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プロフィール
コメント数 496
性別 男性
年齢 42歳
自己紹介 皆様のレビュー、いつも参考にさせていただいております。私のレビューも参考になれば幸いです。

2012年以降忙しくなったので、レビューを一言にしています(上半期分は6月末にまとめて投稿)。参考にしにくいかもしれませんが、あしからずご了承ください。採点基準は以前と同様です。

私の連絡先はこちら⇒えむいーあーる75jp[あっとまーく]yahoo.co.jp

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1.  アウトロー(2012)
シリアスかと思ったら意外と笑えた。トム•クルーズ作品はこうでなくっちゃ。
[DVD(吹替)] 6点(2013-04-18 07:37:07)
2.  アルゴ
流石のバランス感覚。社会派エンターテインメント。
[映画館(字幕)] 8点(2012-11-10 10:23:13)
3.  アベンジャーズ(2012)
期待通り。
[映画館(字幕)] 6点(2012-08-23 23:48:13)
4.  アウェイ・フロム・ハー 君を想う
「テイク・ディス・ワルツ」の予習として鑑賞。安易に涙を拾いに行かない作り方がとても良かったと思う。特にラストが良い。 この映画のテーマは「ひたむきな愛」ではなく、「気持ちのすれ違い」にあるのだ。認知症ですらも設定に過ぎない。描きたいものをきちんと見据えて製作された作品だと感じた。
[DVD(字幕)] 8点(2012-08-11 09:24:12)
5.  アメイジング・スパイダーマン
迫力はすごかったが、ドラマパートがダメダメ。主人公がもてすぎるのは観ていてやはり違和感がある。
[映画館(字幕)] 6点(2012-07-16 14:44:30)
6.  アーティスト
いい映画。
[映画館(字幕)] 7点(2012-07-02 20:33:29)
7.  アニマル・キングダム
このリアリティ。
[映画館(字幕)] 8点(2012-07-02 20:24:58)
8.  アジョシ 《ネタバレ》 
「レオン」の激甘ストーリーを忠実に踏襲しつつも韓国映画お得意の残虐バイオレンスを加味することで、何とか救われた印象。ウォンビンの「母なる証明」もキム・セロンの「冬の小鳥」も大好きなので、キャストの演技に集中し、ストーリーにはある程度目をつぶろうと思って鑑賞したが、あまりにも「レオン」の轍を踏みまくるのでちょっと食傷した。主演2人の演技も前作の方がよかった気がする。特にキム・セロンはクサい台詞が多くて、ちょっとかわいそうだった。あの台詞なら自然に言う方が難しい。素性を隠すキャラということで、ウォンビンも大半が鬼太郎風の髪型なので、ちょっとぱっとしない。肉体美は凄いが。 一方で、めっけものだったのは脇役陣のキャラ。マンシク兄弟をはじめとして、なかなか見応えのあるワルどもが勢ぞろいである。「レオン」でもゲイリー・オールドマンはド変態だったが、それがいっぱい出てきたらさぞ面白かろう。そんな感じ。特にマンシク兄の不気味さは出色。一見、普通のヤクザなのにあの異常者ぶりは好みだ。三枚目担当の麻薬課の刑事の役者も良かった。韓国映画は、いつもきちんと脇を固めていて、俳優の層の厚さに感心する。 一方で、本編は韓流好きのおば様たちには受け入れがたかろうと心配になる出血量を誇っていたが、劇場ではすすり泣きも漏れていた。けっこう一般ウケもするのかもしれない。少し意外だったが、さすがあれだけ「レオン」がヒットするお国柄だけのことはある。こういう作品は日本人の琴線に触れやすいのだろう。
[映画館(字幕)] 6点(2011-09-19 20:44:49)(良:1票)
9.  アリス・クリードの失踪
時間軸の操作や登場人物の過去の因縁に頼ることなく、意外とナチュラルかつまっすぐなストーリー展開で好感が持てた。本当に登場人物は三人しかいないというのもすごい。今年のカップル映画が「ブルー・バレンタイン」なら、三角関係映画はこれで決まりだろう。登場人物一人ひとりの立場に立って考えても、ストーリの流れに矛盾や違和感が無い。ラストはできすぎているのだが、その爽快感も捨てがたい。
[映画館(字幕)] 7点(2011-09-11 18:08:56)(良:1票)
10.  明日、君がいない 《ネタバレ》 
舞台はオーストラリアのとある高校。映画の冒頭で誰かの死が予測されるシーンがあり、その後はその死が引き起こされるまでの過程を描く。 この映画は、月並みに言えば、思春期の危うさを映した映画ということになるが、それに止まらない不思議な迫力を持っている。監督の年齢がまさに思春期を終えた19歳と言うこともあるのだろうが、そのことを差し引いても、役者陣が素人だらけの中で、この緊張感とリアリティを90分にわたって維持できたというのは恐るべき才能だと感じられた。監督自身、友人を自殺で失っているということだが、それを阻止できなかったことに対する後悔や亡くなった友人に対する哀惜の情がこの作品の根底に渦巻いている点もこの映画の訴求力の増加に大きく貢献している。 この作品の結論は何ともやるせないのだが、思春期に限らず、人間の生死というのは意外と分からないものであるとは、常日頃感じており、そういう意味で私としては監督の考え方を肯定し、同調することができた。この映画のラストには、人によって様々な受け止め方や意見もあるだろう。だが、人間の命は脆く儚いものであるということはいつも心に留めておくべきだと私は思っている。この映画はそれをきちんと捉えていた。
[DVD(字幕)] 7点(2011-07-31 15:25:51)(良:1票)
11.  アジャストメント 《ネタバレ》 
宣伝からは、迫力溢れるサスペンスっぽい雰囲気が伝わってくるが、この罠にはまると痛い目を見ます。この映画はサスペンスとしては著しく不出来だからです。 「マトリックス」のエージェント・スミスみたいな調整局の面々が入れ代わり立ち代わり主人公の恋路を邪魔立てするのですが、まずこいつらがとてつもなく無能です。曲がりなりにも天使だぞ!とどやしつけたくなるほどの使えなさです。「運命の本に書かれていないからお互いが会えないようにする」という単純極まりないミッションすら全くこなせていません。さっさとカップルのどっちかをマンハッタンから外に出せばよかったのでは?設定を難しくして、「出会っちゃった。やばいやばい」と騒いでいるおじさん天使達は微笑ましくもありばかばかしくもあり、見ていて結構醒めました。 ラストもかなりひどいですね。こんな恋愛でも特別承認対象にしちゃっていいのでしょうか?確かに純愛を貫いているのは分かりますが、これくらいの例は世界中にいくらでもありそうな気もします。それよりもナチスとかその他の独裁政権を黙認していて良かったのか、天使ども。コラ! まあ、そもそも、先が読めない手に汗握るサスペンスではなく、ちょっと変わった設定のラブストーリーですという前提に立って観れば、もっと楽しく観られたかもしれません。点数は低めにつけざるを得ませんが、カップルにはぜひお勧めしたい内容でした。なかなかロマンティックな話だと思います。
[映画館(字幕)] 4点(2011-06-05 18:02:45)(良:1票)
12.  歩いても 歩いても
「家族」という人間の集合体はとても興味深い。血の繋がっている家族もいれば、繋がっていない家族もいる。一緒に生活している(していた)人が家族というわけでもない。たとえ同居していなくても、子供が結婚すればその結婚相手も家族だし、彼らの子供もまた家族なのだ。結婚は人生の伴侶を選ぶだけではない。相手の「家族」も選んでいるのだ。  そして「家族」が面白いのはそのありようが様々だからである。仮に僕が将来結婚するときに、自分の実家に相手を連れて行くのと、相手の実家を訪問するのとでは、どちらがより緊張するか、自分にプレッシャーがかかるかと問われれば、僕にとっては確実に前者だ。つまり結婚する以上は、相手に僕の家族を相手にとっての「家族」に加えていただくことになるからであり(自分の実家と絶縁→結婚という選択肢は除いたとして)、結婚相手が僕の家族にどういう印象を抱くかは僕自身の努力では如何ともしがたい点だからである。  この映画に出てくる家族はそれほど「変わった」家族ではない。開業医を引退した男とその妻の二人暮らしの家庭に娘夫婦とその子供二人が帰省中。そこに絵画修復士となった次男が新妻とその連れ子を伴って帰省する。鼻つまみ者がいるわけでもなく、金に困っている者がいるというわけでもない、一見特に何も問題のない家族である。そういう家族でも、個々の構成員の感情のレベルで見ると彼らはお互いに多くの思いを抱いている。だが、これもたいていの家族ではあることなのだ。特に不思議なことではないはずなのだ。  この映画の見所は、僅か一泊二日のお盆の帰省中に起きる様々な出来事を通じて、「家族」という共同体の面白さ、不思議さ、滑稽さ、惨めさ、尊さをとても丁寧に描いている点にある。何の変哲も無い家族を取り上げているにもかかわらず、彼ら一人ひとりの考え方や感情の持ち方を明確に設定し、適当なイベントを生起させることでとても深い人間ドラマに仕上がっている。特に何か大きな事件が起こるわけではない。衝撃的な事実が判明することも無い。涙が出るほど感動する、というシーンも無い。  しかし、邦画でこんなにリアルな家族の物語を観たのは、久しぶりだった。小津安二郎の映画にも通じるものがあると思う。時間をおいてもう一度観たいと感じさせる作品だった。キャストの演技も良い。芸達者が集まっており、全員がはまり役と感じた。
[DVD(邦画)] 8点(2011-05-22 21:40:28)(良:1票)
13.  アレクサンドリア 《ネタバレ》 
知的な女性を演じさせたら右に出る者はいないレイチェル・ワイズがはまり役の作品。ヒュパティア様がかわいすぎる。キリスト教勃興期の激動のアレキサンドリアを舞台に、物語の筋は「宗教」と「学問」の相克をメインテーマに置き、それに恋愛のスパイスを振りかけたよう。経験上、こういう歴史ものは描きたいものを欲張りすぎてとっちらかってしまう傾向にあるが、残念ながらこの作品もその印象を免れない。マルタの大規模なセットで、大量のエキストラを動員したアレキサンドリア支配階級とキリスト教徒の争いは確かに見応えがあるが、その分、主要な登場人物同士のコミュニケーションが十分に描けていない印象だ。 ヒュパティア様を中心に(まさに恒星のような輝き!)奴隷ダオス、貴族のオレステス、テオンがその周りを回りながらヒュパティア様に言い寄ったり、論戦したり、物陰からじっと眺めたりしているのだが、まず、テオンが早々に脱落する(出て来なくなる)のがつまらない。意外とオレステスがまともなだけにもう少し屈折した変態キャラで前面に出てきて欲しかった。逆にオスカー・アイザックは「ロビン・フッド」や「サッカー・パンチ」で変態のイメージが染み付いていたが(失礼な話だが)、オレステス役を上手に演じていたと思う。決して馬鹿ではないんだけど、ヒュパティア様には追いつけない哀しい役どころで最も共感できた。ダオスを演じたミンゲラの暗い目と荒々しい演技も忘れがたい。 それだけに冒頭で触れた「とっちらかった」感が残念だ。どのテーマも監督が描きたかったものなのだろうが、もう少し登場人物を絞るか(テオンは要らないかな~)恋愛要素を減らすかしないときつい。中身は十分濃厚だっただけにもう少し映画自体を長くしても良かった。ただし、歴史ものが苦手な僕でもそれなりに楽しめたので、歴史ものが好きな人からしたらかなりの傑作なのかもしれない。 それにしてもレイチェル・ワイズはいい!あらためて出演作を観直してみたい。
[映画館(字幕)] 6点(2011-05-18 23:24:29)
14.  愛する人 《ネタバレ》 
家族の絆とは「血」か「時間」か。養子制度をどう考えるか。とても興味があるテーマであり、期待して鑑賞した。いつも友人と議論になるが、恵まれない孤児がいるのなら、子供を作るよりも養子を受け入れるほうが、最大多数の最大幸福という観点上、素晴らしいことであり、養子制度は日本にもっと根付かせるべきなのではないか。 それはさておき、映画の出来としては今一歩及ばずという印象だった。演技派をそろえており、それぞれの演技がアカデミー賞候補になってもおかしくないほどだが、どうも脚本が欲張りすぎた印象だ。この映画は3人の女性が中心となって話が進行する。それぞれに個性豊かでもっと色々なことを知りたくなるキャラ設定なのだが、深い部分まで掘り下げた描写がされていない。というか時間的な制約により、そもそもそこまで掘り下げることが不可能なのかもしれない。原作があってその映画化だからかなと思っていたが、そうでもないようだ。 黒人夫婦のエピソードは養子制度を考える上で重要だが、エリザベスの少女時代を丁寧に描くことで補完可能だろう。思い切ってここを丸ごと省き、その分、親子の話に焦点を当てた方が良かったかもしれない。 登場人物一人ひとりに魅力あっただけに、それが裏目に出てしまった。そういう意味で残念な作品。だが、一見の価値がある。アメリカに比べて養子に抵抗感の強い(?)日本では、どう受け止められるのかが興味深い。
[映画館(字幕)] 7点(2011-03-13 21:15:17)
15.  アラビアのロレンス
リバイバル上映で鑑賞。この映画を観るのはもう何度目か分からないが、今までで観た全ての映画の中で最も好きな作品だ。僕がこの映画を好きな理由は、まずは全てにおいてこの映画が秀でていること。脚本もキャラクターの造形も台詞回しも音楽も映像美も何から何まで素晴らしい。特にキャラクターと台詞回しは本当に凄い!ロレンスはもちろん、アリもアウダもファイサル王子もアレンビー将軍もドライデンも!本当に素晴らしい躍動感だ。実在・非実在にかかわらず、本当に血の通った人間が歩き、話し、考えている。 しかしそれだけではない。「ゴッドファーザー」も「ローマの休日」も「ガタカ」もほぼ完璧な映画だと思う。それらに加えて最も大事な点は僕がこの映画で描かれるロレンス彼自身に心底愛着を覚えるからだ。 確かに僕は彼のような英雄ではないし、砂漠どころか海外にも大して行ったことはないし、戦争を戦ったことも無い。しかし、彼の栄光と挫折に至る過程における彼の心理状態にはことごとく共感できる。マッチの炎を指で消してみたり、将軍に無造作な口を利いたり、自分の居場所はここではないと感じていたり、名声に酔ったり、そういう自分を恥じたり、理想主義だったり。 僕にとって彼は、基本的には同じ考え方をもつ人間でありながら、僕がもって生まれた能力の低さや意志の弱さや慎重さ(消極性とも言う)から実現できないことを次から次へと実現していくスーパーマンなのだ。だから彼の欠点も含め、その行動一つ一つが愛おしく、そして同時に圧倒されるのだ。これを観ると僕も彼のように「生きた」人生を送りたい!と心から感じる。面白い映画であるとともに自分の気持ちを引き締めてもくれる映画だ。人生において大事なことを、観るたびに僕に改めて問いかけてくれる唯一無二の映画だ。
[映画館(字幕)] 10点(2011-01-15 22:18:31)(良:2票)
16.  アンストッパブル(2010) 《ネタバレ》 
暴走した電車を止める。ただそれだけの話です。オチもクソもありません。大丈夫です。デンゼル・ワシントンですから。きっとSTOPPABLEです…。 最初、仲が悪くてその後仲良くなる凸凹ヒーローコンビという構図が王道なら、本社の運行管理部長は何も分かってなくて現場の操車場長のほうが頼りになるという「現場至上主義」な構図も王道。フーターズを除いては王道なので、そのシーンで一番興奮してた。今度上京したら絶対に行こう。フーターズに。 それにしてもアメリカ人ってちっとも仕事しねえな!発端となった怠け者二人は言うに及ばず、ヒーローもやたら電話してるし、注意されるとふてくされる。あのヒーロー面してた長髪のおじさんも最初は食堂で仕事をサボってただろうが!人事の仕事をしている者としてはこれは見逃せない。お母さん、日本の現場はまだまだ健全ですよ! ただ、上映中ずっと手に汗を握りまくっていたことは秘密だ。悔しいことに。これでは6点をつけざるを得ないではないか。映画館で観るかさもなくば・・・な映画。
[映画館(字幕)] 6点(2011-01-15 00:10:29)(笑:2票)
17.  アビス/完全版 《ネタバレ》 
この前、「アバター」を観て、で、この作品を観たのだが、ジェームズ・キャメロンの考えって昔から全然変わっていないんだなと感じた。単純すぎるほどラブ&ピース。そして設定は壮大なSFで「強い女性」が登場。この分かりやすさが良いところだし、同時に彼の限界でもあるような気がする。 良いところとしては、訴えたいポイントが絞られているからそれがストレートに伝わってくるところ。バッドがリンジーを必死で蘇生させようとするシーンなどは誰が観ても感動的だと思う。一方で、どうしても話が薄っぺらでご都合主義に見えてしまうところが悪いところ。コフィ大尉はそもそも狂いすぎだし、ラストの津波シーンと宇宙人登場シーンもいたずらに壮大すぎて感動どころか逆に笑ってしまった。 監督の純粋な思いがあまりにも強すぎる。彼と同じように純粋な観客に対する訴求力は強いが、僕のような不純な人間、うがった物の見方をする人間は、観ていてちょっと小っ恥ずかしくなる。リアリティを疑いたくなる。 たとえば、この作品の世界では、ラストの宇宙人出現後、人間は本気で宇宙人を倒す方策を考え始めると僕は思う。だって、いつなんどき海底の宇宙人に津波で滅ぼされるか分からないのだ。人間は核による先制攻撃を狙うだろう。そして滅ぼされるだろう。 結局人間なんてそんなものさと嘯く僕は、彼の映画で本当の意味で「感動」はできないのかもしれない。それは寂しいことなのかもしれないが、それが正しいかもしれないじゃないか。
[DVD(字幕)] 6点(2010-10-02 22:57:25)(笑:1票)
18.  悪人 《ネタバレ》 
原作既読だから7点だが、未読なら6点以下になる。この映画の一番の欠点は原作の「分かりにくさ」を排除しすぎた点だ。原作では祐一はもっと「分かりにくい」人間だ。自分を捨てた母親との葛藤やうまく女性との関係を築くことができない性格が原作ではもっと描かれており、それがラストにつながっていく。「俺はそんな人間じゃない」という彼の言葉が生きてくる。更に言うと、原作には最後に祐一の独白があり、それもまた誰が「悪人」なのかということを考える上で興味深い内容になっていた。 この映画では誰が「悪人」かが比較的「分かりやすく」描かれている。露骨ではないが、誘導的な部分もある。「パレード」もそうだが、吉田修一の作品の魅力は「突き放し」にあると思う。それが十分に描かれていないのは残念だ。原作のように人間の持つ善と悪を冷静に浮かび上がらせることができなかった。久石譲の抒情的な旋律も少しオーバーで、上記の視点から見ると、逆効果になっている印象を受けた。 ただし、140分という比較的長尺の作品でありながら、全く長いと感じなかったのは監督の巧みなカット割と俳優陣の熱演によるものだろう。主役二人の頑張りも清新で良いし、脇役も味が出ていた。全員の演技が良かったと言い切れる映画は珍しい。方言についても、福岡出身の僕からすれば、特に不自然ではなかったように思う。 総合すると、原作を視覚的に「補強する」映画としては素晴らしいが、果たしてそれで良いのか?という疑問も残る映画。惜しい作品だ。
[映画館(邦画)] 7点(2010-09-20 23:12:06)(良:1票)
19.  あの夏、いちばん静かな海。
いい映画だとは思うけど、ちょっと静かすぎるかな。  北野映画独特の映像美、雰囲気、間は健在なのだが、いかんせん静かすぎる。主人公が聾唖者であり、言葉がほとんど無いだけに仕草や表情など外形的な体の動きが、普通の映画より強いメッセージを持っていて、それはそれで興味深いのだけれど、やっぱり台詞回しのない映画は寂しい。テクニカルな面では、周囲の人の口の動きと声が微妙に合っていないのも違和感があった。この映画を好きな人の気持ちも分かるが、僕には少し芸術レベルが高すぎたようだ。
[DVD(邦画)] 5点(2010-08-06 00:07:51)
20.  アウトレイジ(2010) 《ネタバレ》 
なんだよ。面白いじゃねえかバカヤロー。カンヌの気取ったガイジンどもにゃ、このテのハナシが理解できねえだけなんじゃねえかコノヤロー。何でヤクザ映画なのにこんなに笑えるんだって思いながら関内と加藤のやり取りを観てると、時々ゾクッとするほどかっこええ水野まで出てきちゃうんだからすげえだろ。加えて、しょうもねえ池元と村瀬のキャラとか、笑うしかねえよ。確かに凄みの利き方が足りねえシーンもあったけど、こりゃもはや「コメディバイオレンス」っていう新たなジャンルの地平を切り開いてるんだよクソヤロー。暴力の連鎖が不毛だとか当たり前のことを当たり前にタラタラ抜かしてる奴らの隣で、タケシさんは淡々とすんげえもん作っちまってるじゃねえか。暴力の不条理さを笑いながらも、その美学への礼儀を欠かさねえタケシさんのスタンスには恐れ入るしかねえだろこのボケが。日本の「パルプ・フィクション」って言ったら褒め過ぎかも分かんねえけど、こいつらの会話とか間とかキャラとかがいちいちこっちのツボに入ってくるんだからしょうがねえじゃねえか。この面白みを理解できる日本人で良かったって感謝するのは久しぶりだよ。最高。
[映画館(邦画)] 9点(2010-06-19 18:15:36)(良:3票)
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