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プロフィール
コメント数 300
性別 女性
自己紹介 観た映画は皆レビューするのを目標にこつこつ投稿してます。レビューするほど覚えてないものも沢山あるけど。海外暮らしなので近年観てるものは字幕なし、又は英語+英語字幕が主な鑑賞環境です。ケーブルでまたWOWOW配信してくれないかなあ。

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1.  愛を読むひと 《ネタバレ》 
原作既読。そもそも原作の時点で、3点セットのテーマ(年上の女性との恋愛、ナチ犯罪、文盲)にちょっとついて行き辛いというか、いやそれを絡めてこその話ではあるのだけれど、テーマの拡散感をもったところがあったんですね。感動はしたのですが。 で、この作品の映像化としては出来は大変良いと思います。まあ、「読む」というキーポイントにして英語映画である点、気にはなるんですが、映画はお芝居ですから舞台劇と割り切って観ればよしでしょう。ケイトはさすがで、実にはまっており、悲願のアカデミー主演賞も素直に納得。が、、、ラルフ・ファインズちっとも印象に残りませんでした。これに対してデビッド・クロスが良かった!まあ原作のミヒャエル15歳時よりは成長しちゃってるんですが(撮影時17-18だったそうで、法的な縛りもあり、ベッドシーンなんかは18になってから撮影したそうです)、少年期の秘めたある意味無軌道な恋愛、法学生になった青年期の苦悩を見事に演じてました。そもそも自国のベストセラーを演じるのに、英語でやんなくてはいけないので苦労もしたそうです。…で、ファインズになって、もう1つ。嫌いな俳優さんでは決してないんですが。。。てなことで私的には後半失速感。贖罪の朗読テープを送るところが原作ほど響かなかったのは、正直ファインズのせいかも。エンディングはきれいにまとめてました。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2014-12-24 08:39:56)
2.  アポカリプト 《ネタバレ》 
面白かったですよ~ 冒険活劇が好きな人ならはまれるでしょう。でも残酷表現はちょっと抑えて欲しいかな。 まあ一応歴史ものということで、突っ込みどころもあるんだろうけど、フィクションなんであまりカリカリしなくてもいいかな、と。スペインを最後ちょろ出しして歴史背景をさらっと書き、特に主人公を救った「いいもの」にしなかったのも好感が持てました。 それに英語映画でないのはいいんじゃないですか?どこが舞台だろうが、古代-中世物は(いや、現代劇でさえ)躊躇なく英語映画を作りますからね、英語圏の方は。
[DVD(字幕)] 7点(2009-07-08 17:32:57)
3.  アメリカを売った男
HBOだったかCINEMAXだったか、ぼーっと観てたら、Based on true storyのテロップ。何やら重々しい報道会見映像。そして教会で祈るクリス・クーパー。硬そうな映画だな…とか思いながら、なんとなく鑑賞したが、意外に面白かった。 後から調べると、この「ロバート・ハンセン事件」というのは“全米を震撼させた、史上最悪の情報災害”なんだそうである。日本人には馴染みないよね。(だってロバート・ハッセンは日本語ウイキペディアにはないし、「ロバート・ハンセン」を日本語でググっても、ほとんどがこの映画関連だ)まあ2001年はもっとでかい事件が後に起こったし…。と言っても、漏洩が実に20年以上にわたり、彼の情報でKGBに人が殺されている訳だから、実際相当な事件だろう。 主役2人は秀逸。真面目・敬虔さと背信・異常さを複雑に内包するハンセンをクリス・クーパーは見事に演じているし、フィリップ・ライアン演ずるオニールのストレスを貯めていく様も上手い。内偵なんて苦痛でしかない任務なのがよく判る。 作品は緩急もあるし、息詰まる心理戦を見せるが、それにしても地味である。FBI物でどんぱちやらない映画は初めてかもしれない(苦笑)。心理戦が好きな人じゃないと少し退屈するかな?心配な方は、事件を軽く調べてから鑑賞することをオススメします。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 7点(2009-06-07 15:14:56)(良:1票)
4.  アイズ(2008) 《ネタバレ》 
私にとっては、角膜提供者が生前見た光景が見えるってのが、ずっと前にブラック・ジャックで既出のアイデアで、真っ先にそれを思い出してしまった。これはそれに加えて提供者に霊感があって「見えた」ため、そこまで移植されてしまうという設定。ま、それはそれでいいし、見えるが故の主人公の苦悩も中々よく表現されているが、爆発まで“予見”してしまうのは興醒めだ。過去に死んだ人(幽霊)やその時の状況が見えるのはいいのだが、未来予知の方はあくまで「死神が見える」位にして欲しいなあ。「このままだと死んでしまう人たち」の側に死神が見え、それで危険を予知したという部分だけならわかるのだが、あんな予知夢にされると鼻白む。ファイナル・デスティネーションかい!と突っ込んでしまった。盲目に戻る結末にはそれなりに納得、抑えた死神の造形、主役の女性には好感。・・・・・・さて、昨年11月に鑑賞しレビューアー登録直後の12月にここまで書いて保存しておき、最後にチェックしてびっくり。あやうくそちらに投稿しかけたが、私が鑑賞したのはアメリカ映画、出てたのは白人だ。あれえーこの映画じゃない!となった。え?リメイクだったのか!香港映画の!かなり驚いた。アジアのホラーのリメイク多いねー。なんか気が削がれたが、せっかく書いたんで、誰かが登録してくれるまで気長に待ってました。あたしゃ海外暮らしで、日本で公開されてるかとかDVD出てるかとかわかんなかったし・・・。点はリメイクということを知らなかった鑑賞後の印象で(オリジナル、いまだ観てないし)。
[DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2009-05-28 13:15:54)
5.  アナコンダ
それなりに見所はあって、設定は突っ込みどころ満載の、よくある類のモンスター・パニック。何にも考えないでほけ~っと観るにはいい映画なんだけど、もうちょっとハラハラさせて欲しいね。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 4点(2009-05-19 13:25:22)
6.  アルマゲドン(1998)
おお見よ、この得点グラフ。0点から10点までびっちり、5点をピークの正規分布の山は0点や10点も割と多いのでなだらか。レビューアーの数も多く、少林サッカーを超える美しいデータだわ(あっちは平均点結構高いし)。もう観ない訳にはいきません。ふーむ、ふーむ、こういう作品だとこういう評価になるんだなあ、なるほど。ということがよく解る作品。金かけて臆面もなくこういう映画を作ってしまう、言い尽くされたハリウッドらしさは逆に小気味良いと言えなくもない。まあでもこういう、内容がぺらぺらな上に破綻しまくりでどーんと金かけた映画は、頭空っぽにして楽しめるどこか“突き抜けた面白さ”、破綻しても突っ込ませない“勢い”、もしくはすんごい“見所”がないといい評価は出来ませんね。私としては、そこまでのものは感じられなかったんだな。おまけにこの主人公の娘、かなりウザいっす。この破綻した設定に協力したNASAの懐の深さ、エアロスミスの主題歌で色をつけても、点はこの位。
[DVD(字幕なし「原語」)] 4点(2009-05-07 18:41:27)
7.  アステロイド/最終衝撃<TVM>
TVMだったのか~。いつ頃だったかな、飛行機でやってたんですよ。こっちが先なんだけど、その後色んな情報が交錯して、私は「アルマゲドン」は飛行機で観てたよな、と完全に勘違いしてました。比較的最近になって間違いに気付き、アルマゲドンの方を観ました。似ったようなストーリーに桁違いの予算とくれば、こちらが見劣るのは当然…と思いきや、作品としてはこっちの方が好印象です。あちらより破綻度がはるかに少ないし、低予算なりの工夫が見られるので。例えばAsteroidの落下地点がカンサス・シティであったりね。結局アメリカじゃん!どうしてアメリカから被害にあっていくわけ?という突っ込みは置いといて、それなりに面白かったです。
[試写会(字幕なし「原語」)] 6点(2009-05-05 13:34:38)
8.  アメリカン・ビューティー 《ネタバレ》 
「アカデミー5部門受賞」に釣られて観たけど、期待しすぎたな・・・。テーマがよく解りません。家族の崩壊?最期に本当の美に気付いた男のドラマ?役者さんたちは皆それぞれにいい演技してるみたいなんだけど、どのキャラにも入り込めなかったせいか、どうもピンとこない。離婚率が半分を超えるアメリカで、まああってもおかしくない話、という程度で、私には良さが解らなかったなあ。終盤のガレージのシーンなんか訳わからんぞ。あの隣の軍人をゲイにする必要があるのか?そして、何で息子をおもちゃにした(勘違いだけど)主人公にゲイを仕掛けるのか??あんな拒否られるシーンなくても、よくも俺の息子に~このやろ~ドキュン、でいいじゃん。あと、どうでもいいけど、ピーター・ギャラガーってこんな役ばっかりふられてない?なんか気の毒。風に舞うビニール袋のシーンは確かに印象に残りましたが。
[DVD(字幕なし「原語」)] 4点(2009-04-24 13:13:04)(笑:1票) (良:1票)
9.  あの子を探して 《ネタバレ》 
英語映画と現地語映画以外の上映はめったにしない国に住んでますが、中国の中々面白い映画をやっていると聞き観に行きました(英語の字幕ついてました)。いや、良かったですね。まず13の少女に代替教員をやらせること自体驚きですが、それにしたって「写しなさい!(ぶすっ)」ですからね、お前は金さえもらいりゃいいのか、って。もうぶん殴ってやりたくなるような、無愛想で不熱心なヒロインのキャラに釘付になります(笑)。その上、彼女がホエクーを探しにいく動機が「1人も欠けないことを条件にもらえる報奨金」であり、そのために生徒を働かせて旅費を稼いだりと、「おいおいこりゃあなんだ?恵まれない山村でも、ティーンエイジャーは身勝手で生意気なんだぜって映画か?」などと思ってしまいます。でもそれだけにリアリティがあるんですよね。そしてその後、ヒロインの心境は子供らしい不安に転じていくのですが、これが全く無理がありません。子供の撮り方がすごく上手い。行き当たりばったりの行動力で都会に出たものの、ホエクーは見つからない。引き返すことも出来ない。どこにいるの。何でもいいから出てきてよ。そういう泣きそうな気持ちがすごく伝わってくるんです。見つかればいい。目的がホエクーを見つけることそのものになっている。だからTV放映(まあ、TV放映される経緯はいささかご都合主義ですが)での涙には説得力があります。そしてその放映を観たホエクーの表情がまたいい。小さな子が出稼ぎをするというのも深刻ですが、誰かが自分を気にかけてくれている、それを驚いているのがいじらしかったです。この子は愛嬌があって中々かわいいんですが、こういうヒロインと対照的なキャラの見せ方も上手いなあ、と思いました。そして色とりどりのチョークでヒロインの少女と子供たちが好きな字を黒板に書くラスト。少女が初めて見せる笑顔、“先生”らしい表情。あのぶん殴りたくなった少女は(最初の動機が何であれ)、ああやって生徒を探す旅に出て、こうして成長したんだな、と素直に感心できました。しかし急進の中国も田舎じゃまだこんなんなんだな~ってのは驚きでした。そういう事情を見せたことでも、いい映画だと思います。
[映画館(字幕)] 7点(2009-04-23 13:07:57)(良:1票)
10.  アポロ13
(私にとっての)1つの難を除き、素直に感動できる作品だった。無論実話だから感動できる、ということになるけど、手間とお金をうんとかけて、よく練ってかつ良心的に再現した、という感じ。昔のニュース映像も本物とか。航空機を使って作ったという、無重力状態なんかの技術面も凄い。また、結末が解ってるのに、これだけの緊迫感を作れるのは相当の演出力だと思う。ドラマチックにしたところもあるわけだが、過剰すぎず、かつ効果的な脚色で好感が持てる。宇宙飛行士のみを英雄にせず、地上スタッフの活躍を強調してみせる公平性も高く評価できる。ホーナーの音楽は実に感動的だ。難は…敢えて言わせてもらおう、トム・ハンクスである。私は別にアンチ・ハンクスではないのだが、良くも悪くもこの人は役者としてのキャラで見せるというか、役作りをしない(ように見える)。そういう俳優はたくさんいるけど、この人は顕著と思う。実話ものでは、ここがどうしても気になってしまうのだ。本作のラヴェル船長(実在キャラ)は、先に観ていたプライベート・ライアンのミラー大尉(フィクションキャラ)とかぶりっぱなしだった。この作品で初めてトム・ハンクスを見たのだったら、気にならなかったんだろうが…。この人には実在の人物をやって欲しくない。トム・ハンクスで-1。すみません。
[DVD(字幕)] 7点(2009-04-23 13:04:44)(良:1票)
11.  青い体験(1973) 《ネタバレ》 
私は♀ですが、やはり十代の頃深夜放送で音量絞ってこっそり観たクチです。姉と一緒に。ただ私はその頃そっちの面の知識の習得がまだで不十分で、その何というか、男女の営みを完全には知らなかったんですよね(そんなんでこんなん観るなよ、って感じですねw)。姉が「なんだ、結局最後までやっちゃうんだ、何かつまんないよね」と言ったのですが、最後までやっちゃうってのが・・・裸で絡むとそういうことになるのかな?と解ったようで解りませんでした。いや~そりゃでも、どきどきしましたよ~。でもどちらかというと、ああ見つかっちゃう!というハラハラした興奮ですね。特にテーブルに横並びで少年がお触りする(最終的に脱がしちゃう!ひょえひょえ)とこなんか、パパに見つかる!パパがテーブルの下を覗いたらどうするんだ!!と、ヒヤヒヤしました(自分たちも親に隠れて観ていただけにw)。女性に惹かれつつ、裸にさせて淫乱、とか罵倒してみたり、恋心と性欲の目覚めでコントロールの効かない少年の様子は、今思えば中々良かったんじゃないでしょうか。私はやはり幼かったんでしょうね、なんで好きなのに優しくしないんだろ、こんなヒドイHなことさせるんだろ、と、ひどくもどかしい気持ちでした。パパと結婚して継母となる女性の頬にキスして祝福するラストもやるせなかったです。Hを見るのが目的でも、やはり少女は、恋愛モノとして観てしまったのでした(笑)。
[地上波(吹替)] 6点(2009-04-21 13:07:49)(良:1票)
12.  天城越え(1983)
ストーリーは清張の名作だから、悪くなりようがありません。ミステリーの形をとりながら、謎解きより緻密な人物描写に力点がおかれてるので、役者は映像化における最重要ポイントでしょう。本作と大谷直子のNHKのTVMと、ついでに田中美佐子が演じたTVドラマも観ていますが、本作の田中裕子はなんか発するオーラが違うんですよね。演技力はよく考えると皆さん(演じた当時で)それほど変わらないと思うし、大谷さんも美佐子さんもそれなりの雰囲気は出してたんですが、本作の手ぬぐいを姉さんかぶりにしてそぼ濡れた田中裕子の、背筋をなぞられるような、色気というのか気だるい魅力というのか、なんとも形容しがたい吸引力にはかないません。取調べの壮絶なシーンも印象的ですが…。少年時代の主役も思春期の少年らしく良かったですね…ってこの時22歳なんですか!いや、撮り方が上手いんだろうなあ、ううむ。トンネルや霧雨など天城峠の日本的な映像美も素晴らしい名作。
[地上波(邦画)] 8点(2009-04-20 13:21:40)
13.  悪霊島
原作、本映画化作品とも評判が芳しくないのだが、私としては、今のところこれまで観た金田一ものでは、一番好きな作品。これは当時のCMの出来が中々良く、Let it beをバックに数場面が映し出され、ピタッと音楽が止まって「悪霊島。鵺の鳴く夜は恐ろしい。」というおどろなナレーションが入る、というものだった。これは怖くて面白そう!観たい!と思ったものだ(実際に鑑賞したのはTV放映)。CMや予告編で期待させられた映画は往々にして期待を裏切られるものだが、狂言回しの古尾谷雅人が、時代背景をビートルズにかこつけて語る冒頭からよく出来ており、適度にグロくてシュールな世界観が充分楽しめた。岩下志麻、公開年から計算すると40歳か…きれいだよなあ。鹿賀丈志の金田一が良かったのも意外だった。彼はなんだかんだ言って二枚目俳優だと思うが、三枚目ぶりがちっともわざとらしくなく、意外に(失礼)演技力のある役者だと思った。ま、犯人はすぐ解ってしまうが、本作は時代の変遷による価値観の変化なんかを織り込みながら、犯人の人物像や、動機を解明していく過程や、おどろおどろした世界観を楽しませてくれる作りになっているので、犯人当ての楽しみがなくても面白い。ただ個人的に、Let it beを聴くと「人の腕をくわえて走る犬」(確か本編ではLet it beはこの場面ではかからない。CMのみ)が頭に浮かぶようになってしまったのは悲しい…。
[地上波(邦画)] 7点(2009-04-14 13:11:01)
14.  青い珊瑚礁(1980)
話題作でしたね~。いや~きれいです、海もシールズも。甘っちょろく生活出来てることなんぞを突っ込んではいけません。南国の島の映像美と十代の美しい容貌・肢体、これを堪能出来るだけで充分なんです。アイドル映画ですもん…それに本作、アイドル映画と言ってもそんじょそこらの日本のそれとは比べ物になりません。アイドルの容姿のレベルが格段に高いことも、十代半ばのアイドルがかなりちゃんと脱いでくれることも、金かけられるところも、まったくもって羨ましい限り(ホント、惜しげなく見せてくれた15の少女にラジー賞なんて大人気ないよなあ)。それにトロピカルな映像美のみならず、赤ちゃんの水泳とか、おおっ!頑張ってる!ってシーンもありますしね~。でもストーリーもあまり手を抜きすぎちゃいけません、「島の反対側の部族」とか、引っ張り出したものを中途半端にしたのはNGですな。
[地上波(吹替)] 6点(2009-04-07 13:12:38)(良:1票)
15.  アマデウス
書き出したらきりがなくなるような気がして中々書けなかったのだが、少なくとも今のところ、私の人生でNo.1の映画。学オケでクラシックをかじったことも影響しているだろうが、希代の天才モーツアルトのぶっ飛び方といい、正反対の性格を持つ音楽家の「嫉妬」を軸にその才能や人生を語らせる構成といい、ツボのど真ん中にはまった。これでもかと才能を見せまくる能天気小僧と、努力の禁欲男の対比は見事としか言いようがない。サリエリがその才能に対する嫉妬に手を震わせながら、モーツアルトの譜面を繰る場面なんか、本当に見せ方が上手い。モーツアルトは早世した割に作品が多いから選曲もし放題とはいえ、交響曲25番も実にばっちりはまっていた。映画は破滅に向け暗く壮絶になっていくのだが、ひきつける力を失わない。レクイエムの作曲シーンもこの映画の大きな見所で、取り付かれたように譜面に向い、衰弱していく様は胸に迫るものがある。欲を言えば、コンスタンツェの描き方かな、悪妻説には反対する立場のようだが、それならもうちょっと踏み込んで欲しかった気もする(見事なおっぱいはさておき)。が、まあ伝記映画は欲張っちゃダメだからね。なおドイツ語オペラであるフィガロの結婚などが英訳されていたが、ウィキの文を引用すると“モーツァルトが皇帝に対して「ドイツの心、それは愛です」と宣言してドイツ語オペラ制作を実現する民族主義的なくだりがあり(それまではオペラといえばイタリア語だった)、ここでオペラが突然ドイツ語で歌われると台詞が英語であることの矛盾が目立つため、いわばこの映画の中の世界では英語がドイツ語として扱われるという舞台劇風な割り切りであるとも言える”ということで、これには感心した。他言語で伝記物を作るなら、ここまでするのが本当だろう。要は吹替えと同じだから(実際、ラスト・エンペラーなどでは中国語が“混ざって”いるため、かえって英語映画であることを突っ込まれてしまってる)。ちなみに主役2人が両方アカデミーの主演男優賞にノミネートされ、フランク・マーレイ・エイブラハムに軍配が上がったようだが、どうせならトム・ハルスに助演で取らせて上げたかったなぁ~。映画タイトルからしても助演というわけにはいかなかったんだろうけど、あれも名演技だもん。とにかく観れば面白さが解る!!
[ビデオ(字幕)] 10点(2009-03-11 13:21:00)(良:1票)
16.  アパートの鍵貸します 《ネタバレ》 
母お勧めの往年の名画の中で珍しくこれは心底面白い!と思えた作品。そういえばこれってラブコメでもあるんだなあ、私はラブコメってあまり興味ないカテゴリなんだけど、「古き良き」作品の魔力なんだろうか。あ、でも同じく古き良き時代のラブコメ、ローマの休日は私にはもう一つだったから、それだけでもないな。なんといってもジャック・レモンがかわいい!していることはしょーもないのに、「不器用人間の憎めなさ」とでも言いましょうか。度を過ぎないコミカルさもいいし。割れたコンパクトで、自分が思いを寄せていた女性が上司の相手だったと気付く・・・あそこなんか切なくっていいよな~。それにこの映画は、「不倫」「上司の不倫を出世に利用」なんて言葉にしたらかなりあれなことを描いてるはずなのに、こうも上品に粋にまとめるってすごいと思う。キスシーンさえないぞ(笑)。家庭を捨てたというのに最後に振られる上司が可哀相なんで、ヒロインの方には好感が持てない(シャーリー・マクレーンは魅力的な女優だが)が、主人公に感情移入してしまうので、素直に良かったね~と思ってしまうハッピーエンドである。最高。
[地上波(字幕)] 9点(2009-03-03 13:40:14)
17.  哀愁 《ネタバレ》 
母が絶賛していたのだが…鑑賞当時、青臭い十代だったこともあって、いいと思えなかった。「映画はストーリーだけではない」とわかってきたのは大人になってからで、以前はストーリーが気に食わないと、とことん気に入らなかった。この映画の場合、ヒロインに全く同情できなかった。「悲恋っていうなよなあ、そんなさあ、恋人が戦死したと信じたからって、身を落とす言い訳にはならんでしょ。まあ人間失敗もあるから、そうなっちゃったのは仕方ないにしても、自業自得なんだから、心苦しく思いながら墓まで秘密を持っていくか、あるいは腹くくって打ち明けて、相手の出方を見るくらいせんかい。自分が悪いのにメソメソ私は悲劇のヒロイン~で自殺って、アホかい。」…以上がその時の私の感想。(私にとって)アホなヒロインでもヴィヴィアン・リーは信じれないくらい綺麗だったけどね。多分、今観たら、もっと違う観点で観れるとは思うし、評価も上がるかもしれない。が、今思っても、本作は恋愛ドラマであって、それ以上でも以下でもない。これを反戦映画とする向きもあるようだが、単なる時代背景であり、それは違うよな。
[地上波(字幕)] 5点(2009-03-02 13:10:39)
18.  アリオン
アニメファンの友人たち(私自身は違ったんだけど)の間で相当な話題で、興味を示したら映画館にまで引っ張っていかれたのが懐かしい。安彦良和の絵柄は嫌いじゃないが、コアなファンのいるガンダムやクラッシャー・ジョウの世界には正直入っていけなかった私。が、これはギリシャ神話をモチーフにしてるため、作品の世界に入りやすかった。神話や冒険ファンタジーが好きな人なら楽しめると思う。音楽や絵もきれいだし。主人公アリオンは随分と内省的で、作品全体も暗めなんだけどね。これで興味を持ってギリシャ神話を調べたら、その出生(ポセイドンとデメテルの子である)と名前(アリオン)を持つキャラは馬だったので驚いた。
[映画館(邦画)] 6点(2009-02-25 13:12:04)
19.  あなたが寝てる間に・・・ 《ネタバレ》 
アクションやサスペンスがない恋愛もの・・・ラブ・コメディといった分野はあんまり観ないのだが、ザ・インターネットでサンドラ・ブロックが好きになって借りたんだっけ。まだビデオの頃だ。 最初は何故にこんな眉毛に惚れる?容姿だけで惚れさせるならハンサムを使わないか、普通?って合点がいかないのだが、ストーリー展開はまあまあ。そこそこ笑えるし。ラブコメが好きな人なら、満足できる内容ではないだろうか。って結構平均点高いし、かなりヒットしてるのね。こういうラブコメって好きな人多いんだなあ。別にそれに文句はないのだが(笑) …でも結婚式でピーターの元カノ(しかも人妻)を乱入させたの、これはいただけなくないか?これはヒロインがジャックとくっつけばピーターが可哀相になってしまうため、ピーターの悪い面(女たらし、実は元カノと切れてないのに結婚しようとしていた)を見せたということだろうが、コメディといっても安直過ぎ。ま、難点はここくらいだが、ラブコメのファンでないのでこの点で。
[ビデオ(字幕)] 5点(2009-02-04 13:40:56)
20.  アメリカン・サイコ 《ネタバレ》 
う~ん、妄想オチ?ちょっと反則かなあ。死体が入った袋を廊下を血だらけにしながら引きずって管理人の前を通るとか、アパートの階段でチェンソーで殺しちゃうとか、警官隊にばんばん発砲するとか、直ぐ捕まらなくちゃおかしいはずの展開になんか変だなあ、と思ってたら、結局。。。なあんだ、って感じ。夢オチに近いものがある。 まあ、名刺のシーンとかのバカなヤンエグ(死語)ぶりはこよなく笑えたし、殺そうとしたらホモを仕掛けられるなんてのも可笑しかったし、ティーンエージャーだった80年代に洋楽を聴きまくってた世代として懐かしい場面もあったんだが、肝心のサスペンスがどうも消化不良。クリスチャン・ベールはそれなりに良かったんだが。話題になったという原作でも読んでみるか・・・。
[DVD(字幕なし「原語」)] 5点(2009-01-07 13:06:04)
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