1. 愛、アムール
《ネタバレ》 ミヒャエル・ハネケという監督は人間が見られたくないもの、見せたくないものを描くのが好きだよね。 悪趣味と言われてもおかしくはない。 ラストシーンは自分にとっては相当きつかったね。 父親を病気で失った身としては精神的に堪えるシーンだったし、涙が出た。 二度と見たくない映画だけど、低い点数は付けられない。 愛するからこそ介護をしようと決めたのだろうけど、愛する人だからこそ日に日に弱っていく姿を見るのが耐えられなかった。 おそらくそんな心境だろう。 最後、家を出た後トランティニャン爺さんはどこに向かったのかが非常に気になる。 [DVD(字幕)] 7点(2025-04-20 17:17:17)《新規》 |
2. 熱い夜の疼き
《ネタバレ》 星野仙一風なロバート・ライアンが見た目的にもキャラ的にも気に食わない。バーバラ・スタンウィックはさすがの存在感で貫禄の演技だが、この頃はさすがに歳を食いすぎている。二人の男の間を行ったり来たりの人妻はどうにも許し難いのに、それを許す夫の心の広さがこの映画の救いであり良心。子どものために自分の心を押し殺して許しただけかもしれないが。 [インターネット(字幕)] 4点(2025-04-18 09:01:15)《新規》 |
3. ある夜、彼女は明け方を想う
《ネタバレ》 『明け方の若者たち』のスピンオフ作品としてとても面白かった。 彼女側からの視点で描かれた内容は、『明け方の若者たち』と同じシーンなのに、全く違ったように見えるから面白い。 『明け方の若者たち』では、彼女が悪者にしか見えなかったが、このスピンオフ作品を見て彼女の気持ちを理解できた。 夫との空港での別れ際、彼女の方を振り向きもせず結婚指輪を外されたのは相当堪えたのだと思う。 そのシーンを今回実際に見て、彼女の孤独感をやっと理解できた。 視点が変わるだけで、彼女に対する印象がこうも変わるのかと驚いた。 なかなか趣向の面白いスピンオフ作品だ。 『明け方の若者たち』を見た方は、本作も是非見てほしい。 [インターネット(邦画)] 7点(2025-04-09 23:23:08) |
4. 明け方の若者たち
《ネタバレ》 途中で女の方が実は結婚していたと分かるわけだが、男のほうは知っていて、知らないのは我々視聴者だけという何とも騙された感がある構成はいただけない。 そもそも相手が結婚していると分かっていて付き合い始めたのに、いざ別れの時が来たらやたらに落ち込む心理は理解できない。 そこまで落ち込むなら最初から付き合うべきではないね。 個人的には、黒島結菜が外見的にあまり好みではないのと、性的なシーンがしつこいのが難点だった。 この作品は通勤途中の中央線の中で見ていたのだが、高円寺で夜を明かすシーンの時に、自分の乗っていた電車もちょうど高円寺駅に停車していた(もっと細かく言うと、高円寺駅の高架下で3人がはしゃぐシーンの時、ちょうどその高架上の電車の中でそのシーンを見ていた)。 何という偶然だろう。 さすがに偶然が過ぎてビビった。 怖いぞ、神様のイタズラか?! *その他、トピックス ・高円寺の他には明大前や下北沢が出てきて、なかなかイタイ場所選びがポイント。 ・黒島結菜のペチャパイは構わないが、黒髪のショートヘアは苦手。 ・大学の飲み会はつまらない、あの頃には戻りたくない。 ・きのこ帝国の『東京』を使ったのはさすがだね。 ・あのリアル過ぎる性描写はマジいらない。 ・なるほど、こういう視聴者への誤認誘導のことを叙述トリックと言うのですね、一つ賢くなりました! [インターネット(邦画)] 7点(2025-03-27 23:31:18) |
5. アリックスの写真
《ネタバレ》 自分が撮ったピンボケ写真について熱心に語る女性。 その話をただ聴かされる。 自分の写真に酔いしれた女性の話に付き合わされている感じがしていささか苦痛。 [映画館(字幕)] 2点(2025-03-20 19:47:31) |
6. 悪魔が夜来る
《ネタバレ》 後半、題名通り悪魔が夜来るのだが、悪魔が夜来るまでがやたらに長く感じた。 悪魔が夜来た後は俄然面白くなり、その悪魔のオッサンの憎たらしさが物語にスパイスとして効いてくる。 悪魔が夜来る前は吟遊詩人とやらのジルがキザで嫌なくらい存在感があったのに、そのジルが小者に見えてしまうほどこの悪魔のオッサンの存在感が凄い。 しかし、その絶大なインパクトを持つ悪魔のオッサンさえも、アンナの若さと美貌の前には太刀打ち出来ず、しかもジルとアンナの愛に負けてしまう。 悪魔が夜来るまでが退屈なものの、永遠の愛を語らせたら映画史上でも随一だと思われる一篇。 [インターネット(字幕)] 5点(2025-02-19 10:36:05)(良:1票) |
7. あみこ
《ネタバレ》 根暗と思いきや、かなーりエキセントリックなあみこ。 帰宅部かと思いきや、かなーり行動派なあみこ。 退廃的でどこか人生に対して達観しているはずなのに、同級生の高校生が好きで恋に一直線なところがある。 このダブルスタンダードなあみこについていくのは大変だ。 こんな訳のわからないめんどくさい女のコが身近にもし居たら嫌だけど、映画の主人公としては行動の読めない面白さがあって良いんじゃないかいな。 [インターネット(邦画)] 7点(2025-02-16 17:12:43) |
8. I AM NOT INVISIBLE
《ネタバレ》 前半のフィリピンのスラムを現地取材した部分はとても良かった。 しかし後半がいただけない。 メンヘラが人生相談しているだけの内容だ。 相談相手はパワフルな祖母で、会話がまったく噛み合っていない。 フィリピンのスラムの現状に興味があって見てみたら、後半はまるごとメンヘラの人生相談だったというオチ。 [インターネット(字幕)] 4点(2025-02-15 21:45:52) |
9. 或日の干潟
《ネタバレ》 東京都中央区にある建設産業図書館というところで鑑賞できると知り、わざわざ足を運んで見てきた。 鑑賞難易度高めの貴重なドキュメンタリー映画だ。 東京湾奥部の干潟が舞台で、いかにも古臭い男性のナレーションで淡々と語られる。 監督は野鳥観察の大家でその道のプロらしく、野鳥はもちろん蟹やムツゴロウまで丁寧に解説してくれる。 1940年製作ということで、まだ平和でのんびりだった頃の東京湾をうかがい知る事ができるドキュメンタリーである。 [ビデオ(邦画)] 5点(2025-02-05 22:57:43) |
10. あるアメリカ消防夫の生活
《ネタバレ》 消防署でスタンバイする消防士たち、そこに火災発生の知らせ、馬車を走らせ現場に急行。 二人を無事助け出す様子を、建物の内からと外からとで二面的に描いている。 無事助け出す完結なのでハッピーエンドなのだが、あまりにアッサリし過ぎていて安堵感はあまりない。 [インターネット(字幕)] 1点(2025-01-03 17:41:19) |
11. 愛
《ネタバレ》 園子温の彼女カワニシヒロミという人が、ゼミの合宿で戻ってこず、園子温はフラストレーションをためまくり暴れまくるという内容。 風呂場みたいなところでモロ出しし、しかもそれを一切のボカシ無しでしごくという不快この上ないシーンがあり、0点を付けようかと思ったが、皇居のお堀みたいな所に入って汚水に腰まで浸かり、しかも死んだ魚を掴み取るいう勇気に免じて、一応点数は付けておく。 園子温が若い頃から卑猥で暴力的だった事が伺えるフィルムでもある。 [インターネット(邦画)] 2点(2024-12-29 02:41:34) |
12. 暁の脱走
《ネタバレ》 李香蘭が苦手なせいかえらく長く感じた。 小沢栄太郎の完膚なきまでな悪役ぶりに拍手を送りたい。 しかし三上はなんてバカな軍人なんだろう。 いやバカなんて言ったらいけないね、帝国軍人のかがみだからね。 しかしバカだ。 [インターネット(邦画)] 4点(2024-12-04 20:06:18) |
13. アンダーカレント
《ネタバレ》 真木よう子の悲しい過去、友人をさらっていった男から脅されたから事件について知らないと嘘をついた。 子どもだから怖いだろうし仕方のないことだが、本人からしたら深い心の傷だろう。 とてもよく理解できる心情ではあるが暗い過去すぎて見ていて気持ちが滅入ってしまう。 この事件が関係者をいかに長い期間苦しめるのかを知らしめるという点において、本作は成功しているし社会的な意義もあるだろう。 だけど真木よう子の暗い過去を背負った表情が見ていてしんどい。 つまりこの作品を見ているとしんどいんだ。 自分のことさえ分からないのだから、他人のことなんて分からない。 確かにそうなんだけど、それを言ったら身も蓋もないよ。 井浦新が黙って去ろうとしたけどバスに乗るのは思いとどまって、銭湯に戻って何事も無かったかのように薪を焚べてるシーンとかは好きだけどね。 全体的に冗長で暗い。 [インターネット(邦画)] 6点(2024-11-29 15:56:41) |
14. アデル、ブルーは熱い色
《ネタバレ》 別れのシーン、展覧会のシーンがとても印象的。 アデルが相手を想う気持ち、心残りな感じがビシビシと伝わってくる、まさに熱演。 本当に好きなんじゃ?っていうくらい寂しそうで、心の入った演技だった、素晴らしいの一言。 (追記) わたしも禁煙したがこの映画を見てまたタバコが吸いたくなった。 タバコが吸いたくなるベストワン映画! [インターネット(字幕)] 5点(2024-11-14 13:24:41) |
15. 雨粒の小さな歴史
《ネタバレ》 主演の女性、目元が開き過ぎていて気持ちが悪く、よく分からないストーリーも手伝って、あまりのめり込むことは出来なかった。 この方、目元が気持ち悪いだけでなく、とにかく爽やかさがない、若さも足りない気がした。 かたや、ラストの盛り上げ方はなかなかに良い。 自己紹介の文言を主演の女性が繰り返ししゃべり、音楽がそれを盛り上げる。 このラストシーン、主演の女性の熱演が印象深い。 [インターネット(邦画)] 6点(2024-10-13 21:03:48) |
16. ある殺人、落葉のころに
《ネタバレ》 これ、単純な話なのに時間軸を入れ換えて、わざとわかりにくくしてるヤツだ。 片田舎の閉塞感とか狭い人間関係とか、そういったところは非常にうまく描けているだけに、何だか勿体ない。 [インターネット(邦画)] 5点(2024-09-10 20:22:08) |
17. 青い青い海
《ネタバレ》 同監督のサイレント作品『帽子箱を持った少女』よりは断然見やすく、普通に物語を楽しむことができた。 1930年代のソ連映画ではあるが、今見ても違和感なく感情移入できる。 時代や国が違えど、男女間の色恋なんてほとんど何も変わらない。 それを確認できる貴重な映画だった。 [映画館(字幕)] 6点(2024-09-01 23:07:31) |
18. ある子供
《ネタバレ》 結果的に戻ってきたとはいえ、女が自分の赤ちゃんを売り飛ばそうとした男を許すはずがない。 一線を超えたヤバい事を、この男はしてしまった。 でも女は刑務所にいる男に会いに来た。 このラストシーンは、加害者が深く反省し己の行為を悔いているならば、救いの手を差し伸べたいという、ダルデンヌ監督の気持ちの現れではなかろうか。 犯罪者を決して許すべきではないという意見もあるだろうが、この監督はそれに疑問を投げかけている。 犯罪者にも人権はある、そして更生の道を残すべきだと監督は言いたかったのだろう。 自分がこの女の立場なら、子どもを売られたら絶対に許さないだろう。 だけど一歩引いて見てみると、許すという道もあるのかもしれない。 ただ、それを許すのはとても難しいことだ。 この男は許されるべきか許されざるべきか。 本作を通してダルデンヌ兄弟はそれを訴えたかったに違いない。 カンヌパルムドールは、本作が発するこの社会的メッセージに対する評価ではなかろうか。 [インターネット(字幕)] 8点(2024-08-04 23:39:13) |
19. 明日は来らず
《ネタバレ》 はじめは老人が虐げられるだけの話かと思いきや、後半は50年連れ添った老夫婦の感動の別れ話に。 こんな老夫婦になりたいし、理想だわな。 でもなかなか難しいこともあるよね。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-05-28 18:29:49) |
20. 赤い私と、青い君
《ネタバレ》 ひじょーに前向きな内容、こういうのは大好物。 音楽も素敵だ、音楽センスの良い日本映画大好き。 小説に熱意を持つ男女ふたりの物語。 あやしいびみょーな関係ながら、付き合ってはいなさそう。 付き合っちゃえばいいのになー。 二人とも美男美女とまではいかないまでもブサイクでもなくちょうどいい塩梅。 そのふたりが小説や就職活動について語り合う。 会話の内容は気持ちがこもっていて、なかなかに引き込まれる。 映像も綺麗だし、全体的にレベルの高い日本映画だ。 [インターネット(邦画)] 7点(2024-05-18 21:58:14) |