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プロフィール
コメント数 1648
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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61.  アナイアレイション -全滅領域- 《ネタバレ》 
なるほど、ジャンル分けするならSFかホラーか、という作品に感じられるのは確かですが、描こうとしているSF的概念にせよそれがもたらす一種の恐怖にせよ、かなり抽象的で曖昧なモノなのですよね。その意味では、邦題がちょっとイケてないかも知れませんね。原作小説の邦題が『全滅領域』で原題が(+映画の原題も)『Annihilation』なので、映画の邦題も無難と言えば無難なのですが、繋げちゃうとなんか…もうチョイ物質的で多少チープめなSFにも見えますよね。  ただ、そーいう作品としては中々細部まで好く出来てたのではないでしょーかね。肝心なトコロが抽象的、とは言ったものの、映画の入りは結構フツーのSFに見えなくもなくて、ただそこから続いてゆくひたすら緩慢なテンポや、起承転結がイマイチ感じられないただただ不穏な展開運びが次第次第にどこか寒々しくて血の通った感じのしない異様な空気をつくり上げてゆき、ラスト、灯台付近で映像的にも異世界感を一気に炸裂させてどこか違う次元へと連れ去られる様な、とゆーのが実に爽快だったですよ。そのラスト付近の映像表現もかなりユニークで「美しい」モノだったりで、その面でのお得感もかなり高度でしたし。  確かにオーラスの「瞳」の描写はちょっとよく分かりませんでしたが(個人的には蛇足に見えます)、総合的にはかなり楽しんで観ることができました。ナタリー・ポートマンの品格も(ある種ちょっと「お高く留まった」本作には)非常に効果的だったと思いますね。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-09-19 23:09:18)
62.  哀愁の花びら 《ネタバレ》 
芸能界を生き抜こうとする3人の女性の成功と挫折を描く…のですが、特に終盤は見せ場の連続で、その意味ではゴージャスとゆーかダイジェスト的とゆーか。個人的には、ちょっと感情の流れや人間関係の移り変わりの描写が足りないとゆーか雑に感じられ、非常にエモーショナルなシーンが続くワリにあまりコッチには伝わってこないとゆーか、やや上滑りなよーにも思いました。主役3人以外にも登場人物が多すぎる、というコトでもないですかね?(題材の若干ながらのチープさを含めて)確かに映画よりはドラマ向き、という話なのかとも大いに感じます。いっちゃん主役のバーバラ・パーキンスがまるで存在感が無い(他の2人に食われてる)つーのも、確実なマイナス要素であります。
[DVD(字幕)] 5点(2021-09-08 14:44:09)
63.  あの頃。 《ネタバレ》 
うーん、割とフツーの青春もの(ちょいフツーすぎ)という印象ですかね。ハロプロネタを全開にしたコメディ描写が前半はかなり笑えもするのですが、中盤以降はコメディ面は少しずつトーンダウンしてゆき、終盤はコズミンの病気エピソードに終始して笑える話ではなくなってゆく、そのビターな部分を含めて青年が大人になってゆく話だという意味でのごくありふれた青春映画かと。  出演者は総じてコメディ面を特に頑張ってる、という感じですが、一番頑張ってるのは何と言っても仲野太賀なワケです(松坂桃李を差し置いて、総合的には彼の映画だと言っても好いかも知れません)。ただ、そもそも彼が目立ち過ぎているとゆーコト自体、ソコはちょっとバランスが悪いという様にも思います(彼の死をクライマックスとしなければならない「縛り」があったとしても)。バランスという意味では、コメディとドラマだとか、喜怒哀楽だとか、その他の要素については逆に非常にバランスが整っている、否、整い過ぎている、という様にも感じます。つまり「突き抜けた」要素が無い(ハロプロものとしてさえ)が故に、逆に逆にまろやかに手堅くなり過ぎている、という様にも感じるのですね。原作付きではあるのでしょーが、もう少し何か「特化」した部分があった方が好かったのではないか、とも思いました(ソレこそ、ハロプロものとして、とか)。
[DVD(邦画)] 5点(2021-08-26 22:42:44)
64.  青の帰り道 《ネタバレ》 
青春映画(群像劇)ではあるが、これ見よがしに不幸に襲われる大勢の若者たちが描かれてゆく、その部分については多少は、リアリティの方を追求した現代劇とは異なる方向性を擁する作品…だと思う。でラストはまた唐突にミョ~に暢気に終わってゆくコトからも、今作はお話自体を描くとゆーよりはあくまでソレを通して描き出したいモノがある、という作品かと感じた。  最近私が観た日本の青春映画とゆーのを考えても、例えば『ここは退屈迎えに来て』なんてのは(群像劇なのも同じで)内容もかなり似通っていた様に思うし、『佐々木、イン、マイマイン』とか、或いは『猿楽町で会いましょう』なんてのもその系統かとも思う。確かに、若者を取り巻く状況は厳しいのだ。それは、世の中がどんどん高ストレス・高リスク・低リターン化してゆく中で、初めて世に出た若者が直面する学生と若年社会人の間の環境面の「乖離」の大きさに現れてくる(=それも今作にも描かれていると思っている)のかも知れないし、日本社会がどんどん弱者・敗者に厳しくなってきている(=そーするダケの余裕が無くなってきている)ことを意味しているのかも知れない。ただ、あくまで個人的には、それは仕方の無いコトなのかとも思う(⇒今までの日本が甘すぎたんだろう、と)。グローバル化って、そーいうコトでしょ、とゆーかね。  結論、この手の映画には大いに「共感」は出来ますですよ。でも、そーいう残酷な世界を生き抜く伝手として、大抵の邦画青春ものは結局友情だとか愛だとか、そういった「当たり前」のモノを見せつけて終わってゆくことしか出来ない、ソコにはある種「不満」が在ると言っても過言ではないのだ(偉そうなコトを言って申し訳ないですけれど)。まあ、あと10年20年もすれば最後の戦争世代まで完全に居なくなり、年長者の庇護(或いは「貯蓄」)も何もかも無くなってそれこそまた「焼け野原」になったこの国で、何の希望も無くてもひたすらに戦ってゆける人間だけが生き残る様になる、その頃になれば映画の中にも違った「答え」が見出せる様な状況になるのではないか、と思ってはいるのだケド。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-08-18 21:02:50)
65.  悪魔の奴隷 《ネタバレ》 
インドネシア産ですが、同じくインドネシアの名作?レトロホラー『夜霧のジョギジョギ』のリメイクとゆーことらしいです。ただ、お話の内容+全体の雰囲気はかなりアレンジされています。お話としては、子を授かるために悪魔の力を借りる、という部分の要素が足し込まれており、終盤の展開も大きく異なります。雰囲気としても、旧作はあまりインドネシアの情緒というものが感じられなかったのですが、今作ではまずメインの舞台となる屋敷がかなり古びて雰囲気があるのと、生活描写にも異国感が大いにあり、その意味では中々好い方向性のリメイクと言ってもよいかも知れません。  しかしホラーとしての技術的な面は、率直に(現代の他国のソレと比較して)決して高いとは言えません。雰囲気はかなり重く禍々しいどちらかと言うと和ホラーに近い様な感じですが、ショック描写はごく終盤までだいぶ地味+安上がりで、その割にテンポも好くないので正直ちょっと退屈です。終盤残り25分くらいで屋敷の周りを怪しげな集団が取り囲み、ここから一気にクライマックスか⁉と思いきや一旦流れが中断して暢気なシーンに戻る、等展開運びもやや稚拙です(結局そのあとそのまま屋敷に留まり、翌晩に同じよーに襲われるとゆーのは流石に「あんたらバカァ?」という感じですね)。ラストもなんか相当に適っ当でした(旧作のイスラム教万歳!エンドよりは好いのかも知れませんケド)。  結論、マニア向けとしては観る価値が無い、とまでは言わないケドも、正直微妙すね。
[DVD(字幕)] 4点(2021-08-13 23:19:05)
66.  悪魔の赤ちゃん 《ネタバレ》 
本当に生まれたて(生後0日)の赤ちゃんがマジでヤバい超デンジャラス殺戮モンスター、という有りそうで無かったアイデアはいくぶん斬新だとも言えるが(紛うコト無きナチュラル・ボーン・キラー)、作中で実際に赤ちゃん(の人形)を動かして通常のホラーに仕立てるだけの技術や能力や資金源は今作のスタッフは持ち得なかった、とゆーことで、直接的なショック描写が殆ど皆無の本作は結論的にはホラーとしては極め付けに地味で、正直コレはもーちょっとキツいというレベルすね(今サラ観ると特に)。  とは言え、流石にそっちの方だけでは映画に為らんのも悟ってはいたよーで、なのでそーいう怪物赤ちゃんを産み落としてしまった両親の苦悩・それでも芽生える赤ちゃんへの情、といったヒューマニティなモノを描き込んでゆくことで何とか間を持たせようとしてる…のだケド、それも正直ごく終盤まではあまり巧いコトいってなくて、序盤・中盤がこれまたちょっと退屈レベルの許容値を超えている感じ、でもある。ただ、ヒューマニティ溢れる最終盤はそれなりに観れなくもないし、救いが無いうえに実に不穏なオーラスも決して悪くはないとも思った。うーん…根本のアイデア以外にも、もう少しだけ展開・演出面で見るべき良質な工夫を施すことが出来てれば…という感じすかね。
[DVD(字幕)] 4点(2021-08-08 18:22:27)
67.  青鬼 《ネタバレ》 
うーん…例えば主演のアイドルちゃんはかなり可愛いし、須賀健太とか出てるし、そして肝心の青鬼は(完全にCGで3回くらいしか出て来ないケド)そのクオリティ自体はそこまで悪くもないし、部分的には別にB級としては十分、とも言えるかと思うのだね。  ただ(B級のアイドルホラーとしては)「質」はギリ合格点を越えてたとしても、全く以て「量」とゆーのが足りてないのですよね。70分も無い映画なのに低級ホラーよろしく前半半分は殆ど何も起こらんし、前述どおり青鬼が3回しか出て来ないが故に後ろ半分にもまるでスピード感が無いし(途中停車の嵐)、そもそも元ネタって激しく青鬼に追っかけられまくって2,30分くらいで終わるゲームじゃなかったでしたっけ?その意味では、この物量・密度の不足ぶりは「ゲームの映画化」としての今作にとっては致命的かと思います。結論、ちょっと成立してないと感じたっすね。
[インターネット(邦画)] 3点(2021-08-07 01:44:44)
68.  甘いお酒でうがい 《ネタバレ》 
元ネタは芸人(中年男)が自分で演じるためにつくったキャラ(が付けているという設定の日記体の小説)で、要はキャラクターを描く作品である。その40代OLのキャラのつくり込み自体は、少し狙い過ぎな感もなくもないもののそこそこ好く考え抜かれていると思うし、映画の中の個々のシーンについても決してセンスが物足りないor平凡すぎる、とかでもなく、どれもまずまず面白く・興味を持って観れるレベルにはなってはいると思うし、松雪泰子もまあまあハマってるとも思われるし。序盤が暗めのシーンが多くてちと世知辛めではあったが、中盤からはホッコリもでき、少し笑えもする、という悪くない雰囲気になってゆくし。  ただ、こーいう人が居る・居ないとかいう話を超えて、本質的にこのキャラクターに共感できるかというと、個人的には少しそこまでは至らない、という感じでもあった。おひとり様な人って、おひとり様なりにもうチョイ生きがいを見つけて楽しくやってるモンだと思いますよ。この女性はちょっと受動的すぎるとゆーか、いくらなんでも人任せすぎやしませんかね?結局今作はお話としては、人に任せっきりの主人公が後輩のお膳立てで若い男のコと付き合えてめでたしめでたし…てソイツはいくら何でもリアリティが欠片もねーよとゆーか、ハッキリ疑問しかありません(仕事が物凄く忙しくてそっちに掛かりっ切り、だとかゆーならまだしもさ、世の中そんな風に無為で居たならそんなに上手くいくもんじゃねーのよさ、とゆーことは年相応にチャンと悟ったうえでですね、それでもおひとり様で楽しく過ごしてるっつーなら全然共感できるのだケドもね、つーか)。その点で、個人的にはいくぶんイマイチに思いましたね。
[DVD(邦画)] 5点(2021-07-11 22:03:27)
69.  藍色夏恋 《ネタバレ》 
非常にオーソドックスな青春恋愛ものだし、邦画でもスゴ~くしょっちゅう観るよーな内容(欧米人には日本映画か台湾映画か分からないのではないだろーか)。ほんの少し百合要素が含まれるが、ソコも掘り下げがあるワケでは全くなく、どーいうコトだったのかもこれからどーいうコトになるのかも、全て曖昧にトロかしてしまっている。  要は、雰囲気映画ですよね。ソコは、キャスト(特に主演のコ)は中々に美麗な大陸系・アジアンビューティ、といった感じの見た目(性格も若干ながら変わり者系)なので、その部分には少しだけ(この手のを観飽きた人でも)ユニークさとゆーのを見出せるかも知れない。まあでも、アジア系の映画でもやはりよく観る内容なので、それすらも至極微妙なトコロかも知れんケド。
[インターネット(字幕)] 6点(2021-06-03 20:50:19)
70.  アタック・オブ・ザ・キラー・ドーナツ 《ネタバレ》 
元ネタとゆーのは、トマトが人間を襲う!というトンデモにして、当時は実際にトマトを動かして人間を襲わせるという技術が無い(んでやる気も無い)コトが原因でストップモーションアニメみたいな手法を用いた、それが逆に非常にシュールでユニークな映像をつくり出した(が故にカルトになった)という作品であった。本作においてはその点、ドーナツが人間を襲う!というトンデモも、今どき結構簡単にCGで実現できてしまうので、結果的に実際に観たコトあるとは言わないケドでも観たコトあるよーな気もする程度のありふれた映像になってしまっており、要はフツーに(とても)つまらないホラー・コメディにしかなっていない。低予算よろしく、含まれるエロ・グロ・ギャグの低級ホラー三銃士たちもいずれも極めて薄味でチープさも極まりない。紛うコト無きC級、としか言い様の無い出来かと。  そもそも、原作リスペクトな描写だって一つくらいありましたかね?言ってるワタシも元ネタの内容って殆ど記憶に無いんですケド、あんまり似てるシーンは無かったよーな気がしてます。ああ、一つだけ、今作にも『キラー・ドーナツの歌』的なテーマソングがありまして、キラードーナツキラードーナツひたすら連呼するトコロはチョイ似てますわ。ロック調で地味に意外とイイ曲なので、皆さんも是非歌ってみてください。
[インターネット(字幕)] 3点(2021-05-31 18:29:37)
71.  青くて痛くて脆い 《ネタバレ》 
ドンデン返しの部類だと思いますが、個人的には最初から主人公にあまりしっくりきてなかったので(とにかく吉沢亮の、目付きから雰囲気からナニからナニまでにへばり付くネガティブ感情のドス黒さに辟易してた、というか)、どちらかと言えば「ほ~れみろ、やっぱりな!」的な感じではありましたね。二つ、少し分からなかったことがあります。田端の秋好に対する感情は、単純な恋愛感情だと解釈する方が正しいのでしょうか(それとも、自分が唯一無二だと思っている秋好が、自分を唯一無二だと思ってくれなかった、という、もう少し広範な意味での人間関係の不均衡が彼の憎悪の源泉なのでしょうか)。もう一つ、タイトルの『痛い』というのは、主人公の苦痛なのか、それとも主人公の残念さなのか、どちらを主として表しているのか(無難にダブルミーニングだと捉えておく、で問題なさげでもありますが)。  かなり稀に見るイタくて幼稚な主人公ですが(ソレをこんなイケメンが演じてるというのも逆に面白い)、そんな彼への感情移入の取っ掛かりを探すとすれば、可愛い可愛い秋好ちゃんについて、そんなコトしたら男は勘違いしちゃうもんよ?という部分には「隙」とでもいうものが在った、と言えるかとも思います(だからと言って彼の行状に対する酌量の余地は無いのですし、大学入りたての若い彼女にそんなコトを言うのも少し酷ですが、彼女だってゆくゆくは身に付けてゆくべき「距離感の取り方」だとも思いますし)。  正直、いったん彼が目的を果たして「勝利」する場面に至っては私の方までメンタルボロボロでした(率直に、観たのは失敗だったか…と思いかけました)。ただ、その直後の田端と秋好の対決は演技の仕事としてとても面白く観れるものでしたし、いちおう彼はその後は絶望と共に反省し、ある意味で少しだけ前に進むのですよね。その意味ではこれも「人が成長してゆく」ことがテーマな物語だと言えますし、つまりは私の大好物な部類の映画だと言って間違いもないのです(その意味では、少し甘めの評点だなあと思ってます)。  ただな~前述どおりあの痛恨の一撃が重すぎる…メンタルダメージは前提として、しっかり構えて観て貰えれば…
[DVD(邦画)] 7点(2021-05-15 23:07:05)
72.  アングスト/不安 《ネタバレ》 
これは、相当に特殊な映画ですね。まず、肝心の主役は完全にサイコですが、いわゆるサイコ・スリラーとかサイコ・ホラーといった映画とは完全に一線を画しており、むしろドキュメンタリにも近いという様なリアルさというモノも醸されています。また、幾つかのエピソード(犯行場面)を通して主役のサイコのキャラクターを描き出してゆく、という様な「よくある」タイプの実録異常犯罪ものとも率直に一線を画しています。つまりそーいう部分の前置きはナレーションで軽く済ませてしまっておいて、肝心の内容はとゆーと、殺人で10年服役した「その男」が出所直後に起こした殺人事件をワンシチュエーションで最初から最後まで淡々と描く、てのがメインな映画になっているのですね。  前述のとおり、所謂ホラーやスリラーの様にショック場面に見応えがあるとか、シンプルな恐怖・スリルを呼び起こすとか、そーいう映画では全くないのです。結局のトコロ本作のメインコンテンツは、描き出される常人には理解不能な狂った思考・行動原理そのものなのですね。そして、これも前述どおりその部分には(実話ベースだから)ある程度のリアリティがある、とゆーのが最大のウリだという映画なのだとも思うのです。「リアリティの在る狂気」とゆーのを垣間見たい人向けという意味では、完全なるマニア向け映画だと言えるでしょう。そして、その部分のクオリティが観たときにその人に運よく「伝わった」としても、そもそもソレに対してどういう感情を抱いたらよいのか、という意味では、結局のトコロこれって非常に評価の難しい映画だろうな…とも言えるかと(個人的には、ままユニークな作品だと思ったのでこの評価、というコトになりますが)。  とは言え、肝心のメイン犯行場面とかもかなりグダグダと長時間のたうち回ってるので、娯楽用とかのシンプルな用途には全く使えない程度の作品なのも間違い無いです(途中でドロップアウトしちゃう人も多そうなレベル)。重ねて、中々高度に「観る人を選ぶ」作品かな~とは感じました。
[DVD(字幕)] 6点(2021-05-11 22:40:29)
73.  アルプススタンドのはしの方 《ネタバレ》 
甲子園に辿り着いた野球部とゆーのが青春高校生活の頂点ならば、アルプススタンドの端っこというのは確かにその最下層であろう。まだ若いのに、ちょっとの挫折でヒネくれたガキ共のルサンチマンが其処には渦巻いている。  しかし、彼らはまだ若いのだ。恋と友情のスッタモンダが、彼らに「それ」を取り戻してくれる。暑っ苦しい茶道部の先生が、個人的にはかなり好きですね。ああいう人って、実はとっても貴重ですよね。  人生は「熱」。冷めた人生などに何の価値が在るだろう。極めてシンプルなシナリオ・テーマですが、共感もひとしおでした。
[DVD(邦画)] 8点(2021-04-18 13:01:09)
74.  アルマジロ 《ネタバレ》 
アフガン最前線で任務にあたるデンマーク軍の若い兵士を追ったドキュメンタリ。『アルマジロ』とはISAF(国連治安支援部隊)の前線基地の名称である。彼らの任務は治安維持、具体的にはタリバン部隊に対する偵察であり、実際の戦闘に遭遇することは稀なのかも…と思いきや然にあらず。結構しょっちゅう攻撃されたり銃撃戦に巻き込まれたり、非常に危険な任務なのがビシバシと伝わってくる。  本作が凄いのは、その危険任務(=実際の戦闘)に監督がカメラ持って付いてって、這いつくばりながらもそれを撮って映画にしちゃってる、というトコロである(諸々よくこんなのを許可したな)。実際に味方には銃撃による負傷者も出るし、相手方には死人も出る(死体も映される)。至近距離で爆発も起こる(というか手榴弾投げたりする)。あまりドキュメンタリって追いかけてるワケではないのですけど、最近はマサカこのレベルのがゴロゴロしてる、ということでもないと思うのですが、どーなのでしょうか?私は本作、率直にかなり衝撃でしたね。  もちろん、そんなビックリ映像ばっかで構成されてるという訳ではなく、兵士たちがグダグダと駄弁ったり(ポルノ観たりゲームやったり)というシーンも多く、ソコはそんなに面白いという訳でもない。が重ねて、肝心な部分における衝撃度はかなり高い。観て損は無いと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2021-04-12 11:54:33)
75.  赤線地帯 《ネタバレ》 
いわゆる「赤線」というのを描いた映画として、もう少し後の年代だとロマンポルノ、例えば『赤線玉の井 ぬけられます』なんてのがあって、現代の我々の目から見ると非常に特殊な習俗を描いた作品としても価値が高いのはソッチも今作も同様だろう。  一方で、アッチはロマンポルノなので直接的な濡れ場(とそれがもたらす独特の淫靡で蠱惑的な雰囲気)というものにセールスポイントがあるワケだ。それが無い今作は何をウリに勝負するか、と思って観ていたら、実に単純に登場する女性たちの抱える物語の「凄み」というトコロの質が高くて、心を穿つ様な重厚さがあった、と。お話としては完全にコッチの方が面白いですし、観た後に何か「残る」モノというのがありますね。  他方で、女性たちの描かれ方はとても品好く洒脱で、却って女性的な魅力(「魔性」な部分も含めて)というものが実に素晴らしく引き出されていた、と思いました。「賤業」などと称される彼女らに対する監督の温かい感情・目線が感じられます(監督が本当に彼女らを美しいと思っているから、こうも美しく彼女らを描き出すことが出来たのだ、と)。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-04-08 22:10:10)
76.  赫い髪の女 《ネタバレ》 
こーいうのって、世界中でホントによくある光景だとは思うのですが、ド直球な映像化というのはあんまりされてない、のかも知れませんかね。生々しさ、という意味では昨今のAVよりもなお上回る様な気がしてます。どこだか知りませんが雨ばっか降ってて、実にイヤらしく湿り切った情景の中に描き出されるエロスというものは正に匂い立つかの様な出来映えです。台詞もどれも実にエロいし下品だしで、場末感というか底辺な感じというか、それがより一層情欲というものに真実味を与えているというか、この上なく素晴らしい質感ですね。  そーいうロマンポルノとしての質の高さを持ち合わせていながら、本作にはその本来の性質であるトコロの文芸的な趣き、というものまで微かながらしっかりと感じられる、という部分に、本作の傑作たる所以があるかと思っています。これはナンでしょう、例えば石橋蓮司のどことなく哀愁も漂わせる演技の質の高さ、あるいは地味に結構凝っている画づくりの質の高さ、そーいった個々の要素から生み出されている…?のかも知れませんが、個人的は結論は出せていません。しばらく後にまたじっくり研究したいと思います。  今回、ブルーレイを調達しての再見となりましたが、コレは画質が非常に申し分なかったです。購入検討されている方は、是非。
[ブルーレイ(邦画)] 8点(2021-04-05 21:11:21)
77.  アメリカン・パイパイパイ! 完結編 俺たちの同騒会 《ネタバレ》 
正に同窓会、というか、特に話に重大な内容がある訳でもトンデモ展開がある訳でもないのです(あくまで昔と比べたら)。要するにただ、彼らの「その後」を楽しもう、という作品だと思います。なので、コレを観るなら過去作をちゃんと観てから、というのは絶対条件かと思いますね(私も1~3までしか観てませんが)。  それでもシリーズの醍醐味たるおバカ下ネタは(少しマイルドになってはいますが)十分に健在で、随所でクスクスと微笑みながら観れますし、役者もゴージャスに勢ぞろい、かつみんな実に楽し気にやっていて、こっちの方面でも観ながらホッコリとできることは請け合いです。みんな成長・老成したな、という感じですが、スティフラーだけは相変わらず…と言いたいトコロですが彼も少しだけは成長してるなとも感じました。いちおう完結編と銘打たれていますが、20年後ぐらいにもう一回やってもいーんじゃね?とも思いましたね。
[DVD(字幕)] 7点(2021-01-16 18:26:27)(良:1票)
78.  愛を乞うひと 《ネタバレ》 
母娘対面の場面、原田美枝子(娘)が呟くたった一言、私これより凄い演技を邦画では観たことがない気がしますね。モチロン序盤からの凄惨な描写にせよ、それを背景として踏まえつつのラストではありますが、見所はココに尽きるかと。  音楽もイイですね。物侘しい弦楽は思い焦がれるも得られなかった母の愛に対するノスタルジイを強く想起させます。エンドロールの曲も好きですね(クレジット観たら千住明なのですね、納得のクオリティです)。
[インターネット(邦画)] 9点(2020-12-31 23:35:50)
79.  アストラル・アブノーマル鈴木さん 《ネタバレ》 
かなり壮絶に奇を衒ってはいますケド、主人公は諸々非常に「平凡」な人物で、ただ自分が平凡であることを受け容れられない、という部分だけが凡人と異なるだけなのです。お話の中で多少グッと来たのが、ラス前の望月のシーン。非凡、とは正にこのことだと言わんばかりに炸裂する才能と、それが平凡でないことだけは一瞬にして理解できるだけの凡人のザマ。こんなトコロで『アマデウス』を彷彿とさせられる羽目になるとは全く思いも寄りませんでした(+谷のばらちゃんは流石のプロの仕事でしたね)。  正直、なにか奥深いテーマや価値ある人物像をこの映画から汲み取れた、ということはないのです。前述どおりに打ちのめされた主人公はラストには自分自身の平凡さを少しだけ受け容れつつある様に見えますが、それって映画に描くお話としてはちと後ろ向きすぎやしませんか?だから本作、私にはお話としてもこれまた「平凡」な仕上りだなあとも思われるのです。  ですので個人的には、好かったのはシュールコメディとしての出来の方だと思うのですね。結構全編に渡って(あくまで私は)笑い通しでしたが、圧巻は酔っ払いvs引き籠りの4分超ののたうち回りでした(「殴り合い」でも「取っ組み合い」でもなく、のたうち回り)。首を賭けてもイイですが、こんなシーン、絶対日本映画にしか出て来ないですよ。こういうシーンを観ると、この不思議で特殊でガラパゴスな国に生まれて本当に好かったと改めて思うのです。  役者の仕事も総じて味があってこれも好かったですが、松本穂香を褒めないワケにはいきますまい。目が据わってるのが中々素晴らしかったですね。綺麗な目なんですけど、底が見えないというか。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-12-04 00:21:17)(良:1票)
80.  悪魔のサンタクロース2 《ネタバレ》 
開始から40分間もが前作のダイジェストという極め付きのやる気の無さに始まり、その後の30分間も回想形式でのショックシーンのツギハギと、構成がここまで酷い続編は『サランドラⅡ』以来かも知れない。ただ、一点明らかに前作より優れているのが主役の殺人サンタの出来。そこそこイケメンながら矢鱈とゴツくて、かつ生気の無い目には中々イカした狂気を迸らせており、力技なショック描写の数々も含めて犯人の恐ろしさはまずまず向上している。前作で殺り損ねた諸悪の根源・院長を屠って終わるラスト15分も悪くはない(スカッと)。院長、『マタンゴ』みたいな特殊メイクのゴワゴワ顔で出てくるのだけど、これは意図した演出というよりは、前作で演じてたリリアン・ショーバンから役者が代わっちゃってるからなのですね(これまた手抜きなコト)。
[DVD(字幕)] 4点(2020-11-23 14:19:41)
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