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 > 民朗 さん
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プロフィール
コメント数 1317
性別 男性
ホームページ http://minrou.seesaa.net/
年齢 37歳
メールアドレス baker221b@live.jp
自己紹介 全体的に甘めの評価になりがちです。
当然映画のジャンルによって評価にバラつきがあります。以下参考までに……。

評価が高くなりやすいジャンル:ミュージカル、B級アクション、ロマコメ、バカコメディ
評価が低くなりやすいジャンル:ミステリー、サスペンス、ラブロマンス

基本的に過激な映画が好きです。暴力的な意味でも、性描写的にも、人間性の描き方でも
どれだけ感動的な映画であっても尖った所が無い映画より、過激な表現がある映画の方を評価しています。

13.4.27(追記)……TOHOシネマズが6月1日から高校生料金を1,000円にするとのこと。
今は若い方が映画館に少ない状態なので大変素晴らしいと思います。
(日本の料金はそもそも海外に比べて高すぎる。価格も一律で決められているから劇場間の競合も生まれにくい)
でももうちょっとシネコン自体が上映する映画のラインナップを改めた方が良いのでは。
客が集まる邦画をバンバンかけるのは経営としては正しいけれど、いつか必ずしっぺ返しが来るのは判り切っていることなのに。

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1.  ゼロ・グラビティ 《ネタバレ》 
驚異の映像体験だったと言わざるを得ません。観客は宇宙空間に放り出されたライアンと完全に一体となって宇宙で漂流する恐怖を疑似体験する。冒頭の船外作業からスペースデブリの襲来、ライアンの一人称視点による漂流に至るまでは本当に息が出来ないような臨場感でした。しかも特殊効果を用いて上手く繋いでいるとは言え、ここまでをロングテイクで撮ってしまうとは恐れ入ります。また編集の技術もとんでもない。ライアンが完全に一人で宇宙空間に放り出されるシーンでは一人称視点と三人称視点が入り混じったりする。画面構成もすごい。普通の映画では当然シーン毎に写したい対象は決まっており、それはこの映画でも同じなのですが、例えばスペースデブリがシャトルに衝突するシーン等では画面全体で明らかに観客が一回の観賞では処理できない情報量が描き込まれている。多分、何度観ても画面で色々な発見ができる作品だと思います。 では映像の凄さだけなのかと思っていたら全然そんなことは無くストーリーも素晴らしい。中盤のライアンがソユーズの中で死を受け入れようとした辺りから次第に人生の意味を問いかける様な展開を見せていく。マットの「宇宙空間は静かで孤独だ。しかしならばどこに生きる意味がある?生きて地球に還るんだ!」という台詞はあらゆる人の励みになる言葉だと思います。だからラストシーンでライアンが土を掴み、大地を踏みしめる姿は大変感動的でした。無重力・水中を経て彼女は陸への帰還を果たす。これは進化であり、再生であり、誕生の物語なのでしょう。 アルフォンソ・キュアロン監督は『トゥモロー・ワールド』に引き続き映像・ストーリー共に類い稀な傑作を撮ってしまった。彼の作品をリアルタイムで劇場の大画面で観られることを本当に幸運に思います。
[映画館(字幕)] 9点(2013-12-13 14:57:18)(良:5票)
2.  X-MEN:ファースト・ジェネレーション 《ネタバレ》 
全く期待していなかったのですが、これがまさかの掘り出し物。非常によく出来ていると思います。本来のX-MENが持つ"差別"というテーマを描ききっている。私はこのシリーズが面白能力人間博覧会になっていることに非常に不満を持っていたのですが、今作はシリーズの起源であるマグニートの過去に照準を合わせる事で、その不満も吹き飛んでしまった。映画の冒頭はポーランドでのナチスによるユダヤ人虐殺のシーンから始まり、ユダヤ人の少年が若きマグニートである。これはどうみてもこのX-MENが人種差別に関する物語であるということの表明だ。マグニートは若き日に母を殺されたことに対して復讐を始める。それは形を変えて人間という種族への憎悪へと変わる。彼の親友であるチャールズはミュータントの人間への憎悪の連鎖を断ち切ろうと奔走する。この二者の関係性はあらゆる現実の団体に共通しているものだ。パレスチナでテロ活動を繰り返す急進派と、東エルサレムの解放を目指す穏健派。はたまた北アイルランドのナショナリスト・ユニオニストと、シン・フェイン党。他にも無数にあるだろう。劇中のプロフェッサーXが正しいのか、マグニートが正しいのか、明確な答えは示されない。そんなことは示すことができない。観客はどちらの心情も同等に理解できるからだ。だからこそこの映画は良作なのだ。
[映画館(字幕)] 8点(2011-06-12 07:46:23)(良:5票)
3.  映画ドラえもん のび太と奇跡の島 アニマル アドベンチャー 《ネタバレ》 
これは酷い、酷すぎる。私は実は本作を結構楽しみにしていた。何故かというと前作の「ドラえもん のび太と鉄人兵団」が思いのほか素晴らしいリメイク作品となっており、また毎度お馴染み次回作の特報でジャイアント・モアが登場したからである。ジャイアント・モアがドラえもん映画で登場した作品は「ドラえもん のび太と雲の王国」である。ドラえもんファンからも高い人気を得ている作品で、人類の森林破壊・絶滅危惧種の増加・温暖化問題を真正面から取り上げ、更にこの映画のクライマックスは核兵器の様な強大な力の是非を問うヘビーな展開の映画だ。そして昨年に起こった東日本大震災、それに続く福島原発事故。今現在、核エネルギーの使用の是非が問われていることに対し、「雲の王国」は実に映画作家の立場を主張できる作品になると思っていた。何せオリジナルが核の是非を説いているのだから。しかし新作として登場したのが本作「奇跡の島~アニマルアドベンチャー~」である。正直、「雲の王国」で描かれていたような強大すぎるパワーが暴走してしまったときどうするのか?という様な展開は一切描かれていなかった。本作が描いているのは「絶滅危惧種の乱獲は良くありません」といった誰でも答えられるもののみである。映画は教科書に載ってないことや誰でも簡単に答えられないことを描いてこそ本当の価値がある(と私は勝手に思っている)。小学館はハッキリ言って批判を恐れて逃げに走ったとしか思えない。邪推であるが元々は雲の王国を作ろうとしてたのであろう、同様の絶滅危惧種が多く登場したり、博士の見た目が雲の王国の天上人そっくりだったりしている。前作の「鉄人兵団」がリメイク元のテーマを真摯に描いていることから比較して物凄く残念な気持ちを抱き劇場を後にしました。なお映画の内容自体も酷く、のび太のパパとのび太が「約束は守らなくてはいけない」といったことを繰り返した件を特にキチンと伏線回収していない点や、見せ場のシーンを只の一枚画で終わらせてしまう場面が沢山あったり、何も考えて無いような映画オリジナルキャラクターの使い方、意味の全く通らないゴールデンヘラクレスの力など、映画としてはどうしようもない出来だと思います。久々に全く好きになれないドラえもん映画が出来てしまった。ファンとしては悲しいばかりです。
[映画館(邦画)] 1点(2012-04-01 08:02:11)(良:4票)
4.  もののけ姫 《ネタバレ》 
エコや勧善懲悪な話が多いジブリから突然生まれた宮崎監督の実質的引退作品。今までナウシカやラピュタで魅力的な悪役や自然保護を繰り返し観客に提示してきた宮崎映画としては若干異色の作品となっている。本作は「これは善、これは悪」として物語を単純化していない。一応観客は自然をもののけ達から奪う人間を悪として解釈できますが、実は決して人間が一方的に悪としては描かれている訳ではない。エボシ御前はシシ神の森を奪う侵略者だが、エボシは無闇に森を切り崩している訳では無く、身売りにされた娘達や当時人として扱われていなかった業病の患者達、そしてタタラ場を守る為に木を切っているにすぎない。タタラ場にすむ者達からすればエボシは生涯の救世主に違いない。彼女は人間の残酷さを併せ持った聖母なのだ。 つまり両者ともに"守る"為に戦っている。人間はタタラ場を、もののけはシシ神の森を。そこに明確な善と悪の境が無いからこそ観客はこの映画を観た後も迷ってしまう。非常に考えるのが辛い問題を直に投げかけてくる。現代でも環境破壊問題が良く取り上げられるが、別に誰も地球が嫌いで木を切っている訳ではない。それでも地球を破壊する人間が100%悪いと言えるのか。 宮崎監督が今までの勧善懲悪のスタイルを大きく変えたのには意味がある。今の映画界に溢れている、「正義が勝つ、悪は滅びる」という観た後に何も残らない様な映画と、観客に決して解ける事の無い「問い」を投げかける映画と、どちらが価値のある映画と言えるだろう。私は後者の「もののけ姫」の様な映画にこそ価値を感じる。
[DVD(邦画)] 10点(2008-08-06 16:43:08)(良:4票)
5.  きっと、うまくいく 《ネタバレ》 
すげえ!インドすげえ、超すげえ!私はインド映画では無理を通して道理を蹴っ飛ばすタイプ(つまりラジニカーント主演作)の作品しか観たことがないのですが、本作はそんな映画とは違う実にウェルメイドな万人に勧められる作品だったと思います。とにかく脚本が素晴らしく、散りばめられた伏線が過去と現在の両方で解決されていく様は最高!の一言です。しかも観客が楽しめるように、笑い・涙・ロマンス・アクション・ミステリー・サスペンスがギッチリと詰まっている。なのに破綻していない!もう一度言いますが、脚本が素晴らしいと思います。 しかしテーマは実に鋭く、また重い。私は数年前に個人旅行でインドに行きましたが、スローライフのメッカと言われている国を見て感じたことは、その一般的印象とは裏腹に、本当に勝ち組と負け組がハッキリと分かれており、弱者にとっては非常に生き辛い世界だということでした。そこら辺の道に死体が無造作に転がっている(適当に道端で火葬する)。一方で、同じ道に高級車を乗り回しているビジネスマンがいる。スラムの直ぐ傍に超高層ビルが乱立する。ラージューの家庭が正にそうですが、金持ちになりたければ勉強をするしかない、そうでないと直ぐ先には死か物乞生活が待っている。だから親は子どもを何としても収入の良い職業につかせようとする。子どもはその重圧に耐え切れず自殺する。 そんな社会の中で「自分が本当に好きなことをやればいいじゃないか!」というメッセージを持つ映画が生まれ、大ヒットしている。GDPの伸びに蔭りはあるものの、インドという国はまだまだ伸び代がある国だと強く感じました。私も観て実に勇気づけられました。Aal Izz Well!
[映画館(字幕)] 9点(2013-07-18 23:44:41)(良:4票)
6.  ウルフ・オブ・ウォールストリート 《ネタバレ》 
とにかく最高に楽しくて楽しくて仕方がありませんでした!レオナルド・ディカプリオとジョナ・ヒルのアッパー系のドラッグをやってる時のラリラリ演技は超面白いし、オネエちゃんのオッパイもバンバン映るし(下品で済みません)、軽快な音楽に合わせてテンポも抜群、所々「どうやって撮ったの?」っていうシーンも多くて画的にも全然飽きない。以前に『ヒューゴ』と作品賞を争った『アーティスト』のジャン・デュジャルダンを起用するなんて全く粋なことしますねぇ。 ストーリーも個人的には申し分無い物だったと思います。この映画の肝は意図した物かは解りませんが、ニーチェの「超人思想」なのではないでしょうか。キリスト教が存在する以前、世の中は"強者こそ正義、弱者こそ悪"でした。強いマッチョメンが人体の理想型だし、金は無いより有る方が正しい。古代ギリシャ時代やルネサンス期なんか見ると正にその通りです。生物学的には疑いもなく正しい理屈です。でもキリスト教の出現でヨーロッパ圏は逆に"弱き者を助けるのが正義。金儲けばっかり考えてる奴は悪!"となってしまいました。その思想が今も続いている。 本作のウォール街の証券マン、特に主人公ジョーダンは弱者から金を吸い取ってでも金儲けがしたい、今の価値観ではクソの様な連中として描かれます。如何にゴミ株式に投資させるかを嗅ぎ回る正に狼(ウルフ)共。実際の証券マンがどうかは知りませんが(個人的にはそう違いは無いと思ってますけど)、とにかくこの映画ではそういう人種として描かれている。彼等はニーチェが言うところの超人そのものです。「金儲けして何が悪いの?自分が底辺から這い上がる為に弱者を踏みにじるのが悪い事なの?」と。嘗て証券マンを夢見ながらFBIにいるデナム捜査官は観客が投影されているキャラクターなのでしょう。彼は金儲けの世界に一瞬惹かれている様な素振りを見せるし、ジョーダンの逮捕が確定した時も嬉しそうな表情を浮かべない。 最後に映されるデナムが地下鉄で茫と見つめる貧困に喘いでる人々、ジョーダンのセミナーに参加して何の価値もないペンの売り方を必死に考える人々。金持になる為に他者を騙し、蹴落とす事が間違いなのか。どちらの生き方が正しいかは観客が決めなければいけない事なのだ。 ……、いや私はそんな生き方は御免ですがね。
[映画館(字幕)] 9点(2014-02-01 22:46:20)(良:4票)
7.  パシフィック・リム 《ネタバレ》 
男の子の夢炸裂!ここまで上映時間が只管に至福だった経験は久しぶりです。とにかくギレルモ・デル・トロ監督の怪獣映画への愛がふんだんに盛り込まれており、とりわけ終盤の香港市街を大破壊しつつ展開するカイジュウとジプシー・デンジャーとの大格闘は最高でした。大都市で怪獣が暴れまわるとどうなるか?という怪獣映画の永遠のテーマを見事に描写できており、個人的には怪獣映画の一つの到達点でありマスターピースとなることと思います。 ストーリーに関しては特に突出したものは無いものの、"男の意地"、"父子の絆"、"国家間のイデオロギーを超えた各国の共闘"がバランス良く配置されており、個人的には別段映像のみが凄いという印象はありません。それはもしかすると役者さんの力量による部分が大きいかも知れません。大俳優は出演していないですが、個々の役者さんの演技のアンサンブルが実に自然に写っており、特に個人的に心配していた菊地凛子さんの演技は『バベル』の時の役柄とは正反対のキャラクターでしたが大変良かったと思います。 しかし矢張り特筆したいのはカイジュウとイェーガーの戦闘シーンに尽きます。『パトレイバー』や『エヴァンゲリオン』に大きく影響を受けているであろう各イェーガーは個々のキャラが立っているし(どうでもいいけど私は無骨な感じのチェルノ・アルファが一番好き)、デル・トロ監督が好きなクトゥルフ神話の神々を思わせるヌメっとした異形のカイジュウの造形も素晴らしい。そんな魅力的な姿形の奴らが大都市でバーリ・トゥードのプロレスをしてくれるのだ!こんなに楽しいことは無い。 エンドロールの最後で日本怪獣映画界の名匠・本多猪四郎監督に献辞が捧げられていたのも感慨深かったです。日本人として大変嬉しく光栄に思いました。折角、海外のオタクが日本のロボット・怪獣文化に多大な影響を受けた映画を作ってくれたのだ。日本人なら四の五の言わずに観てくれ!
[映画館(字幕)] 9点(2013-08-09 18:17:47)(良:4票)
8.  アーティスト 《ネタバレ》 
ストーリーは「雨に唄えば」+「ライムライト」といった風で、トーキーの時代へと移り変わる中でサイレントに拘り続ける主人公の苦悩を中心に進みます。なのでどこかで聞いたようなストーリーであり悪く言えばベタな展開とも取れるでしょう。しかしこの映画の中でやっていることは非常にチャレンジングな精神に富んでいるとも思えました。スターダムを登るヒロインのペピーはレストランでインタビュアーにこう言います、「観客もサイレントの大仰な演技に飽きたんだでしょ」と。実際にサイレント映画では俳優の声は入りませんので、俳優の演技の優劣は如何に感情を身振り手振りや表情で表せるかという所にあります(勿論例外は多々ありますが)。しかし時代がトーキーへと移り変わると、最初は観客が求めた筈の俳優の声が逆にワザとらしいものに感じられ、表情の機微・佇まい・どれだけキャラクターへ自身を投影しているかが演技の優劣になっていきます。所謂スタニスラフスキー理論の登場ですね。しかしそれも近年になり食傷気味になりつつある。メソッド演技が一般化してしまったからです。そんな現代にこの映画はサイレントを持ってきました。サイレントだから役者は声が出せません。しかし主演の二人の表情は大仰ながら非常にウィットに富んでいて観客を楽しませてくれます。ジョージのウインクやペピーの投げキッスなどはその最たるもの。しかしこのサイレントは何も30年代以前に作られた訳では無く、21世紀に作られているのです。だから現代的な演技も多々ある。例えばプロデュースした映画に客が不入りでジョージが映画館入口で佇んでいるシーン、じっとスクリーンを見つめますがそこからは彼の芸術家としての苦悩と挫折が感じられる。昔のサイレント映画でしたら大きな溜息の一つでもつかせて演出するでしょう。落ちぶれ街を彷徨うジョージを車の中から見つめるペピーも同様です。昔なら目線を逸らし口を塞ぐ位しそうなものです。でもペピーは薄らと目に涙を浮かべるだけです。このようにサイレント映画絶頂期ではあり得なかった、役者が身振り手振りでも無く声を出すでも無くキャラクターの感情をサイレント映画内で表現する。そこがこの映画の凄い点だと思いました。現代に作られたサイレント映画だから成し得た演出だからです。
[映画館(字幕)] 8点(2012-04-29 18:33:44)(良:4票)
9.  ガッチャマン 《ネタバレ》 
観終わった感想は「ひっでぇな、コレ」という感じでした。完全にブッ壊れてる映画ならネタにもなりますが、変に真面目振ってる所があるから、余計に救い様がない。 まあ監督がブッチャケ親の七光りの佐藤東弥、脚本が『二十世紀少年』三部作の渡辺雄介ですから(どちらもテレビドラマご出身の方です……)、碌な映画では無いだろうと思ってはいたのですが、想像以上でした。 私はガッチャマンに関しては何の思い入れも知識もなくて、珠に朝の「おはよう忍者隊ガッチャマン」を見てキャラの名前を知っている位のモンですが、映画が作られたコンセプトは分かります。スーツのデザインからして「ああ、日本版ダークナイトをやりたいのね」というのは丸分かりで、主人公が何が正義なのか悩む点も似ています。でも最後の結論が真逆なのでチャンチャラ可笑しいですが。最後に「俺たちは助けたいから助ける、やりたい様に(自由に)やる」って、それベルク・カッツェの主張と同じやん! 個人的には全編を支配しているご都合主義的展開、ディテールの甘さ、演出力の欠如、お世辞にも上手いとは言えない役者の演技等、笑える点が多かったので、バカ映画としては結構楽しめました。期待値が元からゼロだったのが良かったのかも知れません。 特に酷かったのが下らないテレビ屋的な、音楽が盛り上がれば観客の感情も上がるだろうと思っているであろう浅薄な演出で、物語の序盤でパーティー会場に潜入する(そもそも国際的な機関なんだからパスくらいあるだろ)場面で、指紋と人相が一致するかどうかでサスペンスを盛り上げようと思っているのでしょうが、音楽のボリュームを上げて緊張感を出そうとしているだけでコントみたいです。私は笑いました。その後にパーティーの参加者が全員マスクを着けてる衣装の理由も無いよなぁ。『ダークナイト ライジング』オマージュ?衣装と言えば適合者の子供たちが無駄にダボダボの服着せられてましたけど、何ですかコレ?『スター・ウォーズ』のパダワンのつもり?だっせえセンス。ちょっと考えるとこんなツッコミどころが無限に出てきそうなので止めときます。 それから剛力彩芽演じるジュンのキャラがマジで怖かったです。健に対して好き好きオーラ全開の上、甚平と竜もそれを囃し立てる。完全に外堀埋められてるし!こんなに働きにくい職場ってないぞ!
[映画館(邦画)] 3点(2013-08-26 00:23:54)(笑:2票) (良:1票)
10.  劇場版 ATARU‐THE FIRST LOVE & THE LAST KILL‐ 《ネタバレ》 
ドラマ版は未見です。辻褄が合わない脚本と、浅薄な演出、笑いを取るための出演者の変顔&ダジャレ、画面に合わないCG、何度も繰り返されるスローモーション&無音、等々……私が嫌いな映画の要素が悉く入っていて、遣りきれない気分でした。 それなら単に出来の悪い映画だなで終わるのですが、許せなかったのは主人公アタルの描き方です。犯人のマドカはアタルに「汚い大人にバツを与えよう」とアタルを誘いますが、これは彼ら知能に障がいがある人を純粋で天使のような者と扱っていることに他なりません。それはアタルが容疑者と断定された時に舞子が「アタル君は犯罪なんて犯しません!」と言っていることでも明らかです。つまり彼ら知的障がい者を一人前の人間としてこの映画は扱っていない。非常に差別的なシナリオだったと思います。倫理的に許容しかねます。同じように知能が健常者に比べ低い人を天使として扱った作品としては『フォレスト・ガンプ』がありますが、それに通じる不快なモノがありました。
[映画館(邦画)] 1点(2013-09-16 09:20:17)(良:3票)
11.  ジャンゴ 繋がれざる者 《ネタバレ》 
純然なブラックスプロイテーションだったと思います。近年は暴力的でありながら、真剣に「暴力や復讐は何も生まないんだ、云々~」と説く映画が多いですが、「そんなもん知るか!悪い奴らはブッ殺せ!」という、ある種陽気な暴力シーンは見ていてスカッとします。これぞブラックスプロイテーション。 しかし終盤まで主人公のジャンゴとシュルツは法に背いた殺しはしません。シュルツはいつも自分は法の下に賞金稼ぎとして人を殺めていることを強調し、ジャンゴは子どもを持つ賞金首を殺すことにためらいを感じたりもしています。 だがシュルツは極悪人キャンディを射殺してしまいます。キャンディは法的には別に犯罪者では無いにも関わらず。ではなぜあれほど法を重んじていたシュルツはキャンディを殺したか。 シュルツはキャンディの義姉(もちろんレイシスト)がベートーベンの『エリーゼのために』をハープで弾くのを聞いて、「ベートーベンはやめてくれ!」といつも冷静な彼とは思えない程に狼狽します。それはドイツ人の彼が自国の最高の作曲家を差別主義者に演奏されるのが耐えられなかったのだと思います。その後、キャンディの書斎で大デュマの『三銃士』を見つけるところも同様。大デュマは「正義」を常に作品に込めた作家でしたから、「なんでこいつはデュマの作品が好きなのにこんな非道いことができるんだ?」と愕然としたのでしょう。私も全く同感で、「もうこいつらブチ殺すしかねーよ!」とフラストレーションが極まった所で、大銃撃戦となり、白人どもを皆殺しにしてくれるので爽快感は半端じゃなかったです。この戦闘シーンに至るまでの会話劇は本当に素晴らしかった。アカデミー脚本賞も納得の出来だったと思います。 それからタランティーノの映画にはいつも言えることですが、画面がカッコいい!広漠な大地とそこに佇むガンマン・ジャンゴというだけで本当にサマになる。往年のマカロニ・ウエスタンの何よりもカッコよさを優先する画作りにはシビれました。「助けに来たぜ、ベイビー」なんてついつい笑っちゃいますけど、超カッコよかった。
[映画館(字幕)] 9点(2013-03-23 09:31:15)(良:3票)
12.  小悪魔はなぜモテる?! 《ネタバレ》 
劇中でも何度も言及されていますが、本作のモチーフはアメリカの小説家ナサニエル・ホーソーンの名作『緋文字』です。ホーソーン自身は魔女狩りが起こったことで悪名高いセイラムの出身であり、『緋文字』には彼が抱えていたピューリタニズムへの批判がありありと見て取れるのです。 だから本作を理解するには根底にキリスト教の存在が色濃くあることに気付かなくてはいけません。そうでなくてはラブコメとしては凡庸であるし、イジメを描いた物語としては悲劇性はそれほど強くないし、青春映画としてもそれ程傑出した内容と言わざるを得ないでしょう。 姦通は果たして罪であるかどうか?噂が伝播しそれを糾弾する生徒たち。その根っ子にいるエヴァンジェリストたち。彼らたちが神を賛美する歌を歌いながら燥いだり、悪魔のマスコットを排他すべき対象としていることは何も冗談ではありません。アメリカには実際にああいう人たちがいます。ゲイの男の子が苛められているというのもここに真の理由がある。劇中で生徒会長の一派が「我々がどれだけ祈りを捧げても、ゲイやアバズレは罪を重ねるのよ」と言っているのですから。結構軽い学園コメディにこういう要素を入れるセンスには脱帽です。 演出面では、コメディとしてもパーティーでヤッてる振りをする場面を筆頭に中々楽しかったです。終盤に出てくるミスリードにもまんまと私は嵌ってしまって上手いなあと思いました。 個人的にちょっと残念なのは、エマ・ストーンがとっても可愛いとはいえ、矢張りファーストカットの時点でとても地味子に見えないことです。この映画は矢鱈と『ブレックファスト・クラブ』にオマージュを捧げているシーンが多いと思ったのですが、それなら同作で地味子を演じたアリー・シーディ位のビジュアルで登場してから、変身して欲しかったですね。まあエマ・ストーンは魅力的に映っているし別に良いと言えば良いのですが。ちょっと気になりました。 ああ、言うまでもないですが邦題のセンスは0点。別に小悪魔でもなければ、モテている訳でもない。
[DVD(字幕)] 7点(2014-09-21 22:59:03)(良:3票)
13.  悪の教典 《ネタバレ》 
まず言及したいのがヤッパリ伊藤英明の怪演ですね。どう見ても善人にしか見えない外見を活かした見事なキャスティング、鑑賞後は蓮実役は彼以外に考えられないとまで思いました。三池監督は「十三人の刺客」でも稲垣吾郎に極悪人をやらせたりして観客の度肝を抜きましたが、今回も上手かった。この映画の主人公のキャラクターは共感性が欠落しているという演技が出来なければ成り立ちませんが、生徒が命乞いしても首を傾げて「なに不合理なこと言ってんの?殺さない理由がないだろ」って感じの顔はそれを説明するには十分過ぎる演技だったと思います。 またホラー描写も素晴らしいと思います。先生を信じて屋上前の階段で待っていた生徒を次々に射殺していく場面では、射殺される女子生徒は直接見せず、画面奥で銃声と共に飛び散る血飛沫で殺戮を表現したり、直接見せている場面よりずっと怖い。しかも主人公は"モリタート"を楽しげに口ずさんでいるというおまけ付き。歌を口ずさみながらの残酷描写ってのは『時計じかけのオレンジ』のアレックス以降お馴染みですが、不変しないホラー表現だと思います。 それから脚本もスマートでした。原作の『悪の教典』は「え?あれだけ色々描写されてた生徒が一瞬で殺されちゃうの?」という意外性が面白いのですが、映画化するにあたっては同僚教師や生徒の描写は基本的にカット。原作では釣井先生も蓮実と同様に結構人を殺してる人間なのですが、そういうエピソードは丸ごと切り、蓮実の話だけにしたのも良かったと思います。 ただご丁寧にAEDの録音機能について説明したり、清田梨奈の家の周りにありえないほどペットボトルを並べたりするのは説明過多なんじゃないかなと思います。観客はちゃんと勝手に考えて描写を補完するし、あれだけこれみよがしに見せられると観客をバカと思ってるのかなって気がしてしまいます。
[映画館(邦画)] 8点(2012-11-12 23:43:36)(良:3票)
14.  ヒックとドラゴン(2010) 《ネタバレ》 
素晴らしかった。人間とドラゴンの対立から和解へをスマートに描き切っています。何事も相手を打倒する事では無く、相手を知る事から始めるべきだという明確なメッセージは、人類の歴史に於ける普遍的なテーマです。だからこそ子ども向け映画でも真面目に感動できました。ただ私の様な少し穿った見方をする人間は、明らかに知的生命体であるドラゴンをペット呼ばわりする展開に若干の偽善的な部分を感じるかもしれません。ただ子ども向け映画ですし、そこまで目くじらを立てる必要も無いかな……と考えを改めました。映画的にも優れていて、第一にストーリーがとても基本に忠実な事。ダメでヘナヘナの主人公が、冒険を経て一人前のバイキングとなり父親を超える。これだけ単純なストーリーだから子どもも理解し易いでしょう。第二にキャラクターの表情やトゥースに乗っての飛翔シーン等、アニメーションの快楽に溢れていること。特に主人公ヒックの表情が非常に豊かで驚きました。また主人公と対照的に男勝りなアスティの不機嫌そうな表情がイチイチ可愛い。役者でも中々あれだけの表情の変化は出来ないでしょう。昨今のアニメーション技術は本当に凄い。第三に脚本の妙と言いますか、ドラゴンのクセや特徴を丁寧に最後のバトルで回収しているスマートさ。ですから、あれだけ強大な敵を倒せたことにも十分納得できる。そして最後にヒックが片足を失ってしまうというラスト。私はたとえ子ども向け映画でも、大変な困難に立ち向かったにも関わらず、何も失わずにハッピー幸せに暮らしましたっていう展開が大嫌いなので、この展開には心底感動しました。総括して素晴らしい出来の映画であることには、否定の余地が無いと思いました。是非とも劇場で鑑賞したかった。
[DVD(字幕)] 8点(2011-07-10 18:25:08)(良:3票)
15.  アメイジング・スパイダーマン 《ネタバレ》 
リブート物の一作目としてはこの位が妥当だったと思います。しかし裏を返せば予想を上回る面白さは無かったように感じました。アメコミの映画化は1作目ではキャラクター紹介に終始してしまうことは常であり、続編でキャラクター毎の悩みや葛藤を描き傑作になるパターンが多いので(ノーラン版バットマンやライミ版スパイダーマンみたく)、続編で愛する人を巻き込むのか、実生活とヒーロー活動との折り合いをどうするのか等、スパイダーマンではお馴染みの悩みを出していってほしいところです。ただピーターがグウェンの父親に「娘にはもう近づくな」と言われておきながら(しかも遺言!)、最後にちゃっかり約束破る気満々なのには笑ってしまいました。高校生だからサカッてるのは分かるがもう少し自重しろ、オメー。ただ3Dに関しては良かったと思います。近年に良くある「これ3Dにした意味ある?」というものでは無く、スパイダーマンのウェブによるハングを疑似体験させるというハッキリとした理由がありますね。しかしキャストに関してはどうだろう。ライミ版ではピーター役のトビー・マグワイアが童顔なこともあってか高校生でも納得だったのですが、今回はピーターもグウェンもどう見ても高校生って歳じゃねーだろ、コスプレだろと思ってしまいました。まあグウェン役のエマ・ストーンもインタビューで「きっと老けた顔の高校生ばかりの学校なのよ」と自嘲気味に話してましたが。続編になると数年のインターバルはあるだろうし、より容姿的に高校生は演じにくくなるんじゃないかなと少し心配です。ソニーは学園生活のスパイダーマンを作る為にリブートしたらしいので、続編も高校生として登場するんでしょうが。なんせほぼ毎年作成されていたハリポタでさえ、最終章ではオッサンが杖を振り回しているとしか思えませんでしたからね。とにかく続編に期待。
[映画館(字幕)] 7点(2012-06-30 22:24:37)(笑:1票) (良:2票)
16.  アウトレイジ ビヨンド 《ネタバレ》 
結論から言うと前作の面白味は失っていると思います。つまり過剰な暴力描写や誰が死ぬか分からない緊張感は確実に減っています。このシリーズのキャッチコピーである"全員悪人"は今作でも同じなのですが、ストーリー上どうしても大友と木村が主人公だと言わざるを得ません。つまり彼らが終盤まで生き残るのは観ていてなんとなく想像がついてしまう。それに話しが前作の様な巨大暴力団の一下部組織である大友組の話ではなく、山王会のトップと花菱会のトップとの対立の話となっているため銃のドンパチが基本的な殺し方なので、あの手この手の暴力描写を見せてくれた前作に比べ面白みに乏しい。それでもこの映画を高く評価したいのは、まず監督がインタビュー等で話している通り前作よりもエンターテイメントに寄ったこと。ヤクザ映画の2作目で組織がビジネスライクになるに従って信用を失っていく展開は「ゴッドファーザー」シリーズに通じるし実に観客が喜ぶ様なヤクザ映画のお約束をしてくれていると考えて良い。しかも前作の様な誰が生き残るかサッパリ予想が付かないことも無いのでハッキリ言って気楽に観れます。よって観客の間口は前作よりかなり広がったのではないでしょうか。確かに前作を超えているとは全く思えないし、多分映画史に残る類の作品では無いでしょう。しかし"純愛"だとか"○万人が涙した"とか"大ヒット○○の映画化"とか宣伝打っている映画がメジャーで、逆に暴力的な映画がオミットされている邦画界において暴力映画が再び勢いを取り戻してほしい希望を込めて高評価としました。こんな役目、今の日本じゃ間違いなく北野武しか出来ないし。
[映画館(邦画)] 8点(2012-10-07 23:21:46)(良:3票)
17.  バイオハザードII アポカリプス 《ネタバレ》 
ジル・バレンタインが可愛かったです。他は前作とほとんど変わらないような内容でした。アリスはどんどん強さが化け物じみていきますね。アンブレラ社はまずアリスを始末した方がいいんではないでしょうか。
[映画館(字幕)] 5点(2008-08-09 11:18:35)(笑:3票)
18.  ブラック・スワン 《ネタバレ》 
映画を観終わり率直に思ったのは、ダーレン・アロノフスキーが更なる高みに登ったということです。ダーレン・アロノフスキーは今まで醜いこと(ドラッグ)や、凄惨なこと(プロレスリング)を「レクイエム・フォー・ドリーム」や「レスラー」で恐ろしくリアルに描いてきた監督です。そして今回の題材はなんとバレエ。この世界で最も美しさを追求した芸術の一つを、あのアロノフスキーが描くとどうなってしまうのかと期待していましたが、凄かったですねー。常に曇り空で不安を掻き立てるNYの街並み、バレリーナ達の美しいのですが異常ともいえる爪先を始めとする肉体、妖艶という言葉がピッタリと合う黒鳥(ブラック・スワン)のダンス。美しさの裏に存在する醜さ、歪さをガンガン見せつけられた気がしました。それからバレエの演出も上手いなあと感心しました。所詮、女優が数ヶ月練習したところで、本物のバレリーナさながらに踊れる訳はありません。実際のバレリーナはそれこそこの映画で描かれている程、血ヘド吐くほど毎日努力しているのですから。この映画ではニナが踊るシーンでは基本的に足元は映さないカットを多用しており、この演出は英断だなと思いました。勿論、言うまでも無くナタリー・ポートマンの演技は素晴らしいものでした。あれだけの演技、体の張り方でアカデミー賞獲れないって方が無理な話です。
[映画館(字幕)] 8点(2011-05-14 22:17:44)(良:3票)
19.  インターステラー 《ネタバレ》 
多次元的な“愛”を描いた作品だと私は解釈しました。それは家族への愛であり、ガイア理論的な地球への愛であり、未来の子孫に対する愛であり、科学を始めとする知的探究への愛でもある。主人公クーパーが地球の現状、人々は農業に従事して地上に縛られ、誰も空を見上げ宇宙へのロマンを語らない、そんな環境に不満を持っているのは明らかですが、それでも彼は人類という種、また家族の未来の為に宇宙へと飛び出す。ブランド教授が度々引用するディラン・トマスの詩「~穏やかな夜に身を委ねるな。怒れ、怒れ、消えゆく光に対して~」という一節は、絶望的な世界であっても未来を希求する主人公を鼓舞している様に思える。 出発当初、主人公は地球への帰りの燃料を考えていた。それは娘・マーフィーとの約束を守るため。でも地球へ帰るということは、彼の未来への前進を止めることに他ならない。最終的にコンピューターTARSと共にクーパーはアメリアを救うことを優先し、地球への帰還を諦めて、ブラックホールに消える。その結果、五次元空間でマーフィーを介してプランAを成功させ人類を救うのだ。TARSが言っていた運動の第三法則、「何かに到達するには何かを置いていかなければならない」という台詞がすべてを物語っている。人類皆が知的探求を止めた世界において、宇宙を見上げ、前進を止めなかったクーパーは遂に人類を救った。つまりこの映画は広義的には前進する愛を描いた物語。前進を止めた時点で人間は滅び、愛も消える。 徹底的にリアリズムに則った撮影技術の凄まじさは誰もが認めるところでしょう。本物で撮影できるものは全て本物で撮る。実物大の宇宙船内部を作り、精巧なミニチュアのロケットを動かし、水に役者を放り込み、極寒の大地で撮影する。CGを駆使して宇宙空間を作り上げた『ゼロ・グラビティ』とは全く異なるリアリティの追求でした。
[映画館(字幕)] 8点(2014-12-01 00:11:01)(良:3票)
20.  ボス その男シヴァージ 《ネタバレ》 
したまちコメディ映画祭で鑑賞。10点、いや100点です!映画祭での上映という事もあり、「マサラシステム」なる方式で鑑賞したのですが、これが映画の内容もあって超楽しかった!主演のラジニカーントが決めポース取っただけで万雷の拍手が鳴り、歓声が沸き起こり、クラッカーが鳴り響く。ダンスシーンではラジニ様と一緒に踊っているヤツまでいる始末。こんな状態が3時間ノンストップで繰り広げられるのですから、映画中テンションは常にMAX!本来ならインド映画のご多分に漏れず穴だらけの脚本に文句の一つも言うのですが、そんな些細な瑕疵にこだわるのがバカバカしくなるほど楽しい映画体験でした。私は伝説的なインド映画『ムトゥ 踊るマハラジャ』を公開当時に観ていない世代なので、インド映画の本当に楽しさをまだ知らなかった!インド映画のお約束は、長い!しつこい!踊りが多い!ですが、登場人物と一緒に騒ぐと本当に楽しいんです。ビール片手に大声出しながら観るには史上最高の映画です。……まあ普通の上映ではそんなことしたら即刻退場になりますが。全国に広がらないかな、インド映画のマサラシステム上映。
[映画館(字幕)] 10点(2012-12-01 18:03:35)(良:3票)

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