1. ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3
《ネタバレ》 ★ほかのマーベルにはない軽いノリがいいんだけど、今回はちょっと重たい内容だった。 ★不満はいくつか・・・あれだけしつこく「おれはアライグマじゃねえ」と言い続けてたアライグマが結局アライグマだった。まあ設定観たらアライグマって書いてあったのでしょうがないけど。 ★ロケットのまだ可愛かった頃の過去話。ハイ・エボリューショナリーにハンパに改造された「ガラクタ」のような動物たちの姿はちょっと見るのが辛い。 ★さらに、カウンターアースって結局ただこいつの気まぐれで作られて気まぐれで破壊されただけですか?住人達善良そうだったのに・・・ひどくね?ほんとにこいつ有能な科学者なのか? ★重傷負ったロケットを助けるために仲間が奮闘のストーリーってのはいいけど、そのためロケットが現実世界でほぼ寝てただけになっちゃったこと。もう少し「いつものヤサグレキャラ」だけでない実はタダモノじゃない能力全開ってのやってほしかったなと。★あいにく洋楽には疎いので、まあ「虹を追い続けて」とか「子犬の~」とか「バッドランド」とか聴いたことあるな~くらいは。でもその音楽も含め、冒頭にも書いたようにほかのマーベルにはない軽いノリがいいんですよね。これで終わりなの?またやってほしいな、コラボじゃなく単独でね。 [映画館(字幕)] 7点(2023-05-30 22:02:27) |
2. カメラを止めるな!
《ネタバレ》 ★映画がメジャー館で広まったあとですが、雰囲気を大事にしたくて、なるべく小さめなスクリーンで鑑賞しました。あと、もう極力予備知識は仕入れないことを心がけて。(だからココも含めレビューらしいものは一切見ず) ★とても面白かった。最初は何この安っぽい映画、と思ってたが、怒涛の展開に引きこまれ、途中雰囲気が変わってあれ、となり、若干ダレると思いきや、ああそうか、とまた引きこまれ、最後は笑いと感動(大げさなもんじゃないですよ)でthe endとなる。 ★脚本がよく練られてて、しかもちょっとした(いやちょっとしてないか)仕掛けがあり、それが面白さを倍加させている。こういう映画は前にも会ったと思うが、ちょっと思い出せないです。もちろんその仕掛けがなくっても下地的に面白いし、勢い地味になってるけど、あんな作品でカメラの長回しもよくやるなあと感心します。 ★ただこの手は何回もは使えないでしょうね。次作がどうなのかは楽しみです。 ★低予算でこれだけ面白い作品を作りあげた監督さん始めスタッフの方々に敬意を評して、10点にしたいです。 ★この程度でもネタバレになるかなあと思って「ネタバレ有」にしときました。とにかくこれから見る人は極力予備知識なしで! [映画館(邦画)] 10点(2018-08-19 10:08:12) |
3. ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス
《ネタバレ》 ★西洋人って、SFファンタジーみたいなジャンルで「壮大な法螺話」って言うとおしなべて「神(またはそれに近いような存在)殺し」っていうテーマに行っちゃうのかなあ。最近そんな感じのストーリーやけに多くないか?★まあ本作はそもそも「銀河の守護者」のお話なんだから、相手がどれだけ巨大でもノリで倒しちゃうってのが面白いとこなんだけど。それにしちゃ弱いよね。時空を超えて幾多の星を(変なぐにぐにで)襲う能力ありながら。全宇宙の生命体を滅ぼそうとしてたんでしょ?★ああ、よく考えたら今回はあんまりノリでおふざけのうちに解決しちゃった風じゃないよなあ。ちょっと真面目なストーリーだった。いや、エピソード一つ一つはお馬鹿なんだけど。★ロケットの「構って」な理由で電池を盗んだのが騒動の発端でメンバーの危機、最終的にはヨンドゥが命を落とすのは今ひとつ釈然としないが、最後彼がドラックスにほだされてポロッとしたとこなんかは良かった。ただ全体的に家族の絆みたいなエピソードが多くて、2作目にしてそこ(落ち着いた話)へ行っちゃうのかなあという気もする。★と文句も書いたが全体的には面白かった。ロケットが海賊を一人で翻弄したり、ヨンドゥが口笛を吹きながら裏切り者達を蹴散らしてくアクションシーンはとてもカッコいい。テンポよく、エピソードてんこ盛りな割にはだらけないし、ほかのマーベルにはない軽いノリがいい。ベビーグルートが爆弾を仕掛けるクライマックスは、(ふつうならそれまで間違いだらけだったんだから)「うまく行き過ぎ」と白けるとこだが、逆に「もうご都合主義でいいから上手くいってくれ!」と思ってしまった(笑)。スタローンにカート・ラッセル、デビット・ハッセルホフまで出てきておじさん世代には涙モノ。ついでにナイト2000(キット)も出てくればよかったのに。★おそらく次回作もあるのだろうが、あんまり真面目にならずに、あくまでもおふざけで楽しい、ちょっとだけほろっともできるエピソード挟む、結果的には宇宙の危機を救っちゃった、ってなお話を期待します。 [映画館(字幕)] 7点(2017-05-28 21:14:24)(良:1票) |
4. 風立ちぬ(2013)
《ネタバレ》 ★風立ちぬ(原作)は読んでないし、堀越二郎の詳細は知らないけど、大雑把な印象では半分伝記物、半分ファンタジーという感じ。そこかしこに過去作の雰囲気を感じる箇所がある。言うなれば、獣人の出てこない「紅の豚」、妖精の出てこない「となりのトトロ」、魔法使いの出てこない「ハウルの動く城」といったところか。 ★というわけで監督初の実話物だけど、話のすじは別に難しくないし、恋愛関係を含む人間関係の機微もそんなに深くはない。かなり小さい子はだめだろうけど、小学校高学年くらいなら問題なく観れると思う。逆に大人こそ、(すべてに理を求める傾向のヒトほど)のめりこめないんじゃない?基本的に監督の趣味全開だし、自分勝手な主人公とヒロインを(いろいろ周りで事件はあるものの)結構淡々と描写してくだけの流れだから。 ★公開前にあんなことがあったんで、どんな内容かと思ったが、別に戦争賛美でもないし逆に反戦のハの字も出てこない。航空機技術者がみんな夢想家なのかは知らないが、少なくとも(劇中の)堀越に取っては戦争も関東大震災もほとんど一緒でどうしようもない抗いようのない「時代」だったということかな。で、ひいてはそれが宮崎監督の立ち位置ということなのだろう。 ★堀越の声は別に違和感なかった。そもそも変人だし。普通のヒトだって(恋愛状況だろうが危機一髪時だろうが、案外)プロの声優みたいに「演技」しませんって。別に自分は声優否定派じゃないですけどね。 ★あとタバコも別に目くじら立てるほどでは。だいたいあの頃タバコの害なんて認識されてないだろうし、まして受動喫煙なんてね。煙が直接かからなきゃいいぐらいに考えてたんじゃないの。別に喫煙を奨励してるようにも見えないし。外部が騒ぐのはお門違いと思う(騒ぐなら、実際の堀越は喫煙者じゃないのになんであんなヘビスモに描写したのか、と騒ぐべき)。 ★最新鋭戦闘機が牛車に曳かれてたってのは知ってた。ご苦労様なことです。名古屋駅や栄3丁目があんなんだったのか。面影ないなあ・・ってあたりまえだ(笑)。 ★荒井由美の「ひこうき雲」は、確かに合ってるけど、ちょと「軽い」かな、軍歌の時代に8ビートだもん。でもやっぱこの曲しかないな。しみじみしたいい締めでした。・・・レビュー書いてて自分は面白かったけど、万人にお勧めでもないなあ、と思って7点。 [映画館(邦画)] 7点(2013-08-17 14:37:02)(良:1票) |
5. カウボーイ&エイリアン
★久しぶりに観に行った映画がこれか(笑)・・・西部劇もSFも好きなんで、両方合わさったこれにはちょっと期待したんですけど、これか・・・。 ★ストーリーはよくある西部劇ものの悪役をエイリアンに置き換えただけ。別にいいんだけど、もちょっとそれならなんか別にサプライズがあるかなと思うんだけど悪い意味でなし。演出も脚本もすべて馬鹿。登場人物(人じゃないのも含めて)も全員馬鹿。 ★ま、人間は開拓時代の無知なヒト、ってことでしょうがないけど、他の星から来るくらいの科学があるやつらがあれじゃあなあ。例の火星人と同じかそれ以上に馬鹿だぞ。 ★って言うか、ああいう描き方だと逆に「未開な野蛮人」のカリカチュアみたいな印象受けてしまうんですよね。ネイティブアメリカンと共同戦線張る展開はいいけど、これってなんか新しい差別表現かも? ★ハリソン・フォード、ダニエル・クレイグ、いい役だけど、作品選べ・・・普通の西部劇に出ろよ。スピルバーグ、こんなんプロデュースして喜んでんじゃない!ヤキ回ったのか? ★PS.唯一利口だったのはワン公ですね。ひょいひょい誰にでもついてってナツきやがって、なんて節操がない奴。とても西部劇のイヌとは思えん。かわいいじゃないか(笑)。 [映画館(字幕)] 3点(2011-11-18 18:58:50) |
6. カールじいさんの空飛ぶ家
《ネタバレ》 ★冒頭からカールじいさんの家が飛び立つまでのエピソードはとても大人っぽく、「泣ける」というよりも「切ない」。彼が「ひとりぼっちになってしまった」理由も切ないし、「冒険に出かける決心をした」直接の原因も切ない。頭蓋骨の中は目ん玉しかないと思われる萌えなガキキャラがちゃらちゃらと愛だの正義だの自然を守れー!だのレベルの低いことを超音波で喚いている日本のアニメではこんな作品は絶対作れまい。 ★カールじいさんの台詞回しも当然ながら大人っぽく、非常に現実的。このへんも、なんとなくクールで白けたような台詞を吐いてりゃ大人だろうみたいな日本アニメの脚本の低レベルさとは違う。 ★で、この切なさをもっと後半までひっぱってもよかったと思うのだが、これがピクサーの限界か、やっぱりいつものどたばたアクションに戻ってしまった。こうなると、じいさんが妻との思い出の家を守りながら冒険をするのに必死なとことか、外向きの坊主と内向きのじいさんのそれぞれの自分勝手さの軋轢とかむなしさとか、それを乗り越えて心を通わせる過程とか、そういうものが端折られちゃうんですよね。 ★一番びっくりしたのはやっぱり敵役のあのひと。幾つなんだ?しかもカールじいさんもだんだん元気になってしまったが、輪をかけてるし! ★それと最近のピクサーは「死」を軽く入れてしまってるような気がする。妻との別れはあんなにしっとり描写しておいて、最後の彼はあんなんですか?エンドロールでなんかやってくれてもよかったのでは? ★そして最後はカールじいさんが妻との思い出に閉じこもる偏屈なじいさんではなく、子供達とふれあい、現実社会に居場所を見つける、という「大人な」ラストに収束。あ、やっぱり見事か。間の冒険エピソードがなければ、ただのよくある社会派ドラマになっちゃうもんなあ。うーん。評価に困るところだ。 ★動物達はかわいかったです。犬達のあのたどたどしいしゃべり、まぬけさ。鳥さんが犬を「シャー!!」と威嚇するとことか(笑)。 ★段々作を重ねるごとに、「大人」へのシフトにそろそろ無理が生じるのではないかという不安はあるが、それでも凡百の映画とは一線を画すレベルの高さをキープするピクサー。これからも期待したい。 [映画館(字幕)] 7点(2009-12-12 14:02:11) |
7. 崖の上のポニョ
《ネタバレ》 ★シンプルではあるがめくるめくような映像の迫力が圧倒的。特に中盤、ポニョがリサと宗介の車を追って、津波に乗って駆け回るシーンは、大迫力。おまけにワーグナーの「ワルキューレの騎行」ばりのBGMまでかかって、もうにやにや。 ★そういやポニョの本名、「ブリュンヒルデ(ワルキューレの女神達の長女)」でしたっけ。戦死した兵士達の魂をヴァルハラへ送る戦の女神。父神ヴォータンの命に背いたために力を奪われ、眠らされてしまう。しかし恐れを知らぬ英雄、ジークフリードによって目覚め、彼と結婚する・・・意味深ですね。 ★しかし本質的にはメッセージだのテーマだのしち面倒くさいことはなし。ただ一つ教訓があるとすれば、何かを得るためには何かを失わないといけない、ってことか。もちろんこれも対して重要なテーマじゃない。ちゃんと伝わってないなんて野暮な突っ込みはしない。 ★ポニョがかわいくて、宗介が5歳の子とは思えないほどしっかししてて、ひまわりの家のおばあちゃん達も飄々としてて、大人たちの事情もそこはかとなく感じられて、サンドイッチとラーメンはおいしそうで、絵はシンプルだけどデッサンと動きはいつも通りまったく手抜かりなくて、相変わらず宮崎駿の描く異形の者と異形の世界はイマジネーションたっぷりだし(ちょと過去の作品の拝借もうかがえるが)、魔法の金魚姫ポニョと、宗介のお互いの純粋な想いが映画全般にわたってイメージとしてすばらしく表現されていて、それで充分じゃないかなと思うんだけど。 ★物語的に、あるいは演出脚本的に完璧じゃなきゃいや、ってのはそれこそ大人の都合。車の運転しながらアイスなめたり、親を呼び捨てにさせるのに眉をひそめるのも大人の都合(余談だけど、ファンタジーの世界でも悪いことをするのは悪役ばかりじゃないというシーンは、ぼくは逆説的に見せる必要があると思う。しかしながら、宗介はおばあちゃん達のことをちゃんと名前で、さん付けで呼んでるが)。 ★ま、確かにカネ払うのは大人なんだから、大人が(子供向けであるにしろ)納得するつくりじゃないとイヤってのはあると思いますけどね。で、これもちまたの評論家とかの悪評を見て迷ったんだけど、結果的には観てよかったあ、と。ぼくは精神年齢が幼いのですね(笑)。 [映画館(邦画)] 7点(2008-08-17 13:11:22) |