1. 浅草キッド
自分は、78年のツービート高田馬場ライブの一部を、コッキーポッブというラジオで聞いて以来のファン。 だから、たけし役には「殺気が足りないなあ」とか「賞レースでは負け続けていたはず」とか、思うところはある。 逆に、歌手になれなかったストリッパーには泣かされた。 特に「ジョニィへの伝言」が出てきたのには参った。 今聞いても名曲だけど、当時は、他の誰がどんなにうまく歌ってもカラオケレベルにしか聞こえなかった歌だから。 でも全体として、師弟愛をいかにも昭和っぽく表現できていて、万人が楽しめる出来。 「笑われるんじゃない、笑わせるんだよ」は、たけしも昔よく言っていた。 今のプライド高いお笑いは、ここが原点。 [インターネット(邦画)] 8点(2021-12-26 03:36:08) |
2. 明日に向って撃て!
中学生の頃に憧れた超有名作品。 自分より少し上の大人が、この作品の魅力を熱く語っていた。 今さらになって初めて見たんだけど、残念ながらダメだった。 こりゃあ学生のときに見なきゃダメだなあ。 会社員生活30年以上なんて自分が見ても、主人公が犯罪者じゃ共感できない。 「ボリビアなんて、今でも悪人が稼ぎに行く国じゃないのに、50年前にあるわけない」とか、どうでもいいことが気になるし。 ところで自分、「俺たちに明日はない」のあらすじだけ知ってるんだけど、これ、ソックリだね。 おまけに原題もソックリで、邦題もなぞっている。 にもかかわらず、こちらは二番煎じ扱いされず、むしろ傑作扱い。 ベトナム戦争とか、当時の空気感を知らないと理解できないのかなあ。 つまらなかったわけじゃないけど、感想は「見なきゃよかった」。 憧れの作品は、憧れのままでいてほしかった。 [地上波(吹替)] 5点(2020-09-23 00:49:00) |
3. アリータ:バトル・エンジェル
この映画の原作を昔大好きだったけど、この映画はノーマークだった。 だって、日本漫画のハリウッド映画化なんて、ロクなもんじゃないから。 ところが、映画の予告映像を見たら、考えが変わった。 原作のいいシーンを忠実に実写化してるのが分かり、思わず熱くなったから。 実際見てみると、原作へのリスペクトは想像以上だった。 なによりうれしいのは、造形こそ多少異なるものの、主要なキャラの性格は、原作と全く同じなこと。 それでいて、アクションシーンやクズ鉄町の表現は、原作を超えている。 ハリウッドが大金かけただけのことはある。 しかも、お話は時系列こそ変えているものの、原作の前半(前半だけなら傑作!)とほぼ同じ。 これで映画としてつまらないわけがない。 ヒロインに萌え、アクションシーンで燃え、ヒロインの悩みや恋愛にちょっと泣ける。 SFアクションエンタメとして、非常によくできている。 日本漫画原作のハリウッド映画としては、自分の知る限り史上最高。 この映画の映画の続編も見たいし、もっと日本漫画をたくさんハリウッド映画化してほしい。 本気でそう思った。 [映画館(字幕)] 9点(2019-02-23 00:49:25)(良:1票) |
4. アウトレイジ(2010)
《ネタバレ》 この映画の「全員悪人」というキャッチコピーは覚えていた。 で、見終わった後は、「”全員悪人”じゃなくて”全員短気”じゃんか」と思った。 だって最初は60万円ですよ?60万円。 そりゃあ高いですけど、命のやりとりする金額じゃあない。 それに、警察署の前でタバコのポイ捨てするシーンに象徴されるように、意味なく相手に反感持たせてるし。 これじゃヤクザじゃなくて頭の悪いチンピラだし。 でもねえ、見終わって数時間すると、やっぱり「面白かった!」って感情が上回る。 テンポいいし、暴力とお笑いを両立させてるし。 このセンスはたけしならではだなあ。 やっぱり「全員悪人」ってキャッチは正しいな。 みんなカッコつけて悪ぶった後、カッコ悪く死ぬ。 それを一言で言うなら「全員悪人」しかないと思うから。 大人の男しかわからん映画だと思うけど、それでいいのだ。 もっと早くみれば良かった。 [DVD(邦画)] 7点(2019-02-10 20:50:25) |
5. アウトレイジ 最終章
ビートたけしは、自分にとって神のような存在。 しかし、それはお笑いの世界に限っての話だ。 映画人「北野武」は俳優なら「一流」程度、監督なら「芸能人出身にしては結果を残している人」くらいの評価でしかない。 それで、たけし監督作品は、初期の1,2作を見ただけで、ほかは見ていない。 今回は、なんとなく暇潰しに借りて見ただけなんだけど、意外に面白かった。 ストーリーを冷静に追えば、たけしと周りのヤクザの行動は論理的ではないのかもしれない。 でもそれを上回る緊張感、闘争本能、死の匂いなんかが、うまーく映画に集中させてくれる。 この出来なら、ちゃんとシリーズ当初から順に見ればよかった。 それにしても、たけしは主演しかできない人だね。 たけしが出てこないシーンがしばらく続いたあと、たけしが出てくると、何を言うのか、何をするのか、ものすごく期待してしまう。 主演しかできない人を、俳優として一流と言っていいのか? 映画としてそれで面白いんだから、それでいいのだ。 [ブルーレイ(邦画)] 7点(2018-08-17 12:09:34) |
6. アナと雪の女王
ラプンツェルで4点しかつけなかった自分。 この映画は、同じディズニーの同系統の映画と思われるのに、勇んで見に行った。 理由は、CMで主題歌「Let it go」を見て聴いて、大ファンになったから。 だから、当然、字幕版。 字幕のアニメを映画館で見るのは初めてだ。 映画館に入ってビックリ。大人しかいない。時代劇見に来たのかと思った。 よく考えたら、字幕版と吹替版があるなら、子供は吹替版選ぶに決まっているから、当たり前なんだけど。 しかし、かなり低年齢層向けと思われるこの映画。 それが公開2週目というのに、シネコン一の大箱が大人だけで満員になっているのは、かなりシュールな光景だった。 まあ、自分もそのうちの一人なんだけどね。 さて、肝心の中味。 期待通り、「Let it go」のシーンは最高でした。 悲愴感漂う場面だったのはちょっと意外だったけど、それでも涙タラタラ流れちゃって恥ずかしかった。 ただ逆に、「Let it go」以後は冷静になっちゃって、「背景がリアルすぎて、かえって不自然だな。新八犬伝(昔NHKでやっていた人形劇)見てるみたいだ」とか「歌のシーンでも話を進めるのは偉いな。ミュージカル特有のわざとらしさが少ない」とか「お話が説明無く進みすぎ。やっぱり低年齢向けだな」とか、いろいろ考えてしまったけど。 それでも、映画史に残る名曲シーンがあって、その後も破綻無く物語終わらせているから、充分に秀作と言えると思う。 [映画館(字幕)] 8点(2014-03-22 00:15:13) |
7. アルゴ
結末がわかってるサスペンスなのに、緊張感が素晴らしい。 しかも、むごたらしい殺人シーンなんかもないにも関わらずだ。 そしてこの映画の裏テーマは、「アメリカ人が大事にしているもの」だろう。 個々人の勇気、正義感、機転、信頼......そして映画。 日本人の自分でも、これらを嫌味なく受け入れることができた。 これならアカデミー作品賞も納得の出来。 個人的には、いかにも1979年にいそうなデブとハゲのアメリカ映画人2人がツボだった。 「アルゴくそくらえ!」って、もう最高。 [DVD(吹替)] 8点(2013-06-02 13:45:50) |
8. アイアンマン
アイアンマン=鉄人、鉄の男は、丈夫な体を持つスポーツ選手や、強い意思を持つ政治家なんかを言うと思うんだが... これはアメリカでも変わらないというか、元々アメリカで言われていた表現だったはずだけど。 でも、この映画の主人公は、兵器産業の社長で女好きでいいかげん。 いいのか?こんなんで。 「この設定だけで日本じゃR15なんじゃないか?」なんて思いながら、最初は見始めた。 でも、だんだん気にならなくなる。 パワースーツ作る過程や、動かすところがワクワクできて楽しいから。 日本の最近のアニメだったら、ここで戦う意味やむなしさに悩みそうなもんだけど、この映画の主人公は、即、試運転を兼ねて敵をやっつけに行っちゃう。 うん、これでいいんだと思う。 正義の味方はこうあるべき。 それから、脇役のキャラ設定も、アメコミ原作らしくはっきりしてていいなあ。 秘書さんのキャラは、ハリウッド映画じゃ珍しい女性らしさだけど、自分は好き。 実は、「兵器産業の社長」っていう設定には最後までモヤモヤ感があったけど、全編が明るくて楽しくて、大人が気軽に見るのにいい映画だな、なんて思った。 [DVD(吹替)] 7点(2012-05-03 15:11:29)(良:1票) |
9. 悪人
《ネタバレ》 脚本、破綻してるでしょ、この映画。 でも、巷じゃ評価高いんだよなあ。 まあ、いいや。正直に感想書いとこう。 まず、「出会い系」「金髪」「分不相応の高級スポーツカー」これだけ揃った主人公が「純愛」って、どう感情移入しろと? おまけに、大した理由なく人殺してるし。 大学生の方が、よっぽど感情移入できた。 ちょっと知ってるイイ女が強引に車乗り込んできたら、実は酒臭くてニンニク臭くて、さらに金目当てだってわかったら、頭くるってのはわかる。 若いうちなら、そりゃ蹴り出したくなるでしょうよ。 それから、主人公と逃げる女が、主人公に惹かれるのも、全然説明不足。 わけわからん。 ダメな若者の親が、妙にいい人なのもわからん。 おまけに逃避行の最後は、人気のない灯台で、寒さを凌ぐために抱き合ってって、コントですか? 後半1時間は、「どうでもいいから早く終われ」って思ってた。 全編が陰鬱で脚本もいいかげん。 「昭和の映画の悪い部分だけ引き継ぎました」って感じ。 [DVD(邦画)] 2点(2012-02-19 10:22:17)(良:1票) |
10. アフタースクール
こんないい映画なのに、なんの予備知識もなく見てしまった。 ごめんなさい。 何がいいかって言うと、複雑な脚本の映画って、セリフに頼って映像が動かない場合が多いから、感心はしても楽しくないことが多い。 だから、「舞台劇でやったら?」ってツッコミたくなることが多い。 でも、この映画は映像が楽しいから、前半の違和感ある脚本(これはワザとそうしてると思われる)を退屈せずに見せている。 そして爽やかで納得のラスト! 自分は落涙してた。 中学時代に多少思い出のあるごく普通の大人なら、楽しいし、感心するし、感動できると思う。素晴らしいです。 [DVD(邦画)] 9点(2011-06-20 02:24:23)(良:1票) |
11. アンストッパブル(2010)
演出にキレがないのと、クライマックスがショボイので満足感なし。 むしろ、違和感を覚えながら最後までどうにか見れたっていう感じ。 違和感を思いつくままに挙げると、 ・暴走の原因。あれはあまりにあんまりだ。 ・携帯電話。仕事も私用も合わせて使いまくり。そりゃ事故も起こるわ。 ・学校の先生。「電車に乗ったことある人~」って小学生に聞くな。まあアメリカの話なんだからしょうがないんだけどさ。 ところで、この映画見て逆説的に気付いたことがある。 自分は日本の鉄道が好きだし、信頼してるし、尊敬さえしているということ。 だから、鉄道に愛情のない人ばかりしか出てこないこの映画に、イマイチ乗り切れなかった。 [DVD(吹替)] 5点(2011-05-28 22:27:34)(良:1票) |
12. 相棒 -劇場版Ⅱ- 警視庁占拠!特命係の一番長い夜
2011年元日に鑑賞。お正月と、家族の見たい映画の最大公約数はこの映画だった。 自分は元ネタのTVシリーズを見てないから、全然期待してなかったけど、意外や意外、結構楽しめた。 登場人物がやたら多いのには困ったけど、まあ、なんとかついていけたし。 紅一点の女性刑事(小西真由美)の存在感が素晴らしかった。 ただし、物語のラストは唐突で結構ガッカリ。 [映画館(邦画)] 6点(2011-01-09 21:23:20) |
13. アバター(2009)
ストーリーに無理があるから、ちっとも楽しくない。 映像は楽しいから、退屈しないでは見られるけど。 環境との共生みたいな感覚が、アメリカ人とは違うからかなあ? それを考慮に入れても、ひどすぎると思うけど。 この映画、アカデミー作品賞にノミネートされてたんだ。 アメリカ的にも、作品賞は取らなくて良かったと思う。 だってこの映画、一言で言うと「タチの悪いダンス・ウィズ・ウルブズ」だから。 [DVD(吹替)] 5点(2010-06-06 15:28:12) |