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81.  赤い風車 《ネタバレ》 
名門貴族の家に生まれ、画家としての生涯を全うしたロートレックの生涯を描いている。足の病に冒され、少年時代に足を折るという惨酷な運命の元、初めて出逢った女には嫌われ、コンプレックスの塊となってしまったそんなローレックだが、やがて自分の元に別の女性が現れ、幸せな日々を過ごすものの、最後も酒に溺れ、絵描きとしての苦悩の元に亡くなってしまうという人生の惨酷さ、あの最初の方の優雅で躍動感溢れるカンカンの踊り、それを最後ベッドの中、夢のようにして現れるというあの場面、作品全体の色彩の美しさとはまるで反比例するような人生のはかなさ、何かフェリーニの映画を見ているような錯覚に陥るのは、サーカスの場面など出てくるからかもしれない。カンカンの踊りのような楽しいだけが人生ではないと言っているような作品というのが見終わった後の感想でして、とにかくこの映画の映像美は凄い。映画としての美しさと人生における刹那さの中に何か人間本来の感情を見せ付けられた気がする。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-09-30 21:16:41)
82.  安城家の舞踏会 《ネタバレ》 
何だかヨーロッパ映画を見ているような錯覚を起こすのは、チェーホフの「櫻の園」をモチーフとしているせいか?日本映画を見ながらヨーロッパ的な香り、雰囲気が漂う。没落華族におけるその中で最もしっかりしている原節子と終始、マイペースでいる森雅之、この二人の存在なくしてこの映画は語れない。華族制度の崩壊によってそれまで築いて来たプライドを引き裂かれる家族達、自分達の弱みに付け込む新川一家の大黒柱である父とその娘、他にも様々に人間が入り乱れて凄まじいドロドロした雰囲気を醸し出している。人の弱みに付け込む者と付け込まれる者、人間ってやはりお金が無ければ生きて行くことは出来ないし、一人では生きていけない弱い生き物であるということがこの映画を観ると余計、思わずにはいらなくなる。それにしても原節子が父親が死のうとする所を止めに入る場面のあの凄まじいほどの体当たりを是非、今の日本のラクビー選手全員に見習って頂きたい。人の命がかかっていると人間は物凄い力を発揮すると原節子のあの体当たりを見て感じました。そうそう、それと、昨今の言葉の汚さ、何を言っているのか全く解らないような品の無い、落ち着きのない言葉を連発する若者、特に若い女にはこの映画を見て少しでも原節子の発する言葉の美しさを見習って欲しいと思う。もっともそんなこと書いたところで今の若い人達がこの映画を観るかどうか解らないし、まあ、見ないだろうなあ!
[ビデオ(邦画)] 7点(2009-09-06 11:02:10)
83.  網走番外地(1965) 《ネタバレ》 
高倉健さんの裸踊り、いやはや、こんなお茶目な健さん、なかなか見れません。自分、不器用ですからと言ってる健さんの姿からは想像出来ない姿が新鮮であり、微笑ましい。監督が石井輝男監督てことからなのかな?他の作品、特に私にとっての健さん、高倉健という俳優は任侠映画での口数の少なく物静かな健さんてイメージからしたらあの裸踊りはあれが本当に健さんなのか?と思ってしまいます。作品としての出来や素晴らしさ、高倉健という男が惚れる男の中の男ぷりなどではもっともっと素晴らしい作品があると思うが色んな意味でこれまた違った俳優高倉健という1人の男を見せて貰えたという意味では見て良かったそう思える作品です。 
[ビデオ(邦画)] 7点(2009-08-02 22:46:27)
84.  あこがれ (1958) 《ネタバレ》 
「あこがれ」とは何か?少年達にとっては絶対に手の届かない存在である年上の美しい女性、彼女が最初に白のブラースにスカート姿で颯爽と自転車をこいでくるスタート、それを影から見ていた少年達、奴らが彼女が自転車から離れた間に乗っていた自転車の椅子に顔を埋める。それは男の願望であり、大人になってしまったらしたくても出来ない。子供だから許される行為であり、それは木曜日が来る度にテニスを楽しむあこがれの彼女の姿を見ている。男と付き合っている彼女に対しあこがれから、また相手の男への嫉妬心から悪戯してばかりいる。少年達にとってのあこがれである存在の年上の女性に男がいると知ればその相手に対して嫉妬するというのは何も男だけでなく、女も同じであると思う。この映画は嫉妬する相手の男の突然の死によって最後はあこがれの女性が喪服姿で歩く所で終わる。あの自転車の匂い、喪服の彼女の匂い、一体、どんな匂いなのだろうか?という妄想を描かせずにはいられなくなる。男の妄想を解り易く見せているという意味ではやっぱり大人より子供の方が良いよなあ!というそんな映画ではないでしょうか?
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-07-25 17:52:04)
85.  アンリエットの巴里祭 《ネタバレ》 
なるほどね。オープニングと終わりが何とも洒落ていて良い。共同で一つの映画を書こうとする二人の男、この二人がまるで性格が違う上に互いが相手の描く理想とするシナリオに対して文句ばかり言ってる。そんな二人のやりとり、あの床屋さんでの会話とそれを見ていた二人の女が喧嘩に発展と何から何まで滅茶苦茶である。その滅茶苦茶さが面白い。アンリエットの巴里祭というタイトル、上手いですなあ!アンリエットの怪しげな女の魅力も感じられ、そうそう、みんなで夜空に打ち上げられた花火を眺めるシーンなども良い。話そのものは特に凄い面白さを感じる作品ではないが、良きフランス映画の香りが漂う映画作りを感じることが出来るという意味でなかなかの作品!
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-06-23 20:44:24)
86.  杏っ子 《ネタバレ》 
これまた何ともドロドロした夫婦の関係だなあ!前半はかなりのほのぼのした空気に心地良さを感じるものの、香川京子が木村功演じる売れない小説家と結婚してからのあまりの冷えきった空気、ドロドロとした空気、香川京子が耐えに耐え、とこんと嫌なめにあう。何もここまで酷くしなくてもと思えてしまうぐらいのいたぶり方です。そんな中でも常に志しを高く持ち、けして、くじけることなく、それどころか前向きに生きようとする香川京子の娘を温かい眼差しで常に見守る山村聡、この父親と娘の関係は親子でありながらもどこか友達みたいな関係、それは山村聡の香川京子への言葉使いから何から感じ取れる。暴力的な言葉や自分の父の庭へ唾を吐いたり、銅像を壊したりと見ていて腹の立つ木村功に別れを告げる決心をやっとの思いで成し遂げた娘の香川京子に対して父親である山村聡の「喧嘩に勝ったのか?」の一言!それに対する香川京子の返事、雨の中、二人だけで傘を差しながらの会話、この映画は全編通して二人だけの会話のシーンが幾つも出てくる。父と娘の関係とは何か?て答えのようなものを成瀬巳喜男監督はこの作品を通して日本人全員に伝えようとしているのではないかと思いました。それにしても香川京子のあれだけ嫌なことされながらも耐える姿には女の強さ、やはり人間て男よりも女の方が強い生きものであるようにこれを見ると益々、感じてしまうと共に男のだらしなさ、それを徹底して容赦なしに見せつけるこの成瀬巳喜男という監督さんの演出の凄さ、改めて成瀬巳喜男監督は凄い監督だと思いました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-03-15 10:17:56)
87.  アデルの恋の物語 《ネタバレ》 
まあ、確かにアデルのしてることは、ストーカー行為として見られても仕方がないことかもしれない。しかし、単なるストーカー行為の嫌な女の話として見るのだけは間違ってると思います。人は誰だって自分が可愛くて仕方がない生きものであり、異性を好きになるのは当たり前の事であると思う。この映画はその人としての当たり前のことをただただ見せてるだけであると私は思います。その見せ方がただあまりにも狂気を覚えてしまうために受け入れにくかったり、感情移入出来なかったりと見た人によって感じ方が違う。それだけのことではないでしょうか?どこまでも一途な上に気がおかしくなってしまうアデルの美しさ、不幸な女を演じているイザベル・アジャニーのあまりの美しさ故にどこまでもどこまでも愛を求められ、そんな愛に応えることすら出来ない男の行動は相手が美しければ美しいほど、本当に自分で良いのだろうか?例え、現在は愛されててもいずれは彼女に嫌われてしまいやしないか?という男の何とも女から見たらアホかもしれないけど、男とはそういう生きものなのであると監督のトリュフォー自身が伝えたい。伝えたかった作品ではないかと私は思う。ピンソン中尉がアデルに対し「アデル」と呼びかけた時は既に何の反応すら示さなかったアデルの女としての悲しさ、ラストのアデルの表情にはもう、何もかも終わってるというようなものが見られる。正にアデルの恋の物語が完全に終わった瞬間と思える終わりにこの映画の伝えたいものというものを感じることが出来た気がします。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-02-01 11:21:41)
88.  遊び 《ネタバレ》 
えっ?たった一人しかコメントないの?増村映画って川島映画と並んでコメントが少ない。書かれている人の数の少なさといったらない。もっと評価されていいこの監督とこの監督の作品群の中にあって、これは増村保造監督の監督デビュー作品とのことで、後の増村映画に多く見られる危険な男達とそんな男に惹かれていく女の哀しさがここにも見られる。主演の二人、特にヒロインを演じている関根恵子の若さ、初々しさが輝る。話としては増村作品にしてはまだまだ若尾文子主演の幾つかの作品に見られるような力強さという意味では弱い気がするものの、男と女の二人の気持ち、不器用な男とそんな男を愛してしまった女の青春模様が描かれている。ラスト、お互いの愛を確かめあった二人がボートにしがみつくようにして去っていく終わりに二人の未来、幸せが待っているようなそんな余韻を残したまま終わるというこの映画、何だか川島雄三監督の「洲崎パラダイス赤信号」に通じるものがある。あちらに比べると作品全体、重苦しいし、出来としては劣る。それでもこの監督も余韻の残し方に関しては上手い。監督デビュー作から既にその後の増村映画の元になっているスタイルが感じられる作品にもなっている。それにしてもこの監督の女性像って何だろう?ていつもながら考えさせられる。
[DVD(邦画)] 7点(2008-09-27 10:31:10)(良:1票)
89.  あゝ声なき友
寅さんこと渥美清の命日にあたる2012年8月4日の昨日改めて再見!以前観た時はあまり面白く感じられなかった。今回再び観てもそれほど面白いとは感じない。しかし、何だろう?俳優渥美清という人の演技を観るとこの人の演技は演技というよりもまるで渥美清そのものが映画の主人公のように思えてきてならないのである。要するに演技していても演技していないような錯覚を覚えずにはいられなくなる。この映画の渥美清演じる男には他の渥美清、寅さんで見られるような哀愁漂うものが感じられない。それだけに何か歯痒い。それは監督が山田洋次監督でないからかもしれないし、喜劇と悲劇は紙一重という言葉があるとすればこの映画には悲劇的要素はあっても喜劇的な要素なんて全くない。だって監督がシリアスな映画ばかりの今井正監督だからというのもあるであろう。「青い山脈」というユーモアの効いた青春映画も撮ってはいても今井正監督と言えばどうしてもシリアスな映画というイメージが離れない。イメージという意味では渥美清の持つイメージからは想像出来ない映画として印象に残る映画です。好きとか嫌いとか面白いとか泣けるとかいうような映画ではないけど、それでも一流の監督によって一流の俳優が一流の演技によって見応えある映画になっている。改めて渥美清がいない現在の日本映画における大きな損失を感じたまま観終わった。寅さんのようにまた見たい。何度も見ては笑い、泣き、共感出来る映画でないけど観るに値する映画としていつまでも心に残りそうなほどの映画です。もし、この脚本のまま山田洋次監督が撮っていたらどうなったかなあ?全く違う映画、良い意味での別の映画になっていたかもしれないし、いやいや、やっぱり今井正監督で良いのかもというような気持ちにもさせられる。 (2012年8月4日再見)
[DVD(邦画)] 7点(2008-09-21 11:54:41)(良:1票)
90.  赤い砂漠
モニカ・ヴィッティ、良い女だなあ!惚れた。惚れた。あの何とも気だるい雰囲気の中にある魔性の女のような何とも言えない色気に見ていてクラクラしそうです。そんなモニカ・ヴィッティが見せる何かに怯え、何かから逃げ出そうとしているその仕草、表情、それにまるで合わせるように後ろの気だるさを十分に醸し出している映像美が作品全体の雰囲気にマッチしている。話そのものは特に面白いとも感じないし、解りづらい部分のが私には多いが、ハリウッド映画にはないいかにもヨーロッパ的な空気がこの映画から感じることが出来た。それにしてもモニカ・ヴィティ、本当に良い女だなあ!彼女の出ている映画を観たのはこれでまだ二つ目だが、あたしゃすっかりあなたの虜です。他の彼女の出演作もまだ観たい。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-06-26 21:00:08)
91.  暗黒街の顔役(1959) 《ネタバレ》 
岡本喜八監督と言うと喜劇のイメージが強いがこのようなアクションものでもなかなかやるなあ!と感じる仕上がりになっていて、鶴田浩一二がヤクザから足を洗いたいと願ってる弟を何とかしてやろうとする兄貴を演じている。脇を固める俳優陣が凄い顔ぶれです。あの三船敏郎が脇役としてなかなか公演!ヤクザ相手に一歩もひけを取らないのは流石だが、脇役に徹していながら主役の鶴田浩二を食ってしまうのはどうかとは思ったりもするのだが、いずれにせよ話のテンポが良くて楽しめるのでこんな岡本喜八作品も良いなあ!そう思った。
[ビデオ(邦画)] 7点(2008-01-19 23:09:27)
92.  暗黒街の弾痕(1937) 《ネタバレ》 
なるほどね!確かに運命は惨酷だ!何の罪も犯しちゃいないのに、犯罪者扱いされるわ、愛する女も最後はあんなことになってしまうとは、何だかこれ、どこかで観てる?こっちのが先だろうけど「俺たちに明日はない」に似ている。最後、森の中に逃げ込んだ二人、ヘンリー・フォンダに抱かれている妻が言う一言「あなたともう一度生きたい」この台詞、男なら誰もが言われてみたいと思うに違いない。
[DVD(字幕)] 7点(2008-01-06 17:56:03)
93.  紅いコーリャン
チャン・イーモウ監督の監督第1作は、最初の作品からしてその映像美、赤をモチーフにした映像に監督ならではの拘りを感じることが出来ます。この映画のコン・リーの美しさ、表情なんて、どことなく山口百恵に似ていると思うけど、私だけかなあ?そんなコン・リーの母親に対して叫ぶ子供の姿があまりにも哀しい。
[ビデオ(字幕)] 7点(2007-11-18 18:07:12)
94.  ある殺し屋 《ネタバレ》 
小料理屋の主人でありながらもその裏では殺し屋という市川雷蔵扮する男がどう見ても殺し屋には見えないというそんな大きな欠点を良い意味で上手く利用し、そして、あのアパートの室内から見える外の景色、ギラギラした雰囲気、シャープな映像、何もかもが宮川一夫カメラマンの手にかかれば、ここまで見事に映し出されるのには頭が下がる。話そのものはそれほど面白いという感じはしないが、俳優陣の好演、特に脇を固める俳優陣、中でも野川由美子のあばずれ女ともう一人、成田三樹夫のお調子の良さ、ラストで全てを持っていてしまうあの台詞、市川雷蔵の台詞の真似をああもあっけらかんと言うなんて、私もついつい「お前は寅さんか!」て突っ込み入れてしまいました。それにしてもこの映画、いくら「殺し屋」てタイトルにもあるように殺し屋の映画だからって、お墓の前でしかも、あんなにも沢山、お金持ってるのに住んでる市川雷蔵の殺し屋、そんなんで良いのか?
[ビデオ(邦画)] 7点(2007-09-21 22:39:03)
95.  秋津温泉
岡田茉莉子の映画出演百本目となる記念の作品てことらしいけど、この映画の岡田茉莉子の美しさは現代の日本の女性には欠けている。いや、欠けているというよりは欠けてしまった。失われてしまったと言った方が良いかもしれない美しさ、それはただ単に外見から溢れ出る美しさだけでない内面的な美しさ、人間の持っている感情表現の仕方にしても見せ方にしてもそう、上手く説明出来なくて申しわけありません。とにかく全てにおいて美しい。そんな岡田茉莉子ともう一人、これは確かにミスキャストかもしれない長門裕之の二人の互いの気持ち、お互い好きなくせにそれをなかなか言い出せない二人、相手のためになら死ねるという二人の気持ちが秋津温泉の地を背景にして、何とも美しい映像と共に見せる。話としての暗さ、最後も何か納得いかない結末ではあるけれど、美しい四季の香りと美しい音楽によって描かれていて、この映画はそんな美しい映像だけでも見ていて損はないと思う。それにしてもこの映画の岡田茉莉子の美しさときたら、言葉で表すのが難しいぐらいの美しさだし、岡田茉莉子という女優には温泉がよく似合う。そんなイメージを抱かせるそんな作品です。
[DVD(邦画)] 7点(2007-09-09 14:49:23)(良:1票)
96.  あした来る人 《ネタバレ》 
これ、観て思った。こういう駄目な男、優柔不断で女に弱く、何をやっても中途半端な駄目男を演じさせたら三橋達也の右に出る俳優はいないと思う。あの大傑作「洲崎パラダイス赤信号」を見ても解るようにこういう男が本当によく似合う。そんな三橋達也に対し二人の女、一人は奥さん(月丘夢路)、もう一人は別の男(山村聡)の愛人でありながらも忍び寄る異常なまでの怪しさと美しさの両方を持つ新珠三千代、何ともこれまたドロドロした雰囲気なのだが、川島雄三監督作品らしい才気と軽快さが少し薄い。いや、薄いというよりも無い。そこが不満ではあるが、これはこれでなかなか見応えのある出来にはなっている。二人の対照的な女性が見せる女としての哀しさとやるせない雰囲気がどことなく「洲崎パラダイス赤信号」に通じるものがある。ただ、やはりあっちに比べるとどこか弱い。川島雄三作品としてはけして、傑作の部類には入らないだろう!
[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-06-12 22:39:26)
97.  赤毛
赤毛というタイトルそのままに赤い髪をしている三船敏郎の大将ぶりが醸し出す能天気な性格の中に見えるリーダーシップの姿こそこの時代の大将そのものではないかと見ていて感じることが出来る。自分を犠牲にしてまでも農民、平民の為に金持ちである武士達へと戦いを挑む姿が描かれています。前半、やや単調な感じがしなくもないが、後半のはちきれんばかりの力強さと岡本喜八監督の時代を読み取る力は流石!作品の雰囲気は喜劇的ではある。ところが観ていてこれは単なる喜劇ではない何か考えさせられる内容になっている。権力のあるもの、ないものとでは違う。やはり権力のある者の方が強い。しかし、権力で支配する人間に対して、立ち向かう為に何か行動を起こさなくては何も始まらない。そんな叫びというものが聞えてきそうだ!
[ビデオ(邦画)] 7点(2007-05-21 21:33:47)
98.  秋日和
小津監督によるこれはパロディ映画と言える作品!「晩春」の父と娘の関係を母と娘に設定を変え、「晩春」に比べるとコミカルではあるけど、出来としては「晩春」の方が断然、上です。小津監督らしいフレーズの面白さ、構図の素晴らしさ、味わい深さも見られるけど、母と娘ではやはり父と娘に比べるとどうしても盛り上がりに欠ける。原節子と司葉子の人間としての美しさ、感情的な心を上手く表現しているのともう一人、何と言っても岡田茉莉子が良かった。それとこの作品の中でも佐分利信が男達の中でも一際、目立ってる。
[ビデオ(邦画)] 7点(2006-10-22 18:42:59)
99.  天城越え(1983)
これはサスペンスというよりは、どちらかというと恋愛映画のような気がする。主演の田中裕子の美しさとエロッテックな雰囲気が怪しく、特に雨の中でびしょ濡れになっている時の田中裕子が怖いほど美しくて驚いた。一人の少年との大人と子供の物語の中で描かれるこの何とも残酷な話に何かやるせなさい気持ちになりました。
[DVD(邦画)] 7点(2006-09-24 16:29:52)
100.  赤線地帯
溝口健二監督の遺作!売春防止が成立される直前の赤線の女達の戦い、人間ドラマとして描いたこの作品、女性達の美しさ、流石は溝口健二監督らしく美しく描く。しかし、作品の出来としては、それまでの溝口作品の代表的な傑作と比べてしまうと、どうしても見劣りしてしまいます。どの女優にしても、本当に美しく撮られているのには感心させられるし、中でも若尾文子の可愛さは圧倒的です。これだけ可愛い若尾文子を当時、この作品の助監督でもあり、後に若尾文子とのコンビで多くの作品を手がけることになる増村保造が近くで観てれば、それは間違いなく若尾文子に惚れるのも解る気がする。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-09-02 16:40:33)
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