1. 火垂るの墓(1988)
批判する人は大抵清太の行動に対してなんだけど、私は解るなあ。愚かとは思うけど、ああするのが彼なりの自尊心だったんだろうし、14歳はやはり子供だもの。清太に決して特別なところはなく、ごく普通の少年。いや軍人の家に育っただけに、無駄な誇りもあるような。もっと賢ければ確かに節子を(そして自分も)死なすことはなかっただろう、でもあの境遇に置かれて、ちょっとばかり誇り高く育っちゃった14歳にそういう「正しい」判断が出来るものだろうか。例えばオバサンをもっと虐待でもしていたように描いて観客を強引に説得しちゃうようなことはせず、清太の愚かさも描くことで、現実味が増したと思う。彼の愚かさが戦争のせいだとは言わない、でも戦争がなかったら、命を落とさなければ、こういう「無駄に自尊心がやや強」かったり「それ故愚かなところがある」少年でも、良い意味での妥協も学習しながらやがては成人し、普通の大人になっていたと思えるのだ。 あとはやはり、なんといっても節子。幼い少女の無垢さ、それが衰弱していく様子、これを緻密に描くだけで充分反戦映画になり得るわけだけど、幼いなりに母の死を理解していて、これを語りながら蛍を埋葬する場面など、涙を禁じえなかった。声優を子供にやらせたそうだが、本当に声だけで泣けてくる。あの関西弁は反則級だ。○クマのドロップ缶がトラウマになってしまった・・・まじで・・・。 この作品は、どんなに注文をつけたところで、観る者に反戦のメッセージを確実に伝える。内容は満点だが、少年の魂に語らせる演出があまりいいと思わなかったので-1 [地上波(邦画)] 9点(2009-01-21 13:33:09)(良:5票) |
2. ディープ・ブルー(1999)
《ネタバレ》 アルツハイマー治療薬の実験動物が何でサメやねん、という根本的なツッコミはありますが、相当面白かったです。サメの獰猛さはかなりのもので、怖い怖い。まあ、知能を持ったサメという設定はあんまり生きてないんだけど。あの棟みたいなところを登っていくシーンの緊迫感は最高。下から迫り来る水、その水面を旋回するサメの背びれ、上から落ちてくる火の粉、中間の抜け道に全てを託すも途中で折れてしまう梯子。すごくハラハラしました。ストーリーも、生き残るのはカーターとヒロインで、最後にカッコよく死ぬのがサミュエルだろうなあ、という定番なあたりをつけたら見事に裏切ってくれました。でもよく考えたら一番感情移入できる2人が生き残るわけで、中々よく出来ています。食い殺された中で、インコが一番かわいそうだった位だから(汗)。まあ、ヒロインは逃がしてしまった1匹分を既に勇敢に戦って感電死させていたので、あそこまでしなくてもとも思いましたが、考えてみたらあのサメたちの創造主ですもんね。…ところで私、ジョーズが6点どまりなんですよ、最後に決定的な張りぼてを見せてしまったことで。張りぼてって言うと怒るファンが多いんだけど、全体像を見せなくてもちゃんと絶妙な恐怖演出が出来ていたのに、最後の最後になんで張りぼてを見せちゃうんだろ…と子供心にも思ったから。やっぱり全体像を見せるならこの位の技術はないとね。ジョーズが優れた映画であることは確かであり、こういう「後発品」にあちらよりいい点つけるのを非常に後ろめたく感じつつ、7点献上。 [映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2009-05-27 13:35:34)(笑:1票) (良:2票) |
3. ユナイテッド93
公開時は、「アメリカのプロパガンダになってるだろう」と思ったのと、世紀の大事件を映画化するにはあまりに時期尚早な印象で、観る気はしなかった。今般、アメリカも「テロとの戦い」を大義名分に好き勝手したツケがようやくまわって国民意識も変化し、政権も交代し、また他国にそうそうちょっかい出す余裕も無い経済危機に直面している。なので、自分でも今は「公平」な目で鑑賞できるのではと思って観ることにした。そしてなんともリアリティがあるのに驚いた。これは手技のことを言ってるのではない。いや、むしろ映画として、リアリティを追求するが故ハンドカメラを多用しすぎるのはいただけず(酔う)、特に管制塔や軍など地上のシーンでの手ぶれはまったく不要で、これは難なくらいだ。私が驚いたのは、「人間」の描き方のリアリティの方。映画は私などよりはるかに「公平な」目で描かれていたのだ。乗客を英雄に仕立てても、ハイジャッカーを悪魔のように描いてもいなかった。ハイジャッカーたちの惑い、焦り、祈りながら自らの使命を遂げようとする様は、していることは許すまじきテロでも、あくまで人間くさく、「狂信にとりつかれた鬼」には見えなかった。そして、乗客。“ただのハイジャックでない、どこかに降りて人質を順次解放ということはない、彼らは我々と共に死ぬ前提で乗り込んでいる”…それを知り、何もしなくて死ぬなら何かやってやれ、可能性はある、極限状況の中でそう判断した乗客も、まさに窮鼠猫を噛むといった緊迫感で、英雄的に描かれているわけではなかった。(彼らをワシントンを救った英雄に祭り上げ、乗客の言った“let’s roll”を「テロとの戦い」のスローガンに持ち上げてイラクに乗り込んだブッシュは犯罪者だと思う。こんな風に利用されていいはずがない。)「人間」をリアルに描こうと試みた監督の気迫が伝わってくる。フィクションが含まれていることは解っているが、私は犠牲者への追悼を強く感じ、どうしてこのような事件が起きなくてはならなかったかを、深く考えさせられた。 [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-03-14 18:38:21)(良:3票) |
4. 幸福の黄色いハンカチ
《ネタバレ》 いや~武田鉄也と桃井かおりね、この頃まだ若いのに既に濃い、濃すぎる。がこの配役を考えた人もまたすごい。思えば、ここに「ちょっと生きるのが不器用程度の基本的には爽やかな若者」を配しても名画にはなっただろう。しかし、印象度という点でこの配役は成功してると思う。健さんとのバランスもなんだか絶妙なのだ。この3人の珍道中、とつとつと明かされる男の過去。これがしみじみいいんだなあ。日本の良さを生かしたロード・ムービーだ。そしてクライマックス、はためく無数の黄色いハンカチを見た時はトリハダもんだった。こんな盛り上げ方をしながら、だだっと駆け寄ってガシッと抱き合うようなハリウッドなことはせず、ただ静かに歩み寄る。じーん。日本っていいなあ、と思える作品。 [地上波(邦画)] 7点(2009-03-07 13:39:04)(良:2票) |
5. アメリカン・ビューティー
《ネタバレ》 「アカデミー5部門受賞」に釣られて観たけど、期待しすぎたな・・・。テーマがよく解りません。家族の崩壊?最期に本当の美に気付いた男のドラマ?役者さんたちは皆それぞれにいい演技してるみたいなんだけど、どのキャラにも入り込めなかったせいか、どうもピンとこない。離婚率が半分を超えるアメリカで、まああってもおかしくない話、という程度で、私には良さが解らなかったなあ。終盤のガレージのシーンなんか訳わからんぞ。あの隣の軍人をゲイにする必要があるのか?そして、何で息子をおもちゃにした(勘違いだけど)主人公にゲイを仕掛けるのか??あんな拒否られるシーンなくても、よくも俺の息子に~このやろ~ドキュン、でいいじゃん。あと、どうでもいいけど、ピーター・ギャラガーってこんな役ばっかりふられてない?なんか気の毒。風に舞うビニール袋のシーンは確かに印象に残りましたが。 [DVD(字幕なし「原語」)] 4点(2009-04-24 13:13:04)(笑:1票) (良:1票) |
6. デス・プルーフ in グラインドハウス
《ネタバレ》 長い長い女の与太話を我慢すると、カーアクションが見れるというご褒美をもらえる、という映画みたいです。これが×2回ね。 これだけ評価が高いってことは、延々続く与太話に耐えられる人、ご褒美を堪能できる人が多いのでしょうねえ。。。私はだめでした。ご褒美はそこそこ面白くはありますが、代償となるあの与太話の長さとつまんなさには引き合わないなあ。ごめんなさい。 [DVD(字幕なし「原語」)] 4点(2009-08-17 16:12:30)(良:2票) |
7. ファイナル・デッドコースター
皆、飽きちゃってるねえww。でもこれって「約束された面白さ」だよな、と思う。4も出るとか聞くが、また観てしまうんだろうな。本作の死に様の中で日焼けサロンはかなりキましたね、あーこわ。・・・あれ、そういえば検視(?)していたあの黒人は何で出ていないんだ!あいつが死神なのに(笑)! [DVD(字幕なし「原語」)] 5点(2009-01-09 13:41:14)(笑:1票) (良:1票) |
8. パンズ・ラビリンス
ダークファンタジーになるのだろうが、今までに観たことのない種類の映画だった。スペイン内戦を背景に、不幸な少女の幻想世界が描かれる。過酷な現実に苦しむ子供が空想の世界に遊ぶのは現実でもよくある話だが、空想の世界も辛い試練に満ちていて、明るいおとぎの国が現れるのは今際の時のみ。なんかやりきれない話だ。しかし、少女の“現実”が痛々しいほど、彼女の切ない希望が叶えられるのだろうかと、ついつい見入ってしまう。全体的に暗くて残酷な描写も多いのだが無駄がなく、空想世界のクリーチャー(妖精やバン、魔法の根、大ガエルや手に目の妖怪)も不気味だが独創的。彼女にとっての過酷な現実を「戦争」より、それを象徴しているような身近な「継父」に集約させてるのもわかりやすかった。また現実世界で彼女の身近にいる2人の大人の女-弱い母と強いメルセデスの対比がよい。赤ん坊の弟を連れていきながら渡さなかった、少女の強い優しさには胸が詰まった。それこそが最後の試練で、彼女はそれをクリアしたのだとするラストは、ハッピーエンドと思いたい。“ファンタジー”で泣いたのは初めて。子供主役の映画としては重く切なすぎるが、秀作だと思う。 [DVD(字幕)] 9点(2009-01-15 13:09:27)(良:2票) |
9. 13ゴースト(2001)
あまり怖くないとか聞いたので、そっちの期待はあまりしてなかったのに、怖いじゃんよ!特にあの頭に檻つけたオバサン幽霊。すんごい速さで追って来るしさ。私なら見えない方がいいな、理不尽にぼこぼこにされて殺されちゃうことになるけど、怖くないから。なんて、結構映画に入り込んで観てしまった。眼鏡をつけると見えるとか、ガラスの家が耳無し芳一状態という設定はとても面白く、個性に富んだ12の幽霊もナイス。CG使わなくてメイクでもこれだけ面白い造形が出来ますよ、ってなお手本ですね。もっとそれぞれの幽霊のプロフィールを掘り下げて欲しい感じ。と思ったらDVD特典であるのか。見てみたいなあ。ストーリーはやや設定負けしてる感もあるが、死んだと思ったおっちゃんが黒幕よろしく出てくるあたり、中々感心した。最後はちょっとベタな家族愛で締めてるが、無難なところだろう。 [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-01-20 13:47:50)(良:1票) |
10. ターミネーター2
始めストーリーの概要「前作で敵役だったT-800シュワちゃんが少年となったジョン・コナーを守る」を知った時、ええ?変じゃん?前みたいに人間送れよ、T-800って元々敵側のロボットだろ、シュワをクローズアップしたいがために作った設定なんだろうけど、無理がある!と非常に厳しい先入観を抱いた(笑)。この設定については、続編として考えるとやはり無理はあると今でも思うのだけど、それをあまり気にさせない程、ストーリー運びはよく出来ていた。そして、感情のようなものを獲得していくシュワちゃん、やさぐれになり切れない少年らしい繊細さがよく出ていたファーロン、意志の塊のようなハミルトン、そして無表情な殺戮マシーンが本当に板についていたパトリック、主要登場人物の演技が実にしっかりと役にはまっていたので、これだけの作品になったのだと思う。ラストには素直に泣かされた。あれだけネガティブな先入観を持って観たのに、脱帽。 [地上波(吹替)] 8点(2009-01-08 16:06:35)(良:1票) |
11. デッドコースター
《ネタバレ》 1作目は後半のみ鑑賞した状態でこの2作目を鑑賞。アイデア的にはオーメンのことを考えれば、目新しいとか斬新とかは言えないのだけれど、予知夢を迫力でみせ、その後の不慮の死をバリエーションとグロさで見せるというのは中々面白い。3作目と違い本作は1作目からの関連を描いている。引きこもっていたアリ・ラーターが、後に協力を買って出る展開。のわりに、謎解きはイマイチなんだが、妊婦さんのミス・リードとかはいいですね。3作目のレビューを見ると皆そろそろ飽きちゃってるみたいだが(笑)、ホラー好きは押さえておきたいシリーズ。 [CS・衛星(字幕なし「原語」)] 6点(2009-01-09 13:38:59)(良:1票) |
12. ファインディング・ニモ
本サイトに限らず、よく「子供向け作品」を「いかにも子供向き」として評価を下げているのを見るが、子供向け作品は子供向け作品として評価するべきじゃないだろうか?つまり「子供向け」を「子供だまし」と勘違いしているような作品は評価が下げられて然るべきだし、子供向けに真面目に高いクオリティを目指している作品は高く評価されるべきである。 私は「大人の鑑賞にも堪える」ことを妙に意図したがため、「あざとく」なってしまっている子供向け作品はかえって好きでない(実は最近のディズニーはこの傾向強いんだけど)。私は子供と観ているので、特にそう思う。ま、こう偉そうに言っても、やはり自分も出来れば楽しみたいし、リトル・マーメードやシャーロットのおくりものなどは子供にはいいと思っても、自分が子供の頃馴染んだ原作とのギャップに評価を下げちゃったりしてるんだけどねw。 で、本作は、間違いなく、子供向けの良作である。かわいい頑張り屋さんのニモを主役に、必死なパパやほのぼのお惚けのドリーなどキャラ立ちもしっかりしており、子供の喜ぶアドベンチャー要素がふんだんに盛込まれている。3Dアニメの技術は高く動きも軽快、画面もカラフルで子供の目を惹きつける。多様な海の生物が現実に即して描かれてるので、子供が「魚の図鑑」なんかで調べだしたり、与える影響もいい。ということで、“子供っぽい”ことで何ら評価を落とすものではないと思う。子供向けなんだもの。私は逆に「子供向けにしては贅沢な技術が使われてるなあ~」なんて感心した。 [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-02-06 13:23:50)(良:1票) |
13. プレステージ(2006)
映画を観る時は「出来るだけ予備知識なしで」を信条にしているけど、「ジャンル」は押さえとかなくてはならないことを痛感。 途中までは正統派のライバルドラマで、私は結構、こういうの好きなのである。 最初に一方がパフォーマンス中に命を落とし、もう一方に嫌疑がかかるところから始まって時間を遡る。普通に「これは2人の確執がそこに至るまでのドラマを見せ、最後にマジックのネタバレをして本当に彼が殺したのかを見せるんだろう。」と思う。 まあ、その想像は一応、当たってはいるんだけど…テスラとか出てきてありゃりゃな展開に面食らってしまった。流石のケイン、陰険そうなベイル、悪くないんだけどねぇ。 SFとかファンタジーと思ってみるとそれなりなのか?でもコピーを繰り返すと粗悪品になっちゃうんだぞ(Byマモー in ルパンⅢ世)。 [DVD(字幕なし「原語」)] 5点(2009-06-05 16:50:57)(笑:1票) |
14. あの子を探して
《ネタバレ》 英語映画と現地語映画以外の上映はめったにしない国に住んでますが、中国の中々面白い映画をやっていると聞き観に行きました(英語の字幕ついてました)。いや、良かったですね。まず13の少女に代替教員をやらせること自体驚きですが、それにしたって「写しなさい!(ぶすっ)」ですからね、お前は金さえもらいりゃいいのか、って。もうぶん殴ってやりたくなるような、無愛想で不熱心なヒロインのキャラに釘付になります(笑)。その上、彼女がホエクーを探しにいく動機が「1人も欠けないことを条件にもらえる報奨金」であり、そのために生徒を働かせて旅費を稼いだりと、「おいおいこりゃあなんだ?恵まれない山村でも、ティーンエイジャーは身勝手で生意気なんだぜって映画か?」などと思ってしまいます。でもそれだけにリアリティがあるんですよね。そしてその後、ヒロインの心境は子供らしい不安に転じていくのですが、これが全く無理がありません。子供の撮り方がすごく上手い。行き当たりばったりの行動力で都会に出たものの、ホエクーは見つからない。引き返すことも出来ない。どこにいるの。何でもいいから出てきてよ。そういう泣きそうな気持ちがすごく伝わってくるんです。見つかればいい。目的がホエクーを見つけることそのものになっている。だからTV放映(まあ、TV放映される経緯はいささかご都合主義ですが)での涙には説得力があります。そしてその放映を観たホエクーの表情がまたいい。小さな子が出稼ぎをするというのも深刻ですが、誰かが自分を気にかけてくれている、それを驚いているのがいじらしかったです。この子は愛嬌があって中々かわいいんですが、こういうヒロインと対照的なキャラの見せ方も上手いなあ、と思いました。そして色とりどりのチョークでヒロインの少女と子供たちが好きな字を黒板に書くラスト。少女が初めて見せる笑顔、“先生”らしい表情。あのぶん殴りたくなった少女は(最初の動機が何であれ)、ああやって生徒を探す旅に出て、こうして成長したんだな、と素直に感心できました。しかし急進の中国も田舎じゃまだこんなんなんだな~ってのは驚きでした。そういう事情を見せたことでも、いい映画だと思います。 [映画館(字幕)] 7点(2009-04-23 13:07:57)(良:1票) |
15. 蝋人形の館
《ネタバレ》 B級ホラーの王道をいく映画。ってリメイクなのね。とにかく、ある意味安心して観ていられる。若者のグループが1人また1人・・・というお約束な展開、双子の殺人鬼のありがちなキャラ、適度に痛い目にあわせられる主人公(指ちょんぱとか唇接着とか)。バリス・ヒルトンはラジー賞ね・・・でもこれも、お色気シーンを見せて無残に殺されるという、B級ホラーには欠かせない役所なんだけどなあ。あまりに常道なので、つまらない人にはかなりつまらないかも。でもストーリー的に破綻がないし、クライマックスの溶ける家からの脱出など(火傷はしないんか!と突っ込んでしまうが)中々見所があるし、シャム双生児だった殺人鬼が最期にまた元の状態になるところなどはいいセンスだ。ホラー好きがかる~く観るにはいい映画と思う。 [CS・衛星(字幕なし「原語」)] 5点(2008-12-16 13:07:05)(良:1票) |
16. テキサス・チェーンソー ビギニング
オリジナルのシリーズ、前作とも観ておらず、テキサス・チェンソー関連で初めて鑑賞。物語の時系列的には一番最初の話になるわけだからいいかも・・・なんて思ったのだが、「ビギニング」的なところは最初だけ、しかもレザーフェイスの出生と狂人一家に拾われた、ということだけで、狂人一家がなぜそうなったのかの説明もなし。で迷い込んだ若者グループを一人一人血祭りにあげる、恐らく前作もオリジナルもそうだったろう展開。逆に言えば単品ホラーとして観れるから、初見者にはそれでよかったのだろうけど、他を観てない私でさえこれは肩透かしだった。でもまあ単品とすれば、この系のホラー映画としての完成度は高い方なんじゃないだろうか。最後のお姉ちゃんが生き残るかやられるか、私には見当がつかなかったので、結構手に汗握った。 [DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2009-03-12 13:44:28)(良:1票) |
17. エレファント・マン
名画とされているが、実話ものとして、どうも反感を覚える作品なのである。モデルになったジョセフ・メリック氏について、ウィキからの抜粋になるが、「・・・後の回想によれば興行師には寛大に扱われたといい、実際に自活できるだけの収入も得ることができた。(中略)しかし社会的に見世物小屋を排斥する風潮が強まるとロンドンを離れ、ヨーロッパを廻る興行に身を委ねざるをえなくなる。数か月後には職を失って貯えも取り上げられ、ようやくブリュッセルからロンドンに辿り着いたところを、以前に診察を受けたことのある医師フレデリック・トリーヴスに保護された。」「部屋をあてがうための寄付を募る投書がきっかけで広く同情を得、やがてアレグザンドラ皇太子妃の訪問を受けるなど上流社会である種の名声を得るようになった。」これが実話である。ロンドンでは興行師からいい扱いを受けているし、医師が興行師から“買い取った”訳でもない。上流社会との繋がりは、広がった同情が波及しただけの話。が、これを「彼を見世物にし、迫害するのは、粗野で無教養な民衆。彼を擁護するのは教養豊かで上流階級の医師や貴婦人。」という構図で脚色したのはイヤミそのもの。実話と全く同じにしろとは言わないが、これには不快な意図を感じる。加えて、“キワモノ”をエサに観客を呼び込んだ面は否めない点。実在したメリック氏の容貌を忠実に再現したことも公開当時の大きな話題であった。ならば、見世物小屋の興行師と映画の製作者と一体どこが違うというのだ?容貌の再現はリアリティの追及だ、それでこそ人間の尊厳が描けるのだ、とでも言うのだろうか。どこか欺瞞に感じる。メリック氏の過酷な運命、人生には共鳴するものがあるが、映画の製作者たちの姿勢が好きになれず、素直に感動できなかった作品。 [地上波(吹替)] 4点(2009-01-15 13:12:18)(良:1票) |
18. 永遠に美しく・・・
《ネタバレ》 観る人を選びそうなブラック・コメディだが、私は結構好き。何と言ってもメリル・ストリープやブルース・ウイリスの芸の幅の広さに感心できる作品。最初は取り合いされ、次は利用されと、2人の女性に振り回されるウイリスのあたふたぶりは中々楽しい。死んでは生き返り「修理」される2人の女性の描写は気持ち悪いっちゃ気持ち悪いが、中年女性の若さや美への執着に対する悲哀やアイロニーは見て取れる。ラストはちと難あり、お葬式参列でしめるというのはまずまずだが、最後の最後を単純な悪趣味に落としてしまう(まさにオチます)のはイマイチに思った。 [ビデオ(字幕)] 6点(2009-03-09 13:06:01)(良:1票) |
19. プロジェクトA
私に映画館で映画を観ることの面白さを教えてくれた作品。自らの小遣いで映画館に行き始めた頃は映画鑑賞ってのは、えらい贅沢だった。1本観れば1ヵ月の小遣いの半分はなくなってしまうのだから。洋楽小僧だったので、レコードレンタル(最初の頃はCDじゃなくLPだったのよ)とかカセットテープとかFM誌(これも時代もんだな)とかに小遣いを費やしてた私には、映画は行きにくかった。でもこれを観て、映画は映画館で観てこそ!と思った。映画館に行ってこれほど満足した作品は後にも先にも無いんだけどね。最初から最後まで全く飽きさせることの無い、徹底したエンターテイメント。ジャッキー・チェンの映画ってこんなに面白いんだ!と正直びっくりした。名画と言われる作品はテーマ性の高いものが多いけど、娯楽映画だって面白さの水準がこれだけ高い映画なら名画と言えると思う。私の映画鑑賞史(うーん、オーバーな言い方だが)で非常に大きい意味を持ってる映画という個人的な理由もあるが、計算された作りでエンターテーメントという点において非の付け所がないので満点献上。 [映画館(字幕)] 10点(2009-05-13 13:50:52)(良:1票) |
20. 青い珊瑚礁(1980)
話題作でしたね~。いや~きれいです、海もシールズも。甘っちょろく生活出来てることなんぞを突っ込んではいけません。南国の島の映像美と十代の美しい容貌・肢体、これを堪能出来るだけで充分なんです。アイドル映画ですもん…それに本作、アイドル映画と言ってもそんじょそこらの日本のそれとは比べ物になりません。アイドルの容姿のレベルが格段に高いことも、十代半ばのアイドルがかなりちゃんと脱いでくれることも、金かけられるところも、まったくもって羨ましい限り(ホント、惜しげなく見せてくれた15の少女にラジー賞なんて大人気ないよなあ)。それにトロピカルな映像美のみならず、赤ちゃんの水泳とか、おおっ!頑張ってる!ってシーンもありますしね~。でもストーリーもあまり手を抜きすぎちゃいけません、「島の反対側の部族」とか、引っ張り出したものを中途半端にしたのはNGですな。 [地上波(吹替)] 6点(2009-04-07 13:12:38)(良:1票) |