1. アウトブレイク
《ネタバレ》 うーん‥‥。なんかとても古くさい映画を見た気分だった。一番いけないのは「いかにも作り物のお話」としか思えなかったこと。感染爆発から国民を守れという主題だけでなく離婚した夫婦の関係とか過去の隠蔽話もからめてくるのだがいちいちわずらわしく嘘くさく「作り物」くさく思える。役者の演技もあんまり感心しないし、ヘリコプターで追跡をかわして逃げるところなどもそれだけとれば緊張感があるのだが、それは「感染爆発」のような目に見えない敵が襲ってくるどうしようもない恐怖とは別種の緊張感であって何かちぐはぐな、そぐわない印象を受けてしまう。全体的に感染爆発がちっとも怖く思えないのも減点。恐らく詰め込みすぎたんだろう。そのせいで全体的に薄っぺらな印象を受けたのだと思う。 [インターネット(字幕)] 4点(2024-02-04 11:31:15) |
2. アース
《ネタバレ》 小学校低学年~ぐらいの子供と一緒に鑑賞するのにこれ以上のものはない。もちろんこれは繰り返してみるものであって、一度だけではもったいない。動物の名前や生態を覚え込むぐらい繰り返し見れば、理科の点数も上がる(保証しないけど)。「アリのままに生きる」という下品な映画など、絶対見せない方がよい。ま、子供に「つまらん」と言われれば、それだけだけど。 [インターネット(吹替)] 9点(2022-09-10 04:09:11) |
3. あたしンち
《ネタバレ》 子供(小学生)が一人で見て「泣いた」というので驚愕しながら一緒に最初から見たのだが、なるほどみかんと母が号泣するところは悲しかった(泣きはしないけど)。でも悲しいというより「こんなひどい設定の映画つくらなくてもいいじゃないか」という憤り(笑)の方が個人的に先にきてしまう。あたしンちは日常のちょっとしたことで笑わせるのが得意なのに「体が入れ代わる」とか120%ありえない話をどうして作り出すのか理解に苦しむし、笑うよりも悲しくなるようじゃだめだ。いっそのことクレシンみたいに地球(春日部?)の危機を救う話にする……ってのも無理あるし、映画にそもそも向いてないんだと思う。にしても母役の声優さんはこの映画の翌年からケロロを演ずるわけで、声の使い分けと演技力に感心してしまう。ま、ケロロにしても映画は惨憺たる出来だが(笑)。 [インターネット(字幕)] 4点(2016-03-25 07:42:46) |
4. アマデウス
《ネタバレ》 私は大のクラシックファンだし、特にベートーベンとかモーツァルトなどの古典派が一番好きだ。恥ずかしながら素人作曲までして某サイトに古典調の音楽を投稿までしているほどの「マニア」である。賞をバンバンとって評判もいいこの映画(10点がメチャクチャ多いじゃないか)、大いに大いに大いに期待して観たのだが……。なんともつまらなかったというのが正直なところ。恐らく逆なんだと思う。クラシックをあまり知らない人がこの映画を見れば「なんてモーツァルトってメチャクチャな奴だったんだ」という印象を受けるんだろう。だが私のようなマニアになると「こんなマトモな奴じゃないだろ!」と思えてならないのだ。モーツァルトは私の中ではもっと下品でもっと無茶苦茶でもっと経済力がなくてもっと酒やギャンブルにだらしなくて、そしてもっと天才でもっともっと並外れた超人なのである。なのにこの映画のモーツァルトときたら、単なるどこにでもいるような天才でしかないじゃないか。むしろサリエリの方が(音楽的にではなく人間的に)非凡に見えてしまう。レクイエムを書かせて殺すなんざ、並の人間には思いつかないんじゃないか。それ以上にラストの「赦す」の連呼など、もはや狂気そのものであり、患者たちの酷い姿とあいまって身震いしてしまう凄味がある。これは失敗作だ。モーツァルトを描くためにサリエリなどを持ってくるのが間違いなのだ。サリエリなどはほんの数コマで吹き飛ばされてしまう役で十分なのである。ただ一ヶ所、墓地の場面だけはよかった。モーツァルトは大作曲家であるにもかかわらず適当に数人で埋葬されて現在でも墓の所在がわからないという史実に忠実だし、天才の末路としてぞっとくるものがあった。時間が長すぎるとは思わなかった。むしろ短すぎだ。この倍の時間をつかってもいいから(そうなるとドラマか)モーツァルト自身を描ききってほしかった。これではモーツァルトの孤独も凄味も天才もわからない。 [DVD(字幕)] 3点(2009-08-16 02:49:53) |
5. 赤ひげ
《ネタバレ》 「生きる」の完璧すぎるほど完璧な出来ばえに比べればどうしても落ちるが、やはり満点。やや時間が長いし、前半の話にはやや助長なもの(特に佐八の話)もあったけれども、おとよの登場から俄然映画自体が変わってしまう。心を開きつつあるおとよが保本の看病をしている場面、ふと窓を開けると雪が降っていてそれに合わせて音楽が鳴り出すところ、この場面がとても感動的だ。おとよ役の二木てるみだけで十分すごいのだがさらに長坊役の頭師佳孝が加わってこの二人が本当にうまい。死にかけている長坊の魂を呼び戻そうとしておとよが井戸に向かって絶叫する場面、はらわたから絞り出すような「ちょぉぉぉぼぉぉぉぉ~~~」(活字にすると変だなぁ)という身も世もない叫び声が悲痛の極みだ。もちろん保本の徐々に成長していく姿もしっかりと描かれており、おしきせを初めて着る場面、自分の情けなさに涙する場面、いずれも印象に強く残る。ラストの「お許しが出たんですね」はそのセリフ自体がうまい。さらに音楽と相まってまさに大団円という感じで、長いけれども良質の映画をみた幸福感で満たされる。いい作品だ。それともう一つ、本作が「理想的すぎ」と思われる方は、ぜひ「どですかでん」を御覧あれ。 [ビデオ(邦画)] 10点(2008-08-08 04:38:25) |