1. 完全なる報復
《ネタバレ》 “悪”とされる秘密結社にとっては戦隊側が“悪”であるように、“正義と悪”というのは置かれた立場によって変わるもの。この映画であればどちらが勝っても、“正義”が勝ったと腑に落ちることになるか……そう序盤では思っておりましたが、牢屋からの報復が始まって以降、ちょっと投げっぱなしですよね。隠れ家から独房にトンネルを掘っておけば、あの殺人はすべて完遂するのかどうか。皮肉ではなくそこが正直わからない。たとえば判事の携帯電話から弾が出る仕掛けやすり替えた方法など、説明までいかなくてもせめて伏線がないとなんでもアリになってしまわないだろうか(最後に自作の核兵器を持ち出す、なんてこともできてしまう)。ラス前まで来て隠れ家とトンネルが露見しないと考えているのも妙だ。 米国の司法制度の問題点を追求するのを主眼として、下敷きに据えたのがもっともセンセーショナルである猟奇的な復讐テロにしたにも関わらず、その部分が曖昧ではなにもかもぼやけてしまう。「もう殺人者と取引はしない」、このひとことだけで万事OKにはなりえないだろう。 序盤で期待は大きかっただけに惜しいが5点。オーラスの演奏会で“なにか”が起こってサヨナラホームランを期待したことは最後に記しておきます。 [DVD(字幕)] 5点(2012-10-04 11:44:05) |