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コメント数 1963
性別 男性

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41.  あんなに愛しあったのに 《ネタバレ》 
映画愛、ずばりこれに尽きる。イタリア人監督による祖国イタリアへの思い、尊敬するイタリア人監督への愛、そんな愛に満ちた映画である。一人の女性に対して同じ思い、愛を抱きながらも全く違う道を歩む。時には本気になって殴りあいの喧嘩をするも、最後はみんな、仲良くと、喧嘩するほど仲が良いとはよく言ったもんで、この映画のあの三人の男達を見ていると解る気がする。解ると言えば自分が大好きで大好きでたまらない映画、ここで言うならクイズ番組でのニコラの姿なんて同じ映画ファンとして解りすぎるほどよく解る。間違ってない。絶対に正解だと自身満々に答えたのに駄目だとされ、納得いかずにテレビ局に五回も抗議し、全て拒否されるあのニコラのキャラクターが私は好きで好きでたまらない。映画の中に幾つもの映画のシーン、それもモノクロやセピア色などとこれまた昔の映画が好きな私にはストーリーよりもそういうシーンを見ているだけでも楽しかった。同じ映画を同じ場所で見ているイタリア人の顔付きの良さ、映画ってやはり良いもんですよね。て、今は亡き水野晴郎さんの真似をしたくなりました。ラストにあのクイズに出された「自転車泥棒」を撮ったヴィットリオ・デ・シーカにこの映画を捧げる。とあるのを見て、同じ映画監督として、これほど嬉しい言葉はないのではないでしょうか!デ・シーカ監督もきっと喜んでくれたに違いない。ここ一ヶ月の間にこのエットーレ・スコラ監督作品を3本見たことになるけど、この監督さんの映画、好きです。他のイタリア人監督に比べてどの作品もコメント数少ないけど、もっと多くの人に見て欲しい。心からそう思う。
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-11-16 21:20:59)(良:1票)
42.  穴(1960)
一切音楽を使わない。音楽を省くことによって生まれる緊張感が凄い。ひたすら脱走の為に穴を掘る。その為に大きな音を立てる。この大きな音があれば余計な音楽なんか不要だとばかり言ってるようである。映画を盛り上げるのは何も音楽だけじゃないことがこの映画を見ると思わずにはいられなくなる。バレるかバレないかの緊張感を味わう為の映画でもあると言えよう。  
[DVD(字幕)] 8点(2009-11-14 21:56:33)
43.  逢びき 《ネタバレ》 
不倫を扱った映画は今も昔も山ほどあるが、今の映画だと不倫をしている当事者である男と女が自分達さえ幸せならそれで良し、周りの人達に迷惑かけようがお構いなしで、その結果、死者が出ようが自分達の責任ではない。死ぬ方が悪い。そういうような何ともドロドロした内容のものになりがちであるが、この映画はそういうドロドロした部分が全くなく、だから見ていてもけして、嫌な気持ちにはならない。その事をデビット・リーンというこの監督はよく解っている。たった一度の過ちである不倫、しかし、この映画の二人の主人公はどうしようもないほど好きである気持ちを隠さない一方でお互いの家庭を壊すことだけはしたくない。だから絶対にお互いの夫や妻に対しても、普段のままであり続けようとする。けして、不倫の現場というものを互いのパートナーには見せない。こういう演出でさえ、やはりこのデビット・リーン監督は品の良さを感じるし、そういう労わりを持って描ける。だから一流の監督であると言われているのではないかと私は思います。今時のハリウッド映画や邦画だと直ぐに抱合い、ベッドに入り、挙句の果てにはお互いの家庭を壊し、そして、二人だけが幸せになろうとする。そういった品の無い不倫ものばかりが存在する中でお互いが別れを決断し、共に自分達の家庭へと戻って行くラスト、ローラの辛そうな顔を見てそっと声をかけるローラの夫の男らしい姿にこの映画全体の温かさ、優しさを感じると共にそして、いつまでもしつこく描かずにここでという所で終わらせるというのも上手い。昔の映画と今の映画の一番の違いはこのいつまでもしつこく描かない昔の映画としつこいほど描く今の映画、余韻を残したまま終わるからこそ映画は素晴らしいのであって、そういう所を今の監督には見習って欲しい。
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-06-06 16:53:58)
44.  あの手この手(1952) 《ネタバレ》 
おう!これは思わぬ拾い物!流石は市川昆監督です。何を捕らせても、どんなジャンルにおいても標準以上の少なくとも今の日本映画、いやいや、アメリカ映画よりレベルの高い作品を撮る。この作品は川島雄三監督の「女であること」に雰囲気からして本当に似ている。あちらに比べてこっちのがコミカルで楽しめる。久我美子がまずは何と言っても可愛い。可愛いて意味においては黒澤明監督の「酔いどれ天使」に匹敵するぐらいとにかく可愛い。そんな可愛い久我美子に振り回されぱなしの森雅之、こんなコメディアンぶりを見せてくれるあたりはやはり名優間違いない。女に振り回される男の弱さと女の強さ、これを見ると男って生き者は女に振り回されるのが嫌いと言いながらも結構好きなのかもしれない。えっ?お前はどうかって?ご想像にお任せします。相手が久我美子みたいに可愛い子なら大抵の男は振り回されてみたいと思うような気がします。 最後にこれ、違うキャスティングでも見てみたい気がする。例えば、若尾文子に振り回される市川雷蔵、左幸子に振り回される小沢昭一じゃ「品川心中」だよなあ!司葉子に振り回される小林桂樹じゃ「社長」シリーズか?まあ、色んなキャスティングでも十分楽しめると思います。 
[ビデオ(邦画)] 8点(2009-03-22 11:17:56)(良:2票)
45.  甘い生活 《ネタバレ》 
これは物語というようなものがあるようであり、ないと言った方が良い。はっきり言ってハリウッドの大作にしか興味のない方は観ない方が良い。観たら間違いなく退屈で眠くなり、二度とこの監督の映画など見るものかとなること間違いなしです。色んな国の映画に触れてから見ることをお薦めしたい。それは他のヨーロッパの監督、例えばヴィスコンティやベルイマンの映画と同じでけして、楽しい映画ではございません。この監督らしい人間の孤独のようなものをイタリアはローマの美しい街並みとそこに流れる空気、それはこの映画の場合だとだらしのない主人公とそんな主人公に関わる女達、流れる空気はけして、甘くはない。むしろタイトルとは反対に人生は厳しく辛いものであるとこの映画を観ると思わずにはいられなくなる。厳しいこと、辛いことが多いからこそ人は幸せを求めようとするものである。主人公マルチェロは甘い生活を求め奥さん以外の女とも関係を持とうとするが、それにより自分も奥さんも別の女も不幸へとなっていく。人生に甘さを求めれば求めるほどどんどん苦しくなるというまるで映画のタイトルを皮肉ったかのようなどこまでも惨酷であり、ラストのあの魚の眼の不気味なまでの表情にこの映画の怖さが描かれているようであり、また、この映画の前半のグラマー女優シルビア(アニタ・エクバーグ)とマルチェロのやりとりなどはフェリーニ監督からのワイラー監督へのオマージュ、あの名作「ローマの休日」を思わせる。この監督のローマに対する拘りのようなものも感じることが出来る。何度も言うように笑ったりワクワクしたりと楽しい映画ではない。そういう楽しさだけを求める人には向かないということを覚悟の上に観ないと絶対に途中で見るのを止めたくなります。
[ビデオ(字幕)] 8点(2008-10-25 19:35:03)
46.  愛妻記 《ネタバレ》 
フランキー堺と司葉子の二人が夫婦だなんて、あぁぁぁ、良いなあ!もう、それだけで半分以上の点数はやりたくなる。そして、二人のやりとりを見ているだけでも物凄く楽しい。フランキー堺と最初に出逢った司葉子がくしゃみをする場面における司葉子の何と可愛いこと、可愛いこと、あの「くしゅん」てくしゃみの仕方、女としての可愛さにとにかく司葉子、司葉子、本当に司葉子が可愛い。フランキー堺とのやりとりがとにかく微笑ましい。仕事で帰りの遅いフランキー堺を待ちながら寝てしまう司葉子のあの首筋、寝顔を見ているだけであぁぁぁぁ、なんて可愛いんだろうと思ってしまう。そんな司葉子がフランキー堺のことをノートに「バカ、バカ」と書きつづけてるのも良いなあ!私も司葉子になら「バカ、バカ」て言われてみたい。本当にそう思う。フランキー堺が司葉子の鼻にキスした時の司葉子のくすぐったそうな表情も良い。布団に隠れ、顔を出す時の司葉子もこれまた物凄く可愛い。フランキー堺に司葉子、この二人のやりとりだけでも見ていて物凄く楽しい。タイトル通りの愛妻家であるフランキー堺も司葉子の魅力同様、ここでもフランキー堺という俳優の持っている人柄の良さが見られる。ラストの二人で空を見ながら富士山の話をする場面に二人の夫婦が本当に愛し合っているのがよく解る。この二人の共演て言うと「社長」シリーズや「駅前」シリーズがあるけど、あちらは二人共脇役、今作では二人が主役であって、二人揃って主役である作品となるとそうはない。滅多に見れない二人揃って主役のこの作品、とにかく二人の夫婦の絆、愛情のようなものを何ともコミカルに描いているのも良い。二人が出ている作品でこんな良い話の作品がまだあったとは知らなかった。フランキー堺と司葉子ファンにとっては間違いなく楽しめるはずだと自信をもってお奨めしたいが、この作品ってビデオ化されてるのかな?あぁぁぁぁ!それにしても司葉子の何と言う可愛さ、この司葉子を見ても可愛いとも何とも感じない奴は男じゃないと言いたくなるぐらい司葉子の魅力でいっぱいの作品です。食べちゃいたくなるぐらいの司葉子の可愛いさ、これを見たら司葉子ファンは益々、司葉子が好きになること間違いなしです。 
[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-08-14 11:04:42)(良:2票)
47.  あらくれ(1957)
これは凄い喧嘩だなあ!高峰秀子の演技がとにかく凄い。ここまで気の強い女が主人公の成瀬映画で観たのは初めてかもしれない。加東大介との喧嘩も凄いがとにかくよく喋る。あの凄い台詞の応酬はまるで喜劇のようである。上原謙に愛想つかして出て行く高峰秀子が見せるあの顔付き、これを観て男のだらしなさと女の強さを改めて思い知らされた気がする。成瀬作品では大変珍しいこのヒロインのもたらす意味会い、強い女の前に男は何も出来ないという成瀬映画を見ている感覚であると同時に川島映画のような感じもする何とも不思議な作品!それにしても高峰秀子は上手い。これを観ると成瀬監督が如何に高峰秀子という女優を気に入っていたか?またこの演技を見せ付けられるとこれは成瀬監督でなくても高峰秀子を主演に強い女がヒロインの映画を撮りたいと思わずにはいられなくなるだろう!
[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-05-07 22:57:51)(良:3票)
48.  あにいもうと(1953) 《ネタバレ》 
これは本当に物凄いドロドロした兄と妹のドラマであるなあ!妹の京マチ子のことを思えば思うほどその妹への愛情が裏返しとなって妹に子供をはらませた男(船越英二)への暴力となっていく兄、森雅之のなんとも頑固で意地っ張りですぐにかぁっとなる所、そんな兄と妹の喧嘩の凄まじいことといったらない。演技てよりも本物の喧嘩でも見ているようである。そんなとにかく何もかもドロドロしている中で浦辺粂子の母と父との全く対照的な感じがこれまたいかにも昭和の家族って雰囲気を表している。また京マチ子の妹の久我美子の清潔感溢れる優しさも良い。そんな久我美子のことを「さんちゃん」「さんちゃん」て言う人達の呼び方もこれまた良い意味で作品を和らげている感じがして良い。これだけのドロドロした内容にも苦にすることなく見れたのは成瀬巳喜男監督の相変わらずの上手さであって、川で遊んでいる子供達、流れる川の美しさ、こういう何気ない描写がこの監督らしい持ち味をここでも発揮しているところが凄い監督さんだと改めて思ったと共にこの監督の映し出す世界には人間の持っている身勝手さと優しさとがどちらもきちんと描かれているところも流石だと感じました。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-03-09 09:55:03)(良:1票)
49.  アルカトラズからの脱出 《ネタバレ》 
監督、ドン・シーゲル、主演にクリント・イーストウッドの「ダーティ・ハリー」コンビによる脱出劇!しかも、作り物ではなくて、実話を元に描かれている。その画き方が何とも丁寧にじっくりと描かれているから凄い。絶対に脱走不可能と言われている刑務所の中でのドラマにじわりじわりと張り詰めた緊迫感、緊張感漂う作品になってます。クリント・イーストウッド演じる主人公と親しくなった絵を書くことの好きな囚人が冷酷な所長の手によって、書いた絵を取られておかしくなる姿が何とも痛ましい。刑務所の中でたった一つの楽しみであるはずの絵を書くことへの自由を奪われた彼のあの変貌振りは人間の狂気、やるせなさを描いているし、また人の自由を奪う冷酷な人間の姿がじっくりと描かれていて感心させられる。物凄いアクションや凄いCGなどを駆使して、驚かせようとする近年のハリウッド映画のようなものなど一切、無い。しかし、だからと言ってつまらなくはないし、むしろ、そういう凄い映像だらけの大作よりもずっとずっと見ていて楽しめるし、緊張感も持続しつづけている。冷酷極まりない所長への警告のようなあの囚人達の脱走への計画、それを夜中に張り詰めた空気の中で実行に移す彼ら、その模様がじっくりと描かれていて面白い。クリント・イーストウッド演じる主人公が脱走しようとしている所をバレタのかと思わせておいて、一旦は何もなかったかのように見せる演出、上手い演出だ!そして、再び行なわれる真夜中の脱走劇、脱走に成功し、海の中、島から去っていく男達、脱走後、ここであの例の人形を見回りに来た所長に見せて、あっと言わせる。上手い。上手すぎる。クリント・イーストウッドが悪人にしては、やはり正義の男ぽく見えてしまうのはマイナスだが、それでも十分、面白い。下手なアクションものなんか観るよりは絶対にこの映画の方が良い。
[DVD(字幕)] 8点(2007-12-30 18:08:58)(良:1票)
50.  ああ爆弾
オープニングの歌舞伎の世界を思わせる何とも言い様のない、得体の知らない始まり方、相変わらず伊藤雄之助の演技の可笑しさ、そして、あまりの馬鹿ばかしさ、国家権力に立ち向かう男の姿を岡本喜八監督独自の世界観によって描かれるこの変な世界はどこを取っても岡本喜八監督ならでは!伊藤雄之助の演技がとにかく凄い。銀行でのあの変な踊り、ミュージカルシーンにおける馬鹿ばかしさ、人間なんてものはいかに馬鹿な生きものか?てこれを見るとそう思わずにはいられない。布団に寝ている妻とのやりとり、お経の場面のはちきれんほどのパワー、何ともふざけているものの、そのふざけている場面においてもどこか人間の可笑しさ、哀しさみたいなものが滲み出ているのは岡本喜八監督の他の作品にも多く見られる共通点でもある。いつの時代においても岡本喜八監督が描く人間はやっぱり変人だ!そんな変な人間の変な部分を正々堂々と描こうとしている。この映画は完全にミュジカル映画に対して喧嘩を売っていると思えてならないのだが、こんなミュージカルがあっても別に良いのでは?いずれにしてもこの変てこな世界はやはり岡本喜八ワールド!他の監督にはない。岡本喜八監督の岡本喜八監督による岡本喜八作品です。
[DVD(邦画)] 8点(2007-12-15 21:18:36)(良:1票)
51.  赤いハンカチ
日活映画が活気づいていたと言われている時代の映画の一つで、石原裕次郎の代表作でもある。そして、そんな石原裕次郎作品は今までにも沢山、見ているけど、私としては石原裕次郎よりも何と言っても芦川いづみ目当てに見ているのだが、今回はそんな芦川いづみは出てません。そして、もう一人、石原裕次郎映画に多く出ている北原三枝も出ていない。しかし、この映画は石原裕次郎の代表作として挙げて良いと自信を持って言える。それは何故か?ヒロイン役の浅丘ルリ子が抜群に良いからです。この時代の日活アクションものにありがちな決まりきった展開も、浅丘リル子の存在があればこその作品として、舛田利雄監督の切れのある演出も冴え渡り、ヨーロッパ映画のような独特な雰囲気を醸し出し、少なくとも私にとっては今まで見た舛田利雄監督の作品の中で一番の作品です。三人の複雑な男女の関係、三人が互いに憎しみ合いながらも惹かれ合うという話そのものはそれほど新鮮味を感じないが、石原裕次郎と二谷英明の二人の男を心から受け止める女を演じて見せた浅丘ルリ子、この映画の成功は一にもニにも浅丘ルリ子という女優があってこそのそんな作品だと思います。浅丘ルリ子という女優さんは男の気持ちを理解し、時には喧嘩もするけど、その一方で男に対して優しさを見せる。そういう役を演じさせたら抜群に上手い。それは「男はつらいよ」シリーズのリリーを見ていれば解る。とにかく石原裕次郎と並んでこの作品、浅丘ルリ子の代表作として挙げられる作品だと思います。
[DVD(邦画)] 8点(2007-09-24 10:58:17)
52.  悪名(1961)
ずっと前から観たくて、観たくて仕方なかった。皆さんのコメント通りの面白さ、既に全員が書かれているようになんてたって、勝新と田宮二郎のコンビが良い。アウトローな勝新とまたそれとは対照的にやたら勝気な田宮二郎、この二人を見ているだけでも楽しい。この映画について書かれている人を観るとやっぱりと言いいますか、予想通り、全員男!これは正に男の映画であって、女には解らん。理解出来ない世界だろうけど、こういうのに男って奴は弱いのでございます。それにしても一番、驚いたのが中村玉緒ですよ。何やねん?あの可愛さは、そりゃあ、勝新が惚れるのも解るってもんよ!この映画は一言で言えば粋な映画!つまりそういう事です。
[DVD(邦画)] 8点(2007-07-13 20:51:17)
53.  あした
やはりと言うか予想通り何かと酷評されてはいるけど、私はこの作品も大林宣彦監督らしい優しさが画面全体通して伝わってきて好きです。どんな人にも心の中に大切な存在である人が一人や二人はいる筈です。そんな大切な人がもう、今はいない。けど、そんな人ともしも、また再会出来るとしたら?そういう人としての思いが描かれています。そして、この映画のタイトルにもなっている「あした」正しくこの映画のテーマは「あした」。この映画が言いたいこと、大林宣彦監督が言いたいことはあしたがあるということのありがたさ、大林監督の映画の多くに見られる「死」についての描き方もけして、後ろ向きなだけの捉え方をしてない。あしたを生きろ!命の大切さ、これぞこの映画の中で一番、言いたかったことだと思います。
[映画館(邦画)] 8点(2007-07-07 18:26:55)
54.  赤い殺意(1964)
これこれ、これこそ今村昌平監督らしい演出の力強さ、後味こそあまり良くないが、何か観ていてゾクゾクとする。寒気のする演出によって生まれる恐ろしい映画になっている。主演の春川ますみの不気味な表情とトボケた表情がどことなく哀しい。哀れな人生をここまでやるか?ここまでじっくり描くか?今村昌平監督!尊敬する東北は青森県生まれの川島雄三監督に対する思いが東北弁の台詞により見てとれる。そして、この映画、撮り方も本当に恐い。電車に煽られる春川ますみが本当に恐い。「黒い雨」も含めてそれ以降の今村作品には不満の方が多いが、やはりこの頃の作品は凄い。まだ未見の今村昌平監督作品がかなりあるので、これがベスト作品かどうかは他のも観てから決めたいと思うが、晩年の今村作品にはないゾクゾクとする雰囲気がこの映画には十分ある。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-06-16 17:58:51)
55.  あした晴れるか 《ネタバレ》 
ここ最近、芦川いづみ目的に川島雄三監督作品以外での芦川いづみばかり観ている。勿論、そうなると自然に石原裕次郎を観る機会も増える。そんな二人の作品、最近見たこの二人の映画ではこれが面白さという意味では一番面白かった。新聞社で働く石原裕次郎演じる一人の青年とそんな石原裕次郎と共に行動する芦川いづみ、更にはバーで働く一人の女との駆け引き、男と女との壮絶な戦い、石原裕次郎が撮った写真をめぐり、やくざまで出てきて(巻き込んで)の何ともハチャメチャな展開と言葉の応酬が面白い。石原裕次郎と芦川いづみの喧嘩ばかりしてはいてもそんな喧嘩がどこか楽しくて良い。二人の上司が君はどんな子が好きなのか?常に眼鏡をかけていて、いつも不機嫌そうな芦川いづみとエリザベス・テイラーとを比較するという何とも比べにくいなあ!エリサベス・テイラーも良いけど、私は断然、芦川いづみです。そうだなあ?芦川いづみをハリウッド女優に例えるならどちらかというオードーリー・ヘプバーンかナタリー・ウッドだと私は勝手にそう思っている。とにかくこんな不機嫌そうな芦川いづみでもやはり可愛くてたまらん。
[ビデオ(邦画)] 8点(2007-05-04 11:04:51)(良:1票)
56.  荒武者キートン
久しぶりのキートン作品観賞!やはり良いねえ!キートンの映画って、粋な感じがして観ていて気持ちが良い。キートンの映画はどんなに時が経っていても今の映画よりも数段、新鮮な気持ちで見れる。そして、何といってもキートン得意の身体を張ってのアクション、そして、ハイセンスなギャグ、これに尽きる。この作品の中でもそんなキートンが色んな場面で観れます。前半はシリアス、ところがキートンが画面に出てきた途端にいきなりそれまでの展開が嘘のようなアクションコメディに変わり、最後まで飽きずに観れる。自転車のこぎ方といい、列車の扱い方といい、釣りのシーンでの笑えること。なにわともあれこれまた面白い作品でした。
[DVD(字幕)] 8点(2006-11-04 23:33:21)
57.  青い山脈(1949) 《ネタバレ》 
若く明るい歌声に♪で始まる日本を代表する有名な曲「青い山脈」の主題歌がタイトルにもなっているこの作品、初めて観ましたが予想通り、いやいや、予想していた以上に良かったです。この映画が作られた1949年って言うと、戦後まもない頃ですよね。敗戦によって失われつつある人々の明るさとでも言うのかなあ?何だか上手く言えないけど、この時代に作られたことが物凄く大きな意味を持っていると思いました。敗戦によって暗く沈んだ人々の心に爽やかな感動を与え、観る者に生きる喜び、勇気を与えたこと間違いないと私はこの映画を当時、リアルタイムで観た人の多くは思ったに違いないと思うわけでして、作品全体(役者からなにから全て)に漂う開放感、素朴さの中に一つの青春の明るさを観ることが出来た気がして、戦争経験のない私にもとても新鮮な気持ちで観ることが出来ました。この映画の中に登場する、原節子の気品溢れる教師ぶり、杉葉子と若山セツ子の初々しさ、特に大きくて丸い眼鏡をかけた若山セツ子のお蝶さん、いや、お蝶さんは「次郎長三国志シリーズ」だった。そやなくて、和子さんがこれまた物凄く初々しくて良い。「次郎長シリーズ」のお蝶さんとは良い意味で全く違う雰囲気の、いかにも昭和の時代の女学生って感じで良い味、出しています。他にも芸者に扮する木暮実千代の色っぽさ、会議のシーンでの木暮実千代が最高!「会議の時などにしかめ面している男ほど、女の人にぶたれるのが好きなんだよ」とか言ってるシーンなんて、可笑しくて、可笑しくて、女優陣に負けず、男優陣にしても全員が良い演技していると思います。とにかくこの映画、日本社会における封建制度に対する批判をしつつも、けして、単なる社会派のお堅い内容となることなく、それでいて嫌味な作品にもならず、一本の青春映画としてきちんと作られていて素晴らしい!間違いなく今井正監督の代表作として語り継がれる一本だと思います。
[ビデオ(邦画)] 8点(2006-05-14 21:38:39)(良:2票)
58.  赤ちゃん教育
やっていることは物凄く滅茶苦茶でいい加減なのに許せてしまうのは二人の俳優、キャサリン・ヘップバーンとケーリー・グランドという二人の演技あってこそとでも言うべき、ドタバタコメディでありながらも最近のアメリカコメディみたいに下品でないのが、この作品は良い。ハワード・ホークス監督はこういう喜劇も上手く撮るなあ!ということが改めてよく解る。誰一人としてまともな人間の出てこない話の中で見せる俳優達の演技合戦も見所十分で最後まで飽きさせない作品に仕上げたハワード・ホークス監督の手腕はさすがです。それにしても自分本位なキャサリン・ヘップバーンに振り回される何とも哀れなケーリー・グランドが可笑しくて、可笑しくて、大いに笑わせてもらいました。
[DVD(字幕)] 8点(2006-03-19 12:03:55)
59.  アンナとロッテ 《ネタバレ》 
戦争によって、また大人達の身勝手さの前に幼くして、別れる運命となってしまった二人の姉妹、アンナとロッテの眼を通して描かれる切なくも悲しい物語!第二次世界大戦下のドイツ軍、描かれているのは戦争によって、運命が狂ってしまった二人の姉妹の心の傷、それを描きながらも深く結ばれているアンナとロッテ、この二つの設定を丁寧、且つ上手く描いていて、見応えのある人間ドラマになってると思いました。それにしても、あのラストシーンの余韻の残し方は凄い!老年期の二人、アンナとロッテが森の中、二人肩を並べるようにして眠る。その後の姉、アンナの死と死に顔、それを見つめる妹、ロッテの顔が物凄い印象を残します。言葉に出さなくても、余計な説明などしなくても、この二人の姉妹が本当に仲の良い二人であり、どんなに環境が変わってしまおうと、互いのことが心から好きだということがあのラストを観て、強く思いました。私も出来ることならこの年のアカデミー賞外国語映画賞はこの作品に上げたかったなあ!
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-03-09 21:02:03)
60.  ある映画監督の生涯 溝口健二の記録
昨日の小津安二郎監督のフィルム映画に続いて、今度はもう一人、これまた日本映画を代表する名監督中の名監督の一人である溝口健二監督の記録映画もということで、小津監督を見たら溝口監督も見なくてはならないと思って、一緒に借りてきました。そして、これまた昨日、見た小津監督のフィルムに続いて、見応え十分!溝口健二監督と共に仕事をした素晴らしい俳優、素晴らしい脚本家、カメラマン、その他溝口健二監督作品に携わった多くの関係者のインタビューを聞いて、溝口健二監督も素晴らしい監督であったと共に一人の人間としても素晴らしい人物であったということが解る。日本人なら黒澤明監督は勿論、小津安二郎監督にそして、溝口健二監督も見るべきだ!それだけ溝口健二監督の映画には日本人的な美の世界が写し出されている。少なくとも現代の日本映画にはない何かがきっと見つかるはずです。この記録映画を見ると、私は勿論のこと、今まで知らなかった世界、溝口健二監督の素晴らしさ、溝口健二監督作品にもっと興味が沸くこと間違いないと思うし、少なくとも私は今まで以上に溝口健二監督の作品にも小津安二郎監督同様、興味が沸きました。とにかくまた一つ、素晴らしい記録映画を見た思いでいっぱいです。
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-02-16 22:47:14)(良:2票)
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