1. 渇き(2009)
《ネタバレ》 万人におすすめはしないが、力作。 いささか長すぎるけれども…。 ソン・ガンホはコミカルな役どころで本領を発揮すると思うが、今回はダークな役柄を体当たりで演じた。文字通り体当たりの、尻解禁。 ソン・ガンホ演じる神父が「祈りが無力になった」と感じて、つまり信仰の危機に陥るがそれでも自殺は罪であるから自殺をすることができず、自殺願望を抱いて治験に参加、死ぬことができずに吸血鬼として生きながら死んでいるという「罰」を負わされる、というような話である。 これを神父が「罰」と受け取ったということはいえると思う。 「人を助けたい」と願っていたのに、他人から奪わないと存在できないものにされてしまったという、そのことは信仰が揺らいでいても消えてはいなかった彼にとっては「罰」である。 親に捨てられた男女が、崩壊した秩序の中で、他人から奪わなければ己が存在できないとしたときに、死を選ぶということは果たして「殉教」なのか「自殺」なのか。 そのことで、この先犠牲になるであろう他者を助けたとしても。 神父は最後に「地獄で会おう」と言っているから、これを「殉教」とは思っていないか、またはこれまでの悪行を指して地獄に落ちると言っているのか。 けれども確かなことは、「地獄」があると思っているということは、「神」が死んでいなかったということであり、彼は「与えられた罰」を認識していたということに、なるのだな。 そして、「罰」に対する彼なりの答えがラストで示されて、果たして「神」はそれにどう応えたのか。それは映画が終わったその先にある。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-05-13 23:28:35) |
2. 過去のない男
《ネタバレ》 うう。 「お母さんはどうした」って、あのセリフが引っかかってしようがないのですが、そうすると花守湖さんのおっしゃるとおりなのでしょうか。なぜあそこで妻の母の話が出る。 そうすると根本的に違う話になってきます。私はうっすらと「過去がない人間がいったいどうだというのか」と考えながら見ていたのですが、素直に見ると「過去がなければ悪意ももたない」というふうに見ることができます。 この話でもっとも重要なのは「悪意と善意」です。ぜったい悪意がありそうな人が、実はそうでもなくて助けてくれるという、私たちが通常認識している「この世界」とは違う世界がここにある。 「過去がなければ悪意をもたない」のなら、「悪意は過去に原因がある」であり「過去の出来事が人に悪意をもたせる」でしょう。 けれどけれど、花守湖さんの説のとおり、そして「お母さんはどうした」を素直に受け止めるなら、カレは「過去があるけど意図的に悪意を捨てようとしていた」になります。そして作り手はカレに何も説明させないので、うっかりと見過ごしてしまいそうになります。 すると、溶接工なのに「オレは農民だから」とじゃがいもの処分方法についてしつこく説明するとかいう部分はなんだったのでしょうね。身元を隠したいなら港で突然溶接作業を手伝ったのはなぜなのか。 カレの行動は謎だらけで、カウリスマキの意図は解明できません私には。 とりあえずカレは「悪意を捨てる」ことに成功しました。意図的にか、図らずもかは不明ですが。 そして1人も魅力的な容姿の人物が出てこないこの作品を見て、うすぼんやり思いました。私たちは若くなくても、美しくなくても、お金がなくても、役に立たなくても、〝生きていてもいいのだ〟と。それどころか〝恋をしてもいい〟だし〝他人の善意に甘えてもいい〟でさえあるのです。 こういう感想を抱かせる映画はあんまりない。死にたい気分の人はぜひ見てほしい。 それから「なぜ電車の中で寿司を食う!ジャパニーズ・サケを飲む!クレイジーケンバンドのムード歌謡を流す!」!! この監督は馬づらの女性が好みみたいです。なかなかひねった趣味です。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-05-02 12:59:26)(良:2票) |
3. カタコンベ
《ネタバレ》 迷路の洞窟ですか。そんなものは慣れています。私はFFⅧの名もなき王の墓を思い出してしまいました。ブラザーズを取ったり、魔法を集めたりします。 これはとてもゲームぽい作品だと思いました。簡単にゲーム化できそうな作品ではないですか。 ヴィクトリア役の女の子はわりと可愛いし、姉役もなかなかいいのですが、あのオチはガマンするとしてもラストが…すごくゲームぽいですね。 あれだけの悪ふざけをするための動機づけが足りないので、単に「フランス人は尋常でなく意地悪」というふうになってしまいますね。 暗い中でどれだけ映していくかという点では工夫していると思いました。ちょっと叫びすぎな気がします。最初からゲームにしたら良かったと思います。 [DVD(字幕)] 5点(2009-03-18 17:53:30) |
4. カポーティ
《ネタバレ》 原作のことはほとんど忘れてしまいました。 ホフマンの演技に沿うならば、カポーティというのはスノッブで軽薄なヤッピーを「演じている」成り上がりのゲイだった、ということになる。 彼は作品のためなら他人を平気で利用し、嘘をつき、必要なら賄賂も使い、出版社からも抜かりなく金を引き出す。作家としてプロとして完璧だ。 そんなカポは一家4人殺人犯という「極悪人」を「同じ家で育って裏口から出て行ったやつ」というふうに認識して会いに行くわけです 彼は「最悪の冷血」のなんたるかが知りたい。正体が見たい。そして、彼の目的は「スミスに事件の詳細と動機をしゃべらせること」となり、ひたすらその「お宝」に焦点をあててカポの人生は集束していくのです。 何年もの努力や嘘の甲斐あって、ついにスミスは語ります。「動機は金」「殺したのは相手も殺されると思って怯えていたから」。…。 この時点でカポの頭は点になってしまったでしょう。殺したのは、「すでに仲間と強盗に入ってしまった」という事実と「相手が怖がっている」「自分は凶器を手にしている」という「お膳立て」が揃っていたから、だというのです。何年も待ち望んだ答えが、「ゼロ回答」だったのだ。 というか、スミスという男は「悪魔」というほど立派なものでは全然なく、ヒコックもそうで、カポにとっては「お宝を求めて飛び込んだら、中心部は空洞だった」というようなもの。 「悪魔のような所業」が「ぜんぜんしょぼいチンピラ」によって「成り行き」で行われたという。それはどういうことなのか。4人も惨殺した犯人がそうでなかったのなら、ではカポの求めてきた「ホンモノの悪」「最悪の冷血」はいったいどこにいるというのか…。 そして「悪魔の正体」が見たくて今までカポがしてきた二枚舌外交はなんのためだったのか。それに騙されて「アミーゴ」と呼んで死んで行くスミスに対し、どんな落とし前がつけられるというのか。「僕の見込み違いだったよ。求めていたのはキミじゃなかった。」などと今さら言えない、死刑の前に。 目の前には、死刑を前にしてカポを気遣う「成り行きで死刑囚になったしょぼいチンピラ2名」、そうして、カポは情けなくてむなしくて泣くしかない…。 カポは最期まで嘘をつき、スミスたちは感謝したまま死ぬ。やつらこそ「冷血」のはずなのに、まるでこれではカポが糾弾されているように見える。…。 [DVD(字幕)] 8点(2008-12-03 20:13:22)(良:2票) |
5. 感染
《ネタバレ》 「恐怖」について誠に的を得た説明をされていたのはザ・チャンバラさんだったと思うが、日常の中に潜む非日常が徐々に日常を侵食していくさま、というのがやっぱりホラーの醍醐味かなあ、と私なんかも思う。多くのホラー作品も、それを心得て作られるのが常である。 でこの「感染」というやつは、いきなり「非日常」から始まっちまう。「平和で健全な病院ライフ」というのが、もう、最初っから存在してないとこにもって、もうひとつの「非日常」をぶち込む、という離れ業に出るのだ。ある意味すごいのかもしれないし、「実験」という言葉も浮かぶ。 院長が逃げて、病院経営が立ち行かなくなり、もう明日をも知れない、という低空飛行から始まって、「もっともっと」低いところまで観客を引き摺っていかなければいけないのである。「落差」が作りにくい状況なのである。 まあ、最初から低空飛行しなければいけなかった理由は、医療ミスの発生し易い状況を作りたかったとか、なおかつそれを隠匿しなければならない状況にしたかったから、というふうに考えられるが、しかし、「平和で健全な病院ライフ」からスタートしたとしても、別の演出でそれは可能だったんじゃないかな…と私は思う。…「明」から「暗」ではなく、「暗」から「特暗」へ、という、作り手の目途したところは「通好み」というか、なんというのか。そのへんに特殊なものを感じた。 ホラー映画としては、急に後ろに人が立っているとかを何回も使うのはもう勘弁してほしいと思うが、全体としては話の省略の仕方とか、秋葉医師の時計など小物の使い方は悪くない。俳優陣も高嶋弟以外はまずまずの出来と思う。私は南果歩のブキミさが結構気に入った。 オチへの突然の持って行き方も、悪くない。「アザーズ」と似ているな、と思ったけども。 なんというか邦画ホラーのレベルアップを感じた作品。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-08-13 17:53:41) |
6. 隠された記憶
《ネタバレ》 うううん。 どうなっているんだ。 頭がこんがらかって大変だ。 てことはー、あいつがあいつに頼んで団地の部屋で父ちゃんには知られず隠し撮りしてたってこと?てことは、自分の父ちゃんが団地に行く日を感づいていたわけ? そんであいつはテープを撮って渡していただけってこと? てことはあいつは父ちゃんに会ってもらって一言でも謝って欲しくて、それでやったのよね。 ビノシュがピエールとカフェで話していた内容が全然分からない。 カフェの会話だけでもせめて英語ならと、字幕の解読に挑もうとしたら日本語字幕しかないし。奥さんていったい誰の奥さんよ。日本語字幕の人!ほんとにあの訳でいいんですか。責任とってよね。 この映画は、ラストの実家の庭のシーンが最もインパクトがありますね。 あんな遠景からワンカットで、音楽もなにもなく、すごい映像だね。こんなのあんまり見たことないな。間違いなく車の中で、手足を縛っているよね。「縛っているな」というのを「見せずに」、観客の想像力だけで表現してしまう、ハリウッドの監督なら間違いなく車内の手足のカットを手ブレで見せるだろう。 またここのシーンは、人種・階級間の力関係、「彼らは何をしてきたか」を固有の登場人物を超えて普遍的なものとして表現している。そこんとこが、すごーい。うまーい。 「何も覚えていない」から「俺は何もしていない」になり、「俺のせいじゃない」になり、「俺は悪くない」になるという、まるで犯罪者の尋問のようなジョルジュの情けなさよ。どうです、この徹底的にずるくて弱い一人の40男の姿。 やましさのあるジョルジュに比べ、アルジェリア人のの表情の穏やかなこと。たった一言、「あの時は悪かったな」とどうして言えないの。ジョルジュの愚かさがとても悲しい。たぶん、その一言で相手の心は少しは癒されたと思うのです。確かに俺にとってかけがえのない、たったひとつの天国へのハシゴを蹴落としたのはお前だ、でもほんの子供だったんだし、お互いの立場もいろいろあったしな。もう40年も前のことだ。そう思ってくれたかもしれないのに。 同じ「子供の頃の悪事によるやましさ」を描いた「ファイナルカット」を思い出しますが、もちろんあんな駄作とは雲泥の違いだ。やはり映画とはどこまでも〝人間をどう描くか〟なのでしょうか。 「衝撃のラスト」のとこは、一回早送りで見てみると分かりやすいです。 [DVD(字幕)] 8点(2006-10-07 22:42:37)(良:1票) |
7. カリートの道
《ネタバレ》 これは10点つけるしかない。 なんてことだこれを見ていなかったなんて。 脚本演出キャスト音楽全部すばらしい。(音楽のジェリービーンは昔マドンナと組んでた人ですね。この人の音は昔から快い。) デパルマは、全編通して「くくっ」という笑いとともに作っているんですね。それは「ガハハ」でも「フフフ」でもなく「くくっ」である。どうですこの散りばめられたコントの数々。しょっぱなから「レンタカー屋はあまり殺されないから」って決めセリフで「笑」。だいたいペンの髪型からしてバカにしてます。昔の栄光も陰が差し、ムショを出てから次々に昔の仲間が現れてはカリートを裏切る。裏切らなかったのはサッソだけ。そして最も信じていた相手に裏切られて死んでゆく。これは意図的に「笑い」を演出しなければ「悲劇」でしかないわけです。それをデパルマはあくまでも乾いた笑いを基調にテンポよく見せていく。なんという匠の技。 ここに出てくる暗黒社会の男たちは皆可愛くてアホに撮られている。特にカリート、なんて可愛くてアホな中年男性なんでしょう。 構成も絶妙といえます。「俺はしぶといから死なない。」のプロローグから、「OKボーイズ、もう助からない」のラストまで。「あっこいつは死ぬわけね。」と最初から分かっていたのに、カリートの人生を垣間見た後では、ウルウルしないではいられないラスト。まさにマジック。(同じ場面でありながら、最初と最後で見る者の気持ちが完全に変化していること、これを味わわせるためだったと思う。) スコセッシ、コッポラの両巨匠の撮ったヤクザものよりこちらのほうがはるかに洗練されていて完成度が高い。カリートが「勘」を頼りに生き抜いてきたというのがリアリティを感じさせる。デパルマはすごい(のも撮る)。 ペネロープ・アン・ミラーはニコール・キッドマンに似ていますね。ドアチェーンごしのラブシーン、明らかに「シャイニング」のパロディーと見た。こんなとこでまで遊んでいるデパルマ、イケている。 パチーノがプエルトリコ系移民というのはどうみても無理があるけどそれも「洒落」なんでしょう。このとき何歳だか知らないけど後半パチーノを無茶苦茶走らせるのもデパルマ流の「洒落」ですね。 つきぬけた名作。大拍手。 [DVD(字幕)] 10点(2006-08-09 12:54:36)(良:3票) |
8. 回路
《ネタバレ》 なんだか他の方のレビューをずっと見ていくと、とても同じ映画のことを言っているとは思えなかったりして、なかなかオツですね。ここまで観る人によって感想が違う作品もめずらしいですね。「CURE」のあとに見て、「まことに分からない」と思って投げていましたが、もういちど見てみようかという気にもなりました。→再鑑賞後。前よりわかった。「孤独」と「コミュニケーション」について、くどくどくどくど言ってる話だったのですね。べつに幽霊出さなくたって「孤独」と「コミュニケーション」は表現できるけど、あまりにも「説教くさー」で「ベタ」なものを作るのは趣味じゃないわけね。こいつはホラーではないわな。幽霊出してるけど、やっぱり説教くさい。それと、皆さんがあまり書いてないことをひとつ。「春江」→家族との関係も冷え冷えでもともと孤独な女 「川島」→なんとなく行きがかり上人を助けてしまう男 「ミチ」→いつも他人を助けることばっか熱心な女、の順で「人を助ける熱心度」が上昇していくわけです。そして、死んでゆく順番も同じなのです。川島は、春江を助けようとしていたときは無事だったけど、死なれてショックで撃沈。ミチは常に他人の心配ばっかりしているから無事だけど、川島が去った後はその対象がなくなり、役所に思い入れを抱ければ今後も無事かもしれんが、死んでいく川島を「最後の友達」と言っているところを見るとそうでもなさそうだ。役所はミチらを助けたばかりでなく、「南米に生きてるやつがいたら船に乗せる」なんて言ってるから、やっぱり人助けが大好きで、無事なのであろう。幽霊はひたすら「助けて助けて」としつこいが、結局彼らを孤独から救う方法は無いので、代わりに生きてる人間を助けることで、生き延びることになっているみたいです。私なんて間違いなく秒殺だ。ラストで役所が割舌もはっきりと「君たちのしたことは正しかった」なんて言うけど、「たとえ助けられなくても、助けようとしたことが重要だ。」てか。なんだなんだ。この説教くささは。しかしまあ、「孤独」と「コミュニケーション」の答えは「生きてる人間は助け合え」だってよ。ありがちなテーマをよくもここまでひねくれたやり方で見せるものだ。黒沢は屈折しすぎている。 [ビデオ(吹替)] 7点(2006-01-12 23:16:41)(良:1票) |
9. 火山高
《ネタバレ》 確かに「緑」な画面であった。しかしそれはどちらかというと「苔」方向の緑なのであった。 内容は18歳以下向けなんじゃないかなと思った。あの竹刀持った女の子は宝塚でもイケると思う。なんだかこれ以上言うこともない。 [DVD(字幕)] 5点(2005-12-24 23:52:10) |
10. カル
《ネタバレ》 韓国の男性はハードボイルドで渋くてイケている(人もいる)ということがわかったこと、女の子の住んでる部屋が、広くて天井も高くてとても日本人のOLには住めそうにない部屋だったので、「日本は追い越される」という天からの声(危ない)が聞こえたことが収穫でした。謎解きを要求されるのは好きじゃないよ。映画としての役割を投げてないか?村上春樹の(嫌い)小説じゃないんだからー。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-12-23 19:56:08) |
11. カストラート
《ネタバレ》 フロにつけて去勢される場面がグロいなー、と思ったことを思い出した。カストラートが存在するというのは、時の支配者の権力の強大さを示していますね。中国だったら宦官は、皇帝が偉大だから成立したというわけですから。男であるとも言いきれず、かといって女でもない、そういう人間の人生とはいったいなんなのじゃ、ということでしょうか。自分からオカマになったのと違うからねえ。カストラート役の俳優さんは、もっと骨細でキレイな人にできなかったのでしょうか。男性器を取ると、(どの程度とってるのかは不明だが)肌が美しく、ヒゲが生えず、ハゲず、体が丸みをおびて、そして敏感で繊細になるという。(「宦官」のうけうり)そういう感じの俳優さんじゃなかったんだなー。男であたりまえと思ってる皆さんは、人生で一回くらいは、自分が去勢されるところを想像していただきたいものです。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-12-17 23:47:15) |
12. 彼と彼女の第2章
《ネタバレ》 貴重なデブラのラブコメ。なかなか楽しめる。ビリークリスタルを見るといつも「?」と思ってしまうのは私だけ?「かっこいいのか?」背は低いし、頭は薄いし、とくに美男でもセクシーでもなく。ティムロビンスと同じように「主役?」と思いつづけて見ているのは多少の「痛」感あり。主役の俳優さんに多くを求めてはいけないの?主役には「見ているだけで喜」を求めてしまうんですが。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-12-14 21:16:44) |
13. 影武者
《ネタバレ》 「夢」の後にふと思いついて見てみた。クロサワに対する知識はあんまり無いところが、我ながらあっぱれかも。だから、「深作」とどっちが面白いかなー、というノリで見たりする。 これは楽しめた。しかし、私が楽しめたのは、「信長」と「家康」の場面ばっかりで、「わー、本物ぽい」と喜んでいた。うん、隆大介にはびっくり。この時まだ若かったんだよね。家康も、「本物はかくあったであろう」と大喜び。二人のミーティング場面では、お茶目な蘭丸もいるし「ほんとにこんな感じで会ってたかもー」とさらに喜ぶ。しかし、しかーし、仲代のところは全然楽しくないんだなー。突然舞台劇を見せられてるようで。クロサワさん、仲代使うのやめませんか、ってもういないけど。 [DVD(字幕)] 8点(2005-11-25 22:42:21) |
14. 完全犯罪クラブ
《ネタバレ》 DV夫から逃げて警官になるって、ありかなあ。 [DVD(字幕)] 7点(2005-11-23 20:22:27) |
15. ガンシャイ(2000)
《ネタバレ》 「浣腸の女王」としていきなり登場するところがよい。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-11-23 20:18:16) |
16. ガタカ
《ネタバレ》 活動しまくるイーサンより、こもっているジュードロウに存在感あり。 立ち姿がないところも、「どうなってんの」と期待をもたせてよし。この作品てヒトラーに対するアンチの意味もあるのか?ヨーロッパ人でないのでわからないが。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-11-23 13:29:32) |
17. カジュアリティーズ
《ネタバレ》 ベトナム戦争映画を見る時は、監督による味付けの差を観察しましょう。 これはまた、リドリーとは違った後味の悪さである。女の人を「物」扱いしてるシーンは、映画においてはもうやめてもいいんじゃないか。見て何が楽しい。「そういうことがあったみたい」と分からせるだけでよいではありませんか。女性の皆さん、もっとそういうこと言ってみませんか。 [DVD(字幕)] 4点(2005-11-15 20:54:10) |
18. カジノ
《ネタバレ》 長くて大作のために散漫な印象はありながら、シャロンストーンのためにコメントの価値あり。なぜか酷評されやすいシャロンではありますが、私生活や裸のことなんかどうでもいいじゃありませんか。アクターズスタジオのインタビューで一番胸に残ったのが彼女でした。私は「カジノ」のシャロンは買います。なぜなら、この長い作品で記憶に残ったのが、毛皮姿ではいつくばって、「どうやってあんたのことなんか愛せるのさ、犬みたいに扱われてるっていうのに」と叫ぶシャロンのみだったからです。あそこのセリフまわしがすごい。鬼気迫るとはこのことか。あれだけでもう、シャロンがダメな女優なんてとても思えない。私は「トータルリコール」でも、脇役だけどとてもよいと思いましたよ。大変知的な女性だそうです。 [DVD(字幕)] 7点(2005-11-06 22:59:18)(良:1票) |
19. 彼女の恋からわかること
《ネタバレ》 点数関係ないような気がする作品ですが。なんともいえない後味でした。 印象に残ったのは、「アーティチョークファイト」の話。あんまり見かけない女優さんだけど、すごくセクシー。「ものすごく暑い家に住んでて、外に居たほうが涼しかった」とか、前夫の悪口とか、自分も見てしまったかのように心に残る。さすが女優さんはひとり語りもすばらしい。と感心ひとしおの一作。 [DVD(字幕)] 8点(2005-11-02 23:43:01) |
20. 彼女を見ればわかること
《ネタバレ》 大好き。そのうち買います。一番気に入っているのが、小人症の人の出る話。あんな短い話なのに、強烈。おばさんと小人症の人の、ちょっとすれちがってるコミュニケーションがものすごくいい。庭から忍び込んだら、扇風機まわして昼寝しているところがいい。なぜだか天国のように美しい。生意気な息子とのやりとりもいい。小人症の人の人柄のよさに、目まわりはウルウル、じーんとして、生きる希望がわいてくるから不思議な作品です。こんな男の人なら、小人症でも結婚したい。視聴後感ものすごくよし。(この話だけなら) [DVD(字幕)] 9点(2005-11-02 21:44:07)(良:1票) |