1. 荒木又右衛門 決闘鍵屋の辻
《ネタバレ》 初っ端講談通りの敵討ちを再現してから、史実はこうではない、それでは史実に乗っ取って再現してみましょう、という流れの随分風変わりな出だし。ナレーションたっぷりに現代の(といっても1952年の)鍵屋の辻を解説したりもする。そして本編に入ると一応の経緯の説明が入るが、音声が聞き取りにくい上にあっさりしているので判り難い。要するにAの父親がB家の人間を殺してC家に逃げ込んだが、C家はAの父親を引き渡さなかった。そして今AがC家の人間を殺してしまい、今度はB家に逃げ込んだという話だったような。自分の親父に恨みがあるB家に逃げ込むAも凄いが、それを匿うB家も凄い。なんでそんなことになるんだろう。そういった説明はなされないので謎のまま。まあ、又右衛門の置かれた複雑な状況の方が重要なので、こんな経緯はどうでも良いっちゃぁいいんですが。作品自体は正直退屈。しかし決闘直前の緊迫感は相当に高い。この緊迫感は中々ない。ここだけで見応え十分。ただ続く決闘シーン自体はややあっさりとしていて、グダグダでもある。しかしこれは狙ったグダグダ。主人公以外は皆怯えていて、それが故のグダグダ。これが逆にリアルなんだろうし、良いのだが、グダグダを見せるにしてももう少し上手く見せてくれてもいい。脚本は黒澤明だが、ここらあたりを見てもなんか違う。これは監督の個性が出たというものだろうか。緊迫感は高評価だが、残念ながら全体としては現代の鑑賞にはやや堪えない点の多い映画という印象が強い。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-10-20 21:39:47) |
2. あしたの私のつくり方
とにかく良く喋り、よく説明してくれる。映像表現ではなく、あえて言葉で直接的に表現するというのが狙いなのだろうか。しかしこれがどこかの心理学系の本から引用したんじゃないかと思えるほどのお定まりの台詞や表現で閉口する。人物像もただありがちというより、度を越したステレオタイプ。ここまで定型で打ち出す必要があるんだろうか。こうも作られてはメッセージを受け取る気分にもならない。それでいて妙に家は金持ち住まいってのは何故だろう。身近な問題として描きたいなら、もう少し生活レベルを抑えては如何。そして演技力の低さ。無意味な微笑の演技が蔓延していて、さすがに鼻に付く。大体「友達は大切にしなくちゃね」と言いながら名前も明かさずメールを出すってのはどうなのよ。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2008-07-04 06:58:00) |
3. 暁の脱走
《ネタバレ》 あんな戦地で男を追い掛け回さんばかりの情熱を傾けるのも、それに対する周りの反応もやや違和感がある。そういった中で軍体制への批判をしてもなんだかピリッとしない。男と女の繋がりもいきなり前進してしまっていてびっくりする。二人の脱走に目をつぶった仲間の姿は感動的ではあるのだが、全体としては物足りず退屈。まあそれよりなにより、山口淑子の演技が粘っこく暑苦しくこってりしていて、息が詰まります。それでいてラブシーン何故かぎこちなかったりする。不思議なのはヒロインが主人公の名を呼び捨てにすること。普通「さん」付けしないかね。「さん」の部分の音声が潰れているのかと思ったが、どうもそうでもなさそうな。謎です。それにしても、やはり池部良は大根なのですね。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2008-07-04 06:49:42) |
4. アーサーとミニモイの不思議な国
やはり感じるティム・バートン風味。しかしリュック・ベッソンもそういう指向がない訳ではないし、似ていても特別不思議には思いません。それにしても、妖精のデザインがいかにも欧米。欧米人特有のデザインセンス。妖精というと外国人にとってはこういう顔立ちのイメージなんだろうなぁと。日本人にはまずウケないだろうデザインだ。完全な異世界ではなく、単にマイクロな世界への冒険というのは好みだが、ストーリーはこんなもんか程度。もう少し驚きが欲しかった。当初のイメージ通り、子供向けか親子向けの映画。 [DVD(字幕)] 5点(2008-07-04 06:31:33) |
5. あらくれ(1957)
《ネタバレ》 徳田秋声原作の小説の映画化。原作もまあまあだったが、こちらもまあまあの内容。それなりに原作に忠実に描かれていたような印象。この時代の女性を主人公にしたものに良くあることだが、逞しく自活するほどの活力があっても、なんだかんだ言って男から離れられない。こういう点がどうもいまひとつ心を惹かれない原因。時代的に女性一人ではどうしようもなかったのだから仕方ないのですがね。性の相性についての直接的な話などもちらりと出てくるのも原作どおり。時代的にこの部分はぼかすかカットするんだろうと何故か勝手に思い込んでいたため、そのまま描いていることに妙に感心した。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2008-07-04 05:59:43) |
6. アルスラーン戦記
原作も未だに未完なんだそうで。アニメは1と2が映画で、3以降はOVAにシフトしたらしい。今回1と2を続けて鑑賞したが、とても評価できるような内容ではない。1も2も本当に物語のさわりだけ。少しづつ仲間が増えていくというような感じなんでしょうか。大仰な台詞に大げさなアニメ演出。やややりすぎ。絵もへぼい。キャラデザインからしておかしいような気がする。1と2も1時間と短いが、どうも一時間に纏めようとしてもかなり無理が出ているように見える。せめてそれぞれ一時間半ぐらいはつかってやるべきじゃないのかね。この出来では、OVA探してまで3以降を見たいとは思わせない。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-06-10 21:42:33) |
7. アリゾナ・ドリーム
よく判らん適当な話。キャラクターどうこうより、話自体がダメダメです。ジョニー・デップはとてもカッコいいけど、内容がこれではな。ギャロは意外と影が薄い。でも面白かったのはそのギャロの昔の映画のものまね口真似くらい。 [CS・衛星(字幕)] 1点(2008-04-20 19:21:29) |
8. 甘い生活
《ネタバレ》 映像はさすがに綺麗だが、話がこうもつまらなくてはどうにもならない。結局堕落した生活から抜けられない男の話で、これが実にダラダラと続く。ラストの対比はそこそこ良いものの、それだけのために3時間近くも必要な訳もなし。2時間弱程度にまとめて欲しいものだ。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2008-02-28 16:43:25)(良:1票) |
9. あかね空
良い時代劇の風味があるが、時々現代劇になってしまうのは致し方ないところか。CGは安っぽめだけど、そういう向きの映画ではないのでOK。ただカラーフィルター(あるいはカラー調整)使いすぎな気はする。ストーリーはちょっと良い話的内容。悪くはないけど、もうひとつぐっと惹き付ける何かが足りない。可もなく不可もなくというのがまさしくピッタリ。まあ、とりあえず豆腐を食ってみたくはなる。 [DVD(邦画)] 5点(2008-02-10 15:56:58) |
10. あした元気にな~れ! ~半分のさつまいも~
林家一門がこぞって声優に起用されているのは何故だろうと思ったら、原作がそういうことなんですな。彼等が演技が下手で声もあっていないのは仕方ないとしても、本職の声優さんですら演技がいまいちだったりキャラに声があっていないように思えるのは頂けない。これではキャスティングからしてやっつけ仕事だったんじゃないかと疑りたくなる。内容に関しても余り興味の引かれるものではなかった。飽くまで教育的アニメ。この手のものでは仕方ないとはいえ、全体に安っぽさは否めない。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2008-01-13 19:16:03) |
11. 悪魔をやっつけろ(1953)
《ネタバレ》 とても適当に作ったとしか思えないような内容。バラッバラで、まとまりがなし。一体何がしたいのか、さっぱり判らん。ただ車が海に落ちてしまう画は、豪快でいい画だった。「カポーティ」の中でちらりとカポーティが話している映画の裏話はこの映画のことなのかな。ボガートが怒ったとか、J・ヒューストンはずっとバーに入りびたりだったとかね。 [DVD(字幕)] 1点(2007-12-30 23:07:50) |
12. 赤毛
《ネタバレ》 コミカルでマンガのような内容が楽しい。隊長から赤毛を借りて自分の村に戻って村を圧政から解放する下りまでトントンとリズミカルに繋いでいき、テンポは上々。特徴ある音楽も妙にはまっている。しかし遊撃一番隊が登場するあたりから調子も面白さも落ち着いてしまいます。最後はバタバタと人が死んでいくけど、どれもあっさりしてしまっていて、見せ場として成立していない感じ。遊撃一番隊もあっさり、高橋悦史もあっさり。結局鉄砲最強である。「たった三日間だけでもお前は百姓の天下にしたんだ」というお話なので、爽快感のあるラストには成り得ないのがちょっと寂しい。役者さんは皆良かったが、特に代官役の伊藤雄之助さんがとぼけた味を存分に見せてくれて本当に楽しく素晴らしかった。三船さんは確かにこの役をするにはちょっと歳を取りすぎ。でもその違和感に慣れてくると段々楽しくなります。この歳でこんなコミカルな役をやってくれてることが可愛らしく思えたりして。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-12-30 22:57:21) |
13. アルバレス・ケリー
《ネタバレ》 主人公を筆頭に登場人物の魅力がいまひとつ。もっとストーリーに活用できるはずのキャラクターも意外に沈んだままで終わってしまっています。ただ最後の牛を兵力として突破するというのは発想は面白く、迫力もあって良かった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-12-30 22:19:21) |
14. 紅い眼鏡
くだらないギャグの永遠の連珠。何人もの声優陣が役者として登場しているけど、声が強すぎて人間の演技と合致せず遊離した感じがする。不思議感覚。主演が千葉繁さんということもあるんだろうが、どこか「うる星やつら」がダブってくる。「うる星」の実写版的なイメージ。アニメそのものの演出をそのまま実写に適用し、再現してしまっていることは凄いとは思うが、どうしたってこの内容ではくだらない、つまらない。 [CS・衛星(字幕)] 0点(2007-11-30 20:32:21) |
15. ああっ女神さまっ
原作は殆ど見たことないので細かいことは判らないけど、まあまあ楽しめた。しかし本当にどこもかしこも女性キャラだらけですな。そこまで偏らんでも。ストーリーの根はシリアス系だけど、仕方ないとはいえそこに恋愛話が入ってくるのがちょっと鬱陶しい。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-11-05 19:19:00) |
16. アサシン(1993)
オリジナルを知らなければそれなりに楽しめるようにも思うが、オリジナルを知っていると劣化リメイク版という印象しか残らない。かなり忠実にオリジナルの筋を追いかけていることもあってその印象は強まる。それぞれの描写が下手で見ていてまったく引き込まれません。雰囲気というか空気感が壊れてて、味わいがまったくないんだよねぇ。どうせなら設定だけ戴いて、全面的に筋を書き直したほうが良かっただろうに。これじゃぁ安っぽさばかりが目立ちます。唯一、ハーヴェイ・カイテルだけが良い味出てました。 [DVD(字幕)] 3点(2007-11-05 18:58:01) |
17. アクシデンタル・スパイ
《ネタバレ》 前に観たときはかなり微妙な感じだったが、今回観てみたらそれ程悪くない印象。ジャッキー・チェン特有のそこらへんにある小道具を上手く使ったコミカルなアクションは健在。病院での戦闘も電気ショック蘇生機を使い、トルコ風呂では裸で逃げ出し、市場に迷い込んでありとあらゆるものを使ってのアクション。裸だから股間を見せないようにいろんなもので隠すのだが、これが実に上手い。しかしストーリーはおざなり。CIAの女もジャッキーに復讐をけしかけるような情報を流してますし。タンクローリーのシーンは蛇足というか浮いているというか、いらんですなぁ。炭素菌抱えて燃えているタンクローリーに乗り込むし、オイル運搬車は何故か家族連れで乗ってるし。もう無茶無茶。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-11-04 17:16:11) |
18. アウトブレイク
《ネタバレ》 感染の原因や広がり方が現実的で、他人事ではないウイルスの恐怖を感じる。多くの要素をぶち込んだ割りにちゃんとまとまっているし、水準レベルには達していると思う。ただ運頼みに過ぎる猿の捕獲の成功など、後半はご都合感がちらちらする。プロであるはずの研究班のメンバーが単純なミスをして感染してしまうというのも興醒めだ。まあそれでも、こういうありえそうな話でウイルスの恐怖を強く感じさせてくれただけで個人的には満足。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-11-04 16:50:07) |
19. あらしのよるに
《ネタバレ》 原作に忠実な作りっぽいが、ひとつひとつの話が1話完結のような絵本が元であることもあり、全体のまとまりやら整合性という点では今ひとつ。ガウがメイに気を使ってこっそりネズミを捕って食べているのに、メイがそれも嫌などと我が儘を言うのは随分な話。それは言ってやんなよという気がする。小説版ではメイは女として描かれているらしく、そのあたりの設定をなんでそんなにフラフラさせてしまっているのか謎。声については主演の二人はまったく問題は感じなかった。しかしアナウンサーの声優起用は酷すぎる。一言程度の出演ならともかく、それなりに台詞のある役にあの棒読み女子アナを当てるとは。軽い殺意を覚えます。 [DVD(邦画)] 4点(2007-10-25 22:21:11) |
20. アメリカン・スウィートハート
《ネタバレ》 相変わらずの下ネタのオンパレード。アメリカ人は本当に下が好きだね。後半にいくにしたがってどんどんつまらなくなる。最後の映画の内容もただの盗撮物で斬新でもなんでもない。まあ、とことん萎える映画だ。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2007-10-25 22:01:59) |