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1.  ある朝スウプは 《ネタバレ》 
部屋の匂いどころか温度まで伝わってきそうなほど生々しい映像にまずやられた。精神が弱っているところをつけ込まれた彼氏と何とかして彼氏を現世に連れ戻したい彼女の信念の戦い。宗教の話ではまったく話が噛み合わないけど、面白いことがあったら2人でお腹を抱えて笑うという関係性がキツい。どうにもならない現実をついに受け止めきれなくなった2人の最後の朝食は、これまでに見たどの映画の食事シーンよりも痛かった。彼女に感謝してるけど生長の家のセミナーに行く彼氏、「他人なんだね」とつぶやいて限界を悟る彼女。心に刺さりまくりました。ところで、彼氏が明らかにシャブやってるシーンあったけど、生長の家ってそうなの?
[映画館(邦画)] 7点(2016-12-23 00:43:42)
2.  あなただけ今晩は
ただただ愉快。堅物とX卿を嬉々として演じるジャック・レモンもシャーリー・マクレーンも素敵。「アパートの鍵貸します」よりもずっと好き!
[DVD(字幕)] 8点(2016-12-13 00:04:14)
3.  愛のメモリー
デ・パルマ映画っぽさが弱い気がする。あの「ファントム・オブ・パラダイス」の後に作られたというのが信じられないほどふつうの映画だった。
[DVD(字幕)] 5点(2016-12-12 23:54:26)
4.  明日に処刑を・・・
ラストシーン以外は「こいつらいつも再会と別れを繰り返してるな」という印象しか残らない。逆に言えば、ラストシーンは素晴らしかった。
[DVD(字幕)] 5点(2016-12-11 04:03:50)
5.  明日に向って撃て! 《ネタバレ》 
キッドとブッチの友情を超えた友情が良い。ピンカートン探偵社の追跡を逃れ、エッタのもとに帰ってきた2人。キッドとエッタが抱き合う姿を窓ガラス越しに見るブッチのその表情がたまらない。キッドとブッチのの関係は明らか。エッタは2人の間に入り込むことができない存在だ。実際、エッタとキッドの本番は描かれないし、ギャング家業を捨てきれない2人を見捨てて帰国してしまう。ラストシーンの妄想会話にエッタは登場しない。
[DVD(字幕)] 6点(2016-12-11 04:02:36)
6.  暗黒街の弾痕(1937)
初のボニーとクライドを題材にした作品、(ラングにとって)初のフィルム・ノワールが強いアメリカ期の作品と、初づくしの本作。一度定められた運命を前にどうすることもできない2人の姿を、メディアや民衆を批判しながら描いている。新聞屋はあらかじめ3つの一面記事を用意していて、いずれも大衆を煽ることだけを目的としている。ヘンリー・フォンダの死刑が決まると、ニヤけ顔で死刑の紙面を指差す下品さ!2人に退去を命じる宿主や、ちっぽけな理由でヘンリー・フォンダをクビにする社長、冤罪をなすりつけるガソリンスタンドの店員など、2人と敵対関係にある人物は総じて下品に描かれている。米国に渡ったラングは終戦までプロパガンダ映画を作り続けるのだけど、本作と『激怒』は少し毛の色が違う。標的はナチスではなく、メディアと大衆である。話はそんなに面白くないけど、本当に暗闇と霧の使いかたが上手い監督だ。ヘンリー・フォンダが脱獄するシーンの緊張感はラングならでは。
[DVD(字幕)] 5点(2016-12-11 03:22:04)
7.  有りがたうさん
ロードムービーというジャンルがそもそもあまり好きではなく、元々サイレントで撮影され、セリフがすべてアフレコによるもの(!)ということに違和感を抱き続けて終わった。環境音がないというのは不自然の極み。
[DVD(邦画)] 5点(2016-05-31 00:44:01)
8.  アデュー・フィリピーヌ
あふれる生命力に気圧されるも、いまいち乗りきれないまま終了。クライマックスの「青春の終わり」感はとても好き。
[映画館(字幕)] 5点(2016-05-31 00:35:56)
9.  ある殺し屋 《ネタバレ》 
話が展開していくにつれてどんどん面白くなっていき、クライマックスで大爆発する。古今東西のフィルム・ノワール映画の中でも上位に位置する映画に間違いない。市川雷蔵は器用な人だ。小料理屋の主、パーティに招かれた芸能の師匠、常に冷静なプロの殺し屋。仕草や表情に違和感がない。特に芸能人としての立ち振舞は梨園出身の俳優でもなければ演技できないだろう。いや、演技ではなく素の仕草なのかもしれない。中村獅童や市川海老蔵に、雷蔵の本作での演技ができるだろうか?不出生の映画スターとして一世を風靡したのには理由がちゃんとあった。今の俳優にはない魅力が。
[DVD(邦画)] 7点(2016-02-25 14:10:54)
10.  悪魔のいけにえ 《ネタバレ》 
笑えない。ずーっと怖かった。不条理ホラーの極みだと思う。すべての登場人物に明確な根拠がない。殺人一家はジジイに何をさせたいのか、若者たちはなぜ旧家を尋ねるのか。理由のない悪意を向けられた時ほど怖いものはない。立川談志が毒蝮三太夫に駅のホームから突き落とされそうになったという逸話があるが、この時、談志は相当な恐怖を感じたに違いない。毒蝮は洒落で談志を突き落とそうとしたからだ。「洒落のわからないやつだ」と談志をあざ笑った毒蝮には覚悟もなにもないのだ。レザーフェイスは理由なく4人を殺すし、狂った兄弟は楽しいからという理由でジジイにハンマーを持たせる。理由がわからないからつまらないというのは恐怖を回避する思考停止なのかもしれない。科学が発達する前の時代の人たちは自然の脅威に震えたはずだ。平凡な日常を意味もなく破壊するから。ある意味、この映画の恐怖は非人間的なものかもしれない。
[DVD(字幕)] 8点(2016-02-22 09:50:58)
11.  アンタッチャブル 《ネタバレ》 
デ・ニーロとショーン・コネリーの熱演が素晴らしいですね。ただ、ストーリーをとても面白いと思うことはできず…。アル・カポネが腐敗した社会を象徴し、善良な、腐敗していない勇敢な人物がそれを合法的に討つ。カポネとマローン、ネスとニッティが対立し、それぞれがそれぞれを倒して大団円。物語の構造は確かに面白いと思いますが、あまりにもトントン拍子に展開していくというか、私はこの映画のストーリーに裏切られることがありませんでした。古典的ハリウッド映画に忠実すぎるのでは?
[ビデオ(字幕)] 6点(2015-11-16 05:57:00)
12.  アルコール先生 海水浴の巻
キーストン社時代っぽい。筋書きなんてあったもんじゃないけど、浮き輪とアイスクリームのギャグで結構笑ったので点数はこのくらいで。
[DVD(字幕)] 6点(2015-06-17 14:07:05)
13.  アルコール先生 公園の巻
『夕立』からキーストン社の要素をごっそりカットし、『恋の二十分』を足した感じの作品。新しいスタイルを模索しているのがよくわかります。フォード・スターリングのクドい演技がなくなったおかげで見やすいけど、ギャグはあんまり笑えないのが残念。
[DVD(字幕)] 3点(2015-06-17 13:11:04)
14.  アルコール夜通し転宅
チャップリンの酔っぱらい演技は素晴らしい。無表情で重そうなキックを見舞うのが痛快です。本作はキーストン社時代のいくつかの作品を彷彿とさせますね。セットや構造が同じ作品がいくつか思い浮かびます。それらの作品よりもドタバタ喜劇としてはいくらか優秀で面白いけど、マスターピースには程遠いかな。
[DVD(字幕)] 5点(2015-06-17 13:08:13)
15.  アルコール先生 ピアノの巻 《ネタバレ》 
オチが無いの勿体無いよー。ロバがピアノの重みで宙ぶらりんになっちゃうところは笑ったので、もう一度ロバギャグが見られるのかと思ったのに。チャップリンがピアノを担ぐところも面白かった。残念なのは、ここ以外に大した見どころがないこと。階段を使ったギャグなんて本当に最初の頃からやってるし、いい加減見飽きてしまった。
[DVD(字幕)] 4点(2015-06-04 01:19:27)
16.  アルカトラズからの脱出 《ネタバレ》 
中盤から始まる脱獄へ向けた準備も良い。でも、退屈に感じられた人が多いらしい前半の人物紹介パートもなかなか楽しめました。キャラが立ってて面白い。アルカトラズや所長に対する憎悪を少しずつ観客に植えつけるよう演出されており、見事でした。脱獄準備中はご都合的展開も少なくないので、ちょっと残念ですね。見事に脱獄して、所長に不屈の花を見せて、ああスッキリ!という映画ではないというのも良いのです。バッツはなぜ参加が遅れ、置いて行かれてしまったのか?どのような気持ちで夜を過ごし、早朝泣きながら直立していたのか?何処かへ消えてしまったモリスたち、工作がバレ、懲罰を受けることになるのであろうバッツ。モリス以外の主要登場人物は全員アルカトラズで散ったのでしょうかね。
[DVD(字幕)] 6点(2015-04-08 23:47:04)
17.  アクト・オブ・キリング 《ネタバレ》 
アンワルは過去の虐殺をどう思っていたのか。悪夢を見るほどのトラウマを抱えながらも嬉々として共産主義者の殺し方を実演して見せる彼はこのギャップに苦しめられていたのだろう。映画を撮影する中で、過去の行いを追体験する。どの「役者」も迫真の演技を見せ、特に隣人が虐殺の体験を語った後の演技は凄まじいものがあり、アンワルに深いダメージを与えたのではないか。「よくない、いけなかった」という気持ちが虐殺シーンの撮影中に腹の底からふつふつと湧いてくる。キーンという金属音のBGMはこの時の痛みだ。終いには自らが自らの手法で殺されるシーンを撮影し、これを孫たちに観せてしまった。悪夢を見るほどのトラウマを辿っていく中で芽生えた感情と、過去を否定したくないが故に口から出る「仕方がなかった」という言葉の醜いギャップが彼に吐き気を生じさせ、映画は終わる。なんとも後味の悪い映画だが、マツコ似のデブが頻繁に笑わせてくれたし、色々と考えさせてくれたので文句はない。映画として面白いかどうかと言われると…下の方と同じような感じ。
[DVD(字幕)] 7点(2015-03-22 23:55:44)
18.  アメリカン・スナイパー 《ネタバレ》 
とんでもない映画でした。内容については他のレビュワーさんに任せるとして、私が最も衝撃を受けた場面について書こうと思います。私が何よりも衝撃を受けたのはエンドロールでした。最近のハリウッド映画で無音のエンドロールは記憶にありません。イーストウッドは作曲もこなす天才ですから、鑑賞後の観客にどのような音楽を聞かせるのかを理解しているはず。それなのに無音なのです。「観客に考えを促しているのだろうか」とも思いましたが、ひょっとしたらあれは「4分33秒」だったのかもしれないと思ったのです。エンドロール中の場内の雑音も映画の一部であると。そそくさと席を立つ人、時間を確認するためにスマートフォンを確認する人、じっとスクリーンを見つめる人。これだけ衝撃的な内容の映画を見て、あなたの周りの観客はどのような行動を取っているのかということまで踏まえた上で考えろ、とイーストウッドに言われたような気がします。ずっしり重い映画でした。二度と忘れられない映画体験をさせてもらいました。イーストウッドには1本でも多くの映画を残して欲しいです。齢84にして離婚理由が女性関係だったのですから、まだ大丈夫ですよね。
[映画館(字幕)] 9点(2015-02-25 19:53:36)(良:2票)
19.  あこがれ (1958)
ナレーションが無くて子どもたちに台詞があれば、もっと面白い映画になるのではないかと思います。ナレーションのせいで客観視を強制されてしまうのが勿体無いですね。絶対にかなわない恋に対する無垢な憎悪がひしひしと伝わってくるストーリーなのになぁ。自転車をこぐ女性の美しさ、それに憧れる子どもたちの無垢な行動、恋人とのデートとイタズラする子どもたちの対比、黒服を着て無表情で歩く女性と無邪気に遊ぶ子どもたちの対比。これらは見事でした。素晴らしい短編映画です。
[DVD(字幕)] 7点(2014-11-28 01:33:14)
20.  ある過去の行方
音楽・BGMの使い方はちょっとベタ。物語や演出は文句ありません。
[映画館(字幕)] 7点(2014-09-23 09:07:13)
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