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プロフィール
コメント数 173
性別 女性
ホームページ http://stern-sanchi2.cocolog-nifty.com/
自己紹介 レビュワーになって丸15年が経ちました。

14年目の去年のレビューは0件、コロナ禍とはいえ映画館にも行かなかった1年でした。

「もうここにレビュワーとして参加するのも卒業かな…」なんて思っていたところ、過去に投稿した拙レビューに「良」と投票してくださる方々がいまだにいらしたことを知り、無性にうれしく思ったものでした。
こんな想いを抱えたままではまだまだやめられないな、と…

そんなわけで相も変わらずのぼちぼち参加ですが、
今年もどうぞよろしくお願いします・・・

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1.  影武者
ああ長いですね、本当に長すぎ。どうしてこんなに長々と起伏のないストーリーを撮ってしまったのでしょう。  現代において「重厚長大」とは、裏返せば「鈍重」「冗長」「もったいつけ」と同義でほとんど褒め言葉にはなっていないのに、この巨匠はかくも「重厚長大」な大作を撮ってしまったのですね。 黒澤監督という人は、そういう機微をよく知っていて、こういう面白みの無い超大作を撮ることを一番嫌がる人のような気がしていたのですが……残念です。
[DVD(邦画)] 5点(2010-10-04 17:51:18)
2.  崖の上のポニョ 《ネタバレ》 
前半はいいと思ったのですよ。ま、あのお母さんの運転ぶりにはびっくりしましたけど、それもジブリお得意の手法ということで許容範囲かなと思いましたし。「ああ、あの名作「トトロの世界」が海を舞台にくりひろげてられるのかな」とわくわくしながら思ったわけなのです。 でもなぁ……リサがあの老人ホームに一人行ってしまい宗介とポニョだけが残されたその後の展開が私にはどうにも退屈で。あーあやっぱこんな話になっちゃうんだなと少々がっかりしてしまいました。 一言で言えば「押し付けがましい」んですよね。つまり、なんとなく宮崎監督はいろいろなもの(たとえば不機嫌な赤ん坊とか、ホームのご老人たちの足の回復とか、)を描くことで言いたいことを仄めかしているんだろうなとは思うんですけど、そのあたりのさりげなさや巧みさがなくて、不明瞭だったり鼻につかえたりして、正直うっとおしいんですよね。 そりゃ、この監督にはもうラピュタやナウシカみたいなハラハラドキドキの娯楽ストーリーをつくるつもりはもうないにしても、可愛らしく無垢な少年少女の普通の様をことで、こころをほっとさせるというトトロ路線はまだアリなんじゃないんでしょうか。余計な主義主張を盛り込むよりも幼子の様子をとことん緻密に描くだけでも、ジブリなら素晴らしい作品を生み出すことが十分可能だと思うんですがね。 だいたいどうもこの監督の作品は近年ずっと、言いたいことが空回りしすぎな傾向があるような気がしてなりません。「(千と千尋…」でそのドツボから抜け出せたかなと思ったんですが、思ったより深いドツボだったんですね。まだまだ「自分の言いたいこと」にとらわれすぎている気がします。) ま、「ポーニョポーニョポニョさかなの子」ってのぞみちゃんの可愛い歌が聞けただけでもいいのかも。コレのCD欲しくなっちゃいました。 この主題歌ぐらい(大人のための)お子様映画に徹したら、この映画ももうすこしいい出来になったのかもしれませんね。 
[映画館(邦画)] 5点(2008-08-04 17:11:53)
3.  カッコーの巣の上で 《ネタバレ》 
不思議な爽快感・・・この映画のラストを観て感じたのはそういうものでした。正直それにいたるまでのマクマーフィの反抗だの婦長の圧制だの患者たちの悲哀やそれを跳ね返すらんちきパーティーだのはそれほど心に来るものではなかったし。(うーん、というかこの映画がオリジナルなんでしょうが、精神病院を舞台にしたその後の映画でもこういうものは散々描かれてしまっているがゆえに斬新さが失われてしまっただけなのかもしれませんが。) でもねえ。あのラスト、ありゃこの映画を名作たらしめるのに少なからぬ貢献をしていると思います。ほんの数分前には「もぉのすごぉぉく後味悪い幕切れ」にしかなりようもなかったのに、起死回生の逆転ホームランをかっ飛ばしたかのごとく大空にスコーンとぬけるチーフの脱走シーン。ああ、これを観るために私はいままで2時間ここで座り続けていたのだな、そしてこの2時間は決して無意味なものではなかったのだな、と実感した瞬間でした。すみません、人間の尊厳とか体制を維持する必要性とかその間のバランスの取り方とか多分いろんな要素が含まれている素晴らしい作品であることは数々のレビューからも知ったのですが、私はそういう思想的なものよりもより具体的なこの映画の手法に一番舌を巻いてしまいました。 そういう意味では昨夜のような日曜の夜でも鑑賞に堪えうる作品だったかな・・・と。よかった、です。 
[DVD(字幕)] 7点(2008-01-21 15:05:22)
4.  かもめ食堂
いろんなクセのある人たちが出てきては、ダラダラと有りりそうで無さそうな日常が続いていく。その背景には、北欧ってのはこんなデザインの国なのか?という無機質で清潔感に満ちた厨房。食堂にはうすら寒さが伴うほどの生活臭皆無の空間が繰り広げられる。実際こういう映画は癒し系に有りがちだし、一歩間違えればよくある陳腐なモノに陥っちゃいそうなんだけど、この映画がそうはならないのは、やっぱ料理シーンがあるからなのではないでしょうか。 私は主婦なんで、お弁当や休日のお昼などにおにぎりや塩鮭や玉子焼きをつくるときはありますけど、こんな風に落ち着いてしなやかな手付きで手際よく料理ができたことなんかないんですよね。私が言うところの料理っていうものはもっとバタバタごちゃごちゃしていて、作っている人間を少なからずイラつかせるようなもの。そりゃあんたが素人だからって言われればそれまでなのかも知れませんが、一見素人っぽいサチエさんが実に鮮やかな手つきで料理を仕上げていく様は、まるで魔法のようで・・・それは完全なる虚構の世界でのことなのです。 ひょっとしたらこの映画の醸し出す不思議な雰囲気は、私達の知らない異国フィンランドが舞台だからなのでも、3人の女性がいかにもっていうキャラだからなのでもなく、この虚飾に満ちた小奇麗な料理の手付きによるものなのかもしれません。もちろん狙ってやったことなのでしょうが上手いモンですね。まさにマジックっていうか・・・こんなふう感じるなんて、要は私もツボにはまったクチってことなんでしょうが。 ま、私みたいにお料理番組で先生の手付きにみとれるような人にはおすすめの作品ですね。そのほか癒しのストーリーやクスッと笑いを誘う小ネタ、北欧の森の美しさなどは正直どうでもいいって感じですけど・・・ 
[CS・衛星(邦画)] 6点(2007-11-14 17:05:32)
5.  會議は踊る 《ネタバレ》 
お恥かしながら私の青春の思い出の映画です。ホントにこのロシア皇帝にはぞっこん惚れ込み何度教育テレビを録画したそのビデオ鑑賞したか知れません。そして「ただ一度だけ」のドイツ語歌詞が某ドイツビアレストランでゲットできたときの喜びときたら!本当に嬉しく、会社からの残業の帰り道、または自転車に乗りながら、何度も何度もひとり歌ったものでした。~♪Denn jeder Frühling hat nur einen Mai~・・・ほんとだよ、クリステルあんたの歌うとおりさ、「逝く春」は誰にもとめられないんだよね・・・そしてその「人生にただ一度だけ起こること」がラストに終わりに告げる。ああ70年以上前の映画とは思えない初々しい感情を私たちに伝えてくれるこのドラマ、時代考証とかいろいろ突っ込みどころは満載だけど・・・それでも大好きです!!
[地上波(字幕)] 10点(2007-10-18 17:31:34)(良:1票)
6.  彼女を見ればわかること 《ネタバレ》 
うーん、出だしは良かったんですけどねー。ちょっとありきたりのオムニバスになっちゃったかなって印象がどうも拭えません。 少数派かもしれないけど私が一番好きだったのは最初のグレン・クローズの話なんです。(「えっ話なんかないじゃん!」ってツッコミが入りそうですが。) シンとした室内で介護を黙々とする彼女の姿とかキャリスタのたどたどしいカードさばきとか暖かそうな外気と違った室内の沈としたでも暗くはない空気とか・・・あーこの映画いいわー気持ちいいわーと思って観ていたのです。 で、続いてホリー・ハンターの話も手相云々だし、ああ、これはこういうの妖しげな心地よい雰囲気をうむ「占い」がらみのオムニバスなのかなと勝手に思い込んだんですよね。しかし実際は・・・残念です。あとはこういうオムニバス特有のアンニュイないつものパターンになっちゃったですね。 いやーオムニバスって難しいね!でも最後の話はお姉さんの刑事さんの笑顔に救われた気がしました。 余談ですがこれ、ダンナのいないときに一人で観ました。一緒に観なくてホント良かったと思いました。男の人はこういう観るのツライでしょうからねぇ・・・
[DVD(字幕)] 5点(2007-03-16 13:20:47)
7.  カサブランカ 《ネタバレ》 
実はこの映画、ボギーもバーグマンもついでにラズロ役の彼も全然いいとは思えなくって・・・「あー一体どこがいいのかわかんないよぉ、もうっっ!」って思ってたのね。で、ダラダラ観ててラストになった。・・・わかったよ、この映画の唯一観るべきところが。あの署長さんなんだね。あのラストのためにそれまでのつまんなさは忘れてあげる。それだけ印象的だったよ、大好きだよ署長さん!
[地上波(字幕)] 5点(2007-01-25 15:14:13)
8.  風と共に去りぬ 《ネタバレ》 
コレ、大好きな映画です。最初は小学生のときうちの地上波テレビ放映で観て、やや成長してからはパンフ欲しさにリバイバル上映にはるばる都会までやってきて2回も続けて観てしまいました(計8時間!!さすがに2回目はラストまで観ることができずメラニーの死のあたりで体力の限界を知り席を立ちましたが・・・)それほどに好きな映画、だから世の中のひとも皆同じなのかと思い込んでいました。だから「ただのワガママ女のご迷惑人生映画じゃないか!あのラストは当然だよ、ザマーミロ!」という人もいるということを知ったときのショックたるや―しかもそれが我が夫もそのひとりだったとは・・・男の人には意外とウケ悪かったんですねー(・・・シュン) でも、そんな自己チューを煮詰めて固めておまけに磨きを掛けた濃縮エキスみたいな女スカーレットが何故にこんなにも多くの女性たちに愛されるのかってのは、彼女の恐ろしいほどの生命力のせいなんだと思うのですよね。だって、こんなふうには生きたいと思ってもなかなか生きられるもんじゃない、現代だってそうなのにおまけに19世紀の封建的なアメリカ南部でですよ。こんなにも壮絶な、世間の風評による自滅すら恐れぬほどの徹底的な自己チュー、道徳的善悪すら超えたその強さ・純粋さに人は無条件に憧れの思いを抱くものなのではないでしょうか。 もっとも初めてこの映画を観た少女の頃は私も、貴婦人の中の貴婦人であるメラニーこそ自分の理想だと思っていました。目指すべきはこういう女性だと・・・しかしン十年後の今、メラニーどころかスカーレットはもちろんのこと、インディア(アシュレの妹=いわゆる並みの意地悪役)にだって届いているか・・・せいぜいプリシー(役立たずの奴隷娘役)あたりをウロウロしている自分にこっそり涙する今日この頃、なのであります・・・(んでもプアホワイトのエミーはよりはマシになったかも?)
[映画館(字幕)] 9点(2007-01-23 14:18:34)(良:1票)
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