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1.  アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン
あーつまんねー。 これじゃあ落書きみたいなアメコミ立体化しただけじゃねーか。メカだけがいやに細かい造形だが。  向こうじゃこれでうけてんのかな? ひょっとして意識的に支持率下げたいのかとすら私は思うが(某政党みたく)。
[映画館(字幕)] 3点(2015-07-30 08:20:10)(良:1票)
2.  アメリカン・スナイパー 《ネタバレ》 
わりとミもフタもねー  【ねたばれ】 だらだらだらだら中東の紛争は続く。イスラム国だの何だのと、事態は解決どころかややこしさを昂進させている。敵はもしかして勝つことでなく、ゲリラ戦を「やり続けること」に活路を見出してるんじゃないか、と思えるほどである。  911でやられた味方を守るため、ヒロイズム・マッチョイズムで「正義の守護神」を引き受けたはいいが、いつまで続くのもう疲れてきたよ。どこもかしこもちょっといいかげんにしてほしいんだけど。だいたい終わらせる気あんのこれ? な~んて思っちゃってるアメちゃんも、少なからずいることだろう。  「蛮人を殺すことに後悔はない。仲間を守れなかったことにこそ悔いがあるんだ」とかいうセリフのあと、主人公はまさにその元「仲間」に殺されてしまうわけだが、そこにブーメラン的メッセージを見出すとかいう封建的な作りにもなってないと思う。ドリルで子供殺したりする様は間違いなく「蛮人」だし、それにスナイパーを撃つ時のゴルゴ13みたいな演出は、あっさり命中して終わりで反映画的淡白さ。主人公も身も蓋もなく女子供殺すわけだし、きっと現実の戦場は、映画な物語など関係なしにどうしようもなくリアルなんだ、とそういうことなんだ、たぶん。(んで、神様は蛇足で落ちをつけるのが好きなんだ、つーところまでリアルだ)。  戦争をリアルで日常の職業とする、ということの異常さを、こんなふうに(一部の)アメリカ人はちゃんとわかっている。かといって「世界の警察」の座を降りるわけにもいかん(志願者は無尽蔵だろうし、それに「正義」を「多国籍」軍に委ねるには、ちとまだ無理があるような気がするからだ)。  しかしまあ、この先もこの一国が正義ヅラをし続けることが、やや古臭くなりはじめたことは確かなのである。長期戦になること必定のシリア情勢に加え、ウクライナ&ロシアである。さらに中国の膨張は止まず、10年以内にGDP抜かれる・ほっといていいの? 加えて半島では考えられん刃傷沙汰ときて、相対的に弱いアメリカ? が漏れ出し始めちゃってんである。  では、地球の平和はいったいどーオムツされるのか?  バランス・オブ・パワー? ハイパー兵器? んで日本核武装? とかいうところまでいくと思うツボかもわからんが、まー一度、ヒマな時ぐらい思いを馳せておくんなさいお父さん、てな映画。 
[映画館(字幕)] 7点(2015-03-08 21:34:19)
3.  悪人 《ネタバレ》 
結局変な人たちの映画だったの? 【以下バレ】  映像的には飽きもこないしなかなかいい線いっていると思わなくもないのだが、いかんせん殺人の動機が弱い。あのくらいの台詞でいちいち切れてたら社会人なんぞやってられんだろう。差別や格差を無理くり作り出して物語を捏造するという意味でなら、時代を写実しているといえなくもないが(皮肉だよ)。  物語の転換点となる重要なアクション描写(妻夫木と深津との最初の出会いや、殺してから橋の下へ落としたはずの行為)がどういうわけか端折られている。おかげで逃避行にも説得力がない(まるで「おかしな二人の旅日記」)。さらにどうしようもなく皮相的な大学生の会話や態度など気に入らない点はいくらもある。最後の灯台シーンも、人生崖っぷちの象徴のつもりならなんで崖そのものを映さんのかと思う。青い空に広い海じゃ心象風景と真逆じゃねーか。  妻夫木はその変態性を出すのが遅すぎるし、深津はまるで普通のおばさんで田舎の嫁き遅れの暗さをちっとも出せていない。ただ光る点もあり、とても丁寧なカメラマンの仕事もさることながら、満島ひかりの演技。方言を駆使しての快活なOL役は見事にどハマりだったし、何より死後橋の上で柄本の呼びかけに応じて出現した際の、(これは撮影の妙もあるのだろうが)筆舌に尽くせないほど多義的な表情。まさに映画でしか表現できないものであった。もし賞に価するとしたら、満島の方だったであろう。
[映画館(邦画)] 5点(2010-10-01 00:51:52)(良:3票)
4.  アウトレイジ(2010) 《ネタバレ》 
どこらへんが最高傑作なんじゃ。褒めるところがねーじゃねーか。ナメてんのかこら。  一昔前の堅気が想像するヤクザの世界をそのまま実写化した感じ。何がボッタクリバーだ何が英語をしゃべるインテリだ。テレビ並みに形式化して、事実上見せるのは暴力だけ。何が楽しいんじゃおどれらは。  今ならITヤクザを題材にせんかい。そして闇の世界の背景ににある、さらに巨大な闇を見事に絵に描いて見せんかい。それが可能な立場じゃねーか。TKO負けしてすかしてんじゃねーぞこの野郎。  今更これを作った動機を理解しかねる。以下略
[映画館(邦画)] 4点(2010-06-25 11:18:12)(良:4票)
5.  アリス・イン・ワンダーランド
手堅いところでまとめてしまった感じ。3Dなんだからこれまでにない破天荒な映像を期待する向きが多数派だろうに。 【以下ちょいバレ】 物語をまるで女の子が主人公のRPGみたいなわかりやすいものにしてしまったが、それはかまわないと思う。ただし3Dの特質を生かしたファンタスティック映像をたっぷり楽しませてくれればの話である。せいぜいチュシャ猫や三月ウサギのもふもふ感がよかったぐらいで、予告編を上回る衝撃映像はなかった。これならまだ、たとえ筋が破綻しまくりであっても、イマジネーション横溢しまくりの奇抜な映像出しまくり映画のほうがマシだ。 既成のイメージ、昔の3Dを今の3Dできれいにトレースしてみましたという印象。IMAXで余分な金額を払う価値はなかろう。ただジョニー・デップは好演だったと思う。 
[映画館(吹替)] 6点(2010-05-02 13:21:25)
6.  アイガー北壁 《ネタバレ》 
【以下全部バレ】 娘さんよく聞けよ、山男にゃ惚れるなよ~を地でいく話。とても懐かしくてかえって新鮮。つーか、怪我させたとはいえ愚か者のライバルを救うという善意の遂行にもかかわらず、残酷な宙ぶらりんの姿を観客の目に焼き付けたラストは衝撃かつ秀逸。たまにはこういう外国の良作を観ないと、たやすく正義の大安売りとなるハリウッド映画ばかりじゃ食傷するってもんだ。  いやそんなことより、雪山登山に関する映像的迫力というのか臨場感というのかがとにかくいい。登山家のリアリズムをとにかく真正面から撮ってやろうという気迫を感じる。遠目に見る背景の山々の美しさと、人が貼り付いた断崖絶壁の恐怖との対比。信じがたい体勢の衝撃。そして雪崩による、あっという間の死の連鎖。吹雪も本当に寒そうで、私はもしかして一緒に凍え死ぬかもしれないと思ったほどだった。  ただし人物描写は浅い。こんなに類型的な人たちいないよというぐらい浅い。昔の人たちだからっつーわけでもないだろう。それに最後に主人公の恋人が上司に向かい「あなたみたいな人はたくさんよ」みたいなことを言い放つのだが、そういうことじゃないだろうという気がちょっとする。苛烈な運命は俗物を非難することで救われるわけじゃない。「もうこんな仕事はたくさんです」と言ってやめたというのならなんとなくわかるが(ちと細かいか)。  おかげで余韻がイマイチだが、ただまあこの監督が描きたかったのはあきらかに人物ではないと思うので、んなこたどうでもいいよとか言われてしまうかもしれんけど。 
[映画館(字幕)] 7点(2010-04-17 22:09:06)
7.  アバター(2009) 《ネタバレ》 
IMAX3Dにて鑑賞(名古屋109Cinemas)。料金2200円也。はっきり言って安い。映画ファンはこの歴史的な映画を観るために今すぐ都心へ向かい、お祭りに参加しよう! これは少なくとも、時代がスーファミからプレステに移行したのと同程度の革命である。具体的にはついこないだ見た『2012』のCG映像を速攻陳腐化するだけの威力はある。つまりこれからどんどこ3D映画が作られていき、かつ来年から3D対応映像機器がばんばん売られはじめるとして、5年後、いや3年後に『2012』見たらなんてちゃちな映画だと思うはずだ。人間とはそういうものだ。つーことは少なくとも、これまで作られた『2012』とかスター・ウォーズみたいな映画に限って言えばあと数年でその価値をなくすというか、古い次元のこととしか語られなくなるっつーことだ。こりゃえらいこっちゃ踊りを踊らずしてなんとする。 予告編でまずシンデレラみたいな映画の3D映像が流れ、その見事な飛び出し具合に思わず声が出るが、まるで飛び出す絵本みたいな階層を成した3Dでなんだこりゃとも思う。でも本編はぜんぜん違った。キャメロンがこの映画のどんな部分に腐心したか、この比較からちょっとわかった。 本編でまず気になったのは字幕。なんか手前にありすぎ。手元のメモを読むみたいな目の動きが必要で、当然映像に対する集中は削がれる。たまに字幕が横に出たが、今度は(おそらく片目の視野にしか入らないせいで)2重に見えたりする。ただ後半になるにつれ気にならなくなっていったので、ひょっとして慣れるものなのかもしれない。 映像については、自分で体験してほしいと思うのであえて文章にしない。ちなみに私はド近眼かつ初期老眼なので遠近感については心配したが、字幕以外ほぼ問題なかった。もっともキャメロン自身かなり老眼が進んでいるはずなので当然かもしれないが。 物語は巷間語られているとおりである。もっともこの映画の持つ意義を考えれば、物語についてはごく原初的かつエモーショナルなものでなければならなかったはずで、素直に感動しておくのが態度として正しいと感じる。 ああもっと書きたいのに書ききれない。つーか肝心なことを書いてない。とにかくわしはイクランの群れに分け入るという体験ができただけで満足じゃ。昔『地球の長い午後』や『宝石泥棒』を読んでわくわく想像した大地にまさかじかに立つことができるなんて、えれー時代になったもんだ。
[映画館(字幕)] 10点(2009-12-29 15:50:34)
8.  アマルフィ 女神の報酬 《ネタバレ》 
なるほど、ヤル気見せてるわけね。いや混ぜっかえすつもりは毛頭ないけれども、でも何で今更なの? ひょっとして政権変わるから? でもまあこのくらい映画っぽい映像でこれからエンタテインメントしていこうってんなら、確かに少しうれしいかも。もう二度と観るかと思わせるような感動の押し付けシーンはないし、幼稚な台詞回しによるラブシーンもない。くどくど台詞で説明することをせず、なるべく映像からの情報のみで観客を引っ張ろうとする。特に冒頭シーン、観客はいま何が起きているかを知るためにスクリーンの隅々まで目を凝らし、耳を澄ますことを強いられる。テンポがいい。こちらが一つのことを理解するや否や、ぱっと画面が切り替わる、そんな感じだ。 が、むろん頭痛の種はストーリーだ。 【以下モロバレ】 天海祐希が鉄砲向けたときは思わずうつむいてしまったぞ。ド素人の女が警察相手にあんなことできるわけねーだろう。こんな映画とてもじゃないがガイジンには見せられない。失笑を通り越して激怒されるんじゃないか。 それにあの大臣、たとえ意図して悪党に政治資金を横流ししたのだとしても、佐藤浩市が復讐すべきなのは直接手を下した軍事政権の方であって大臣ではなかろう(仲間の外人たちにとってはなおさらだろう)。しかもその大臣を殺さない(結局誰一人死ななかったと思う)。大臣が失職したという記事を写してシャンシャンとしたいようだが、上の人間の首をすげかえても結局組織の本質は変わらずという現実世界の経験が想起されるので、逆にストレスは高まるばかり。つーか、そういう現実が嫌だからこそわれわれは映画館に行くのだ。向こうの脚本家ならおそらく小野寺昭か佐野史郎あたりを黒幕一味に仕立て、銃撃戦の末スカッと殺してみせるのではないか。それがエンタテインメントじゃねーか。悪者をやっつけずにカッコだけつけたってちっともスカッとしない。 …などと、日頃ハリウッドに馴致されている人間の一人である私などは思ってしまうが、しかし今の時代、そうほいほい人を殺す映画を作るわけにいかんのかも。もし2作目が作られるのなら絶対見るから、何らかの工夫を期待したいもんだと思う。いっそシリーズ化して、観客を教育しつつ徐々にステップアップしていくというのはどうでしょうか。 PS.他の人のレビューで気付いたが、ラスト近くのフィルムブチ切れは意図的なものだったのね。なるほど。 
[映画館(邦画)] 6点(2009-08-25 23:46:38)(良:2票)
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