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1.  万引き家族 《ネタバレ》 
 現代の貧困社会を描いた作品という先入観で見てきましたが、象徴的に「スイミー」が引用されているように限界な人たちのコロニーへの逃避の話でした。黒い魚がいなかったからでしょうか、彼らは現実に勝てず現実的な、終盤の警察のシーケンスに入っていきます。気のきくオヤジ(柄本明)の店が忌中だったところが映画的なサインなのでしょうか。  全体を通して演技は自然に行われ、序盤の食卓のシーンから高い品質が伺えます。各人の労働の設定も現代的で、ダメそうなオヤジが「日雇いだけど労災出るって」とぬか喜びして帰ってくるところや、クリーニング工場のパートというリアル感。また若い女が性風俗で働いているという設定も、他作ではありがちな安易にキャバ嬢にせず「見学JKリフレ」という2010年代のガチ性風俗トレンドをぶっこんでいます。  審査員が一新されたカンヌで大賞を取った要因は、信代(安藤サクラ)のシーンのほとんどがカンヌ女性審査員長の好みに適合した、これに尽きるでしょう。特にゆり(じゅり・りん)ちゃんの持ってきた服を庭でたき火して「好きだからたたくなんてのは嘘。好きだったらこうするの」と抱きしめるシーン。「このシーンでカンヌを取った」といっても差し支えないところです。ほかにも祥太にゲップ指南するところも秀逸です。4人の女性はそれぞれの年代の危機を乗り越える人でありながら、彼女たちの強さや誇りは一様に弱者に対する共感です。是枝監督のエゴの表出でもあるわけです。  お互いのことを皆まで話しているわけではないこの家族もどきたちは、例えば男関係で今日いいことがあった信代と亜紀(松岡茉優)は出来事のヒントだけで楽しく盛り上がれます。亜紀は意地の悪い女性警官(池脇千鶴)に吹き込まれ、おばあちゃんは金のために私と生活していたのかと疑うことになりますが、ときおり亜紀の体温を感じては「良いことがあったの、嫌なことがあったの」と見破る態度は彼女のことを親身に心配していることがわかります。警察は都合を優先し共感を後回しにしているのでこの作品では悪者ということになるでしょう。  しかしこの人たちがそれこそ「偽物だからこそ、選んだからこそ絆が深い」とは言えないと思います。これはあくまで友情です。ラストシーンでは、乳歯が抜け、海へ行った思い出を持ち、アホな数え歌を覚えたゆりちゃんが、あの人たちを探すようにします。きっと彼女はそれなりに成長を果たしたといえるのでしょう「洋服を買ってあげる」にきちんと拒絶の意思を示せました。2月のあの日、コロッケを3つ食べていなければ死んでいた彼女は、それまでの人生、天国にいったおばあちゃんに優しくされて育ちました。そのあとの人生の危機に訪れた家族のようなふりをしたがるあの人たちはきっと、のび太にとってのドラえもんのような存在に違いありません。
[映画館(邦画)] 9点(2018-06-09 01:10:04)(良:2票)
2.  ポリスアカデミー3/全員再訓練! 《ネタバレ》 
 話はシンプル、二つのアカデミーの一つが整理されるというので評価のために奔走する。失敗と嫌がらせでどん底に落ちるがご都合よく間抜けなテロリストがやってきてくれて、水上バイクによるチェイスの末勝利する。   偉大なる嚆矢である1。見事卒業した後もアカデミーとの縁をもってドタバタを繰り広げる2。それに比べてこの3は、なってない。  とにかく1と2に出てきた人気キャラを立て続けに羅列、おまけに蛇足的なキャラかぶりの新メンバーを追加。それだけで時間が消化されてしまう。しかしよくないのはそこではない。今回の敵、マウジーはかわいげもなく怖くも強くもなくただ憐れみを誘うようなおじさんで、いたずらするポリアカメンバーに共感できない。比べて、今回も出てきた2の敵ゼッドのキャラの立ちっぷりは半端じゃない。憐れみといえばスウィートチャックはいわゆるユダヤ人ギャグの体現者なのだろうが、面白くない。面白くない割に出じろが多すぎる。  いわゆるバカ脚本で話がバカというのではなく、ちょくちょく出てくるそれぞれの人生の克服がバカバカしい。バカバカしい話に不必要だ。なんでバカバカしい話にこんな不釣り合いなバカバカしいテーマをつけるんだろう。しかし不思議だ。2のタックルベリーの童貞喪失と結婚は笑えたが、スイートッチャックが男になるだの言う話には共感できない。そもそもこの作品は楽しいキャラクターを作ることに失敗している。 オタク女のサラ、金持ちのヘッジス、ファックラーの嫁などは出オチのみ、その後の活躍がない。マウジーが今回は哀れっぽいのも、単純なライバルになってしまい、仲間を貶めようとするいじわる班長でないことが悪としての憎しみを燃やしにくくさせている。
[DVD(吹替)] 3点(2018-05-10 03:04:41)(良:1票)

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