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1.  ガタカ 《ネタバレ》 
初めのうちは、ちょっと冗長な感じで、このままのテンポで続くんかなぁと思っていたけど、ビンセントがガタカに入ってからは、もうドキドキハラハラで最後まで見てしまった。映像はクリエイティブで、スタイリッシュで、セットから人物に至るまで、とても綺麗。それに、イーサン=ビンセントは、「リプリー」のマットより遥かに、ジュード=ジェロームに似てた。初めはどこが似てるの?と思ったけど、物語が進むうちの、雰囲気がどんどん似てくるのが凄くて、それとともに、二人の心理的な沿い方が、切なくなるほど重なり合っていくのが、ドキドキに拍車をかけた。この作品は、多分、アメリカなんかで優秀な人間の遺伝子を冷凍保存してどうたらいう話がマジだったって頃なんだと思うけど、優秀な遺伝子を掛け合わせれば優秀な人材が生まれるくらいなら、世のセレブは子供の不始末に嘆かないよね。勿論、受精卵の段階で劣悪部分を排除して、完璧な環境に置いてという設定ではあるけど、やはり、そういうものではないような気がする。本作のテーマは、人の可能性、夢を追う権利、不可能への朝鮮で、やはりアメリカの開拓精神を示しているんでしょうね。ドクターの最後の選択とジェロームの最期は、グッときたなぁ。「息子は君の大ファンでね」って、ドクターはジェロームのパパだったんだね。そして、この先は、ビンセントのパパになる覚悟があったんだろうな。でも、ジェロームの最期は、やはり衝撃的だったよ。確かに、「旅」に出る以上、体を残すわけには行かないのだろうけど。「ちょっと・・、それはないよぉ」と、ズキズキしてしまった。ただ、ハラハラ、ドキドキ、ズキズキできて、そのわりに、案外あっさりと終わってしまったのが、ちょっと物足りなかった。それにしても、ジュード・ロウは、やっぱり存在感、あるよね。第一線に出てくる役者って、何か違うオーラがあるのよね。
8点(2004-07-31 01:09:48)
2.  から騒ぎ
作品自体は、そらもう、ケネス・ブラナーのシェイクスピアァ!!ってなもんでしょ。キャンティの明るい陽射しの下で、ノリノリでしたね。キアヌがまた、発声も演技も演劇的に演ってくれちゃってるもんだから(しかも、唯一暗く鬱屈する役でさ)、映画のキアヌとしては、今ひとつ違和感があって評価がしづらい。でも、あの低音で、あの台詞回しは、なかなかゾクゾクするものがあったな。
6点(2003-12-14 19:58:20)
3.  カリフォルニア(1993)
ジュリエット・ルイスに共演してもらった、ブラッド・ピットのデモ・テープ。って、それ以外、なんかあるか? ブラピ・ファン、ルイス・ファンなら必見だと思うけど、役者に特に思い入れがあるわけではない人には、是非見て、とは言えない。ルイスとブラピの純真故の常軌の逸脱は見事なものだけど、連続殺人者の精神の根底に迫るには、描写が足りな過ぎ。せめて、ブラピ=アーリーが自分の女を「ママ」と呼ぶ理由くらい描けば、冒頭に出てきた「連続殺人犯の心理」も無駄にはならなかったのに。ドゥカブニー=ブライアンも、アーリーの狂気に晒された時、少しでも「連続殺人を考察する物書き」の片鱗を見せていれば、ラストも意味があったのに。悪いけど、本作の描き方では、ブライアンは物書きに向いてない。冒頭の主題が忘れられているだけに、ラストも嘘っぽい。ルイスとブラピと演技だけが売りの一作でしょう。
5点(2003-05-29 02:05:39)(良:1票)
4.  家族の肖像
バート・ランカスターはアクション俳優だったんだよ、ということを知ったのは随分と後のことで、私の第一印象のランカスターは本作で、人生の晩年を迎えた老教授を演じた渋い俳優さん、という印象の方が強い。ヴィスコンティという監督は、ホントに女優さんを綺麗に撮る人で、シルヴァーナ・マンガーノの美しさはマジで綺麗。ランカスターの渋さとマンガーノの押し出しの強さ、二人の熟した演技の前にあっては、さすがにヘルムート・バーガーも色が褪せて見えた。それでも、最後、バーガー=コンラッドが爆死しちゃうところは、結構胸にくるものがあった。ある人生の斜陽、夢の挫折というテーマはいかにもヴィスコンティらしいけれど、どちらかというと「ヴェニスに死す」と同様、割りと淡々と物語を運んでいくので、「地獄に堕ちた勇者ども」や「ルードヴィヒ~神々の黄昏」などとは、ちょっと印象が違うかもしれない。
8点(2003-01-15 23:14:04)
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