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プロフィール
コメント数 284
性別 男性
ホームページ http://ameblo.jp/wunderlich/
年齢 42歳
自己紹介 気になった映画をつまみ食い的に見ています。
うだうだと考えるのが趣味です。

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1.  アンストッパブル(2010)
『デジャヴ』と同じ主演デンゼル・ワシントン、監督トニー・スコットコンビの作品。監督お得意のたたみかける演出は健在。娯楽作としては水準をクリアした一本気な佳作であろう。『デジャヴ』に比べると脚本のひねりが弱いのが残念。見入ってしまってあっという間に見終わったのだが、後味の空虚さも想像以上であった。テンポの速い濃い演出と、演出に比べると素直すぎるショット割りによって、この映画はものすごく虚ろな味わいをたたえている。
[映画館(字幕)] 7点(2011-02-01 23:06:19)
2.  明日への遺言 《ネタバレ》 
大岡昇平の原作『ながい旅』の映画化。この映画も原作にならって、戦争裁判や歴史観の是非ではなく、岡田中将の高潔な人格を描こうとする。この点を取り違えてはならない。戦争裁判には様々な評価があり得るだろう。しかし、岡田中将の生きざまには、普遍的に心をうつところがある。これがほぼ遺作となった藤田まことの演技も味わい深い。見ていて、心がほぐされる一作であると思う。
[DVD(邦画)] 7点(2010-06-20 13:43:58)
3.  アフタースクール 《ネタバレ》 
ラストの大泉洋のセリフ「ぼくはなんにも変らないよ」にしびれた。「ぼくは、なんにもかわんないよ。」何かが変わりゆくものであることは、その何かが同時にどこか変わらないからこそいえることでもある。そういう見方で相手を見つめるとは、これはもう、ほとんど愛ではないだろうか。この映画は、その点をするどくとらえている、気がする。もちろんプロットもすばらしく、楽しめる。いい作品である。  
[映画館(邦画)] 8点(2009-12-28 23:34:17)
4.  明日、君がいない 《ネタバレ》 
映画の手法としてはよく練られていて面白いと思ったが、内容が重すぎる。もし、こういう学校が現実にごろごろあるならば、そんな国ではそもそも生きていたくない。この映画で唯一の自殺者は、無関心にさらされたことで命を絶ったようにも思える。私が生きていてもいなくても同じだと考えたのだろうか。しかし、むしろ周りの生徒の苦しみをみて、こんな世界に生きていたくないと思った可能性もあるのではないか。そのほうがより深い絶望のような気がする。いずれにしろ僕は思春期を男子校で過ごしたので、この映画のような事態には直面しなかった。もし子供がうまれたら男子校か女子校に通わせようと思います。
[DVD(字幕)] 6点(2008-12-16 15:14:21)
5.  アヒルと鴨のコインロッカー
「人を傷つけてはならない」という信念の勝利は、人を傷つけることによってしか達成されないということ、この映画の抱える切なさの源はここにある。このある意味で重たいテーマをこの映画は、軽快に扱って見せる。大切なことほど、軽く表現される。その意味で、非常によくできている作品だと思う。脚本の出来と、編集の手腕だけでなく、キャストも含めてすべてがミステリーに関わっている。すくなくともあまり予備知識は持たずに鑑賞すべきである。個人的には、大塚寧々の演技をみて、真面目な役だけれど非常に楽しそうだと感じられて嬉しかった。
[DVD(邦画)] 9点(2008-05-06 20:14:53)
6.  あなたになら言える秘密のこと 《ネタバレ》 
つらい経験を背負って生きていかねばならない場合、必然的に「息をひそめた生きかた」にならざるを得ないのではないか。外部の大きな力によって傷つけられた経験を持つものは、たとえその大きな力から逃れられたとしても、自分が傷つく可能性のある行為を試みようとはしないだろう。そうすると、つまるところ、自分の行動をおさえ、まるで高い標高で薄い空気を吸うような生をおくることにつながるのではないか? ただ、この映画のテーマは、そういったひそやかな生ではなく、そこからどう快復していくかを描くことにある。言ってしまえば、傷ついたもの同士が出会うことで、互いが救われることがありうるという事象をこの映画は描いている。単に互いの名前を呼び合い、呼びかけにこたえた相手に対して「なんでもないよ」と言い合うブランコのシーンや、主人公二人が再会するシーンなど、この映画には、人間の関係が生成していく原風景を見事に掬い取っている見事な場面がいくつかある。確かにある。 
[DVD(字幕)] 8点(2007-12-27 21:10:24)(良:1票)
7.  アルファヴィル 《ネタバレ》 
コンピューターが全てを支配・管理するために、感情を発露した人間を処刑する。しかもその処刑はコンピューターを開発した科学者が行っている。ものすごい本末転倒だ。JLGのパロディー精神躍如。コンピューターがレミー・コーションを尋問する時の台詞「すべては語られた。意味の意味が変わらないのであれば。」もかっこいいし、見た目はともかく、中身はクールにできてる傑作だと思う。ラストの「愛」発見もすてきだ。生きるということは言葉を語るのと同義なのであることをこれでもかと見せ付けられる映画。ずいぶん前の作品だが、今見てもいろいろと考えさせてくれる。
[DVD(字幕)] 9点(2007-04-29 22:44:47)
8.  青い車
この映画はある意味で救われない。すべての登場人物は、この映画の中ではっきりとは何も得ることはなく、ただひたすらはっきりと失い続けていく。原作漫画を読んだことはないが、漫画が原作であるにもかかわらず、非日常的な来事もなければ、キャラクターの濃い人間もでてこない。普通の人間が、普通に生きていて、普通にいろんなことを失っていく話だ。でも、ある意味でこの映画は救われている。生きるということが失い続けることとほとんど同義に等しいと知った人間は、ある意味で救われるしかない。それは、無言で抱き合うARATAと宮崎あおいを見つめるカメラの距離感や、恋人と妹の関係に気づいた麻生久美子の淡々とした態度が、一種の「愛」のように思えることと一緒かもしれない。すべてが淡々と流れていることを救われているとみなすなんてことはすこし悲しいことではあるけれど、曽我部恵一の音楽が放つ軽妙な「希望」というスパイスがこの映画の視界をすこし明るくしている。だからなんだかんだでバランスが取れている気にさせられるのだ。
[DVD(字幕)] 7点(2007-01-14 01:57:26)
9.  アメリカ,家族のいる風景
「みせもんじゃねぇぞ。」スペンサーはスターだから、どこへ行っても匿名の存在になることはできない。だれからも「ハワード・スペンサー」として見られる。それはかつて彼自身が望んだことだったし、家を飛び出した理由でもあった。でも、他人がおもっているスペンサー像は、本人とは違う。だからスペンサーは自分を「ハワード・スペンサー」として以前に、「息子」や「父」として端的に付き合ってくれる人たちを訪ねていったのだとおもう。ウェンダースの映画らしく、ユーモアに溢れ、美しい山々に溢れ、優しさに溢れた映画だった。サラ・ポーリーもウェンダース映画の天使の系統をしっかり継承していて素晴らしい。ジェシカ・ラングも内に秘めた苦しみをものすごく暖かく表現していて見直した。それに、本当の自分を捕まえたスペンサーがまた元の世界に戻っていくところがとてもいいシーンだった思う。原題もステキだ。
[DVD(字幕)] 9点(2006-10-17 02:36:58)
10.  ある子供 《ネタバレ》 
この映画は、若者とよばれる子供たちが主人公である。彼ら・彼女らは、生まれた赤ん坊をもてあましながら、この世界の中で生き抜いていくためにいろいろな新しいことを背負っていくことにある。その背負うということを端的に描いた作品になっている。  この世の中で生き抜いていくために必要なこと。それは責任ではないかと思う。ブリュノは自首することによって、初めて自分の行いに責任をとった。そして、最後にソニアと二人で手を取り合って流す涙は、責任をとるという道を歩みはじめたことの大変さを、もう後戻りは出来ないということを思って流した涙のように思えてならない。
[DVD(字幕)] 6点(2006-10-01 18:20:16)
11.  アカルイミライ
この映画は、若い人のための青春映画というよりも、大人のための作品だと感じた。この作品に出てくる2つの大人像の対比がとても秀逸だからである。1つ目のタイプはおしぼり工場の社長。もう1つのタイプはもちろん有田の父親。前者は「真面目に働き、家庭も円満な成功者」ではあるが、致命的に「節度がない」。本人は「仲良くしたい」、「物分りのいい人」のつもりでやっていることが、その「節度のなさ」故に人に暑苦しさ、ウザさを与えるタイプの人間である。一方、後者は「仕事も微妙、家庭もバラバラ、自分に自信がない」存在として描かれる。彼の善性は、我を忘れて金庫を開けようと暴れる仁村にたいして説教した自分自身に対して、「言い過ぎちゃったよ。口が滑っちゃったよ」と言わしめたシーンに端的に現れている。彼のような態度こそ、自由を確保しながら品格を保って生きていくために人間が通らねばならない狭き道なのではないかと思う。オダギリジョーの怪演も見物です。
[DVD(字幕)] 9点(2006-08-30 00:53:54)
12.  アイデン&ティティ
「あなたのやりたいことをやればいい」と、分かったように言われると「でも、やりたいことがわかんない。今やりたいことなんて、結局まわりの影響を受けただけのことじゃないか。僕が本当にやりたいことなんてねえよ。」と言い返したくなる。でもこの映画がきちんと描いているように、例えまわりの影響を受けただけだったり、社会の流行にだまされただけだとしても、「それでも好きなんだからしょうがない」と思えるものこそが答えなんだ。ロックが好きだという思いが、本当に自分自身の中から湧き上がってきたんだと言い切る自信はないけど、でもロックしている時の自分の感情は誰になんと言われようと本物なんだ。同じ話が、好きな恋人との関係にも当てはまる。だからロックをしてない自分に自信がない。そんだけの映画。でもいい映画。
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-10-29 23:55:23)
13.  秋日和
この映画は、司葉子がきれいという一言に尽きる。原節子、司葉子親子なんて、犯罪である。しかもアパートが小津映画では毎度おなじみのところだし。よくよく振り返ってみると、小津映画では役柄の名前もかなり使いまわしている。「節子」「綾子」「のりこ」が女性の名前では一番出てくる。男では、なんと言っても「勇ちゃん」か! 
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-09-21 16:48:11)
14.  アパートメント(1996)
降参。緊張感、キャスト、プロットのどれをとっても一級の作品だと確信する。特にキャストは豪華。パリの町並みもこの映画を際立たせるのに一役買っている。今度、ハリウッドでリメイク(『ホワイトライズ』)されるが、観る前にオリジナルを観ておくとさらに楽しめると思う。
9点(2005-03-11 08:10:53)
15.  雨鱒の川 《ネタバレ》 
ちょうど北海道旅行の途中で見た。舞台となる北海道がとても美しく描かれていて心がやすまった。音楽監修の葉加瀬太郎氏の音楽も耳に心地よい。ラストでいかだのスピードおそっ! 誰もすまなくなって廃墟となった一軒家が、さびれたという感じじゃなくて、妙にかっこよかったのが印象的。 全体として、おいおいという展開のストーリーだが、雄大な自然の背景や音楽とあいまってヒーリング・ムービー(?)のようで、リラックスして見れた。
[映画館(字幕)] 5点(2004-10-15 08:23:55)
16.  アイ,ロボット 《ネタバレ》 
アクション映画としてはロボットVSロボットという新しい形を見せてくれたのでそれなりに満足。しかし、メッセージの面では少々の疑問点がある。この映画の主張が、「My logic is undeniable」というVIKIの台詞に示されているように「論理では割り切れないところが人間の美点である」だとすれば、この主張の正しさは一体どのような論理に支えられるのだろうか。「人間が安全に生活する→ロボットが人間を保護する」というVIKIのロジックと、「VIKIのロジック→心がない」というサニーやW・スミスのロジックがあり、どちらも一理ある。そして、この映画はどちらのロジックをとるかを「論理的」に扱わなかった。たしかに「論理自体の正当性を論理で裏付けすることはできない」というのは分かるが、それはぎりぎりまで論理化した論理的主張を選ばざるをえない時に直面する事態であって、やっぱり「心」という言葉で簡単に納得していく姿には疑問を感じざるを得ない。もうちょっと立ち止まろうぜ。
5点(2004-09-20 20:45:10)(良:1票)
17.  藍色夏恋
なんてことはない青春映画という感じだけど、「モン・クーロウ」のゴロがよくてなんか耳にこびりついてしまった。マウンテンバイクと普通の自転車で都会を走る映画って日本ではもう作れないよね。日本では、「自転車+青春=田舎のあぜ道」みたいな公式ができちゃってるから。その意味で新鮮さを感じた。
6点(2004-09-20 19:54:23)
18.  アフガン零年 《ネタバレ》 
「そんなことを言われても、僕には何もできない」という思いと、「こういう大事な問題を、自分の問題として受けとめ、共感するべきなのかな」という思いが葛藤しました。この手の映画にはこういう葛藤が付き物なので、僕は映画代金を募金したと思うことにしていますが。なにはともあれ、僕とアフガンの前にはスクリーンという壁があって、これはどうしても乗り越えられないんだと痛感させられました。映画自体としては、「私の人生最悪よ」とブーブー言いながらも、しっかりと生きている女性たちの姿が印象深かったです。このようなたくましい女性たちがいる限り、人類滅亡の危機はやってこないでしょう。
6点(2004-06-27 18:49:47)(良:1票)
19.  荒鷲の要塞
アクション映画といっても、アクションのたたみかけには限界があって、少しサスペンス的な謎解き要素を入れたほうが、グンと面白くなるというのは、「ダイハード」シリーズやら「ザ・ロック」なんかで証明済み。でも、ずっと前に同じ手を使ってたのがこの映画。個人的には「ナバロンの要塞」よりも好き。クリント・イーストウッドがちょっと浮き気味のキャラなのも面白い。
8点(2004-06-23 14:34:42)
20.  赤ちゃん教育
この疾走感、展開力は例えて言うなら、ビーチボーイズの「Good Vibration」やクイーンの「ボエミアンラプソディー」といったところ。最初から最後まで畳み掛けてきます。疲れが吹っ飛びますわ。次の展開を予想しても、常に予想の上を行かれてる感じ。なんと言ってもキャサリン・ヘプバーンがすごいです。男尊女卑とかこの人には関係ないんだろうな…。ケーリー・グラントが完全に振り回されている。
[DVD(字幕)] 6点(2004-06-06 09:05:11)
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