1. 桐島、部活やめるってよ
《ネタバレ》 原作小説は未読。うーん、これまた評価に困る作品です。スポーツ万能の人気者桐島が部活をやめるという些細な情報をきっかけに、全く関係なさそうな同級生の人間関係までもが変化していく…という映画のキャッチフレーズそのままで、それ以上でも以下でもありません。話の部分部分での微妙な人間関係の変化(作中のセリフにもあった「訳分かんねえ、女子」の友人関係とか)は、高校を遙か昔に卒業した大人でもそれなりに共感出来る部分はあります。この「人間関係の微妙な変化」という要素が単体で楽しめるなら、納得できる作品なのかもしれません。が、この作品の場合、その要素だけがすべてで、それ以外には何も無いというのが問題で…。通常の映画のような「全体を流れるストーリー」というものが全く存在しません。青春群像劇でもなく、盛り上がる事件が起こる訳でも無く、何かが解決することも、恋が実ることも、映画部の自主映画が完成することもなく、肝心の桐島も一切登場しないまま、何気ないシーンで唐突に終了し、「は?」と開いた口がふさがらない人も多いことでしょう。神木君・橋本さん初め若手俳優達の演技は悪くないし、高橋優の主題歌もまあ雰囲気と合っていました。しかし、ある意味潔い「ストーリーの放棄」により、私としては評価を低くせざるを得ません。大甘で4点。 [映画館(邦画)] 4点(2012-08-11 16:05:05)(良:5票) |
2. 超高速!参勤交代
昭和の頃はよく見られたものの最近はめっきり減ってしまった、チャンバラあり、笑いありの痛快娯楽時代劇の系譜を継ぐ作品? 軽演劇にも通ずるこの手の作品に対して、時代劇の作法が口調がどうの、史実がストーリーがどうの言うのは、野暮天というものでして、とにかく笑いの量とラストの爽快感(キレ)がすべてだと思います。ラストの落とし方はまずまずとして、笑いに関しては、少し物足りなかった感じ。クスリとするシーンはそこそこあり、劇場でも場面場面で笑いが起きてはいたものの、欲を言えば『釣りバカ日誌』並のボリュームが欲しかったところ。役者も監督もどこか、時代劇の正統から逸脱することへの躊躇があったのか、笑いに徹し切れていないようにも感じました。そんな中でも、西村雅彦と陣内孝則のハジケっぷりはさすが。ともあれ、あまり難しく考えずに、楽しむ映画でしょう。5点と6点で迷いましたが、こういう娯楽時代劇、もっと増えて欲しいという希望を込めて6点。 [映画館(邦画)] 6点(2014-06-22 14:18:24)(良:2票) |
3. 許されざる者(2013)
《ネタバレ》 とりあえず原作をDVDで復習してから見に行きましたが、びっくりするほどそのまんまという感じでした。かなり忠実に原作を日本にトレースしていますが、その意味で明治10年代の北海道というのは、ベストな選択だと思います(廃刀令に全く触れられてないのは気になりましたが)。手塚治虫好きにとっては同時代・同舞台の「シュマリ」という怪作も思い出しますね(あの作品にも「人斬り十兵衛」というキャラが出ていました)。さて私の場合、そもそもイーストウッドの原作をそんなに名作とは思っていない人間でして、忠実な再現であるがゆえに、ストーリーに関する違和感も、そのまま移植されている気がします。そもそも最初に傷ついた女郎は復讐を望んでいたのか、北大路は何のために出てきたのか…柳楽君の役を半アイヌという設定にしたのは、ちょっと面白いと思いました。ただ全体としては渡辺謙・佐藤浩市・柄本明という役者の実力で引っ張った作品で、話的には「どこまで忠実に再現してるのか」に気が行ってしまいがちなのが、むしろ残念。 [映画館(邦画)] 6点(2013-09-14 20:00:13)(良:2票) |
4. 俺はまだ本気出してないだけ
《ネタバレ》 原作はちらっと試し読みした程度で、ほとんど未読。どうしようもなく情けない四十男・シズオとその娘、および父親を中心とした物語ではあるが、彼ら家族は見かけ上の主人公に過ぎない。シズオ家族にとって、最初から最後まで状況は何一つ変わっておらず、ストーリーは動いているようで全く動いていない。漫画家になりたいと努力はしてみるが、すぐに怠けてしまい、努力が報われずに終わるも、それを決して自分のせいだと認めようとしないシズオと、それに呆れる家族の繰り返しである。しかしこの作品において、シズオはむしろ狂言回しに過ぎず、彼の情けない姿を見せつけられることで、周囲の人間が変わっていくという物語の構造になっている。失敗すれば自分のせいでなく他人のせい、運が無いせいと現実から逃げ続けるシズオのような心性は、決して珍しいタイプではなく、誰でも心の一部に持っている要素でもある。それゆえに、失敗を運のせいにし、何度でも挑戦を続けるシズオの自由な生き方に、誰もが軽蔑しつつも憧れる。友人の宮田も、後輩の市野沢も、編集者の村上も、どうしようもないシズオの生き方に憧れて、自分を変えようと動き出す。しかし同時に誰もが「そうは言っても、シズオのようなダメ人間になってはいけない」と心に誓う。宮田の息子がつぶやいたように「シズオみたいになっちゃ嫌」なのである。だから、シズオの影響で自分の人生を変えようと動いた人たちは、誰一人シズオにそれを感謝することもない。シズオは相変わらず自分探しを続け、失敗を重ね、父と娘から呆れられる。そんな"変わらない"シズオが、自分の知らない間に周囲の人間を変えていく物語。「だから何なんだ」という感想もアリだけど、こういう映画もあっていいかも。堤真一・橋本愛・石橋蓮司の役柄は、結果的にはぴったりはまっていた。いい人過ぎる生瀬勝久、何考えているか分からない山田孝之も、結果的には好キャスティングでした。 [映画館(邦画)] 6点(2013-06-16 15:41:56)(良:2票) |
5. 明烏 あけがらす
《ネタバレ》 まあまあ面白かったんですが…ギャグが少々くどすぎて「ここで笑え」と指示されてるようで、今一入り込みにくかったかも。まあ福田作品らしいといえばらしいか。福田組おなじみのムロツヨシ・佐藤二朗の大量のアドリブを含む仕草は安定の面白さでしたが。ほとんどすべての場面がホストクラブの事務室内だけで展開するため、映画よりも、どちらかといえば舞台演劇向きの話だなぁと思いながら見ていました。突如現れた吉岡里帆が最後に新オーナーとして再登場するのは、容易に想像できて意外性は無いものの、まあシチュエーションコメディのような作品なので、筋に文句をつけても仕方ないかな。初っ端から落語の「芝浜」みたいな話だなぁと思ってたら、サゲのセリフがそのまんまでしたね(そういや新宿末廣亭のすぐ近くのバルト9で見てました)。余談ですが10年前「逆境ナイン」で組んだ羽住・福田両監督が同時期に、同じ役者(菅田将暉)を使って「暗殺教室」「明烏」をそれぞれ公開してるのは、ちょっと面白いと思いました。5.5点と言いたいとこですが、四捨五入で6点。 [映画館(邦画)] 6点(2015-05-16 22:23:58)(良:1票) |
6. GAMBA ガンバと仲間たち
《ネタバレ》 とりあえず昔見た出崎版のTVシリーズの思い出はすべて封印し、完全に別作品として見るならば、これはこれでアリだとは思いました(そうは言っても思い出してしまいますが)。かつて幼児にトラウマを植え付けた宿敵ノロイの不気味さ・恐ろしさは、時代の変化とともに若干オネエ気味の野村萬斎のねっとりした演技で、前作とはまた違った怖さを具現化しており、劇場に来ていた子供たちからわき起こる悲鳴がそこかしこから聞こえました。登場キャラもストーリーも思いっきり整理し、6匹・90分でまとめたのは大英断。尺が短い割には話としては面白くまとまっています。若干ボリューム不足の感もありますが、まあでも本来子供向けの作品ですし、大人がTV版の思い出補正で文句つけるのは筋違いでしょうけどね。昨年度声優アワード主演女優賞の神田沙也加の演技は(声優学校に通っていただけあって、話題作りのタレント起用と較べれば段違いでしたが)、やはり実力派揃いのキャストの中では若干浮いてる気も。かつてのガンバである野沢雅子さん、かつてのノロイの大塚周夫さん(今年逝去)の子息の明夫さんのキャスティングは、かつてのファン向けのサービスもあるのでしょうかね。エンディング曲…何かジブリっぽいけどどっかで聞いたことあると思ったらオザケンだったとは。倍賞千恵子が歌うと全然違う歌に聞こえますな。 [映画館(邦画)] 6点(2015-10-17 17:59:04)(良:1票) |
7. 八日目の蝉
《ネタバレ》 原作未読。ドラマ版も知らず、後輩の薦めで観てきました。主人公は井上真央演じる恵理菜なんでしょうけども、完全に視点というか観客が感情移入する対象は永作博美演じる希和子という感じですね。時系列が交錯しつつ進むので、最後までストーリーがどこに落ち着くのか分からないまま、ふわふわした(正直すんなり納得はできない)エンディングとなりました(最後まで恵里菜の方には感情移入できない構成になっていたためかもしれません)。全体的に私は悪くない映画だとは思いましたが、ストーリー的には後味悪く感じる人も少なくないでしょうね。結局救われてないというか。小池栄子は最近はもう立派な女優ですね。最初何かぎこちない演技だと思ってたら、そういうキャラを演じていたのが後で分かって腑に落ちました。 [映画館(邦画)] 6点(2011-12-05 00:31:16)(良:1票) |
8. 武士の献立
《ネタバレ》 『武士の家計簿』に続く加賀藩もの第2弾。淡々と役人家族の生活をたどるのみでストーリーがほとんど無かった前作に比べれば、山あり谷ありで話としては面白かったです。とはいえ、全体としては普通の出来かな…。若い俳優高良健吾や上戸彩の所作が時代劇としては若干板についてない感はあるものの、まあまあこぎれいにまとまった感の作品でした。藩の派閥争い(加賀藩は大藩なので、江戸時代を通じて常に権力争いがありましたが)も、前作の絡め方よりは、しっくり来ています。「加賀八家」なんて用語も何の解説もなく出てきましたけども。西田敏行・緒形直人・鹿賀丈史の組み合わせは、往年の大河ドラマ『翔ぶが如く』をちょっと思い出しました。唯一の苦言はエンディング曲。時代劇で、あの内容でCharaは無いのでは…。彼女の歌自体は悪くありませんし、興行的な理由はあるのでしょうが、全くマッチしていませんでした。 [映画館(邦画)] 6点(2013-12-14 18:35:21)(良:1票) |
9. 最後の忠臣蔵
《ネタバレ》 端的に言うと失敗作だと思います。2004年NHKドラマ版(ジェームス三木脚本)の出来が良すぎただけに、どうしても較べてしまいます。ドラマ版では上川隆也演ずる寺坂吉右衛門が主人公で瀬尾孫左衛門(香川照之)が親友だったのを、映画版では逆に孫左衛門を主人公にして、さらに可音がらみのエピソードだけに絞り込んだのは時間の都合上仕方ないと思いますが、そのせいで寺坂と瀬尾の友情の描き方が不十分です。また可音の桜庭ななみというキャスティングは悪くなく、役所広司演ずる孫左との淡い恋情などはよく描かれているとは思いますが、前後の状況説明が足りないため最後の切腹の説得力が減じている気がしてなりません。せっかく寺坂に佐藤浩市という実力者を配したのに実にもったいない。やはりドラマ版のように寺坂を主役にした方が物語が理解しやすい気がしました。ただドラマ版を知らずに映画を見た人にとっては、「こういうものかな」と素直に受け取れるかもしれません。 [映画館(邦画)] 4点(2010-12-21 22:11:58)(良:1票) |
10. おおかみこどもの雨と雪
《ネタバレ》 つまらない映画ではないのでこの点数にしました(5点にするか迷いました)。が、ちっとも感動はしないし、シングルマザーの子育てという、あまり珍しくないテーマの凡作になっていた気はします。ジブリっぽさ=トトロやポニョと確かに通ずる所はあります(あれらもストーリー自体は大して盛り上がりはありませんでしたし)。花・雪・雨の主要キャストに関しては、演技も良かったと思います(大沢たかおはちょっと声が浮いていましたが)。映像的にも監督が表現したかったという「風」に関しては十分堪能できました。ただ肝心の筋が…。前作「サマーウォーズ」の時もそうでしたが、「時をかける少女」に感動し、何度も繰り返し劇場に通った身としては、こういう作品を期待してるんじゃないんだけどなぁ、と思ってしまったり(まあこちらの勝手な期待でしかないんですが)。少女の成長、家族の絆、ときて、母親の強さを訴える作品を作りたいという気持ちは伝わってきましたが、話の流れ自体はかなり王道というか平凡で、正直「おおかみこども」という設定すら本当に必要だったんだろうか?と思ってしまいました。夫に先立たれ、子供達も自立して、再び一人になってしまった花はこれからどうやって暮らしていくのだろう。あえて物語では切ってしまったラストより後の場面が気になりました。 [映画館(邦画)] 6点(2012-07-22 08:48:41)(良:1票) |
11. 宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟
《ネタバレ》 2199の24話と25話の間に挿入されるべき話ということで、旧作ではなく2199を見てない人にとっては、たぶん意味が全く分からない映画だと思います(精神感応とか波動防壁とか)。話自体は前半の引きはまあまあだと思いましたが、後半の筋はやや無理矢理感。冒頭とラストの斎藤・土方のシーンや、桐生とメリアが瓜二つ(声まで)という設定は必要あったのかな?、という感も。バーガーが生きていたのはまあご都合として、ジレル人が結構生き残っていたのは、(本篇の)セレステラの想いが何か無駄になったような気もして。まあ私の場合、一番の不満は本来のヒロイン格である森雪が全く活躍しないことですね…(あと途中からアナライザーも全く存在を忘れられてましたが) さて、またも死に損なったバーガー。果たして続篇はあるんでしょうか。旧作も未練がましく続いた感はありましたが、2199も商業的に成功なら、次もありそうですね。個人的には話が完結してるんで、この辺ですっぱり終わってもいいような気はしますが。 [映画館(邦画)] 6点(2014-12-07 12:54:04)(良:1票) |
12. 地獄でなぜ悪い
《ネタバレ》 ここでの点数が高かったので見に行ってみましたが、私には合いませんでした。よりチープ感を強調した『キル・ビル』のパクリといった体で、「B級でなぜ悪い」と開き直った作品。この監督の作品をストーリー云々で評価すべきではないとは思いますが、物語の大枠は予告篇から想像しうる枠内にあり、そのくせ筋が散漫に過ぎ、どの話が本線なのか分からないまま別々のストーリーが並行して進み、結局オチまで放棄した、非常に不満の残る内容でした。やくざ武藤家の話と、映画バカグループの話が交わらないまま別々に語られ、その上必要が感じられない公次が話に割り込んできて強制的に混ざり合う、絶妙な心地悪さ。作品の中でも語られていた「金儲けのためでなく、生涯に一本の映画を作りたい」という美言を免罪符に、やりたいことをやった映画という感じですかね。俳優の方は面白かった。堤真一や國村隼のズッコケ演技は他でも見ますが、饒舌でハイテンションな長谷川博己は新鮮でしたし、何と言っても二階堂ふみがこれほどエロティック&セクシーだったとは(園監督は本当にこの女優が好きなんですね)。端役にまで有名人を使ってるのも意外でした。作品全体のB級感と、散りばめられたなオマージュネタが好きな人なら、楽しめると思います。が、ストーリー重視の私としては、大甘で…5点かな。 [映画館(邦画)] 5点(2013-10-12 07:56:55)(良:1票) |
13. 終戦のエンペラー
《ネタバレ》 この映画のキーは「本音と建て前は違う」という当時の日本人にとっての常識が、全く理解できない米国人(あるいは本音と建て前が混在化してきた現在の日本人観客)に、いかにそれを理解させるかということに尽きると思います。「天皇は権能上、最高意志決定者である」という建前。「しかし実際には、天皇個人の意志は国策にほぼ反映されない」という事実。東条も木戸も近衛も、この時代の多くの日本人も疑問に思わなかったこのギャップをフェラーズ准将が、いかにマッカーサーら米軍側に理解させられるかのヒントを探す過程が描かれていました。ただこの映画を見ても、それが理解してもらえるのか…はちょっと分かりません。アヤとの数々のシーンはフェラーズの心情を理解する上で必要だったのでしょうが、彼が個人的感情を優先させるような小さな人間のようにも見えてしまい、かなり邪魔に感じてしまいました。 [映画館(字幕)] 5点(2013-09-14 20:17:55)(良:1票) |
14. 紙の月
《ネタバレ》 原作小説・ドラマ版はともに未見。筋自体は、女性営業員が年下の大学生との不倫にハマって、勤め先の銀行の金を横領していくうちに金銭感覚が麻痺していく…という、ありがちなストーリー。だが、インタビュー等を見ても、ほとんどの演者が自分が演じる人物に、少しも共感できないと語っているように、「実際にこんな人はいないだろう」というキャラクターばかり。にも関わらず、展開自体はテンポ良く(?)悖徳的行為になだれこんでいくという点で、ある意味同原作者の「八日目の蝉」と似たような感覚でした。また、話のオチが放棄され、何気ないシーンで突然終了するのは、同監督の「桐島、部活やめるってよ」と重なる部分も。池松壮亮もこんな濡れ場をやる歳になったんだなぁ、と思いつつ、役柄とは合ってた気も。小林聡美・大島優子・石橋蓮司・近藤芳正なども悪くなかった。旦那さんの田辺誠一は、ちょっといい人過ぎかな。5点と6点で迷いましたが、厳しめで5点。 [映画館(邦画)] 5点(2014-11-16 08:37:17)(良:1票) |
15. 映画 みんな!エスパーだよ!
《ネタバレ》 一言で言えば「なんじゃ、こりゃ?」。原作漫画は未読。一昨年のTVドラマは話題になっていたので3話から見ていました。てっきりドラマ版の続篇かと思って見に行ったのですが、そうではなくて、キャストをほぼ同じまま(美由紀のみ夏帆から池田エライザに交代)で、再び物語の最初から始まるアナザーストーリーでした。とはいえドラマ版も十分不条理な作品でしたが、今回の劇場版の展開はさらに意味不明で、もはやストーリーの体を為していません。1話の区切りのあるTV番組なら、全体の筋をそっちのけにしても、シチュエーションごとの見せ場が小綺麗にまとまっててまだ見られたのですが、映画だとメリハリが全く無く、単に演技力皆無のグラドルを集めてお色気成分をプラスしただけの、園監督のおふざけを2時間見せられた感じ(まあある程度は予想してましたが)。正直、筋だけで言えば学園祭で上映されるムービーのレベルでしたね。まあそれでもところどころ笑える場面はあったので、辛うじて4点てとこか… [映画館(邦画)] 4点(2015-09-06 12:51:42)(良:1票) |
16. 渇き。(2014)
《ネタバレ》 原作未読。うーん、面白くない…そして、長い。私にはこの作品、全く合いませんでした。ひたすら汚らしい形の役所広司が「クソが!」と叫び、暴力を振るうシーンを見せられ続ける映画。時系列や人物が異なるシーンをかなりしつこく繰り返しカットインさせる手法も、さして効果的とも思えず途中で飽きましたし、何より物語を把握する妨げにしかなっていない。主人公や娘の行動原理も不明で「あいつは俺の娘、俺がぶっ殺す」のセリフが言葉通りで無いとしても、何を目的にどうしたいのか、さっぱりでした。頭を使う訳でもなく、行き当たりばったりな捜査も、ほぼすべてが暴力で進行。目を背けたくなる残酷シーンも多く、正直途中で見に来たのを後悔。ラストもいきなり時が過ぎ、カタルシスも無いまま終了。「告白」も後味の良くない作品ではありましたが、話は面白かった。こっちの方は全く救いがない。4点 [映画館(邦画)] 4点(2014-06-28 16:04:14)(良:1票) |
17. 悪の教典
《ネタバレ》 いい人や熱血漢の役が多かった伊藤英明にサイコパス・連続殺人鬼を演じさせたかったという三池監督の気持ちはよく理解できました。確かにキャスティングの妙は感じました。ゲイの平岳大、うさんくさい吹越満、事なかれの篠井英介なども合っています。ただ、筋(ストーリー)が今ひとつ物足りないというか…。前半部分の「早めに気づいた人たち」を個々に殺害していく場面はまだ面白かったのですが、クライマックスの大量殺人に関しては猟銃オンリーの単調な展開で、オチもパンチに欠けます。近くは「アウトレイジビヨンド」、ちょっと前なら「あずみ」などもそうでしたが、長丁場の大量殺人シーンは飽きさせないのが難しいですね。 [映画館(邦画)] 5点(2012-11-11 15:07:14)(良:1票) |
18. これでいいのだ!! 映画★赤塚不二夫
《ネタバレ》 原作のエッセイを昔読んだので見に行きましたが…何というか予想通り外していたという感じでした。やっぱり赤塚不二夫に浅野忠信はかなり無理なキャスト。また、全般的にギャグがことごとく上滑りしています。原作(実際)のおバカ編集者(誉め言葉です)の武居氏を女性にしたのは興業上仕方ないのかもしれませんが、やはりスナックでの飲みや編集部内での立ち位置に違和感がありまくりです。バカ騒ぎで飲んだくれているはずの男性役者さんも腫れ物に触るように扱っていて、堀北ファンである私も見ていて恥ずかしくなりました(昨年脚本を読んだ長谷邦夫氏(赤塚の元ブレーン)もブログでこれを演じられる女優はいないんじゃないかと心配していたようです)。また、全体として赤塚という天才(にしてバカ)の人間性を見せたかったのか、3人の女性を中心とする赤塚の周囲の人間模様を描きたかったのか、それとも全体をナンセンスでまとめ上げるギャグ映画にしたかったのか、どの方向性も中途半端で狙いがよく分かりませんでした。懐かしマンガが好きな向きにもそれほどおすすめできません。新漫画党はじめ他のマンガ家は一切登場せず、有名な天才バカボン移籍事件なども全く触れられることはありません(マガジン担当編集者は一応登場しますが)。 [映画館(邦画)] 3点(2011-04-30 23:09:03)(良:1票) |