1. バッド・ルーテナント
オリジナルの宗教くささが抜けたぶんグッとエンタメ性やブラックジョーク感が増しており、人間のダメさ加減を哀れみながら愛するっちゅう、狂気と愛と普遍性が入り混じった快作っちゅうか好編へと仕上がっとったし、主役のアンチヒーローを嬉々として演じとるニコラス・ケイジのハマり具合も抜群で、彼にとっては久々のあたり役。おいらの趣味的にはオリジナルよりもこっちに軍配が上がりますねぇ。 [DVD(字幕)] 7点(2011-12-18 16:51:58)(良:1票) |
2. THE LAST MESSAGE 海猿
映画としてのスケール感と災害映像の迫力はシリーズ中最高の仕上がりで、しっかり作ればおもろくなる要素は多分に存在しとったっちゅうのに、そういう期待をいだかせたんは中盤ぐらいまでで、とにかく圧倒的にドラマ部分が貧弱すぎた。だいたいこの災害における危機や困難のなかでドラマを形成しなければならんはずやのに、出てくんのはいま起きている事態とは関係ない過去話ばかり。根本的なドラマの作り方が間違ってるねん! [地上波(邦画)] 3点(2011-12-22 10:15:51)(良:1票) |
3. 8 1/2
あらゆるもんがどん詰まりへと陥り、肉体的にも精神的にも疲れきってしもうた男の苦悩を、現実と夢と幻想と過去を同列に並べた構成や、視覚と聴覚と感性に訴えかけてくる、映画的ダイナミズムと芸術性にあふれた演出によって見せてった手腕は見事で、不思議で楽しくて悲しくて怖いっちゅう、なんとも形容しがたいおもしろさには度肝を抜かれてしもうた。ラストの妙な大団円なんてもう脳みそぐ~るぐ~る! [DVD(字幕)] 10点(2012-01-01 11:41:45)(良:1票) |
4. フローズン・リバー
日本以上に厳しいアメリカにおける貧困層の実情や、そんな彼らのささやかだけど切実な夢、そのために手を染めてしまう犯罪行為、子供への大きな愛情、女の友情など、自分と家族のために必死に生き抜こうとする女のドラマを、さまざまな格差を軸に静かでせつなくも力強く描いとったんやけど、ちょっと地味すぎるんちゃうかなぁっちゅうのが正直な感想で、社会性はあるんやけどエンタメ性が薄かった。もうちょいサプライズがあったらなぁ……。 [DVD(字幕)] 5点(2011-12-19 21:10:30)(良:1票) |
5. 闇の列車、光の旅
途上国の貧困層における悲惨な現実とかすかな希望を描いた意味のある小品やったとは思うねんけど、途中から愛の逃避行のような展開にしてもうてたんはおいら的には失敗で、全体通してとにかく脚本が弱いと感じたし、主人公ふたりの行動にもどうにもうなずけないところが多々見られた。淡々とした列車の旅と、容赦のないバイオレンス描写はよかったんやけどねぇ……。 [DVD(字幕)] 5点(2011-12-22 10:07:25)(良:1票) |