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プロフィール
コメント数 67

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1.  アザーズ
多分にヒッチコックを意識したであろう演出方法は例えばデ・パルマのような余剰感は無いぶん上品かつオーソドックスであるが、恐怖の基本である暗所と閉所に登場人物を限定させる状況設定の上手さや、静寂とノイズが交互に織り成すことにより生じる緊張感等でラストまで退屈することは無い。話題のオチについてだけど、ご多分に漏れず語りたいが、語ってしまえばいかにも無粋ということは分かってんだけど・・・少しだけネタバレあるけど勘弁してね。主人公が例の状態となってるせいで某ヒット作と比較されがち、というかどうしたって思い出してしまうのはしょうがないんだけど、厳格なカソリック教徒であるがゆえに確信を持っていた世界観及び実存が根底から覆るというダイナミックさはそのまま冒頭で語られる例の神が7日間で世界を創造したという「創世記」に直結し、ラスト5分で創造されてしまった異世界(アザーズ?)を突きつけられる観客の「ヤラレタ感」は他に類はない、と言って良いと思うし、某監督は本作を見て先駆者の余裕を浮かべるどころか、大いに嫉妬するに違いない。N・キッドマンも素晴らしい。
8点(2002-05-07 20:53:44)(良:1票)
2.  アメリ
主人公の髪型同様、「地下鉄のザジ」を髣髴させるポップでキュートな映像がオモチャ箱をひっくり返したように画面に横溢されているのみならず、心臓がバクバクしたり、体が溶けて無くなったり、と電波少年みたいなことをやってもその演出が単なるギミックに陥っていないのは、各登場人物の「好きなこと」及び「嫌いなこと」に象徴されるように鋭い人間観察力に裏打ちされたジュネの人間そのものに対する視線がいつものようにどこかグロテスクな意匠を纏うことないがゆえ、所謂「キャラが立っている」からであって。各登場人物は皆何かを喪失しているようだが、喪失したものを得ようとするとき、客観的に見れば大したことなくても、主観的には大いなる一歩を踏み出さねばならないわけで、アメリはその一歩にほんの少しだけ後押しする、世界はもっとシンプルだよ、と。かくいうアメリもこと自分の恋に関しては奥手でその一歩が踏み出せないんだけど、誰もが多少なりともこういう経験ってあるんだよね、とシミジミ思える類の映画・・・のみではない!ラストのアメリとニノの笑顔を見てたら胸の奥から熱いものが堰を切ったようにこみ上げて来てしょうがなかった。本作を見終えた後は、いつもと同じはずの町の風景が少し違って見え、いつになく友達の顔が見たくなり、若しあなたが恋をしているなら、その相手には必ずこう聞きたくなるだろう「あなたの好きのものは何?」と。それとこの監督、音楽というよりノイズも含めた音そのものに対するセンスと拘りが実に素晴らしく、例えばアメリがカットアップして作り直した手紙をマドが読むシーンにザッピング音をかぶせたりするところなどは白眉。
9点(2002-03-17 22:24:21)(良:1票)
3.  アンブレイカブル
シャマラン監督ってかつてベルナルド・ベルトリッチが語った「影像で韻を踏む」という技法を現在最も意識している監督ではなかろうか。例えばイライジャ(ミスターグラス)は誕生のシーンから鏡(ガラス)越しに登場し、コミックの包装紙も含め終始紫色に覆われていたり、オレンジ色で象徴される悪のイメージを子供が飲むオレンジジュースに引き継がせていたり。ま、そうした細部に拘りすぎて映画の持つダイナミズムが損なわれた感はあるのだが、オチの後味の悪さとか○○の時点でオチが判った、とかで駄作扱いしてしまうのは勿体無いと思うし、技法で魅せることのできる監督して、俺はシャマランの次作にもかなり期待してます。
7点(2002-02-28 17:29:09)
4.  アパートの鍵貸します
これぞ我が生涯のベスト1!とまでは言い切れないものの、いかなる心理状態においてもベスト10には必ず入る本当に好きな作品だ。とにかく役者、演出、ストーリー、音楽、セットからちょっとした小物等々、すべてが完璧なまでの調和を見せており、どう控えめに言ってもワイルダーの最高傑作どころか、米映画史においても比類無きマイルストーンであり、本作を見る度に改めて「イヤー、映画って本当に総合芸術なんですねー」としみじみ思う。
10点(2001-10-08 02:38:56)(良:1票)
5.  アポロ13
実話に基づいて、それに忠実に再現した作品。大げさな誇張も(たぶん)ない所が気に入った。限定された空間で解決策を次々と論理的に見つけていくところが、他のSF映画よりもSFしてて良い(なんか変な文章だな)。
10点(2001-09-17 12:58:18)
6.  アイズ ワイド シャット
これは本当に評価が難しい作品だ。内容は妻の貞操観念が思ったより軽いことにショックを受けた主人公がヤケになって乱交パーティに潜入したけど主催者側の怖いおっさん達に脅されて、やっぱ身の丈に合わんことはするもんじゃないよね、と気づくだけのなんともショボイ話なんだけど、さすがはキューブリックで、この程度の話なのに2時間半強、まったく退屈せずに見ることができた、ということで逆説的にその力量を示しているのか。それとやはり映像と音の使い方は素晴らしく、特に乱交パーティのシーンで赤いマントを着た人が杖を床に突き立てるシーンの色彩感覚とあまりに禍々しいBGMのセンスや、主人公が尾行される時に使われるリゲッティによるピアノの挿入などは白眉。しかしキューブリック自身「本作が私の最高傑作」と語ったらしいが・・・どうでしょう?なお、点数は思いっきりエコヒイキが入ってます。
8点(2001-07-29 01:43:02)(良:1票)
7.  アウト・オブ・サイト
うーん、あんまり評判良くないみたいだけど俺はすごく好きな映画だな。ま、所謂フィルムノワール的なものの評価は少し甘くなってしまうんだけど、これを撮ったのが、あの「セックスと嘘とビデオテープ」でデビューしたソダ-バーグでっせ!その吹っ切れ具合に拍手したくなりませんかね?本作の原作はE・レナードだけどこの人の作品をここまで面白く映像化したのは他にLAコンフィデンシャルくらいしか思い浮かびません。はっきり言って最近のタランティーの作品よりずっと良いと思います。
8点(2001-06-17 01:39:08)
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