1. IAM A HERO アイアムアヒーロー
《ネタバレ》 大泉がマンションから外に逃げた先に見えたものは日本の終わり。 「あぁ本当に日本は終わってしまったんだな」とビシビシ感じる、海外のゾンビものじゃ味わえない本当に起こってそうな日本のゾンビもの。 その外へ逃げるシーンの絶え間ない人々の悲鳴、救急車も人間をはねる。そして曲がり角を抜け大通りに出ると、どうしようもない説得力のある絵がバシっと出てくる。こんなに心底震え上がって「ヤバい!」って思うのは怪獣映画にだってない。このインパクト、スケール、スピード感、絶望感は凄まじい。そこからタクシーが事故を起こすまでの流れはまさしく日本映画とは思えないド派手さだ。 そこからはヒロミちゃんとの出会いからモールの流れなのだが、ここでさっきの熱はクールダウンしてしまう。しかしコレはラストに向けての充電シーンであった。 英雄の銃を撃ってからの痛快さもまた見物、両方から迫り来るZQN共を文字通りバンバン倒していく。辺り一面血の海になりそりゃもう死屍累々。 しかしそれと同時にたまらぬカタルシスが味わえる。凄いよ英雄!まぁちょっと位置がわかりにくくて他のキャラクター達がどこでなにやっているのかよくわかりませんでしたけどね。 ゾンビにバリエーションがあるのも嬉しい、いろんな元の生活で行って来た残留思念のようなものが残っている台詞がなんとも面白い。そして特徴ある巨漢やら運動選手なゾンビなどが登場するのも面白い。 そんでもってこの映画の見所はやはりその過度な残酷描写なのだが本当にやり過ぎ感があって凄いですね、職人の域です。そこと鈴木英雄…というか大泉洋という抜けた男が緩衝剤となって微妙に良いバランスをとっていると思います。うん、大泉いい映画に出たね! 最後はまるで途中かのような終わり方、まぁ原作終わってませんし。なんとも潔い終わり方…ですが逆に清々しくスッキリとこちらも見終える事が出来ました。 日本の映画とは思えない丁寧な作りとテンポ、そしてスケール感のある凄まじい映画でした。素晴らしい。 [ブルーレイ(邦画)] 7点(2017-02-12 16:53:02)(良:3票) |
2. ゾンビーバー
《ネタバレ》 湖畔にやってきたリア充共にゾンビでビーバーな奴らが殺しにやってきた!さぁ生き残れるのは一体何人だ!・・・ってすでにアホを狙った作品とわかりながらもマジで鬼気迫った偏差値0なリア充達とゾンビーバー達のサバイバルバトルはニヤニヤすること必死。しかもビーバーの作りはまるで生きてるように思えない!まるで糸で操るかのような躍動感の無さ!!作り物感100%!意図してそうした感も100%です。 しかもコイツに噛まれると、たちまちゾンビになるだけではなくビーバー人間ゾンビにまでなっちゃうのには恐れ入りました。リア充達も「あなたもビーバーになるかもしれない!」と奇天烈な事を叫ぶ始末です。たまりません。 ラストのアホすぎるオチもスカッとして、最後は能天気なシャークネード並にユルいゾンビーバーのテーマソングで締めてくれました。 映画が終わった後、他の観客のみんなは笑顔でした。そう、彼らの死は無駄では無かったのだ。 [映画館(字幕)] 7点(2015-07-22 22:57:50)(笑:2票) (良:1票) |
3. 映画 聲の形
《ネタバレ》 過去は変えられないし、やってしまった過ちも変えられない。 誰しもずっとある心の片隅にある。忘れたくても忘れられない償いようの無い罪悪感。 罪悪感を消す方法は人それぞれ。忘れようとする奴、誤摩化そうとする奴、都合良く解釈する奴、他人のせいにする奴、逃げる奴、死ぬ奴。 子供の頃の過ちは大人のように簡単じゃない。裁判や調停では片付けられないし、金でどうこう出来る問題でもない。 そして謝りも許しもしないまま時間が流れる。ただただ頭に消しようの無いモヤだけが残る。 本作の主人公石田の処遇は当然の報いである。しかし親が弁償した額とその後いじめられた事により誰よりも罪を感じ、それに苦しんでいる。 ヒロインの西宮は己の生まれ持った障害に向き合い、自身の境遇にも毅然と耐えて行く。しかし彼女は人との自然なコミュニケーションがとれない。どれだけ声が言葉や表情以上に感情を持っているのかこれでもかと痛感させられる。そして心の支えであったであろう祖母の死で糸が切れたように彼女を間違った方向へと導いてしまう。そして彼女自身も自分の犯した過ちに向き合って行く事になる。 昔のクラスメイト達もどうすればいいのかわからない。どうせだったら逃げ出したい、己の行動が正しかったと信じたいが、そんなわけがないと知っている。 西宮という人物を中心に彼らは己のしてきた事の取り返し方を手探りで探して行く。それはとても自己満足にも偽善的に見えるし、本当に彼女がそれで許してくれるなんてわからない。 本作は誰しもが持つ醜さ弱さが生々しくぶつかり合い、それでも不器用に立ち向かって行く人々が美しい映像でこれでもかと描かれる。素晴らしい作品でした。 [ブルーレイ(邦画)] 9点(2017-06-16 03:01:47)(良:3票) |
4. オーバー・ザ・トップ
《ネタバレ》 なんだかよくわかんないけど涙がボロボロ出る。 すれ違ったままだった親子がお互いを助け合い、絆を深めていく物語。ベタじゃないか。すげえベタな話かもしれないが、逆にそれが心に響く。 荒削りだが清い心持つ父が一度は世間の偏見から失った親子の時間を、死に際の妻がやり直すチャンスを授けてくれた。そして本当の家族をマイクもホークも手に入れていくのだ。 ホークの行動は結構荒削りだが…いや、やりすぎなところもある。おぉいっ!子供にトラック運転なんて危ないよ!ちょっと!そのぶつかり方間違ってたらマイク死ぬよ!いやいや、突っ込んで良い分けないだろ!…とまぁそんなオーバーな演出によるツッコミ所もありつつも親子の愛が成せるものなのかもしれない。やりすぎだが。 見所はなんてったって腕相撲。その熱気、照りつける肉体、ドアップで力む顔。すげえ顔!!これが本当に息が出来ない。見ているだけなのにドキドキし、こちらも息が荒くなる。ラストの試合なんて画面に向かって俺も「行けホーク!!やれ!!!」と涙を流しながら応援していた…いや、わかってるんですよ?映画の流れ的にそりゃ勝ちますよ。わかってます。でも応援したくなっちゃうんですよ。もうよくわからない涙が止まらないんですよ。 とにかくこの親子がこの先の未来がどうであれ、離ればなれになる事は無いという今をとても嬉しく感じるのです。いい映画でした。 [DVD(吹替)] 8点(2017-02-13 00:17:53)(良:3票) |
5. キングコング: 髑髏島の巨神
《ネタバレ》 「挨拶も無しに勝手に上がりこんで、荒らしまわした挙げ句その態度はなんじゃい!」 こんな事されたら温厚なコングさんだってそりゃキレますよ!オイオイ!コングさんに向かってなんて事してんだ!詫び入れろ詫びを!ヘリ程度で何をしようとしているんだ!コングさんのシマに来た時点で人間は雑魚!最弱なんだよ! そう、ここは髑髏島!ピータージャクソン版以上に凝ったデザインの化け物のオンパレードがたまりません。どれも「THE秘境の怪物」って!具合です。敵役のスカルクローラーの気味悪さはもちろんですが巨大蜘蛛や怪鳥など人を殺す気満々感はたまりませんね! そして爆発を覗くサングラス、恐竜の骸骨の上に機関銃を設置、霧の中から現れるコングさん。爆発から浮き出るコングさん。怒涛のキメ絵の数々には笑ってしまいました。いやぁカッコイイ&爆笑。製作者たちの楽しそうな現場が目に浮かびます。 そしてコングさんの恐怖から始まりワイルドな食事シーンに恒例の美女との絡み、巨大スカルクローラーとの超弩級の大バトルなどもう見所満載! かたや人間の方とはいうと兵隊さん達が完全にヤラレ役になってしまい可哀想な限り。そのせいで狂ってしまったサミュエルさんは不憫というしかないです。でもコングさんに立ち向かうかうなんて愚行の中の愚行に走ってしまった事は擁護のしようがありませんね。元凶のグッドマンは途中で食われちゃうし。ヒロインや元SASの人々も見せ場はありましたが美味しいところは全部刀のおじいちゃんが持ってっちゃいましたね。 終盤になると晴天の中「THE怪獣映画」なバトルのゴングが鳴り、コングさんのイケメンっぷりが遺憾無く発揮されもう身も心もコング推しになっちゃいました。コングさんがただのデカいゴリラなわけねぇだろ!こういう事だってしちゃうんだぜ!出来ちゃうんだぜ! そんな訳で迎えのヘリに「もう二度と来るな!」と一喝し終幕。最高!!! 最後に今後何かとの戦いを匂わす終わり方でしたがコングさんがそんな連中にやられるわけないでしょうが!!! [映画館(字幕)] 9点(2017-03-28 19:27:34)(笑:2票) (良:1票) |
6. ガールズ&パンツァー 劇場版
《ネタバレ》 アニメでもやたら気合の入った作りで戦車好きでもない僕もなんだかんだ白熱して見てしまうくらい面白かったガルパン!の今回はその劇場版! 発表された時は「全国優勝したし、これからどうするの?」と、思っていたけどまさかの廃校の危機再び。 意地でも学校を潰そうとする役所マンに対抗するため歴戦の勇者達が援護に駆けつける展開には燃えますね。やっぱりガルパンは熱いです。 そして新キャラも交えての戦車戦はさすが映画のド迫力。アニメとは桁違いの戦車数と規模でまさしく映画らしい作りになっています。 それになんといっても「音」が凄い!ヤバい!ドッカンドッカン映画館に轟く発射音にキャタピラの轟音。その大画面で展開する更に派手になった戦車バトルに目は釘付け! ストーリーはいつも通り明るく、あまり湿っぽくならず、小気味好いギャグと小ネタ満載で、試合は勝者も敗者も気持ちよく終われる「戦車道」スタイルなので後味もスッキリ。最後まで気持ち良く楽しめます。 本作は映画館で観てよかったと素直に思える快作でした!是非あなたもこの作品は映画館で! [映画館(邦画)] 9点(2015-11-26 21:20:05)(良:2票) |
7. アクアマン
《ネタバレ》 超ど直球スペクタクル海底冒険アクション ジャスティスリーグじゃ最も協調性に欠けるサイボーグの次に地味な海坊主アクアマン。 そんな彼が主人公映画が作られると聞いた時は冗談だろ?と思った。だってアクアマンだぜ? …すいませんでしたーっ!!!ホント!誠に!申し訳ない!!! こんなに素直に面白い作品になるなんてマジに思いませんでした!!! アクアマンが生まれるまでのロマンスと悲話にはウルっとするし、様々な種が司る見たことない壮大な海の世界には次はどんな事が起きるかワクワクするし、伝説のトライデントを探すためのロマン溢れる宝探しの冒険アクションに少年心を鷲掴みにされたりと、目眩く子供の頃大好きだった映画の全てが詰まった世界に完全にやられました。アクアマンはジャスティスリーグ時代の堅物なイメージからソーのような面白くもカッコいい更に親孝行者なヒーローになり、かなり親しみやすい奴になりましたし、ヒロインのメラも強さと可愛さを兼ね備えた素晴らしいお姫様でした。 勿論ヒーローとしてのバトルアクションも見応えがあり、序盤の潜水艦での無敵アクションといい、シチリアのカメラが入れ替わるバトルといい見ごたえたっぷりです。 そして伝説のトライデントをアーサーという名だけに引き抜く展開にはお約束といえど熱くならないわけがありません。 そしてラストの戦争シーンはDC映画の中で…いや、ヒーロー映画の中でも一二を争う壮大で派手なシーンに度肝を抜かれました。 あとブラックマンタのデザインはそれでGOが出たのか!って感じで最高ですね。 全体的にギャグを多めで楽しくそしてワクワクさせている往年の冒険アクションのような懐かしさと嬉しさに溢れた傑作です。 後、他のDCヒーローも出てくればなと思いましたが、必要なかったですね。なんせ今回は一人の男が真の英雄になるための物語なのですから [映画館(吹替)] 7点(2019-02-21 20:22:46)(良:2票) |
8. シティーハンター(1993)
《ネタバレ》 「俺の名前は冴羽獠!」いやいや、あんたジャッキー以外の何者でもないよ! シティハンターの事はよくわかりませんが、石丸博也の声で喋る冴羽獠が本来ならあり得ないのは知っています。 そんでもって本作はもう頭を抱えるくらいコテコテのSEを使いまくったコメディアクションと雑なストーリー、そして漫画的表現とジャッキーといういろんな意味で濃すぎる一品です。 漫画原作映画としてはアレかもしれませんがジャッキー映画としてはなかなか見所が多く、サービスたっぷりにジャッキーアクションを堪能できます。 序盤のスケボーアクションは圧巻ですし、ブルースリーとの共闘もなんだか感慨深いものを感じます、後藤久美子のアクションもなかなかです、女刑事とのダンスをしながら敵を一掃したりと見所満載。そして多節カリスティック装備のボスとの一騎打ちのシーンは椅子、トンファー、棒と武器を変えながらのコミカル死闘は見応えしかありません。いや、面白い! もちろん見所は中ボスとのストⅡコスプレバトルです。一体全体意味がわかりませんがとにかくチュンリーに扮したジャッキーの活躍はたまりませんね!ありがとう! ただクールなトランプ男の見所がもうちょっと欲しかったところ、ジャッキーとのからみがないのが寂しいなぁ。 あと後藤久美子が倒した敵が落ちて人型した穴になるシーンは久しぶりに見て笑ってしまいました。今は見ない表現だなぁ…。 変な作品でしたが「ジャッキー映画のお子様ランチ」的な感じで僕は大満足でした。5点ですけどね。 [DVD(吹替)] 5点(2017-03-20 02:48:06)(笑:1票) (良:1票) |
9. パシフィック・リム
《ネタバレ》 ロボは好きです。デカければ尚良し。それでビルを壊しながら戦ってくれたらもう言うことありません。それに本作には各国の個性的なロボが集まってるじゃないですか。堪りませんよ。しかもなんですかこのデザイン。特にチェルノアルファ。この頭。プロフェッショナル風なパイロット。カッコ良すぎですよ。それでこれでもかと動くんですよ。怪獣殴るんですよ。でもすぐにやられちゃうんですチェルノ。可哀想に。脇役なばかりに。 [映画館(字幕)] 9点(2014-12-26 01:51:15)(良:2票) |
10. ようこそ映画音響の世界へ
《ネタバレ》 録音、効果音、音楽。知ってるようでまるで知らない映画音響の世界。 本作はそんな映画と音響の歴史、そして役割を教えてくれるドキュメンタリーだ。 音響の重要性を語るルーカス、コッポラ、リンチ、ノーランと名のある名監督達と陰に隠れていた音響技師達の努力が見えてくる。 ジャズシンガーから市民ケーン、アラビアのロレンスからスターウォーズ、地獄の黙示録、ジュラシックパークにトイストーリーやインセプショなど名画たちを見ながら追っていく音響の歴史はとにかく楽しい。 いやいや、出てくる映画がどれも良いシーンばかりで卑怯ですよ!それだけでテンションが上がっちゃいます。 それに本作は映画音響というだけあって、音楽の扱いは完全に映画館向け。 歴史を通してモノラル、ステレオ、5.1chサラウンドと進化を、映画館の音響を通して自分の耳で感じることが出来る。実は今と昔じゃこんなに違って、今はこんなに凄いことになっていたのかと驚いてしまった。今、凄え!!! 更に録音に効果音、そしてBGMとスタッフロールでどんな役割かボンヤリていた人たちの本来の仕事をこれでもかと紹介してくれている。まさかこんな録り方をしていたのかと驚くばかりだ。 映画は映像ばかりに目がいってしまうけれど、本作のおかげで映像と同じくらい大切で大事で重要な音響を更に味わっておかねばと思っちゃいますね。更に映画に対して見識が広がる一本です。映画好きなら見なきゃ損だ!そしてこの体験は是非映画館で! [映画館(字幕)] 8点(2020-10-17 15:34:40)(良:2票) |
11. ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
《ネタバレ》 結末は知っている。 だけどこんな壮絶な物語があった事は知らなかった。 背負う影のある者たちの希望を託す物語はとにかく凄まじい。 今までとは毛色の違うダークな雰囲気は暗い映像と共に少し違うスターウォーズ世界を見せてくれる。序盤の映像の暗さには若干くたびれましたが集まる仲間たちの魅力も相まってアクセルはどんどん踏み込まれていきます。 特にドニー・イェンの殺陣は最高ですね!ジェダイじゃなくても強い奴は強い! 終盤の戦闘はXウイングもタイファイターもAT-ATその他お馴染み兵器たちの大盤振る舞いには「そう!これ!これが!これが見たかったんだよ!わかってるじゃねぇか!」というもう堪らぬドッグファイト、地上戦をこれでもかと見せてくれるのでもう鳥肌立ちっぱなしです。あぁこの歳まで生きてて良かった!!! 確かに次々と倒れていく仲間たちの壮絶な死は悲しく辛いです。結果はわかってはいるのですがやはり悲しいです。 ですが紡がれる物語へのラストは希望に満ちた気持ちで観終える事ができました。 EP7と8の間に外伝として作られた本作ですが、決して正史に負けない素晴らしい出来の一本です。 [映画館(字幕)] 8点(2016-12-16 20:57:41)(良:2票) |
12. アントマン
《ネタバレ》 楽しいです。アントマン。いつもの生活を送る部屋でも、極小サイズに小さくなったらそこはまさしく別世界。その世界をアリに跨り、ジェットコースターのように巡る極小世界の映像は素晴らしいです。 そんでもって雰囲気は今までのアベンジャーズシリーズの中でも最もコメディ色が強く、最も親しみやすい主人公である。主人公も一言でいえば「イイ奴」なので見ていて共感も出来れば、楽しい奴なので見ていて非常に楽ですね。 全体的にテンポも良く、小さくなるというアイディアを生かした行動や、アイテム。そして仲間のアリたちとの連携で敵の基地に忍び込むのは見ていて非常に楽しいです。それにサルサな音楽と主人公の泥棒仲間たちもなかなかいい味出してます。 そしてバトルも他とは全く違う戦い方なのでアベンジャーズの中でも凡人なファルコンはたじたじ、ボスのイエロージャケットとのラストバトルは、娘の家でのオモチャを交えた、ちょっとユルい戦いでドキドキしながらも爆笑しちゃいました。どーするんでしょあのトーマス。 そして最後、原子よりも小さくなっていくシーンはとても不思議なシーンで2001年宇宙の旅に通じるところがありますね。極小の世界もまた宇宙なんだと再確認させられました。 全体的な明るさと、ユルさが楽しい、アベンジャーズシリーズの中でも上位に入る素晴らしい作品でした。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2016-05-10 21:47:38)(良:2票) |
13. おじいちゃんはデブゴン
《ネタバレ》 おじいちゃんだけどデブゴン!認知症だけどデブゴン!老いには勝てないデブゴン! ご近所の娘さんは母は出て行き、父はろくでなし。でも近所のデブゴンおじいちゃんだけには心を開いてくれる。 そんなろくでなしの父親が引き起こした自業自得な災難が回り回ってやってくる事になろうとは…って回ってこないぞ。 開始すぐさま少女がさらわれてコマンドーばりに大暴れするのかと思いきや、どちらかというと過去の悲劇に捕われた老人が、認知症で記憶が消えて行く中今度こそ守るべきものを守り過去から解放されていくというお話でした。少女との交流のシーンが多く、アクションシーンはたまにあってもすぐに終わってしまう…いつになったらデブゴンは大暴れするのか…。 それは最後20分頃に突然起こる。正直ここのシーンだけに全エネルギーを使ったような作品でした。カット割りが激しくて見るのは疲れますが十分サモハンの強さが迸ります。特にロシア三人組を一人ずつやっつけていくシーンはイカしますね!迫力あります! そう、これも少女のため、彼女はこの地下カジノに捕われているのだ…って違うんかい!!!! まさかボケ老人の勘違いがマフィアを撲滅してしまうとは…って友達の家に泊まるなら連絡の一つくらい入れなさい! にしてもサモハン監督、今回はかなり音楽の使い方がケレン味があって面白かったです。ロシア人が出るたびにズーン!ズーン!と流れるところが特に。 最後のシーンはちょっと切なく、でもハッピーエンドで気持ちよく終われました。エンドロールに出てくる人たちの顛末は別に必要ないと思いますが。 正直作りは粗いですが、老いたデブゴンが頑張る姿に勇気が出る一本です。 [映画館(字幕)] 5点(2017-07-06 22:01:31)(良:2票) |
14. 翔んで埼玉
《ネタバレ》 今、鼻で笑われ貶され己が地元をシャレの如く使われる埼玉県民の怒りが牙を剥く。 まぁ本作は大層なもんではないし、社会派なわけでもない。ただ飲みの席での野次のようなもんだが積もり積もればなんとやら、こんな映画も出来てしまう。 お高く止まった都民の醜さ、それに立ち向かう埼玉県民GACKTのなんて気高く荘厳なことか。策士千葉県民の伊勢谷もなかなかの迫力だ。 ちなみに僕はその二人のキスシーンを見たいがために映画館で見ました。まさかグリーンブックよりデカいスクリーンでやっているなんて腰が抜けましたよ。遠い異国の彼方の問題より地元の問題の方がやっぱり大事ですよね。志はうんと低いけど。 序盤は極端すぎるほどの地元カーストに草加煎餅の踏み絵、秘境群馬などアホな絵が次々と出てきて面白かったですがだんだん話のテンポとギャグのキレは落ちていくのがちょっと残念。締め方も日本埼玉計画以降は完全に蛇足ではなわの歌も上滑りしており残念でした。でも崎陽軒のひょうちゃんにはまんまとやられました。コレクションいいなぁ…。 でもこんな下らない内容の映画をGACKTという超異物は上手に牽引してましたね。やっぱりGACKTは凄い。あんな服が似合う奴は日本にGACKTしかいない。本作はそんなGACKTがより一層好きになる映画だ…と、遠き北方の異国北海道の民は思うのでした。 [映画館(邦画)] 6点(2019-04-11 21:16:56)(良:2票) |
15. 007/ゴールデンアイ
《ネタバレ》 ニンテンドー64のゲームでも有名な、ブロスナンボンド一本目のかなり力の入った作品。 ソ連の崩壊に、Mの交代と様々な事柄が変わり、更に今回は悪の親玉が元00エージェントと大奮発。 ブロスナンボンドはやはり完璧で軽いジョークと甘いマスクでクールに仕事をこなして行くのでカッコいい。 ボンドガールの二人の活躍も大きく特にゼニアは笑いながら人を殺め、何度もボンドの前に立ちふさがる、かなりの強敵でしかも美人で素晴らしいです。 一方ナターリアは職場を壊され、無職になってしまった腹いせなのか、デスクワークをさっきまでしていたとは思えぬノリノリな姿勢でボンドについて行くのが面白いです。 お話も最初からダムのバンジーから銃撃戦、そして化学工場からの無理矢理な脱出までとてもテンポ良く、その後もダレる事無くとても軽快に進んで行きます。 見せ場はなんといっても、ロシアの街をボンドカーの代わりに、戦車を使ったド派手なチェイス。馬の銅像を乗っけたりとやりたい放題でたまりません。 結局敵のアレックは金が欲しいのか、イギリスへの復讐なのかもうよくわからない所も最高。まぁゴールデンアイに関しては活躍が一回しかないのでちょっと地味なのが残念。ラストはついに00エージェント同士の対決なのだがそこまで派手じゃないのはスパイ同士だからなのだろうか。よそ見はいけませんね。 本作は笑えるツッコミ所も、派手なアクションも、新鮮な要素も満載のとても楽しく見れる007ですね。 [地上波(吹替)] 7点(2015-12-26 13:57:17)(良:2票) |
16. 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
《ネタバレ》 延期の延期を繰り返してついに観れた007最新作。そしてダニエル・クレイグのジェームズ・ボンドの最後の作品。 まずはアクションと展開は非常に素晴らしい。もしかしたら007の中でもピカイチかもしれない。 ラストの長回しのシーンなんて脱帽モノだ。 やたらトンデモ兵器やQメカが出てくるのも好感触だ。もちろんボンドカーが大暴れするのも非常に嬉しい。 更に新旧007の手柄の取り合いに美人CIAのパロマちゃんもめちゃくちゃ可愛く強くて最高だ。屈指のボンドガールだ。 極め付けにはQも今回はお宅訪問までしちゃって、更に前掛けなんてしちゃって今回もQには楽しませていただきました。 そして後半からは一気に監督お得意のクライムサスペンス感が強くなる。というかホラーに近い。あの娘も全然笑わないしめっちゃ怖かったよ。ボンドすら敵わないんじゃないかと思わせる雰囲気が最高に怖い。 ここら辺は監督が制作したトゥルー・ディテクティブに近いヒリヒリ感を感じて素晴らしい。 だけど話の展開的にはスペクター全滅は正直超雑だし、国際問題必至のミサイル発射強行もよくわからん。というかそれしかボンドは選択できなかったのかとも思える。というか二人で行く理由もわからん。 更に謎の国籍不明船がやってくる流れもわからないし、わざわざボンドが島にいる内になんかするという流れも微妙に納得し難い。 あとねそのドラゴンボールのように、ヤバい敵を倒したら更にヤバい敵を作る手法はスペクターで最後にして欲しかったし。正直ラミ氏の企てはとても悪いが正直とてもショボい。 あとね 劇場から帰る客の身にもなってみてくださいよ…何故こんなことするんだと。 終わった瞬間席を立つ人々の顔を想像しましたか、みんな笑顔かと思いますか。お通夜でしたよ。みんな凄い蒼白の顔でしたよ。 ジェームズ・ボンドの映画ににそれを望んでいると思いますか…。 しかも、この子持ちになって、この終わり方って…最近見たばっかりなんですよ。 あっちの方はマルチバースやら展開が沢山あるので、死んでるようで死んでないからたいしたダメージなかったけど、こっちはもう致死量ですよ。これこそラミのヤツより毒ですよ猛毒。 しかも死ぬにしたってお膳立てがショボすぎる。 こんな北方領土の僻地でミサイル程度にやられるなんてボンドにしてはあまりにショボすぎる。 そりゃ最初からダニエル・クレイグは型破りで僕も最初は好みではなかった。 でも彼のボンドになっていく過程は非常に好感が持てたし応援できるようになり、いつのまにか大好きになっていた。今回だって彼が一瞬ショーン・コネリーと被る瞬間があったんだよ。彼も紛うことなき007だと思えるようになったんだよ。 だからさ、だから今回の結末はとても悲しいんだよ!!! 007はそりゃ一人の女性を選んだら不幸になる運命だ。しかしね!そうじゃねぇだろ! 俺はボンドが死ぬ映画を俺は見に来たんじゃない。 [映画館(字幕)] 5点(2021-10-11 15:13:06)(良:2票) |
17. 帰ってきたヒトラー
《ネタバレ》 リアルに切り込めヒトラー! 現状のドイツ、そして世界の問題を過去からやって来たあのヒトラーが斬る…そんなコメディ…コメディなのか?一部シミュレーションドキュメンタリのような様相もある本作。 最初はわけのわからないオッサンだった、ヒトラー。茶化して茶化して茶化してこちらも笑えてくるが、テレビに出た瞬間彼のブレ無い姿勢からにじみ出る凄味と狂気は面白いです。特に現代を知って行くヒトラーも面白い。インターネットやらテレビやらで驚くシーンはこういうタイムスリップもので良くあるシーンだがやっぱり面白い。それに副局長のネット動画などでおなじみの「最期の12日間」のパロディには笑ってしまいました。あれってあちらでも人気なんですね。 だけどそのカリスマ性の強さでどんどんメディアを虜にして行くヒトラーにはだんだんと恐怖を覚えます。いや、笑えない。 そしてもう一人の主人公ザヴァツキは冴えない男だったがヒトラー出会い成長するが、本当のヒトラーだったと知った時、自分の恋人(ユダヤ人)を守るため走り出す。彼の行動もまたヒトラーというカリスマによって成長したと思うと結末は非常に皮肉な運命である。 それでもまぁ終盤になって初めてユダヤネタが出たときインターネットすら知ったヒトラーがあのような事を言うのは若干違和感があります。 オチはこの先この世界がどうなっていくのかヒトラーが見つめるという終わり方をする。 笑えるが笑えない、面白いがそう簡単に片付けられない複雑な映画でした。 [ブルーレイ(吹替)] 6点(2017-08-01 23:22:22)(良:2票) |
18. スーサイド・スクワッド
《ネタバレ》 悪役チーム結成!おぉ、こんなに魅力的な主人公はいません。おっと、結構大人数ですね。それに対する敵は…よくわかりませんね。 まぁそんなこんなで豪速球で説明を済ませて荒れ果てた都会を舞台に悪が悪を倒すヒーローモノ(?)なワケですが、とにかくキャラクターが多いのでその分薄味なのが残念な所。そしてエピソードもたっぷりあるワケですがこれも大量に詰め込みすぎて一つ一つがちぐはぐで薄味になってしまってるのも残念だったなぁ。 そして一番残念なのは彼らが極悪に見えない所。いや、悪い事してるけど自分の中の道理を通してるだけ、悪というとそれもなんだか微妙なんですよ。特にデッドショットは子煩悩親父すぎてワルな感じは皆無ですし。ハーレイも狂ってるなら狂いっぱなしがいいけれど、話がわかる奴なのがなんともかんとも。そんな中ブーメランおじさんはズルく小悪党な感じか溢れ出ていてとても良かったです。まぁよくあるパターンであのオバさんが一番悪い奴でしたが。 そんな作品ですが世界観や色使いは非常にセンスフルでとても好みでしたし、キャラクターの造形はどれも一つ一つ映画にしてもらいたいくらい魅力的なんですよ。それを2時間の中で収めようとしちゃうのはやはり無理があります。そんなこんなで本作はとてつもなく良い食材なのですが料理が上手くいかなかった非常に惜しい作品でした。 [映画館(字幕)] 4点(2016-10-06 14:54:54)(良:2票) |
19. 若おかみは小学生!
《ネタバレ》 楽しくも忙しい現実とファンタジーな世界で小学生なのに旅館の若女将というあり得ない生活を送るおっこ。 旅館の女将として成長して行きながらも、その下地には両親の死という受け入れられない現実が根付いている。忘れられるわけがない両親との思い出、若女将として立派になるため受け入れようと努力しつつももまだ甘えていたかった子供ながらの思いが混ざり合う。時にはトラックを見てパニックを起こす。おっこの毅然とした態度と成長、賑やかなファンタジーのような側とは裏腹に本作はとにかく容赦が無い。最後には、おっこの両親を事故に巻き込んだ一家まで出てきてしまう。 その容赦の無い現実をいろんな人に支えられながら受け入れ、立ち向かうおっこに胸を打たれないわけがない。 本作はもう完全ノーマークでしたが、ネットの評判が良いため急いで映画館へ。 結果、いい大人が終始ボロボロ涙を流す羽目になりました。素晴らしい。 [映画館(邦画)] 8点(2018-10-11 21:09:43)(良:2票) |
20. キング・コング(1933)
《ネタバレ》 元祖コング氏を知るために視聴。 見所はやはり特撮。髑髏島の門を開けたが最後、凡庸なドラマはスリル溢れる非現実に直下していく。これが戦前の映画とはまぁ信じられない。 ストップモーションアニメによるコング氏と恐竜達の怪獣バトルはとにかく熱い。特にヘビ的なヤツがコング氏の首を絞めてくるシーンは冷や汗モノ。自然と「コング氏頑張れ!」と応援しちゃいます。それにあまりにも自然な合成にもビックリ。マジでコングと人間が入り混じる世界を見ているかのようだ。 しかしまぁドラマは古典的だし、ヒロインはかなりアイコン的で叫んでばかりで深みは無い。 だけどコング氏のなんと名優っぷりだろう、どこまでもエゴの塊である人間に対する怒り、惚れた女に対する紳士っぷり、そして恐怖の対象としての仕事人っぷりどれをとっても完璧。 人を潰したり、人を咥えて投げたり、人を高所から落としたりと中々エグい事をするのもなかなかです。まぁ人間が悪いからしゃーない。あとお顔も表情豊かでちょっと目が可愛い所も嬉しい。対ゴジラのはなんだったのか。 そして最後の終わり方はなんとも悲しい。 人間のエゴによってジワジワと殺されて行くコング氏の悲しい目がたまりません。なんて事をするんだ! そんなこんなで今見ても凄い本作。コング氏の華々しいデビューは90年近く経った今でも素晴らしい輝きを放つ映画でした。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-05-09 09:57:17)(良:2票) |