかってるなという感じがしてとても安心して観ていられた。あと、この映画最大の魅力はやっぱりミギーを演じた阿部サダヲだ。チャーミングだし、そのコミカルな動きは観ていてとても楽しかった。やっぱり日本で実写化して正解。  もし、ハリウッドで実写化されていたら大変でぃした。主人公は白人、彼女はパツキンで、まず2人がプロムへ行く所から始まったりなんだりして、敵の女ボスはガチムチだし、後藤は黒人のマッチョに変更されるでしょう。主人公はミギーそっちのけで銃を乱射して寄生獣を倒すというね。当然寄生獣側も銃を持ってるでしょうから画的には普通に銃撃戦ばかりのアクションものになり下がるというね。ラストはナタの代わりに手榴弾で決着が着いたりしてね。 そんな寄生獣やだ(笑)
[映画館(邦画)] 8点(2014-12-03 12:49:04)(笑:3票)
12.  ゾンビ/ディレクターズカット完全版
最近の映画で、競うように加速したゾンビに異議を唱える者としては、ゾンビはゆっくり歩いてなんぼである。たしかに、足を速くすればするほどゾンビは人間にとって脅威だし、恐怖も増幅するのは間違いないだろう。しかし、それは単純に娯楽映画としての面白さを追求しただけであって、そこには論理性も説得力もないのである。何故ならゾンビはそもそも死体である。なのに何故生きている時より超人的なスピードが出せるというのか。足だって腐っているんだし、そんな速度で走っては身が持たないはずだ。 ・・・などといくら声を枯らして叫んだ所で、所詮ゾンビ映画は娯楽映画だの一言で片づけられてしまう。論理性を説いたのがそもそもの間違いなのである。 では何が言いたいのかというと、たまにはゆっくり歩くゾンビもいいものですよ、という事である。遠くに居たり、分散している時は人間にとってそれほど怖くはなく、余裕があるのに、ちょっと油断して取り囲まれるとヤバい、という絶妙な距離感が最高なのだから。  先日亡くなったジョージ・A・ロメロ監督のご冥福をお祈りいたします。
[DVD(字幕)] 10点(2017-07-21 21:07:25)(良:3票)
13.  アベンジャーズ/エンドゲーム 《ネタバレ》 
2回目、IMAX3Dで鑑賞(←一度言ってみたかった) ちょっと遠出して(近くにIMAX無い)遂に観てきましたIMAXで!何でも今作品はIMAXのカメラで撮影されているという話じゃないですか?これはIMAXで観るっきゃない!と思い行ってきた。 いや~、迫力が凄いし、普通の映画館の3Dとはやっぱり違う。眼前で展開されていく感じ?  さてここからは2回も観たのにまだよくわからなかったポイントを書き連ねておきたい。  ・原子の世界は時間の流れが違うらしい。だからといって過去に行けるとはこれ如何に?  ・冴えない弓矢のおっちゃんことホークアイが何故ここまで主人公級の扱いなのか?弓矢に刀を足しただけで行けると思ったのだろうか?  ・そして、東京では一体何が起こっているの?笑 ここだけ急にコントかよと思ってしまった。ていうかホークアイはどういう経緯で浪人になり、東京へ渡ったのか?ここを詳しく知りたい。スピンオフを作ってくれたら絶対見る。  ・指パッチンて思った事何でも叶えられるの?回数制限とかもないの?なんか曖昧じゃない?  ・あの人物ばかりフィーチャーされていたが、他にも帰ってこないメンバーが居たはず。余りの扱いの差にちょっと疑問を感じた。   ここから前回のレビュー ↓↓↓ 「インフィニティ・ウォー」の衝撃的結末で絶望に打ちひしがれた我々人類。しかし、きっとキャプテン・マーベルならなんとかしてくれるに違いねぃ!と、皆が彼女の登場を心待ちにしていたんじゃないだろうか。 実際彼女はサノスを殺る気満々でド派手に登場するのだが、ちょっと来るのが遅すぎたようで、既にサノスも隠居してしまっていて(こんな生活感丸出しの悪の帝王なんてなかなか居ねぇ!)、もはや暴れる相手が居ないというのが面白かった。  そこから、残されたヒーロー達の悲哀や閉塞感というものをじっくりと描いている点が良いと思った。 特に、戦う相手を失った喪失感から家に引きこもってケーブルテレビ三昧でメタボ体型になってしまっていたソーには笑った。(あのお腹はCGなのかしら?役作りだったら凄い。笑)  で、そこからどうやって盛り上げて行くのかな?という所での後半のああいった展開は熱すぎるし、最後はちょっと泣いてしまった。
[映画館(字幕)] 9点(2019-04-27 08:32:03)(笑:1票) (良:2票)
14.  エイリアン:コヴェナント 《ネタバレ》 
未知の惑星に降り立つのに無警戒すぎるだろう。 案の定ウィルスに感染して「助けてくれー!」だの「母船に入れてくれー」だの、どったんばったん大騒ぎ。 1作目の「エイリアン」ですらリプリーは感染の危険があるから絶対船内に入れないって言ってたぞ? 挙句の果てにとち狂って宇宙船を破壊し尽くすという間抜けっぷりには開いた口が塞がらない。 もうこの時点で馬鹿映画だなと確信したので、そこからの時間は苦痛でしかなかった。 せっかく空気感染できるエイリアン登場したと思いきや、やっぱりフェイスハガーは出てくるのね。 白い人型のエイリアンは一体・・・? タイトルが「プロメテウス2」だったらここまでの低評価にはならなかったんじゃないだろうか。
[映画館(字幕)] 2点(2017-09-19 20:45:10)(笑:1票) (良:2票)
15.  ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語
グレタ・ガーウィグならではの演出が素晴らしいとても現代的な「若草物語」だった。 詳しく書くとネタバレになるが、ジョーが書く物語自体がオルコットによる原作とリンクして行き、ジョーとオルコットが混同してしまっている所が斬新な切り口だったと思う。 ジョーを演じるシアーシャ・ローナンの演技がとても生き生きとしていて素晴らしく、一時も目が離せなかった。 特に、自分に対する迷いや、どうしようもない寂しさ、それでも強く在りたいと吐露するシーンの彼女の表現力は素晴らしいものだった。 また、これまでの映画化では過去→現在へと時系列順で描くのが普通だったが、それにより駆け足感が否めないのが欠点でもあった。  しかし、本作においては現在と過去を行ったりきたりする演出になった事により、例え短いエピソードだったとしても、空間の余白を想像して楽しめるような演出になっていて、ちゃんと時間の流れがゆっくり感じられるように工夫されていたのではないか?たぶん。  とにかく期待通りの素晴らしい映画だった。
[映画館(字幕)] 9点(2020-06-12 20:17:45)(良:2票)
16.  悪の教典 《ネタバレ》 
原作を読んでから鑑賞。色々端折ってたのが気になったが、あれだけのボリュームの原作を2時間にまとめるのだから何処か削らなければならないのは致し方ない。だが敢えて不満を言うなら原作読んでない人にはわけわからんであろうアメリカパートを入れるより、もうちょいハスミンと女生徒との恋愛シーンをじっくり描いて欲しかったなぁと。屋上でハスミンが遂に女生徒を殺さなければならないというこの映画屈指の名場面となるはずの所があまりにあっさりしていて、全然感情移入する暇もなく終わってしまうので物足りないのである。原作ではあのハスミンが殺すのを躊躇うほどの葛藤があったというのに映画では全く感じられず、むしろ体育教師ともやっちゃってるというアバズレ設定まで付いている始末。そしてこの映画最大の謎は、何故ハスミンが生徒全員を殺さなければならなくなったかという動機が微妙になっている点だろう。1番原作で変えてはならない所を変えてしまったと思う。
[映画館(邦画)] 6点(2012-11-12 22:52:59)(良:2票)
17.  0.5ミリ
うわあ誰もレビューしてない・・・最初のレビューってなんだか緊張しますね。 取り敢えず最初だから軽くストーリーを紹介したほうがいいのかな?勿論ネタバレなしで!  え~っと、ジャンルは人間ドラマ。じじい・・・いや、お年寄りが多く出てきます。 皆それぞれ色々問題を抱えていたり精神を病んでるような人達です。 主人公は安藤サクラ。演技が上手いです。が、前述の人達と積極的に関わろうとします。 弱みを握って家に潜り込み、強引にそこで生活します。勿論嫌がられて追い出されそうになりますが、料理は上手いし、なんでもこなすのでなんだかんだと居座っちゃう。そして、いつしかその老人達と心を通わせていくんですね。そこから見えてくる現代日本の抱える闇。そんなお話。  3時間超えの長編ながらとにかく安藤サクラの演技に引っ張られっぱなしの3時間でした。全く気が抜けないというか、引き込まれてしまった。改めて凄い女優さんだなと思いました。
[DVD(邦画)] 9点(2015-07-01 22:20:31)(良:2票)
18.  ドラゴンクエスト ユア・ストーリー
これは私が知っている「ドラクエⅤ」ではない。  今回はネタバレ無しレビューで行きたいと思うのでラストについては言及しないが、これは作り手の手の内にいいように転がされたというか、「ドラクエⅤ」の思い出を踏みにじられたというか……少なくとも、「う~ん 、そうきたかぁ!」等と感心してしまうようなオチではない事は確かであった。 思い返せば副題の「ユアストーリー」というのが公開前からちょっと引っ掛かってはいた。どういう意味なのだろうかと。 しかし、見終えた今、その副題に対して確かに間違ってはいないが、納得するという事は全くなく、単に言い訳にしか聞こえない。 全然フェアじゃないし、観客をビックリさせてやろうという思惑しか透けて見えて来ないのでむしろ腹立たしい。 「ドラクエⅤ」リアルタイム世代とか、思い入れが有りすぎる人ほど爆死する危険があるので注意。  とは言え、途中までは確かに「ドラクエⅤ」のストーリーに浸ることが出来たと思う。かなり端折っているので脳内補完するしかないが…。 あまりに年月の流れが早すぎて、感情移入する前にどんどん進んで行くので、ダイジェストだと思えばそこそこ楽しめた。 ビアンカやフローラやスライムなどのキャラクターはとても可愛いし、パパスはカッコいいし。  ただ、やっぱりラストがねぇ…。 「ドラクエⅤ」でそれをやらなくてもいいじゃん、普通に感動させてよって感じ。 いろんな人に警告したい映画ということで2点献上。
[映画館(邦画)] 2点(2019-08-02 19:22:01)(良:2票)
19.  悪魔を見た 《ネタバレ》 
観終わって何ともやるせない気分になった。この映画、どう楽しむのが正解なんでしょうか。「殺人の追憶」みたいな猟奇サスペンスかと思いきや、物語は最初の40分でもう犯人を追い詰めてしまう。しかしこの映画はここからが本番だ。ひたすら犯人を痛めつけてはまた解放するというキャッチ&リリースが繰り返される。これがひたすら長いのだ。殆ど拷問映画と言ってもいいだろう。確かに犯人には同情の余地もなく、その行為は残忍で許されるものでもないが、ジワジワなぶり殺していくのを見せられても全然楽しめない。むしろ、復讐の為犯人を泳がせる主人公に腹が立った。あんな悪魔は社会にリリースするべきではない。そんなに復讐したければどっかに監禁してジワジワ殺せばいい。軽率な主人公の行動によって何人の犠牲者が増えただろう。この主人公に対しても全く共感することはできなかった。
[DVD(字幕)] 2点(2013-11-11 17:22:29)(良:2票)
20.  浅田家! 《ネタバレ》 
たぶん皆、浅田政志に対して甘過ぎるんだと思う。 あんだけ周りを振り回してるのに、誰も怒らないし、好きなようにさせている。 何故なら皆、政志の事が好きだから。 撮りたい写真の為に消防車を借りてくれとかの無茶振りにも真面目に応じる兄の優しさ。 若菜ちゃんは東京での彼をほぼ養ってあげてかつ個展を出す費用も出してくれるというのだからその優しさは異次元である。 さらに、逆プロポーズまでしてるのに政志のあの煮え切らない返事はなんだ。普通ならぶん殴っててもおかしくないのに若菜ちゃんは泣いて喜んでいるし、もうね皆優しすぎません?って思った(笑) まあ、ちょっと変な所もあるけど誰からも愛される彼の人柄なんだなぁと思った。   ただ、ちょっと強引に感じられたのは実家から急に被災地へ戻るくだり。本当にあのタイミングで思い付いたのかな?って事。クライマックスにするために敢えて後に持って来たように感じた。それに、あの腕時計を借りただけで泣かせようとするのはあまりにも狙い過ぎに感じられて…。  私はそこまで感動したりとかはなかったけど、色んな家族写真を撮るシーンはクスクスと笑えて面白かった。オチも良き。
[映画館(邦画)] 7点(2020-10-17 07:48:43)(良:2票)

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