121. 阿修羅城の瞳
作品冒頭で“時代にそぐわないサイバーチックな衣装”が出てきた時は、ハズレを引いた臭いがプンプンしていました。しかし、クレジットで『劇団☆新感線』の文字を見つけて、本作の楽しみ方を理解しました。なるほど、台詞まわしやアクション、見えのきり方といい、自分のイメージする“新感線の舞台”どおりでした。(もっとも新感線の舞台は一度も観たことがありません。あくまで想像。)全体的にやや説明不足の気がしましたが、本作の場合「なんとなく」理解できればそれで十分という気もします。テンションの高さを楽しめればOKかなと。意外と楽しめました。宮沢りえは本来の設定からいけば年齢的にそぐわないと思いますが、めちゃ可愛かったのでOKです。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2006-09-01 12:09:28) |
122. “アイデンティティー”
面白いです。観て損はないと思います。自分が言えるのはこれだけです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-08-27 17:59:29) |
123. アイアン・ジャイアント
《ネタバレ》 短い尺にもかかわらず、少年とロボットの友情が上手く表現されていたと思います。とにかく見せ方が上手い。“なりたい自分になる”というキーワードも胸に響き、ドラマ性も申し分なし。ラストの展開にはウルッときます。ベタですが、こういうお話は基本的に好きです。ただ、大人目線で考えるとちょっと引っかかるものがあります。例えば、「ジャイアントはその人柄が認められ、スクラップ工場で働くことになりましたとさ」とか「ジャイアントは世界中の兵器を食べるようお願いされ、世の中は平和になりましたとさ」なら、めでたしめでたしと思えます。しかし、本作では何も解決していない。残されたのは、いつ制御装置(良心)が働かなくなるか分からない超強力な兵器が存在するという事実。しかもその兵器はほぼ破壊不可能。「あいつはイイ奴だから大丈夫」では済まされない。あまりに危険すぎます。これほどまでに兵器としての破壊力を持たせる必要は無かった気がします。この点がマイナス要素。でも良作であることに間違いはありません。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2006-07-29 14:20:34) |
124. アルカトラズからの脱出
「脱獄もの」では、脱獄に正当性を感じさせるようなエピソードを付け加えたくなります。何故なら普通は「脱獄=悪いこと」だから。観客が物語に感情移入するためには、脱獄に“納得できる理由”があった方がいい。でも本作にその理由付けはありません。ここで活きてくるのが主演のイーストウッドの存在です。今までの出演作品の役柄から、イーストウッドにはワイルドさと正義のイメージがあります。観客は彼から犯罪者としてのワイルドさを感じると共に、根拠のない“正義”も勝手に感じ取ります。これが“納得できる理由”の代わりに感情移入の手助けになるのです。まさにベストキャスティング。だから脱獄の理由を省略できた。ただ単に脱獄でよかったわけです。そこに山があるから登るがごとく、そこが監獄だから脱獄する。ドラマ性を極力抑えた結果、脱獄そのものに焦点を当てることに成功しています。脱獄までの道程は遠足前の準備の時の気持ちに似ています。さらに脱獄のための準備が進めば進むほど、増して行く緊張感。脱獄ものというジャンルのひとつの完成型が本作だと思います。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2006-07-21 18:13:02)(良:3票) |
125. 或る殺人
《ネタバレ》 人が殺されるから殺人です。ところが当の殺された“人”はほとんど出てきません。殺される場面も、生前の生活も人柄も、声も仕草も、顔さえろくに出てきません。オープニングでは死体を思わせる図形が、記号としての死体があります。被害者の“生きている”情報を出さないことで、単なる「裁判事案」であることを意識させ、さらに客観性を持たせています。主役が弁護士、しかも好感度が高いジェームズ・スチュアートですから、観客は弁護側の視点で(弁護側に肩入れして)この事件を見ることになりますが、だからといって弁護側=正義という感覚ではありません。ゲームの行方を見守るという感じです。はっきりしているのは、加害者が被害者を殺したという事実のみ。そこに至る流れ、動機、心理状態はすべて検察側と弁護側の後付でしかありません。どちらの言い分を認めるかは、観客に委ねられています。(判決後、真実の種明かしはありません。そこが上品。)法廷劇ではありますが、適度な笑いを含んだエンターテイメント作品としても楽しめました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-06-28 18:19:31) |
126. 青い車
すいません。自分にはどの部分を楽しめばいいのかわかりませんでした。難しかったです。なぞなぞの答えは「”シリアナ”を観ている井筒監督の腹」では? [CS・衛星(邦画)] 3点(2006-05-18 00:59:52) |
127. アルマゲドン(1998)
友人から「絶対感動する」と薦められた作品です。ストーリーは隕石が地球に激突し人類が滅亡するのを阻止するため、宇宙に向かう掘削(穴掘り)屋の活躍を描いたものです。一般人が主人公であるため、共感し易いです。次から次へと襲い来る試練は正直やりすぎというか現実感に欠けますが、娯楽性を追及した場合、これくらいでよいのかもしれません。個人的には「俺にまかせとけ」とか「俺を信じろ」のような台詞を吐く主人公は嫌いなのですが、物語の勢いで許せてしまいます。映像面(隕石による都市破壊や宇宙でのミッション)に目をみはるものがありますが、真の見所は親子愛の部分です。物語終盤の主人公と娘、そしてその恋人との台詞にはベタだと思いつつ、ぐっと来るものがあります。内容のわりに軽い感じは否めませんが、これから娘を嫁がせる父、嫁ぐ娘さんはきっと感じるものがあると思います(ちなみに前出の友人も結婚間近の娘さんでした)。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-05-15 17:49:14) |
128. アイ・アム・デビッド
収容所からの脱出という設定は、名作「大脱走」をイメージしてしまいますが、本作はまったく趣きが異なります。憲兵の追跡や国境検問などはあるものの、かなり淡白に描かれており、それよりも収容所という特殊な環境で育った少年が、一般の社会や人々と触れ合うという側面の方が主軸に描かれています。少年が閉ざした心の鍵を開ける過程を描いていると言った方が正しいでしょうか。そのため、少年が目的を遂げるまでの試練もさほど多くなく、予定調和な感は否めません。ですが逆に安心して観られます。次から次へと苦難を乗り越えるほうが確かに面白いですが、このような静かなロードムービーも悪くないと感じました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-04-27 00:23:07) |