21. アイアンマン
《ネタバレ》 軽い気持ちで観た方が得、という当初の意見には変わらないがこれ改めて見直してみるとそれなりに現代の情勢に合わせている点も好感を呼ぶ。ベトナム戦争を背景に進められていた原作をアフガン戦争に合わせ、国家に利益をもたらす軍需産業が逆にテロを助長している要因となっている皮肉をちゃんと表しているのだ(といってアフガン=悪、アメリカ=善で片付けられそうな単純な表現も無くはなく、なんじゃそりゃではあるが)自分が開発した製品がテロ組織に使用されている現実を知りその撲滅の為に立ち上がる天才科学者トニー。やはりこれはロバート・ダウニーJRのいい意味での妙な胡散臭さ・演技の巧さが光る。そしてアイアンマンガーのデザイン、スキンヘッドの悪役ブリッジスとこれもまた愉快。ヒーロー物好きな自分には満足でした。 [映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2008-08-13 22:39:43) |
22. 赫い髪の女
久方ぶりにDVDで再見しこれは「ロマンポルノ」という範疇を超えた、素晴らしい名画であることを再認識した次第。ブックレットには「体を貪り合う事でのみ結ばれた男と女の澱んだ関係」とあるが個人的にはまったくこれ、澱んでいない。彼らは体を求め合う事でのみ自分の生を実感している、寂しさを抱えた男女なのではないか。それには「澱んだ」という言葉よりも傷ついた心そして体をいたわり合っている「優しさ」が垣間見える気がする。もちろん主演の二人の好演もさることながら、憂歌団の音楽もまた良い、監督神代の名作。 [映画館(邦画)] 9点(2007-02-03 19:41:48)(良:1票) |
23. 雨に唄えば
《ネタバレ》 ちゃんちゃらちゃんちゃんちゃ~、ポーン!(ケーキから出てくるデビー・レイノルズ!)このシーンで僕は映画を見続ける事の幸せを感じ、今でもその感動を追い求めているのだなぁと思う。時代が変わり、技術が進歩しようとも多分このような感動は永遠にあせない、そんな映画。(悪声スターを演じたジーン・ヘイゲン(好演!)の扱いだけかな、あえて不満と言えば。) [映画館(字幕)] 10点(2006-10-19 21:23:05) |
24. アニーよ銃をとれ
ベティ・ハットンの300%の熱演と周りのキャスティング(ハワード・キールもいいがやはりルイス・カルハーン)の好サポートが印象を残す、MGMミュージカルの佳品。(私見で申し訳ないがDVDの映像特典、ジュディ・ガーランドのアウトテイクは入れていただきたくはなかったです。ベティ・ハットンの300%以上の熱演をもってしてもヘロヘロのジュディには及ばなかった、というある意味酷なものを感じてしまうんですよね。付いてて良かった!という方もいらっしゃるとは思いますが。) [DVD(字幕)] 7点(2006-06-17 00:59:02) |
25. 赤い殺意(1964)
《ネタバレ》 今村映画の常連小沢昭一は、「土着的な雰囲気をかもし出す都会人監督(都会的なセンスをかもし出している地方出身の川島雄三の対比として)」と説明しているが、自分が好きなのは登場人物を取り巻く苦しい因習や環境に対するパワーの源が泥臭い土着的なイメージで表される「ど根性」、そして恵みを与えるかのような母「性」(だから男は皆情けない人物ばかり)。またかなり陰惨な話にも拘らずその土地の「方言」が妙にホラ話的な感覚を与え、とぼけた味わいをかもし出す。ここに私などは楽しみを覚えるんですね。(だから陰惨なだけの「楢山節考」、中途半端なエッチぶりの「うなぎ」などはちっとも面白くないわけです) でこの話。仙台(その頃はまだ田舎の地方都市)でひ弱な男と生活している風采の上がらない主婦(春川ますみ好演)がある日見知らぬ男に乱暴されてから女としての自信を取り戻し、たくましい女になってゆくという話を「今村節」というのかパワー全開で展開させています。「にっぽん昆虫記」と並ぶ、彼の名作ですな。長々と失礼しました。 [映画館(邦画)] 9点(2006-06-05 22:59:51)(良:1票) |
26. 悪魔のいけにえ
これは最大級のほめ言葉なのですが、映画を見ていて本当に不快な気持ちになったのは後にも先にもこの一本だけ。訳わからない、気持ち悪い、耐えられない。この映画ばかりは映像がどうとか、演技がどうとか語るよりも実際に見て感じるしかないそんな一本。しかし「ゾンビ」と共に後の文化・芸術に多大な影響を与えた金字塔にも関わらず撮った本人はまったくその勢いや流れに乗り切れなかった、という所がまたトビーらしい、というのかなんと言うのか。映画ファンにとっての「劇薬」。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-05-07 19:15:24) |
27. ある結婚の風景
《ネタバレ》 倦怠期を迎えた夫婦が紆余曲折を経て離婚。離婚時はいざこざがあって大変だったが、時がたち新しいパートナーを得た二人が再会した時は昔の思い出を落ち着いて話す事が出来ました。文章にすればこれだけの内容だけど、ベルイマンが示した3時間の内容で語られるその実態は身もふたもない。設定としては知識人の家庭で子供もいてという事から理知的な会話をするかと思えば、感情に走っているときのその行動はまさに雄と雌。最初は何らかの妥協点を見出す努力をそれなりに行い、何となく離れがたい振りをしているが、一旦相手に対する嫌悪感があふれだすと、もう止まらない。自分達の性生活に対する思いをあけすけに語り、傷口に塩を塗りゴシゴシとこするような振る舞いや言葉の応酬。主演2人の演技合戦を(特にリブ・ウルマンの存在感)見ていて疲れてしまった。「理想的な夫婦生活」でも起こりうるかもしれない結婚生活の危機と破滅をこれでもか、と見せていただきましてもうお腹満腹っす。マイナス点は子供の存在がありながら、それに関してあまり触れていない事。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-04-20 02:54:43) |
28. 赤い風船
スクリーンに投影された本当の「ファンタジー」映画。 [ビデオ(字幕)] 10点(2006-04-16 13:01:45) |