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1.  崖の上のポニョ
「子供のために作った」と言われてしまえば、「子供でない自分はその面白さが理解できなくて当たり前」と無理矢理納得するしかないのか。 監督、本当は違うんでしょ?この支離滅裂な展開や何気ないシーンに、自分の言いたいこと隠してたりして、「気付く人だけ気付けばいい」みたいなことやってんでしょ?…そんな気にさせられる。 だが、しかし、そんな事も結局どうでもよくなってくる。そうやってあれこれ考察して楽しむほど、この作品自体に魅力やパワーが感じられないのだ。2度目を観ることは無いだろう。 とにかく終始、モヤモヤして気持ち悪い。 「素直に楽しめない人はお断り」みたいな顔しながら、すんなり素直に楽しませないこの作りは何なんだろうか。素直に観るということを強要させられてるようなこの気分の悪さが、映画を素直に楽しむことを邪魔している。 肯定派の人の意見の中にも、「これはこうして楽しむもの」と自らを納得させている節が見受けられ、もっと手放しで「面白い」と感じられるものを期待していた自分には、正直、この作品は息苦しい。 そんなに頑張って歩み寄らなければならないのか。少なくとも自分にとってこの作品は娯楽たり得なかった。 しかし映像は素晴らしい。今の時代に「手描き」にこだわって作ってくれた事は素直に嬉しく、その気概と努力に6点献上。
[映画館(邦画)] 6点(2010-02-21 22:55:21)
2.  蒲田行進曲 《ネタバレ》 
自己中心的なろくでなし男、駄目男に惚れては不幸を背負い込む女、主体性のない腰ぎんちゃく男…。互いの心も身体も傷つけ合うような人間は大嫌いなはずなのに、不思議と憎めず、応援してしまう。俳優は3人共、非常に役にハマっていたと思う。 他の方も書かれてるように、階段落ち前夜の暴力的なヤスは、確かに唐突で違和感があった。 しかし「憧れの女優」という遠い存在であった小夏が、共に暮らすうち「銀ちゃんの女」から「俺の女」に変わっていく。 それがいつしか銀ちゃんに対する嫉妬やプライドを生み、そして実際はいつまでも大部屋俳優止まりの自分に対して苛立ちや情けなさを覚え、それらが極限にきて一気に噴出したのだろう。 小夏を愛し、銀四郎を愛するが故に、のっぴきならない所へ立たされ自分を見失いかけるヤス。 しかし結局は「銀ちゃんカッコイイ」と言ういつものヤスに帰り、大団円を迎える。 ラストカットは賛否あるが、「映画は人生であり、人生は映画のようなものである」というメッセージのような気がして、自分は胸にジンときた。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-01-02 03:05:28)
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